有料記事 聞き手・高橋美佐子2024年3月3日 7時30分 タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」やリクルート「ゼクシィ」など話題の広告を手がけてきたクリエイティブディレクターの箭内道彦さん(59)。トレードマークは会社員時代に「これで仕事がイマイチだったらカッコ悪い」と始めた金髪に加え、もう一つ服装へのこだわりがあるそうです。 ジャージーは僕の正装 60歳を目前にした今月30、31日、さいたまスーパーアリーナで大規模な音楽イベントをやります。さだまさしさんやGLAY、サンボマスターなど親交があるアーティストを迎えて、異色ともいえる2グループの組み合わせで化学反応を起こす「対バン」スタイルです。 僕はこんな外見ですが、以前から誕生日をサプライズで祝われるのが心苦しく、ならば自分から先回りして「還暦です!」で言っちゃう方が向こうも楽なんじゃないかと。だから「仕方ないから見にいってやるか」という皆さんの参加をお待ちしています(笑)。 登壇する衣装は真っ赤な「ジャージー」を準備しています。定番のアディダスは3本線ですが、今回は6本線です。60歳だし、ロックの「6」だし、ギターの弦も6本なので。 ジャージーは僕の正装で、「… この記事は有料記事です。残り942文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
輪島市で職員の約8割「過労死ライン」超え 被災自治体の過酷な実態
能登半島地震から2カ月。元日から災害対応を続ける自治体職員の過酷な長時間労働の実態が明らかになってきた。1月の時間外勤務(残業)が「過労死ライン」とされる100時間を超えた職員が、約8割に達した市町もある。 被害の大きかった石川県内では、輪島市で管理職を除く事務職の正規職員計218人のうち、1月の時間外勤務が100時間を超えた職員が167人(約77%)に達した。時間外の平均も約148時間と、過労死ラインを大きく上回った。 市によると、災害対応の中軸である防災対策課の多忙さが目立ったという。昨年1月の時間外勤務が100時間を超えた職員はゼロ、平均は約15時間だった。 市職員の一人は、発災直後は多くの職員が家に帰れず、庁舎の床に寝袋を敷いて寝たり、机に突っ伏して仮眠をとったりしていた、とふり返る。自宅が全壊した職員もいるなか、この職員は「業務優先で頑張ってきた」と話す。 穴水町は集計中だが、町総務課の担当者によると、1月の時間外勤務が100時間を超えた職員は「ざっと8~9割」という。同じく集計中の珠洲市は「1月中旬まで全員がほぼ休めていない。異常な働き方になっている」、能登町は「100時間超えはかなりいる」と説明した。七尾市は100時間超えの職員が471人中128人(約27%)、平均が約84時間だった。 珠洲市などは時間外勤務が増えた理由の一つに「支援物資の受け入れ」を挙げた。道路事情が悪く、物資の到着が深夜や未明にずれ込むことが頻発。避難所へ運ぶための仕分けのほか、安否確認の電話への応答、避難所運営と、24時間対応が迫られる業務も多かった。 各市町とも避難者が当初より減少し、自治体ごとにパートナーを決める「対口支援」の応援職員らも入っているため、2月の時間外勤務は1月より減っているという。 故郷のために働く職員、1カ月ぶりの風呂 自治体職員は、どう支援を続けてきたのか。 「母が無事か確認してくれ」 「親族と連絡が取れない」 発災後、珠洲市職員の鳥毛祥瑛(しょうえい)さん(25)は市議会事務局から総務課へ応援に入った。安否確認の電話が鳴りやまない。「なんで分からんのや!」と電話口では怒鳴られた。安否確認は市民の命にかかわる。緊急時に休みはとれず、12連勤となったこともある。 市役所には小学校の避難所から通った。両親、祖父母と暮らす家は倒壊を免れたが、家の中はぐちゃぐちゃに。市役所まで車で15分ほどの通勤路は亀裂だらけで危険な状態だった。生まれ育った珠洲の復興に力を尽くしたいと、市役所に近い避難所に自ら移った。「家のことはいいから」と両親も背中を押してくれた。 仕事が終われば、避難者と配… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「釜の写真館」思い出も遺影も ユーチューバーと逆の発想が写すもの
「思い出写真」 「証明写真」 年末年始の5日間、壁の板にそんな貼り紙がされたテントが大阪市西成区の通称「三角公園」に設けられていた。無料の「釜の写真館」だ。 カメラを手に希望者を待つのは、奈良県王寺町の石津武史さん(80)。 昨年12月30日から今年1月3日までに延べ225人を撮影。思い出づくりの撮影は200人、25人は証明写真だった。 石津さんは2005年に長く営んできた写真店をたたんだ。それ以降、趣味で下町の撮影を始め、西成に通いだした。 路上でぐっすり寝ている人、朝から酒を飲んで歌っている人。カメラを向けると嫌がる人は多いが、他の地域では見かけない光景を撮影できた。 西成労働福祉センターに集まる日雇い労働者らも撮影した。 そのうち年末年始とお盆シーズンに越冬闘争や夏まつりを実施する有志の実行委員会メンバーと知り合い、自らも実行委に加わった。自分が何か手伝うことができるなら、写真ではないかと思った。 実行委にいれば釜ケ崎の人たちに密着でき、「外の人」には難しい写真も撮りやすくなるのではないか。「少しやましい心もあったが、カマ(釜ケ崎)の人たちや暮らしぶりを知るほど、逆に撮りづらくなった」 以前はほかの街では見かけないコマを狙ったが、釜ケ崎を知れば知るほど、カマの人たちの目線と、「外の人」の目線に違いがあることにも気付いた。 「昼から路上で寝込む人の写… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
贈り物は現金、シャネル… 関電金品受領問題、県職員の証言明らかに
有料記事 小田健司 永井啓子 長屋護2024年3月2日 13時00分 福井県職員109人が同県高浜町の森山栄治元助役(故人)から金品を受領していた問題で、県は2月29日、県の調査委員会が2019年に職員から聞き取った内容を記録した調査票を報道機関に公開した。313人分の調査票からは、受け取った金品の具体的な内容や、一部の職員が同氏を警戒しながらも贈り物を断れなかった経緯が読み取れる。 調査は、関西電力の元役員らが森山氏から金品を受領していたことが発覚したのをきっかけに行われた。県が19年に公表した報告書は職員109人が金品を受け取っていたと結論づけた。報告書の元になった調査票の開示を求めた「市民オンブズマン福井」のメンバーに対し、県は大半を黒塗りにして開示した。だが、23年11月、県が非公表としたのは違法だとする名古屋高裁金沢支部の判決が確定。県があらためて開示をやり直したのが今回の調査票だ。 4年前に黒塗りだった、「元… この記事は有料記事です。残り1057文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自民衆院議員の集会、別議員団体が経費負担 報告書の収支が不透明に
独自 有料記事 五十嵐聖士郎 座小田英史2024年3月3日 6時00分 自民党衆院議員の政治団体が2018年に宮崎市で開いた集会で、別の同党議員の政治団体が経費の一部を負担していたことが朝日新聞の取材で分かった。政治資金収支報告書を見ても集会の実際の収支が分からなくなっており、専門家は「透明性を骨抜きにする行為」と指摘。報告書の記載が正しくないとして政治資金規正法違反の疑いで検察に告発している。 集会は、18年8月に自民党の江藤拓衆院議員(宮崎2区)が代表の「飛雄会」が宮崎市のリゾート施設で開いた「安倍総理との懇親会」。首相だった安倍晋三氏が3選をめざす党総裁選の前月で、参加者によると、江藤氏や安倍氏、官房副長官だった安倍派の西村康稔氏、地元の地方議員ら約600人が参加した。飲食を含む会費は5千円だったという。 飛雄会の18年の政治資金収支報告書では、懇親会の収入として会費の計303万円が記載されている。支出は、同年9月にリゾート施設に約225万円が支払われたことなど、計約258万円が記されている。 一方、西村氏が代表を務める「自民党兵庫県第9選挙区支部」の18年の収支報告書にも、同支部が10月にこのリゾート施設に約180万円を支出したと記されている。名目は「飲食代」とされているが、報告書に添付された振り込みの書類には手書きで「宮崎集会負担分」と記入されている。この「宮崎集会」に関する収入の記載はない。 西村氏側「適正に処理」 朝日新聞は江藤氏側と西村氏側の事務所や関係者に集会が同一のものであるかを取材。江藤氏側の関係者は、懇親会は江藤氏側と西村氏側の「共催だった」とし、「西村氏側から懇親会開催を持ちかけられ、西村氏側が45%を出すということでやることにした」と説明。金額は、江藤氏側の約225万円と西村氏側の約180万円になったという。 この説明によると、リゾート… この記事は有料記事です。残り860文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北の炭都・芦別 戦後の隆盛と衰退の学術本 執筆の前博物館長は急逝
北の炭都として栄え、閉山後に急速に人口を減らした芦別市と、戦後石炭産業の軌跡をまとめた『芦別 炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史』(以下、芦別本)が昨年末に刊行された。学術本には珍しく北海道内外から問い合わせが入る。芦別で炭鉱作業員として生活していた家族らから懐かしむ声が聞かれるという。 芦別に移住し、芦別で働き、暮らし、そして芦別を去った膨大な人たちの足跡――。 芦別本の帯は、そう記される。例えば戦後の労働者不足を樺太引き揚げ者が支えたこと。炭坑内部での仕事や多発した事故の記録や写真。賃金や労組活動。住居や教育、女性の活動……。芦別本は戦後の大量移住から人口流出の間に、どんな人が住んでいて、どんな生活をしていたのかなど、多角的に分析している。 主な著者は、社会学者の嶋崎尚子と西城戸誠・早稲田大文学学術院の両教授と、芦別の博物館「星の降る里百年記念館」の長谷山隆博前館長の3人。国内外の炭鉱を調査する「産炭地研究会」の研究者6人も加わった。 主な研究材料は同館に保存される学校や組織、団体が発行した大量の「○○周年記念誌」だ。嶋崎教授は2021年から、芦別など空知地区の産炭地でゼミ活動を実施。元炭鉱関係者の聞き取りや炭鉱遺構の調査などをしてきたが、同館の収蔵品を「研究者からすると宝の山だった」と表現する。 「宝の山」は1993年に開館した同館で、開館準備から展示設計の全てに携わった長谷山前館長が集めたものだ。住民らが芦別を去る際、捨てずに寄贈したものが多く、中には炭鉱に提出した履歴書や日誌といったプライベートな資料も残されていたという。嶋崎教授は「芦別本は芦別市教委に31年間勤めた長谷山館長の学芸員としての集大成と言っても過言ではない」と評する。 構想から8年。コロナ禍では… この記事は有料記事です。残り717文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
親が知らない高校受験の魅力 中受過熱の東京、都立高はお得な留学も
中学受験(中受)の過熱ぶりが話題になるなか、X(旧ツイッター)で、東京の高校受験の魅力を発信している人がいます。高校受験ならではのメリットとは――。約4万3千人のフォロワーがいるアカウント「東京高校受験主義」の「中の人」で、都内の塾で教える男性に聞きました。 ――なぜ発信を? 都内で高校受験対策などの塾講師をしています。以前から中学受験の過熱ぶりに危機感を抱いていましたが、数年前、中学受験生の保護者に最近の高校受験の現状を話したところ、「知らなかった」と大きな反響がありました。そこで、高校受験の現状をもっと知ってもらいたいと思い、発信を始めました。 ――なぜ大きな反響が? 高校受験や都立高校について、多くの保護者は自分の時代の記憶で止まっていて、意外と最近の状況を知らない。でも、東京の高校事情は2000年代以降、激変しています。 当時の石原慎太郎都知事は「都立復権」を掲げ、高校改革を推進。学区は撤廃され、01年に開校した都立科学技術高など、特色ある学校も増えました。私立や通信制、地方の公立高校に進学する「地域みらい留学」なども含めれば、親世代とは比べものにならないほどの選択肢があります。 海外研修のチャンスに恵まれている ――進学後の選択肢という面では、どうですか? 都の留学支援とは?内申点制度の現状は? インタビューで気になる疑問に答えてもらいつつ、記事後半では都立高校の近年の取り組みについても紹介しています いま、円安の影響もあって海… この記事は有料記事です。残り2419文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
茶褐色の温泉、眼下に青芝のフィールド 試合がない日も魅力の野球場
地下1300メートルからわき出るモール温泉。「雪肌の湯」と呼ばれ、茶褐色の湯は、ほとんどにおいがしない。 ふと視線を動かすと、青々とした天然芝が広がっている。 ホームベースも見える。 【撮影ワンポイント】エスコンフィールドHOKKAIDO 気をつけたのは風呂とグラウンドで明るさが違うこと。まずは、グラウンド側をきれいに写せる露出に合わせた。その後、暗くなる風呂側のモデルにストロボをあてて光を補った。(角野貴之) ここは野球場だ。 札幌市から南東に約20キロ。北海道北広島市の小高い丘の上に、プロ野球日本ハムファイターズの新本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」はある。 目玉の一つが「世界初」をうたう球場3階にある天然温泉。ファイターズの選手が使う浴場にも同じ温泉がひかれており、「選手にも好評」(広報担当者)という。その湯を入場客も体験できる。 覆した「試合がない日」のイメージ 入浴しながらフィールドを一… この記事は有料記事です。残り634文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長野の北アルプス風吹岳で雪崩発生 遭難の2人を救助、8人自力下山
2日午前11時半ごろ、長野県小谷村にある北アルプス・風吹岳(かざふきだけ)(標高1888メートル)で雪崩が発生し、複数の人が巻き込まれたと、脱出した遭難者の1人から110番通報があった。 大町署によると、雪崩に遭ったのは複数のパーティーの計10人。午後1時半ごろ、県警ヘリコプターがこのうち男性2人を救助し、松本市の病院に搬送。この2人は、大阪市東淀川区の会社員(53)と富山県魚津市の公務員(38)。いずれも低体温症で手当てを受けたが、けがはなく、会話が出来る状態だったという。残りの8人は自力で下山した。 同署によると、雪崩は風吹岳の南俣沢付近(同約1400メートル)の斜面で発生した。現地では2日前に大雪が降り、積雪の上に新雪があった。この日は朝から晴れており、日が当たっていたため、表層雪崩の危険性が高まっていたという。 同署は、10人が山中を滑走する「バックカントリースキー」をしていたとみて、当時の状況を調べている。(佐藤仁彦) 長野県北部に雪崩注意報 雪崩の被害を防ぐ活動や調査を続け、雪崩の危険度を5段階に分けて発表しているNPO「日本雪崩ネットワーク」によると、風吹岳を含む白馬エリアの2日の危険度は、標高が高い地域で上から2番目の「4(高い)」、標高が低い風吹岳では「3(警戒)」だったとみている。気象庁も同日、長野県北部に雪崩注意報を出していた。(佐藤仁彦、高億翔) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「同じ空を飛び、苦楽をともに」 海保犠牲者5人の公葬 上司が弔辞
東京・羽田空港の滑走路で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上した事故から2日で2カ月を迎えた。海保はこの日、犠牲になった羽田航空基地所属の職員5人の公葬を都内で開き、上司の林博之・羽田航空基地長が弔辞で5人を悼んだ。 事故当日は、前日に起きた能登半島地震の支援のため、物資を搬送する業務にあたっていた。 副機長だった田原信幸さん(当時41)は、海保のパイロットとして全国各地の航空基地で勤務。2023年4月に大分県宇佐市の畑に軽飛行機が不時着した際には訓練教官として搭乗しており、「卓越した操縦技術で被害を最小限に食い止めた」とした。23年10月に羽田航空基地に配属されてからは「若手の育成にも力を入れて取り組まれていたところでした」。 整備士の宇野誠人さん(当時47)は当初から航空整備士への強い希望をもっていたという。事故機となったボンバルディア機については「知見は秀でるものがあり、全国各地の整備士が宇野君を頼りにしておりました」。 探索レーダー士の帯刀(たてわき)航さん(当時39)は若手に対して穏やかな人柄で丁寧な指導をしていた。灯台の管理や巡視船の通信士としての業務にも従事し、「将来有望な若手職員の一人として活躍を期待される存在でした」。 通信士の石田貴紀さん(当時27)は、通信士として業務に従事したほか、探索レーダー士の資格取得にも取り組んでいたという。将来は英語力を生かして、「当庁の国際業務、大使館での勤務、国際戦略の企画立案業務に携わりたいという希望をもたれていました」。 整備員の加藤重亮さん(当時56)は、自衛隊で航空機の整備員として約35年間勤務した後、22年に海保に入庁した。自衛隊での経験を元に、「若い職員に積極的にコミュニケーションを図り、技術支援を行うなど、模範的な人材でした」。 林基地長は弔辞の結びに、「部下や同僚として同じ時を過ごし、同じ空を飛び、苦楽をともにした仲間である皆様の姿や将来のこと、ましてご家族のご心痛を拝察いたしますとき、これほどつらく悲しいことはありません」「このような事故を二度と繰り返さないよう、私たちは安全な空へ再び飛び立つため全力を尽くすことをお誓い申し上げますとともに、皆様が残された多大なる功績に深く感謝を申し上げます」と述べた。(角詠之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル