ちょっと変わった生き物図鑑がこの夏、出版された。著者の勤務先は、大学や水族館ではなく、大手化学メーカーだ。会社員生活のかたわら、週末のたびに川や池に足を運んでは魚を捕まえてきた。趣味が高じて、経験に裏付けられた魚とりのテクニックと、すべて自分でとらえた魚から約100種を選んで図鑑に収めた。 ホンモロコはひれをぴんと伸ばしてメタリックに輝き、シロヒレタビラは鮮やかなブルーの体と白黒のひれのコントラストが美しい。魚のカラー写真は、アクリル板を切って自作した観察ケースを使い、実際に捕まえたときの自然に近い状態で撮影したのが特徴だ。 この「タモ網1本ではじめられる魚とり 実践テクニックと生き物図鑑」(山と渓谷社、税込み1980円)は、魚やカニなど生き物の写真に加え、網や道具の選び方、写真を撮る方法などをまとめている。魚をうまく捕まえるための九つのテクニックも紹介した。 「すべての川魚を捕る万能の方法」 「ほぼすべての川魚を捕るこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山中で10日間、遭難した2人救助 沢の水やビスケットで命つなぐ
浅田朋範2022年8月16日 8時03分 奈良県警は14日、天川村の弥山(みせん、895メートル)に入山し、5日から連絡が取れず遭難していた名古屋市の女性(61)と愛知県一宮市の女性(69)を救助したと発表した。2人は擦り傷程度で、命に別条はないという。2人はわずかな食料や沢の水をたよりに10日間を山中で過ごしていた。 吉野署などによると、2人は1泊2日の予定で、同村に登山届を提出。4日の正午ごろ弥山に入山し、天川村北角の弥山小屋に宿泊。5日午前8時ごろに山小屋を出発し、同日夜に同村内の民宿に宿泊予定だった。だが、夜になっても到着せず、民宿の経営者が警察に通報。県警や消防は6~10日に捜索したが、発見できず捜索を打ち切った。 13日午後6時半ごろ、1人の携帯電話から「山の尾根にいる」と110番通報があり、県警はGPSで居場所を特定。14日早朝から捜索を再開した。午前6時半ごろに天川村役場から南に約6キロの地点で1人を発見し、県の防災ヘリで救助した。約3時間後にその近くを捜索した警察官らがもう1人を発見し、ヘリで救助した。 取材に応じた名古屋市の女性によると、2人は山小屋を出発後、下山途中に霧が立ちこめる中、道を見失った。2人は山中で見つけた屋根のある場所で火をたいて助けを待った。沢の水で水分補給をし、持っていたビスケットやチョコレートなどを少しずつ食べた。 食料が少なくなり、女性は13日午前6時半ごろから、スマートフォンの地図やコンパスを頼りに、天川村役場のある北方向へと歩き始めた。もう1人は体力を消耗していたことなどからとどまった。女性は同日午後6時半ごろ、電波が届く場所にたどり着き、110番通報。バッテリー残量は20%だったという。 女性は「たくさんの人に迷惑をかけて申し訳ない」と話し、「途中で引き返す勇気を持てたらよかった」と振り返った。(浅田朋範) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
川の洪水「畳」で防ぐ、景観と防災を両立した先人の知恵 全国3カ所
和室の「畳」で川の洪水を防ぐ設備が、日本三大清流に数えられる岐阜市の長良川にあるという。さっそく行ってみた。 その名も「畳堤(たたみてい)」があるのは、織田信長の居城だった岐阜城のそばを流れる長良川の左岸。堤防道路にあるコンクリート製の欄干を見ると、柱の部分に幅8・5センチほどの溝がある。溝に畳を差し込むと欄干の隙間がふさがり、堤防をかさ上げできる構造のようだ。 国土交通省によると、畳堤は1933年から7年間の築堤工事で、川に架かる忠節橋と金華橋の間の約1・2キロに造られた。欄干の高さは道路から1・2メートル。欄干の柱は1・71~1・76メートルの間隔で立つ。江戸間の畳を差し込むことを想定したものとみられる。 岐阜市内の小学3、4年生の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雇い止め団交、会社がコロナによるオンライン出席拒否 救済申し立て
新型コロナウイルスの濃厚接触者になった札幌市の40代パート女性が、雇い止めを巡る会社との団体交渉でオンライン出席を拒否され、不当労働行為だと訴えている。女性が加入する札幌地域労組は15日、北海道労働委員会に救済を申し立て、受理された。 女性はインテリア専門店「スイートデコレーション」を展開する長谷川産業(本店・北海道帯広市)に勤務。9月での雇い止めを通告され、地域労組とともに団交をする予定だった。子どもの感染のためオンライン出席を望んだが、会社側は「情報漏洩(ろうえい)の恐れ」を理由に拒否したという。 地域労組の鈴木一副委員長は「団交に参加する人が感染したり濃厚接触者になったりして、会社側からオンラインによる交渉を求められることはよくあるが、参加を拒まれる例は聞いたことがない」という。長谷川産業は朝日新聞の取材に対し、「担当者が不在で答えられない」としている。 女性は2019年、札幌営業… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新内閣の閣僚に新たな接点 葉梨法相、旧統一教会関連の月刊誌に記事
2022年8月15日 18時02分 葉梨康弘法相は15日の閣議後会見で、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の友好団体が発行する2008年の月刊誌に、自身のインタビュー記事が掲載されていたと明らかにした。教団との関係性は認識せずに取材に応じたとし、「私自身は旧統一教会系の団体と関係はない」と述べた。 記事は社会保険庁の「ヤミ専従」問題に関する内容で、10日に法相に就任した後に掲載の事実確認ができたという。新内閣の閣僚ではこれまでに6人が教団側との接点を認めており、葉梨氏を加えて7人になった。 葉梨氏は警察庁のキャリア官僚から転身し、03年に初当選。法務副大臣や農水副大臣などを歴任した。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
玉音放送が流れる中でも、列車は走った 当時のダイヤグラム見つかる
1945年8月15日正午。敗戦を知らせる「玉音放送」が流れる中、列車がいつも通りに運行していたことを示すダイヤグラム(列車運行図表)が見つかった。国が所管する鉄道(通称・国鉄)の東北線のもの。さいたま市大宮区の鉄道博物館の企画展「鉄道の作った日本の旅150年」で初めて展示されている。館の学芸員は、この日の国鉄のダイヤグラムは見たことがなく珍しい資料だと話している。 見つかったダイヤグラムは、45年8月14~16日の東北線一ノ関―尻内(現・八戸)の運行状況を記録したもの。2019年秋ごろ、岩手県内にあるJR東日本の施設で資料整理中に発見されたという。 図表には時間が横軸、駅名が縦軸に記され、列車の動きは赤色と青色で引かれた斜線で示されている。 15日の図表を見ると、あちこちで斜線がギザギザに波打っていて、遅れながら運行していたことが分かる。ところどころに、運休を示す黄線も見える。 主幹学芸員の奥原哲志さんは、燃料不足や、列車を動かす技術者の力量不足などが影響していた可能性があるとみる。 当時は燃料の石炭が足りず、熟練した機関士らの多くは戦地に送られていた。「運行態勢はぎりぎりの状態だった」(奥原さん)。線路の多くが単線だったため、先行列車が遅れると後続に連鎖したという。 「歴史的時刻を無視して」走る列車、心を動かす それでも、国民に衝撃を与えた玉音放送の終了後も列車は動き続けた。 記事の後半では、終戦の日の運行状況が読み取れるダイヤグラムのアップ写真、用紙不足で半分のサイズとなった切手の写真も掲載しています。 16日の図表は展示されてい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
統計不正が影響、GDPの過去データ修正 「襟を正すべきだ」指摘も
国土交通省の統計不正の影響で、国の経済力をはかる目安ともされる国内総生産(GDP)の過去のデータが修正された。公務員による不正が原因での修正は「記録にない」(内閣府)といい、異例の事態だ。エコノミストや識者からは「信頼回復は容易ではない」との声が出ている。 内閣府によると影響があったのは2018年度から21年度。不正によって過大になった「建設工事受注動態統計」がGDPの推計に使われていた。今回、この期間について不正の影響を是正したことで、伸び率が0・0~0・1ポイント上ぶれした。 第一生命経済研究所の新家義貴氏は「経済予測が変わるような数字ではないとは思うが、それは結果論にすぎない」と指摘する。エコノミストらは、公的統計を使って経済状況の予測や分析を手がけており、「我々は国のデータを信じるしかない。ほかの公的統計の信頼性にも疑問を抱かせた事実は重い」と語る。 国の統計をめぐっては過去に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
強制疎開でマラリア 修復された「忘勿石之碑」で慰霊祭 西表島
沖縄県竹富町の西表島で15日、戦時中に強制疎開でマラリアにかかって亡くなった人たちの慰霊祭があった。島の慰霊碑は台風被害などで破損していたが、全国からの寄付で修復された。 西表島の南部、南風見田(はいみだ)に慰霊碑「忘勿石之碑」がある。太平洋戦争末期、島の南にある波照間島から軍命で西表島に強制疎開させられた人たちがいた。西表島は当時「マラリアの島」と呼ばれるほどの有病地帯で、疎開した波照間の人たちも病に倒れた。 竹富町史によると、当時の波照間島の人口は1671人。帰島後も含め、552人が亡くなったという。 1945年、西表島に疎開し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
観光船事故の乗員・乗客か 知床半島沿岸で人骨発見 DNA型鑑定へ
平岡春人2022年8月15日 19時30分 観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の沈没事故が起きた北海道・知床半島で14日、人の頭蓋骨(ずがいこつ)とみられる骨などが見つかった。北海道警斜里署が15日発表した。道警はカズワンの乗員・乗客の可能性もあるとみて、DNA型鑑定を行う。 道警によると、14日午前11時40分ごろ、捜索ボランティアの漁業者らが、知床岬から南西約900メートルの啓吉湾付近に打ち上げられた骨を発見した。近くにはジーンズや白いスニーカー、女性用下着もあったという。骨などはボランティアが15日午前、署員に届けた。 観光船事故では乗員・乗客計26人のうち、14人の死亡が確認されている。また北方領土・国後島で2人、ロシア・サハリンで1人の遺体が見つかっており、ロシア側と引き渡しのための調整が続いている。(平岡春人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会問題、省庁の連絡会議を設置 悪質商法相談や被害者救済
田内康介2022年8月15日 19時36分 「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の問題をめぐり、葉梨康弘法相は15日、悪質商法の相談や被害者の救済に対応する「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」を設置すると発表した。法相が主宰し、18日に第1回会議を開く。警察庁や消費者庁なども参加する予定だ。 教団をめぐっては、安倍晋三元首相の銃撃事件が起きた7月以降、被害相談が急増している。 葉梨氏は連絡会議について、「いろいろな省庁に寄せられる被害相談について、たらい回しにせず、迅速に被害救済ができるスキームを早急につくる必要がある」と述べた。2世信者の悩みも含めて幅広く対象にし、各省庁の情報を共有して実態把握を進める。 岸田文雄首相は内閣改造を行った10日、法相ら関係閣僚に対し、被害者救済などに万全を期すよう指示。河野太郎消費者担当相は12日、霊感商法への対応を協議する検討会を今月中にも消費者庁に立ち上げる方針を表明していた。検討会の結果は、関係省庁連絡会議に反映されるとみられる。(田内康介) 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル