平岡春人2022年8月9日 21時00分 同性どうしが結婚できないのは憲法に違反するとして、北海道内の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審の第2回口頭弁論が9日、札幌高裁(大竹優子裁判長)であった。 国側は、同性婚を認めない民法などの規定が法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると認めた昨年3月の一審・札幌地裁判決を批判。「国の伝統や国民感情を含めた社会状況における種々の要因を踏まえて判断すべきだ」と主張した。 原告側は、社会的に承認されていない性的少数者が自殺を図る割合が異性愛者より高いとする学術調査結果を提出した。意見陳述で、原告弁護団の須田布美子弁護士が「夫のいる私はどこでも家族として扱われ、説明する必要もない。多くの同性カップルは様々な場面で説明を要する。この差が差別でなくて何なのか」と述べた。 原告の女性は「(民法などの規定を)合憲とした6月の大阪地裁判決を見て、私たちの存在はいつ認められるのかと思った。これ以上私たちを差別して排除せず、異性カップルと同じように結婚させてください」と訴えた。男性も「私たちは性犯罪者でも病気でもない。人権問題として、私たちの未来を照らす判決を出してほしい」と求めた。(平岡春人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】被爆者「ウクライナ空襲警報は、ピカドンの恐怖そのもの」
9日、長崎は被爆77年の「原爆の日」を迎えます。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせるなかで営まれる平和祈念式典や関連の催しなど、祈りの日を迎える長崎の動きを詳報します。 ■■■8月9日■■■ 19:30 爆心地近くの川で「万灯流し」 爆心地近くの浦上川沿いで、慰霊行事「万灯流し」があった。原爆の犠牲者らを追悼するため、平和の祈りを込めた灯籠(とうろう)約550個が川べりに並んだ。 灯籠に「みんなともだち」のメッセージを書いた西田晴花さん(7)は「世界中の人たちが仲良く過ごせたらいい」。父の和晃さん(40)は「親子で平和を考えるいい機会。ぜひ続いてほしい」と話した。 灯籠は例年、川に浮かべてきたが、コロナ禍で2020年は中止に。昨年からは川に流さず、川べりに並べている。 16:00 式典初参加の姉妹 父に捧げる思い 「名簿の前で手を合わせたら、『お父さん』ってなっちゃって。2人で泣いて、しばらく動けませんでした」。昨年9月に被爆者だった父を亡くした長崎市の藩美鈴さんと大阪府の古堅千春さん姉妹は、初めて平和祈念式典に参加した。 2人は爆心地公園の近くで育った。父は平和活動に熱心で、82歳で亡くなる前まで鶴を折っていた。そんな父の影響で、藩さんは今でも毎月9日に祈念を捧げるが「父が被爆者という意識は無かった」と話す。だが、式典で原爆死没者名簿が奉安されたとき、父が「『原爆で亡くなった方』になるんだ」と実感したという。「今日やっと事実が合致したというか、完結した気がします。参加して本当によかったです」 15:50 被爆者を運んだ列車のモニュメント除幕式 JR道ノ尾駅で、被爆者を医療施設へ搬送した「原爆救援列車」のモニュメント除幕式があった。原爆救援列車は、原爆投下直後に列車を蒸気機関車で動かし爆心地付近まで乗り入れ、被爆者を搬送した。町によると、当時道ノ尾駅前には臨時救護所が設けられ、重症者を降ろすか、医療機関に搬送するかを判断する本拠とされたという。 今回駅舎前に設置されたのは機関車の動輪部分。除幕式には長与町長や長崎原爆資料館長らが出席。吉田慎一町長は「原爆を知らない世代に遺構を見てもらい、後世に伝えていきたい」と話した。モニュメントは出発地であるJR長与駅と、列車の折り返し付近である長崎市西町にも設置されている。 13:30 岸田首相、被爆体験者の救済に言及 岸田文雄首相が長崎市内で記者会見を開いた。 記者団は、「黒い雨」をめぐる広島高裁判決を受けて被爆者の認定基準が新たに設定されたが、基準に入らなかった長崎の「被爆体験者」への救済と、被爆体験者が、広島と平等な適用を訴えていることへの考え方をたずねた。 これに対し、岸田首相は過去の裁判例との整合性や客観的な資料などを整理する必要があるとした上で、「被爆体験者の皆様の高齢化が進む中、現在の被爆体験者事業にがんの一部を追加することを至急検討したい」と答えた。来年の4月より医療費支給を開始できるよう、対象について速やかに厚生労働省に検討させる意向を示した。 12:30 被爆者団体代表らと首相が面会 被爆者代表の要望を岸田文雄首相らが聞く会が長崎市内であった。最重要課題として、長崎の「被爆体験者」も昨年7月の広島高裁「黒い雨」判決確定で被爆者と認められた人たちと同様に被爆者と認めるよう要望。被爆2世、3世にも被爆者援護法を適用し、原爆症認定のあり方を抜本的に改善するよう求めた。 長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(82)や長崎県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長(79)らが出席。岸田首相に要望書を提出した。後藤茂之厚生労働相は「引き続き長崎県、市の意見を聞きながら議論していきたい」と述べた。 12:00 「平和伝えたい」司会の高校生、式典を振り返る 平和祈念式典で司会を務めた海星高校3年の今道和奏さん(18)と山下咲子さん(18)。「緊張したけど、うまくできてホッとしています」。式典終了後、今道さんはこう振り返ってはにかんだ。 同校が、式典での司会の依頼を受けたのは今年春。2人はすぐに立候補した。「平和について深く考えてこなかったから」と山下さん。被爆した祖父の体験談を、父を通じて初めて聞いた。「戦争は町だけじゃなくて人も壊すと感じた。これからもできることで平和を伝えていきたい」 11:40 岸田首相挨拶 約8割が広島の平和記念式典と同じ 平和祈念式典での岸田文雄首相のあいさつでは、「核兵器のない世界」というキーワードが6回登場した。「我が国は、いかに細く、険しく、難しかろうとも、『核兵器のない世界』への道のりを歩んでまいります」とし、非核三原則の堅持などに言及した。 約1100字あまりのうち、約8割が広島で平和記念式典でのあいさつと同じだった。「被爆地広島出身の総理大臣としての私の誓い」という表現は「総理大臣としての私の誓い」に変わった。 8段落のうち、7段落は広島とほぼ同じ内容だった。違ったのは、来年のG7サミットの広島開催に言及した段落が長崎のあいさつにはなかったこと。長崎のあいさつでは核兵器不拡散条約(NPT)への出席に関連し、「厳しい安全保障環境の中にあっても、核不使用の歴史を継続し、長崎を最後の被爆地とし続けなければなりません。透明性の確保、核兵器削減の継続、核不拡散も変わらず重要な取り組みです」という段落が加わった。 11:30 平和祈念式典で、岸田文雄首相は「77年前のあの日の惨禍を決して繰り返してはならない。これは、唯一の戦争被爆国である我が国の責務」と述べた。 現在、米・ニューヨークで開かれている核不拡散条約(NPT)再検討会議に、日本の首相として初めて参加したことにも触れ、「長崎を最後の被爆地とし続けなければならない」と訴えた。広島の平和記念式典と同様、核兵器禁止条約には触れなかった。 11:10 被爆者「ウクライナ空襲警報は、ピカドンの恐怖そのもの」 5歳のときに被爆した宮田隆さん(82)が、被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた。「ウクライナに鳴り響く空襲警報のサイレンは、あのピカドンの恐怖そのものだった」と、自身の77年前の被爆体験と現在のウクライナ侵攻を重ねながら、核廃絶を訴えた。 また、核兵器を全面的に禁止する核兵器禁止条約を「被爆者と人類の宝」と表現。「条約を守り、行動することは唯一の被爆国である日本政府と国民一人ひとりの責務」と呼びかけた。 11:10 長崎市長「核兵器使われないは『幻想』」 長崎市の田上富久市長が平和宣言を読み上げた。ウクライナに侵攻したロシアが「核の脅し」をしていることを念頭に、「核兵器の使用は『杞憂(きゆう)』ではなく『今ここにある危機』である」と懸念を示した。その上で、「核兵器を持っていても使われないだろうというのは幻想。核兵器をなくすことが、未来を守るための唯一の現実的な道だ」と訴えた。 また、2021年1月に発効した、核兵器を全面的に禁止する核兵器禁止条約への署名・批准を日本政府に迫った。 11:02 長崎市民が街中で黙禱 長崎市中心部の鉄橋では、原爆投下時刻の午前11時2分に合わせ、市民らが立ち止まって黙禱(もくとう)を捧げた。 藤井継美さん(36)は、広島に原爆が投下された8月6日が誕生日。生後3カ月の長男を抱え、静かに手を合わせた。満州に出征経験がある祖父から戦争の体験を聞いて育ち、昨年5月、夫の転勤に伴って長崎に引っ越してきた。「平和や戦争に何か縁があるのかなと思って。子どもを抱っこして普通に生活できるのが幸せ」 11:02 海星高の野球部員らが黙禱 […]
車内後部に男女の遺体、10代前半の子どもか 愛知・犬山
2022年8月9日 22時03分 9日午後4時50分ごろ、愛知県県犬山市八曽の市道で、「車両が崖から落下しそうになっている」と通りがかった男性から110番通報があった。県警犬山署員が駆けつけたところ、ワゴン車内で2人の遺体を発見。ともに10代前半の子どもとみられる男女だといい、県警は身元などを調べている。 同署によると、2人は後部座席の足元に並んだ状態で倒れており、車内には血痕があったという。車はエンジンがかかった状態のままだった。 現場は中央自動車道内津峠上りパーキングから西へ約500メートル。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
青森県で記録的大雨、岩木川は氾濫のおそれ 北日本大雨
吉沢英将2022年8月9日 18時04分 北日本に停滞する前線の影響で9日、東北北部を中心に大雨となった。青森県では猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表。岩木川では氾濫(はんらん)の恐れが高まり、氾濫危険情報も出された。11日にかけて大雨となるといい、同庁は厳重な警戒を呼びかけている。 同庁によると、北日本にとどまる前線に暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、青森県では記録的な大雨となったところがあった。 同庁はこの日の朝と昼過ぎ、同県深浦町付近で約100ミリの猛烈の雨が降ったとみられるとして、記録的短時間大雨情報を2度発表した。同町では午後4時すぎまでの24時間では平年の8月1カ月の降水量を上回る246・5ミリを観測。観測史上最多を更新した。 降り続く大雨の影響で、青森県西部を流れる1級河川の岩木川では氾濫の危険性が高い氾濫危険水位を超え、氾濫危険情報も発表された。 大雨をもたらしている前線は1週間程度、北日本に停滞する見通し。10日午後6時までの24時間予想雨量は、いずれも多いところで東北200ミリ、北陸100ミリ。その後の24時間では、東北100~150ミリ、北陸50~100ミリと見込む。(吉沢英将) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京圏で初の人口減 全国では13年連続、過去最大の61万人減
総務省は9日、住民基本台帳に基づく今年1月1日現在の人口を発表した。日本人の人口は、1億2322万3561人(前年比61万9140人減)で、2009年をピークに13年連続で減少した。減少数は今の調査が始まった1968年以降最大。東京圏の日本人の人口が、75年の調査開始以降初めて減少に転じた。 日本人の出生者数は81万2036人と、調査を始めた79年度以降で最少、逆に死亡者数は、144万1739人で最多だった。 日本人の人口が増加したのは沖縄県のみで、残る46都道府県で減少した。市区部でみると、増加人数ではさいたま市の8031人、増加率では千葉県流山市の2・13%が最多だった。 東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)、名古屋圏(岐阜、愛知、三重)、関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良)の「3大都市圏」に住む日本人は、6426万4479人と4年連続で減少したが、16年連続で全国人口の半数を超えた。 東京圏の日本人人口は3561万115人(前年比3万4498人減)で、初めて前年比で減った。総務省の担当者は、出生者数から死亡者数を引いた「自然減」が拡大したこと、コロナ禍で国外からの転入が減少したこと、東京から他県への転出が増えたことなどが要因だとみている。 日本に住む外国人は、10万… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都内の太陽光パネル導入1・5倍…都が目標修正へ カギは「義務化」
東京都環境基本計画の改定に関する案を都環境審議会がまとめ、8日、都に答申した。太陽光発電設備についての数値を約1・5倍にするなど現計画の目標を上方修正した。都が検討している新築建物への太陽光パネル設置義務化についても答申。新計画をもとに、都はパネル義務化などの施策を推し進める考えだ。 基本計画は都環境基本条例に基づいて都がつくる。温暖化対策や生物多様性の保全など環境施策の方向性を示している。今の計画は2016年に作られたもので、温暖化対策を加速させたい都の意向を受けて環境審が昨年5月から改定案を検討していた。 答申は、ロシアのウクライナ侵攻による原油価格の高騰を受け、社会活動の継続には「脱炭素化」の必要性が一層鮮明になったと指摘。「2050年のあるべき姿」として、二酸化炭素(CO₂)量を削減し、森林などによるCO₂吸収も加味して排出量を実質ゼロにする「ゼロエミッション」の実現を掲げた。 その中期目標として、30年時点での指標を示した。項目は温室効果ガス排出量、エネルギー消費量、再生可能エネルギーの利用割合、フロン排出量などで、このうち太陽光発電設備の導入量は、今の「130万キロワット」という目標を「200万キロワット以上」に変更した。20年度の実績は約65万キロワットだった。 土地狭い都内、屋根の上を活用へ 再エネ普及に関して答申が推奨するのが太陽光だ。大規模な太陽光発電設備に適した土地は少ないが、建物の屋根に取り付ける余地は大きいとした。 都の調査では、日照量からみ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「目を背けても解決しない」 ウクライナから長崎へ、留学生の祈り
長崎大学で9日、原爆犠牲者の慰霊祭があった。戦禍のウクライナを出て、この大学で学ぶマリア・ベズフラさん(17)も、77年前の犠牲者を追悼する輪に加わった。「この街への敬意をこめて、どうやって前に進んできたのか知りたい」との思いからだ。 慰霊祭には約50人が参列。1945年のこの日、爆心地から約600メートル東にあった医学部の前身・長崎医科大学では、講義を受けていた学生や教授らが命を奪われた。 ウクライナ中部のドニプロ出身。昨秋、1千キロ離れた西部リビウの大学に進学し、スペイン語を専攻していた。子どものころ、翻訳の出版を待ちきれなくて英語のファンタジーを原書で読んで以来、語学が好きだった。 「次にいつ連絡できるか…」2分で切れた母の電話 侵攻が始まった2月24日午… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「メッセージ性のあるTシャツ、脱いで」 地裁が傍聴人に退去命令
民事裁判の傍聴に来ていた女性が、原発の運転差し止め訴訟の判決文がプリントされたTシャツを着ていることを理由に、福島地裁の庁舎外に退去させられる出来事が7月にあった。地裁側が「特定の考えや思想をアピールしている」と判断し、退去を求めた。専門家は「過剰反応だ」と地裁の対応に首をかしげる。 「Tシャツを脱いでください」 7月26日、原発事故の避難者関連訴訟の開廷前。傍聴のため地裁1階ロビーにいた松本徳子さん(60)が職員に声をかけられた。 問題視されたのは、黒地のTシャツの背面にプリントされた文言だった。「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」 これは、福井地裁が2014年、関西電力大飯原発(福井県)3、4号機の運転差し止めを命じた判決の一節(のちに運転差し止め請求を棄却する高裁判決が確定)。他の地裁の裁判傍聴で着たこともあった。 「メッセージ性があるので脱いで」と求める職員に、松本さんは「下着になってしまうので脱げない。羽織るものは持っていない」と説明。「裏返して着てください」と言われた松本さんが「それなら傍聴しません」と伝えると、庁舎外に出るよう求められた。 一度は従って外に出た松本さんだったが、他の傍聴人にブラウスを借りて羽織り、結果的にはTシャツを着たまま傍聴できた。 避難者の代理人を務める柳原敏夫弁護士は「Tシャツのデザインは裁判の秩序を乱すものではない。裁判所側が不愉快に感じたのかもしれないが、今後どんな服装ならダメなのか基準が分からない」と困惑する。 松本さんはこの日、東京都内の公務員宿舎に未契約のまま住み続けているとして、福島県に部屋の明け渡しを求められている避難者を支援するため傍聴に訪れた。松本さん自身、東日本大震災後、当時小学6年生だった次女(23)の被曝(ひばく)を避けようと、2人で郡山市から川崎市へ避難。応急仮設住宅となる民間借り上げアパートに住んだが、無償提供の終了をきっかけに市内の一軒家に移った。 Tシャツは、アパートから出る判断を迫られていた時、福島県や神奈川県に家賃補助を設けるよう一緒にかけ合ってくれた支援者がつくったものだ。補助のお陰でしばらく住み続けることができ、新しい家に移る頭金が用意できた。 その仲間は国や東京電力に原発事故の責任を問う集団訴訟も支援しており、活動の一環でTシャツがつくられた。横浜地裁の集団訴訟で松本さんや支援者が大勢で着て傍聴したことがあり、東京地裁での別の裁判にも着ていったが、注意されたことはなかった。 松本さんは「大飯原発訴訟の一審判決の文言は、私たち避難者の思いをくんだもので当然の内容。福島地裁の対応はショックだったし、納得がいかない」と話す。 「傍聴のハードル上げることになる」 福島地裁によると、今回の対応は、全国の裁判所の庁舎管理について定められた「裁判所の庁舎等の管理に関する規程」を根拠にした。12条には、庁舎退去を命じなければいけない対象として、「はちまき、ゼッケン、腕章その他これらに類する物を着用する者」が挙げられており、Tシャツは「これらに類する物」に当たるという。 Tシャツの文言に気付いた職員が庁舎管理者である地裁所長に判断を仰ぎ、所長が「敷地内で特定の考えや思想をアピールされると庁舎管理に支障が生じる。中立公正に裁判を行う場にふさわしくない」と判断した。 松本さんによると、憲法9条を守る趣旨のデザインのTシャツを着ていた傍聴人もいたが、とがめられなかった。地裁側は、原発に関わるデザインが理由ではなく、あくまで「特定の考え」が問題だと説明。地裁内でTシャツのデザインに関する基準は特に設けておらず、今後も所長が個別に判断するという。 関西大の木下智史教授(憲法… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
美術史に無視されたカリスマ?岡本太郎とは何者か 過去最大の回顧展
ひと目でその人の作とわかる強烈なパブリックアート、お茶の間を騒がせた名言やベストセラー。没後26年の今なおカリスマのイメージがあせない芸術家・岡本太郎(1911~96)とは一体、何者だったのか。大阪中之島美術館で始まった回顧展は、その多岐にわたる表現活動を過去最大規模の約300点で総覧する。 「芸術は爆発だ」などの名ゼリフでお茶の間を沸かせた岡本太郎は、何を成し遂げた人なのか。記事後半では、大阪万博の象徴「太陽の塔」と渋谷の壁画「明日の神話」の意外な共通点や、岡本太郎を長年評価してきた美術史家・山下裕二さんの談話を紹介します。 18歳から約10年をパリで過ごした岡本は、抽象やシュールレアリスムといった前衛運動に触れたり、離れたりしながら、作風を模索していく。一時は絵画制作を中断し神秘主義者ジョルジュ・バタイユ率いる秘密結社に参加するなど、最先端の思想も盛んに吸収した。 パリ時代の作品はこれまで戦火ですべて消失したとされ、戦後の再制作や図版だけで知られてきた。そんな状況に一石を投じたのが、近年パリで見つかり、今展で日本初公開となる抽象画3点だ。20代前半ごろの作品と推定され、岡本の原点を知る貴重な作例として調査が進んでいる。 岡本芸術を貫く「対極主義」 帰国後に徴兵された岡本は復員後、合理と非合理、抽象と具象、美と醜といった要素を矛盾したまま共存させる「対極主義」を提唱する。工場に通って描いた「重工業」では、無機物の歯車と有機物のネギが対置されている。1954年のベネチア・ビエンナーレに出品された「森の掟(おきて)」は、世間ではファシズムの寓意(ぐうい)と受け止められたのと裏腹に、岡本自身は「全然意味の認められない無邪気な仕事」と語ったという。 パリ時代に民族学に傾倒した… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都心の猛暑日、過去最多に 今年14日目
吉沢英将2022年8月9日 12時36分 東日本から西日本が高気圧に覆われて9日、各地で厳しい暑さとなった。気象庁によると、東京都心では午前11時52分に35・0度を記録。都心の猛暑日(最高気温35度以上)の日数は今年に入り、14日目。記録的猛暑を受け、1995年と2010年の13日を上回って過去最多となった。 同庁によると、午前11時現在、全国914の観測点中628地点で最高気温が30度以上の真夏日に。このうち24地点が猛暑日となっている。富山市37・5度▽徳島県美馬市37・0度▽東京都八王子市36・7度、などを記録した。 気象庁は6日に「高温に関する情報」を発表している。12日ごろにかけて全国的に気温が高い状態が続くとしており、熱中症への注意を呼びかけている。(吉沢英将) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル