大きな地震で神社の鳥居が倒壊する事例が相次いでいる。耐震性の「担保」となるのが建築基準法だが、鳥居については明文化されておらず、法を適用するかどうかの判断は自治体に委ねられる。朝日新聞が47都道府県に尋ねたところ、各地で法の適用要件が異なることがわかった。専門家は「安全性確保のためにも、全国で基準を統一するのが望ましい」と指摘する。 文化庁によると、国内には約8万の神社があるが、鳥居の数は建築基準法の適用の有無を含めて不明だという。 鳥居を巡っては、今年の6月19日に発生した能登半島を震源とする最大震度6弱の地震で、石川県珠洲市の中心市街地にある春日神社の鳥居(高さ約6メートル)と同市の火宮神社の鳥居(高さ不明)が相次いで倒壊。過去には阪神大震災で生田神社(神戸市)、東日本大震災では光丘神社(山形県)や鹿島神宮(茨城県)の鳥居が倒壊した。熊本県神社庁の資料によると、2016年の熊本地震では、596基の鳥居が被害を受けた。 国土交通省によると、建築基準法施行令では、鳥居について直接言及している文言はないという。鳥居を建てる場合、設置者は建築専門の職員を置く都道府県や政令指定都市などに相談するが、多くのところが適用の要件を「高さ15メートルを超える鉄筋コンクリート造の柱、鉄柱など」か「高さ4メートルを超える広告板、記念塔など」の項目に当てはめている。 どちらかに当てはまれば同法が適用され、図面などの書類提出が必要になるほか、着工前と完成後に2度、建築専門の職員による検査など複数のチェックを受ける。二つの項目にこだわらず、個別に判断する自治体もある。 一方、マンション5階の高さに相当する「15メートル超」と「4メートル超」には大きな差がある。適用を受けなければ、素材や設計は設置者の判断に委ねられ、比較的、大きな鳥居が第三者のチェックを受けずに建てられた可能性もある。また、同法は1950年施行で、それ以前の鳥居は適用外となる。能登半島の地震で倒壊した春日神社の鳥居も戦前に建てられたものとみられ、定期的な検査を受けないまま、老朽化していた。 朝日新聞は「4メートル超」と「15メートル超」のどちらの項目に鳥居を分類しているのか、全国47都道府県に聞き取った。「4メートル超」が16都府県、「15メートル超」が22道県、「事例に応じて検討」が9府県と各地で判断が分かれていた。 識者「自治体に任せるにしては、差がありすぎる」 「4メートル超」を適用する… この記事は有料会員記事です。残り414文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
危ない鳥居「倒れるべくして倒れた」 専門家が求める安全なタイプは
誰もが自由に入れる神社の入り口にある鳥居。公共性の高い場所にある一方で、地震など災害時の倒壊が続いている。その背景にあるのが、建築基準法の適用を受けておらず、設置者任せで建てられ、老朽化したものが多いことだ。鳥居の安全対策はどうあるべきか。元国土交通省職員の近畿大学・安藤尚一教授(減災学)に聞いた。主なやりとりは以下の通り。 ――地震で鳥居が倒れることはよくあることなのでしょうか。 2016年の熊本地震でも多くの鳥居が倒れた。阪神大震災でも生田神社の鳥居が壊れている。過去の地震でも探せばたくさん倒れていると思うが、鳥居についてはあまり注目されていない。 ――今年6月の能登地震で鳥居が2基倒壊しました。その一つの春日神社の鳥居の写真を見てわかることは。 柱が倒れた方向からみると… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋篠宮ご夫妻と悠仁さま、高校総文祭に出席 高校生と交流や鑑賞も
多田晃子2022年7月31日 20時00分 秋篠宮ご夫妻と長男悠仁さま(15)は31日、東京都内で開かれた第46回全国高校総合文化祭東京大会「とうきょう総文2022」の総合開会式に出席した。悠仁さまが現地で公務に臨むのは、2019年12月に次女佳子さまとともに少年の主張全国大会に出席して以来。 式で秋篠宮さまは総文祭について「国民の文化・芸術に対する関心や意欲をいっそう高めるとともに、多様な才能を開花させ、未来に向けた豊かな文化創造の土壌を培う上で、誠に意義深いものと考えます」とあいさつ。高校生によるオリジナルミュージカルなどを鑑賞した。出演した生徒による見送りの場面では、秋篠宮さまが「連絡を取り合いながら一つにまとめていくのはなかなか大変な作業ですよね」と話し、悠仁さまも声を掛けていた。その後、屋外でマーチングバンドやバトントワリングのパレードを鑑賞し、拍手を送ったり、出演者に手を振ったりしていた。 悠仁さまはご夫妻とともに20年、総文祭の総合開会式をお住まいからオンラインで視聴している。(多田晃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
花を贈ると母に逆上された…生きづらさ理解されたい「宗教2世」たち
安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件で、殺人容疑で送検された容疑者が、「母が入信し、献金で生活が苦しくなった」などと宗教への恨みを供述していると報じられたことから、親の信仰に伴って様々な悩みや困難を抱えた「宗教2世」の存在が改めて注目されています。当事者たちにどう向き合えばいいのか、2世の自助グループを主宰してきた京都府立大学の横道誠准教授に聞きました。 ――自助グループを開催するようになったきっかけは。 私自身も、宗教2世の当事者だからです。私の場合は、母がキリスト教を母体とした新興宗教を信仰していました。 幼いころ、母を喜ばせたくて、母の日にカーネーションを買ったことがありました。しかしその宗教ではお祝いごとがご法度だったので、母は逆上し、幼心に傷つきました。 また、その宗教は子どもは親に従順であるようにと教え、子どもが親の意向に沿わないならば、肉体的暴力によって矯正するべきだと主張していました。気に入らないことがあったり、集会の場でおとなしくできなかったりといった理由で、ホースのようなもので繰り返し殴られたこともあります。 事件をきっかけに、「宗教2世」の存在が改めて注目されています。自身も「宗教2世」であり、さまざまな生きづらさを感じていたという京都府立大の横道誠准教授に、社会で考えてほしいことや、2世たちの思いについて語ってもらいました。 私は、いまでもこの経験や記憶に苦しめられています。 そんな当事者の抱える課題や悩みを整理できないかという思いで、2年ほど前から、当事者の思いを語り合う自助グループをオンライン上で開催してきました。 ――どんな思いが語られるのですか。 この会には、特定の宗教に限らず、さまざまな宗教の2世たちが声を寄せてくれています。 外から見えない、「2世」の痛み 宗教を理由とした虐待のフラ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鹿児島・口永良部島の噴火警戒レベルを2の火口周辺規制に引き上げ
口永良部島。後方は屋久島=2019年11月29日午後、鹿児島県、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影 [PR] 気象庁は31日朝、鹿児島県・口永良部(くちのえらぶ)島の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)にから2(火口周辺規制)に引き上げた。 福岡管区気象台によると、新岳火口や古岳付近を震源とする火山性地震が30日から増加していて、火山活動が高まっている。今後噴火の可能性があるとして、火口から約1キロの範囲では噴火による噴石に警戒するよう呼びかけている。 口永良部島では2015年に爆発的噴火が発生し、全島民が島外に避難した。その後は火砕流や小規模な噴火が確認されている。(豊島鉄博) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
武田真一アナが思い出す小さな棺と止まった時計 声で救える命とは
直ちに身を守る行動を――。テレビやラジオでそんな呼びかけに接する機会は誰にでもありうる。今年も東北地方や石川県で、強い地震が起きた。これからの季節は台風や豪雨にも注意が必要だ。NHKで「災害時に的確な情報を届ける技術がトップクラス」と言われる、武田真一アナウンサーは、受け手にもある「前提」が必要だという。 たけた・しんいち 1967年生まれ。熊本県出身。1990年にアナウンサーとしてNHK入局。「ニュース7(セブン)」や「クローズアップ現代+」のメインキャスターを務め、昨年4月からは大阪放送局で「ニュース きん5時」を担当。 ――NHKが災害報道を強化する中、昨年から大阪放送局でキャスターをつとめていますね 首都直下地震時に放送を続けられるよう、NHKでは大阪放送局でも24時間アナウンサーが待機し、その日の最終ニュースを放送し終えた後に毎晩、緊急報道の訓練を続けています。 NHKアナウンサーなら誰でも、命を救う呼びかけができることが大切。毎年のように豪雨で犠牲者が出ていることはじくじたる思いです。一人も命を落とさないことが目標です。 ――特番でも防災や備えの重要性を訴えてきました 原点は入局5年目だった19… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
難病に負けるな! 保護猫とらさん 「助かる方法がない」と言われ
ぼくはとら。福岡県春日市にある猫雑貨店「オリオン」の看板猫。元々野良猫だったけど、拾われた。今ではずいぶんみんなにかわいがられている。 実は2月に、重い病気が見つかった。お医者さんからは「助かる方法がない。あと数カ月の命です」って言われた……。 この記事は、とらさんを取り巻く人たちへの取材をもとに、保護主の監修も経て「猫目線」で書いています 見たまんまとら猫だったから、とらって呼ばれるようになったぼく。 去年の7月末、気温が35度くらいまで上がった真夏の暑い日。太宰府市内で物陰に隠れているところを、保護猫活動をしている女性が助けてくれた。 大きなカラスが上からぼくのことを狙っていたし、なんだか息をするのがとてもつらくて、動くこともできなかった。 助けられたぼくのことを、近所に住む女性が「飼おうかな」って言ってくれた。 飼い主に名乗りを上げた女性は病名を聞いて… 検査のために病院に行った。 【病院で、「漏斗胸(ろうと… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「コロナで稽古できなかったからこそ」 裏方で総文祭支える演劇部員
新型コロナウイルスの影響で思うように部活動ができなかった。だからこそ同じ思いでがんばってきた高校生を支えたい。31日に開幕する第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文)で、裏方として演劇部門をまとめる東京都立府中高校3年の塩路悠旅(ゆたか)さん(17)はそんな一人だ。 大会では都内の高校生約690人でつくる「生徒実行委員会」が運営や企画を担う。そのうち約30人が演劇部門を担当する。 「誰かやってくれる人はいませんか」。千代田区の高校の教室で23日、演劇部門の打ち合わせがあり、塩路さんの仕切りで総文祭当日の役割分担を決めた。 塩路さんは中学ではバドミン… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「証言できる最後の館長」の重圧 無傷の私が覚悟を決めた日
「荷が重くて館長の仕事から逃げていた」 9代目として4年間、館長を務めた広島平和記念資料館前で、原田浩さん(83)はそう振り返った。 朝日新聞広島版で14年続く連載「聞きたかったこと」。 約400人が被爆体験とその後の人生を語ってくれました。被爆77年の今年、忘れられない「あの場所」で再び話を聞きました。 当時の記事も再録しています。 広島市職員だった1993年、館長就任を告げられたときは正直戸惑った。6歳の時、爆心地から約2キロの広島駅のホームで被爆。頑丈な駅舎に守られ直撃は免れた。歴代館長は自らの被爆体験を来館者に語り、服を脱いでやけどの痕を見せる館長さえいた。自分はほぼ無傷。被爆証言ができる最後の館長、そう言われるのが重圧だった。 だが就任5日目、米国立スミ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
三男も殺害の疑いで母親を再逮捕 次男窒息死事件で神奈川県警
神奈川県大和市で2019年に当時7歳の次男を窒息死させたとして、母親の上田綾乃容疑者(42)が殺人容疑で逮捕・起訴された事件で、県警は17年にも1歳5カ月の三男を殺害したとして、上田容疑者を殺人容疑で31日に再逮捕し、発表した。上田容疑者は「やっていません」と容疑を否認しているという。 捜査1課によると、上田容疑… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル