有料記事 福山亜希 岡田昇2024年2月13日 13時24分 原発の運転で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定に向け、原子力発電環境整備機構(NUMO)は13日、北海道の寿都町と神恵内村の文献調査の結果を公表した。地質データや論文を調べた結果、活断層や活動の恐れのある火山など明らかな不適地は少ないと判断した。今後、掘削を伴う概要調査に進むか自治体の判断が焦点となる。 文献調査は全国で初めて。NUMOは同日、調査結果を経済産業省の審議会に示す。有識者の意見をふまえて正式な報告書をとりまとめる。 2町村は2020年10月に文献調査の受け入れを表明し、翌11月から調査が始まった。NUMOは約900の論文やデータを分析し、概要調査に進む候補地域として、神恵内村は村内の積丹岳から「15キロ以内の範囲を除いた範囲」を、寿都町は「町全域およびその沿岸海底下全域」を示した。 処分場の選定プロセスは3段… この記事は有料記事です。残り576文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 核のごみを問う 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をめぐる動きをまとめました[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
石牟礼道子さん七回忌 池澤夏樹さん「言葉が湧いて出る力あった」
杉浦奈実2024年2月12日 12時58分 小説「苦海浄土」で水俣病患者と家族の苦しみや被害の実態を伝え、2018年に亡くなった作家の石牟礼道子さんを追悼する集い「不知火忌」が10日、熊本市東区の真宗寺であった。石牟礼さんとの対話集などがある作家の池澤夏樹さん(78)が講演し、石牟礼さんの言葉の力について語った。 不知火忌は石牟礼道子資料保存会と同寺が命日の2月10日に合わせて開き、七回忌の今回は約80人が参加。境内にある石牟礼さんの直筆を刻んだ墓前で静かに手を合わせた。 同会の松下純一郎理事長(70)はあいさつで能登半島地震やウクライナ侵攻などの厄災に触れ、石牟礼さんがよく使ったという「もだえ神」という言葉を引いた。「遠くにあっても苦しむ人たちを思いながら思いを寄せる」と話した。 その後、本堂で、親交があった作家の坂口恭平さん(45)と長女のアオさん(15)が石牟礼さんの詩「海底の修羅」にメロディーをつけた曲などを歌った。 池澤さんは講演で、自身の作品づくりを「設計図を用意して組み立てる」と説明した上で、石牟礼さんについて「言葉が湧いて出る、生み出す、そういう力を持っていた」と述懐。作品を読むと「沼の中に引き込まれるような感じ」がするといい、「生涯で石牟礼さんの文学に会い、本人と親しく話すことができたことは『のさり』(天からの授かりもの)だと思う」と話した。 池澤さんはまた、自身も10年間住んだ沖縄の基地問題について「石牟礼さんの戦いをたどり直している気がする」と水俣病をめぐる闘争を重ねた。米軍普天間飛行場の移設工事が進む名護市辺野古の現場を前日に訪れたことを明かし、座り込みなどで反対の声を上げる人の存在に触れて「戦っている人がいることを覚えておいてほしい」と話した。(杉浦奈実) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「どうしていいか」母親の遺体を放置か 息子を死体遺棄容疑で逮捕
土舘聡一2024年2月12日 13時58分 同居する母親とみられる遺体を自宅に放置したとして、警視庁は12日、東京都世田谷区下馬6丁目の無職池辺大輔容疑者(43)を死体遺棄容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 世田谷署によると、池辺容疑者は11日まで、70代の母親とみられる女性の遺体を放置した疑いがある。 11日午後、母親と連絡が取れないと親族から110番通報があり、同署員が自宅に出向いたところ、布団に仰向けの状態の遺体を見つけた。同署は、遺体が池辺容疑者の母親とみて調べている。 池辺容疑者は「1月ごろ、母親が起きてこないので部屋に様子を見に行ったら冷たくなっていた。喪失感で無気力になり、どうしていいかわからずそのままにした」と話している。(土舘聡一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「制服姿の少女2人が…」 9階から転落? 1人は死亡 大阪・吹田
2024年2月13日 9時16分 12日午後11時10分ごろ、大阪府吹田市のマンション敷地内で、「制服姿の少女2人が倒れている」と近くに住む男性から110番通報があった。府警によると、2人は10代の中学生か高校生とみられ、1人は死亡、もう1人は重傷という。 吹田署によると、マンションは9階建てで、9階の廊下付近には2人のものとみられるバッグなどが残されていた。2人はそこから転落したとみられるという。また、手書きの遺書のようなものがあったといい、署が経緯などを調べている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
(番外 天声人語)よみがえれ津波メダカ
メダカが環境庁(いまの環境省)から絶滅危惧種に指定されて今月でちょうど25年。驚きのニュースから四半世紀が過ぎ、その数は増えたのか減ったのか▼「残念ながら危惧の度は深まっています。保全運動が実を結んだ地域はあるものの、多くの生息環境が失われました」。そう話すのは魚類学者の棟方有宗(ありむね)宮城教… この記事は有料記事です。残り469文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
貯金箱のお金がない! 取ったのは娘と友だち 裁判で取り戻せるのか
20年近く貯金箱にコツコツためてきたお金が、ある日気づくと無くなっていた。その額およそ「90万円」。娘や娘の友だちが持ち出していたと知った父親は、友だちの親にお金を返すよう求める裁判を起こした。お金は取り戻せたのか。 2020年の年末、掃除をしていた父親は、リビングに置いていた貯金箱がほぼ空になっていることに気づいた。貯金箱は500円硬貨を満杯まで入れると30万円になる。いったい誰が……。 裁判で提出された書面から経過をたどる。 父親は、30万円貯金箱のほか、500円硬貨が50万円、20万円まで入る貯金箱、さらに2リットルのペットボトル8本に様々な硬貨をためていた。 貯金箱やペットボトルはリビングに置き、満杯になると自室のクローゼットで保管していた。 30万円貯金箱の異状に気づいた父親が、クローゼットも確認すると、他の二つの貯金箱の中身もなくなり、ペットボトルのお金も減っていた。 娘を問いただすと… 当時小学高学年だった娘の部… この記事は有料記事です。残り1967文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国立大にも広がる「年内入試」、入学者の半数超に 大学側の思惑は?
有料記事 山本知佳 上野創2024年2月13日 7時30分 様々な観点から学生を選抜する総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜といった、いわゆる「年内入試」で入学する大学生が今年度(昨年4月入学)、初めて半数を超えた。総合型選抜は主に私立大で広がってきたが、入試の軸足を総合型選抜に移していくことを表明する国立大もあり、今後も増えそうだ。 昨春の大学入学者数は62万4615人。文部科学省によると、昨年4月の入学者向け試験で、主に入学前年の12月までに行われる総合型選抜と学校推薦型選抜で入学した学生の割合は、前年度比1ポイント増の50・7%だった。半数を超えたのは初めて。国公私別では、国立18・2%(前年度比0・9ポイント増)▽公立30・1%(0・5ポイント増)▽私立58・7%(1・3ポイント増)だった。 大学側、受験生側双方の思惑が合致 年内入試は主に私立大で広がってきた。 河合塾の近藤治主席研究員に… この記事は有料記事です。残り1509文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京・あきる野市で2人組が現金奪い逃走 住人2人けが
土舘総一2024年2月12日 14時05分 12日午前5時すぎ、東京都あきる野市小和田の民家から「強盗に入られ、父が殴られた」と110番通報があった。2人組が押し入り、バールのようなもので住人を殴って現金5万円を奪って逃げたといい、警視庁は強盗致傷事件とみて調べている。 五日市署によると、住人の80代男性と70代女性がバールのようなもので殴られ、「金を出せ」と脅された。男性は頭などを負傷し、女性は腕をけがした。 女性が物音に気づき、居間に行ったところ、男性が殴られていた。女性も手にスマートフォンをもっていたところをたたかれたという。 2人組の性別は不明で、ニット帽をかぶり、黒っぽい服装だったという。(土舘総一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サンダーバード乗車中の記者が見た光景 沿線火災、荷物そのまま外へ
河原田慎一2024年2月12日 14時30分 12日午前11時15分ごろ、福井県鯖江市下河端町の住宅兼作業所から「火が燃え広がった」と119番通報があった。鯖江・丹生消防組合によると、木造一部2階建ての建物が全焼し、約2時間半後に鎮火した。鯖江署によると、80代の男性1人がやけどをして病院に搬送された。意識はあるという。 この火災の影響で運転を見合わせることになった大阪発金沢行きの「サンダーバード13号」に記者が乗り合わせた。 午前11時20分ごろ、本来通過するはずの鯖江駅に停車した。「沿線で火災が発生したので運転を見合わせる」とのアナウンスが入った。 車内は外国人観光客や国内のツアー客などで7割ほどがうまった状態。白川郷(岐阜県)や宇奈月温泉(富山県)に向かう団体ツアーの添乗員が、旅程の変更をしようと忙しく電話でやりとりし始めた。 消防車のサイレンの音が聞こえたが、車内からは火災の様子はうかがえない。「午後1時ごろに運転再開予定」とのアナウンスに、乗客は一時、ひとまず安心した様子だった。 だがその後、沿線火災で鉄道の設備が損傷したとの情報が入り、運転再開見込みの時刻が「午後3時ごろ」となった。午後0時半過ぎには列車は停電し、駅員らが2、5、8号車のドアを手動で開けて、運転再開まで乗客が車外で待てるようにした。 外国人の乗客は、日本語での車内放送の内容をたずね合いながら、不安そうな表情で駅におりた。薄暗い車内には、乗客らのスーツケースが網棚などに残されていた。 団体のツアー客は、添乗員の誘導でスーツケースを持って下車。鯖江駅に手配されたバスで目的地に向かった。姉妹5人でツアーに参加していた兵庫県西宮市の女性(57)は、「この日のために沖縄や東京からきょうだいで集まった。えらいことになったが、これもめったにない経験です」と話した。(河原田慎一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神山まるごと高専生が地域住民と育む、「少し背伸びして挑戦する力」
私立高等専門学校「神山まるごと高専」(徳島県神山町)には「ネイバーフッド概論」という全国でも珍しい授業がある。 ネイバーフッドは「隣人」の意味で、社会と関わる力を育むのが目的だ。学生が学びの一端を地元の人たちに発表する機会があると知り、特別に参観させてもらった。 同校は県中部の山あいに昨春に開校。全国から集まった1期生43人が寮生活をしながら、テクノロジー、デザイン、起業家精神をまるごと学んでいる。 参観したのは、地域共生論やコミュニティー論を専門とする佐野淳也准教授(53)が担当するネイバーフッド概論。この授業の一環で昨夏から学生たちに課してきた「マイプロジェクト」の取り組みを町民や町出身者らに発表する公開授業が1月16日と同23日にあり、取材が認められた。 マイプロジェクトとは、身の回りの課題の解決法を考え、実践する学習法で、近年全国の高校などで導入が進む。人口減と高齢化が進む一方でIT企業のサテライトオフィスが進出する神山町を舞台に、まるごと高専の学生たちがどう取んできたかが見どころだ。 学生たちは1人3分の持ち時間で、半年間の成果を発表した。 町民の思いに触れ、考えが進化 男子学生の一人は、友達が持… この記事は有料記事です。残り934文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル