大阪市は28日、新型コロナウイルス感染で1~3月に亡くなった入院患者を新たに92人確認したと発表した。第6波での患者の急増で、一部の医療機関から市保健所への報告が滞っていたという。 市保健所によると、新たに確認された死者は、年代別では60代が4人、70代が17人、80代が44人、90代が25人、100歳代が2人。月別では1月が1人、2月が56人、3月が35人だった。 市保健所によると、医療機関… この記事は有料会員記事です。残り381文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
19歳が思うスケートボードの先輩と政治家 響く言葉をくれるか否か
生活はスケートボード中心に回っている。沖縄県浦添市の喜納陽政さん(19)は練習時間を確保するため、高校卒業後に就職ではなく、ガソリンスタンドでのアルバイトを続けることを選んだ。自分のペースで動けて、個性が技に出るボードに、高1の夏から夢中になった。 10代の新成人 18歳からは大人である。民法改正で、4月からそうなった。職を得て社会に踏み出した若者たちは何を思うのか。7月10日の投開票日に向け、参院選で各候補者が支持を訴えて声をからすいま、10代の新成人の声を聞いた。 「プロになろう、ってわけじゃない。自分のレベルは分かってる」。ただ、うまくなりたい。 週5~6日、1日8時間働いて、帰宅後は5分で着替えて公園へ。休日はチームで活動する。自分がまだ跳べないような場所では仲間を撮影する側に回り、石などの障害を取り除き、滑りやすい環境を整える。技術だけでなく、まわりを見て何をすべきか考えて動くことや、人との接し方も、ボードを通して先輩たちから学んできた。「人として成長できるような、響く言葉をかけてくれる」 給料のほぼ半分は家賃代など… この記事は有料会員記事です。残り169文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ちょっぴりの勇気が岩を動かした」過重労働訴え勝訴の原告教諭
長時間勤務が軽減されずに適応障害を発症した――。大阪府立高校の男性教諭がそう訴え、府に約230万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は28日、校長の安全配慮義務違反によって発症したと認め、請求全額の賠償を府に命じた。 裁判長から「全面勝訴」を伝えられると、原告の西本武史さん(34)は傍聴席に向かい、笑顔でガッツポーズをした。かつての教え子や高校時代の恩師が傍聴に訪れていた。判決後の記者会見で「応援してくれたみんなに『やったよ』と言いたかった」と語った。 2019年2月、大阪府を相手に裁判を起こした。過重労働を強いられた職場を辞めず、同じ高校で働き続けながら「雇い主」と裁判で闘った3年超は「しんどかった」と振り返った。 代理人の松丸正弁護士による… この記事は有料会員記事です。残り339文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
一風堂「投票すれば替え玉無料」今回もやります 参院選投開票日から
伊藤隆太郎2022年6月28日 18時29分 「投票すれば、替え玉無料」というキャンペーンを、ラーメン店「一風堂」が全国129店舗で展開する。国政選挙時の恒例で、今回で5回目。 7月10日の参院選投票日から24日まで。投票所で受け取れる「投票済み証明書」を店で提示すれば、期間中に何度でも利用できるという太っ腹ぶり。 同じような「選挙割」は、他社の居酒屋やアパレル店でもある。一風堂の担当者は「投票はもちろん、証明書の権利もしっかり行使を」と呼びかけている。(伊藤隆太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
過重労働で適応障害、高校教諭の主張認める 大阪地裁、府に賠償命令
森下裕介2022年6月28日 14時58分 大阪府立高校の男性教諭西本武史さん(34)が「長時間勤務が軽減されずに適応障害を発症した」として、府に損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。横田典子裁判長は、校長が抜本的な負担軽減策を講じなかった結果、適応障害を発症したと認め、西本さん側の請求通り、府に約230万円の支払いを命じた。 西本さんは、クラス担任や世界史の教科担当、部活動の顧問、生徒の語学研修の準備などの業務が重なり2017年夏に休職。その後、適応障害と診断された。19年2月、現役教諭として働き続けながら、「雇い主」の府を相手に裁判を起こし、名前や顔を明かして記者会見し、教育現場の実態を訴えた。 判決は、適応障害を発症するまでの半年間、1カ月あたりの時間外勤務が100時間程度に上っていたと指摘。「健康を害する程度の強度の心理的負荷だった」と認定した。 その上で、教職員の健康を害するような状態を認識した場合、勤務先の校長には仕事の分配を見直すなどの安全配慮義務があると指摘。府側は、西本さんからメールで「心身共にボロボロです」などと訴えられた際、効率的に業務をするように声かけなどをしていたと主張していたが「抽象的な指示を繰り返すばかりで、注意義務を尽くしたとはいえない」と判断した。(森下裕介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「気持ちいいから」描く、コンパスのように重ねる円 國久真有の呼吸
自身の腕をコンパスのように伸ばし、「遠心力」をいかして円を重ねる。兵庫県の西脇市岡之山美術館で個展を開催中の画家・國久真有(くにひさまゆ)が描き続ける理由は「気持ちいいし、楽しいから」。でも、以前は「なんで皆が絵を描くのかわからなかった」という。 高校でインテリアデザインを専攻した後、ファッションデザインを学ぼうとロンドンに留学。現地でギャラリーや美術館を見て回るうち、アートに関心が移った。帰国して入学した神戸芸術工科大学では、立体作品やインスタレーションを作るつもりだった。 大学では絵画の課題もあったが「わからないから、描きたいものがなかった」。とりあえず床にベニヤ板を置いて絵の具をぶちまけ、お好み焼きを作る要領で混ぜてみると、かつてない興奮を覚えた。「もしかして皆、この快楽があるから描いてるのか」。しばらく食事もせず、発熱を冷却シートで抑えながら、ひたすらその衝動を追った。 それから「何を描くか」の試… この記事は有料会員記事です。残り895文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
肥料高騰、救世主は「人のウンチ」? 食料安保で自民党も提言
将来の日本の食料安全保障につながるのでは、と期待されている肥料がある。その名は「汚泥肥料」。もとになるのは私たちが下水に流す「し尿」、つまりウンチだ。 かつて、人間のし尿が肥料として広く使われてきた歴史がある。化学肥料の高騰が問題になっているいま、霞が関や永田町でも活用に向けた議論が始まっている。 「下水汚泥など国内での代替原料の利用拡大」 自民党の食料安全保障について話し合う検討委員会が5月下旬にまとめた提言で、肥料の高騰対策の一つとして盛り込まれた。 人間がトイレに流した大便や小便も肥料の原料として使っていこう、という意味だ。 提言をまとめた森山裕衆院議員は「(活用に)成功している自治体もたくさんある。汚泥は大事に使った方がいい」と話す。 化学肥料価格、1.5倍に 植物の成長に欠かせない栄養… この記事は有料会員記事です。残り1769文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
架空の寄付申請3万回超、容疑の男を逮捕 カード情報自動生成か
架空のクレジットカード番号で3万回超にわたって寄付の申請を繰り返したとして、警視庁は、専門学校生の男(21)=札幌市豊平区=を偽計業務妨害容疑で逮捕し、28日発表した。警視庁は、男がクレジットカード情報を自動生成するプログラムを使って申請を繰り返し、実在する情報を見つけて別の目的で使い回そうとしていたとみている。男は調べに対し、「やっていません」と容疑を否認しているという。 サイバー犯罪対策課によると、男は昨年8月20~23日、NHK厚生文化事業団(東京都渋谷区)がホームページで受け付ける高齢者や障害者支援の寄付フォームで、架空の「齊藤圭人(さいとうけいと)」名義を使い、クレジットカード決済で1千円を寄付するとの申請を3万4541回行い、事業団の業務を妨害した疑いがある。申請に使われたカード情報はすべて実在せず、実際に寄付は成立しなかった。 同課は、男が自主制作したプログラムを使い、クレジットカードの番号、有効期限、セキュリティーコードを自動生成していたとみている。大量の申請の確認作業などにより、寄付フォームは約2カ月半運用停止になった。実在しないカード番号での申請でもカードの決済代行業者への手数料が1件あたり15円かかるといい、事業団に約57万円の負担が生じたという。 事業団からの被害相談を受け… この記事は有料会員記事です。残り262文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
厚労省キャリア官僚、地下鉄内で少女に痴漢容疑 警視庁が書類送検
高嶋将之2022年6月28日 12時12分 厚生労働省年金局企業年金・個人年金課に勤める20代の男が電車内で痴漢をしたとして、警視庁が28日に東京都迷惑防止条例違反の疑いで書類送検したことがわかった。同庁によると、男は国家公務員の総合職試験に合格して採用された「キャリア官僚」。 富坂署によると、男は4月25日午前7時半ごろ、東京都文京区内を走行中の地下鉄車両内で、10代少女の体を触った疑いがある。容疑を認めているという。目撃した男性が男に声を掛けて次の停車駅で駅員に引き渡し、駅員からの110番通報を受けた署が任意で調べていた。 厚生労働省年金局は「事実関係の把握に努めている。非違行為が明らかになれば、厳正に対処する」としている。(高嶋将之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
着られる服が無い! SDGsで「誰もが楽しめる」ファッションへ
2030 SDGsで変える 自由な服選びをすべての人に――。障害や病気で体が不自由な人のために、好みの既製服を手頃な価格で補正するサービスが注目されています。選択肢を増やすことは、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す不平等の是正につながっています。(長谷川陽子) 着るものがない? シャツのボタンが留めにくいのでテープで留める面ファスナーに変えたい。腕を曲げにくいのでTシャツを前開きにしたい。オンライン補正サービスの「キヤスク」には、細かい要望に応えるためのメニューが約80種類、用意されている。料金は1千円台半ばから高いもので8千円ほど。メニューにない補正も相談できる。価格を下げるため実店舗はなく、依頼から完成した服の受け取りまで、すべてオンラインでやりとりする。 この事業を始めたコワードローブ社長の前田哲平さん(46)は、ユニクロを運営するファーストリテイリング社で店長や経営企画などの仕事をしていた。ある日、聴覚障害のある同僚から「私の周りの障害のある人は、着るものがないと言っている」と聞かされた。あらゆる人に向け、低価格で高品質な衣料品を提供しようとするユニクロの服が届かない人がいることに、「衝撃を受けた」。 3年かけて800人の障害者に話を聞き、好みではない服をがまんして着ているなど、選択肢が圧倒的に少ない現実を知った。「心豊かに暮らすため、着たい服を着る権利はすべての人にある。かなわない人がいるのはおかしいと思いました」 記事の後半では、補正を担当する障害児の母親の言葉や、実際にサービスを利用した人の思いを紹介します。 大切なのはたくさんの選択肢から「選べる」こと。障害者用の服をつくるのではなく、好きな服を体に合わせて直せばいい。そう考えた。 2020年末に退社し、クラウドファンディングで構想を披露すると、276人から414万円が集まった。今年3月にサービスを開始した。 どんな障害があっても 「キヤスク」を支える12人の補正スタッフのうち、8人は障害のある子供がいる母親だ。我が子のため独学で身につけた洋裁や補正の技術が、同じ悩みをもつ人の役に立っている。 その1人、東京都の手塚典子さん(43)には、重度心身障害児の10歳の娘がいる。入院も多く前開きの服が必要だが、成長とともに既製服では見つけるのが難しくなった。そこで、洗練された柄の生地などで手作りするようになった。 「周りの人が『かわいい服ね』って声をかけてくれると、本人もニコニコしている。どんな障害があっても着る服は大切です」 障害児の親から注文を受けて販売していたところ、キヤスクから声がかかった。娘は生活全般に介助が必要で、外へ働きに出るのは難しい。「この仕事で社会との接点が生まれてありがたいです。着たいものが着られない悔しさがわかるから、その気持ちに寄り添いたい」 ぶかぶかの制服 東京都の岡田実和子さん(48)は、モニターとして手塚さんらに補正を依頼した。次男の虎次郎さん(16)には脳性まひと知的障害があり、手足が不自由なため服はすべて岡田さんが着せている。ボタンを面ファスナーに変える補正を4着分頼んだところ、「簡単に着せられるようになった!」。 小さい頃から着せるものに苦労してきた。学校の制服は、業者から「着せやすいように」と大きいサイズを強く薦められ、ブレザーもズボンもぶかぶかだ。「着られるけど着にくい。もっとこうだったらいいのにという服が多い」 虎次郎さんはラグビー観戦が大好きで、応援で着るチーム名入りの服の補正も頼んだ。岡田さんは「手の届きやすい価格なのもうれしい。これからまだまだ頼みたいお直しがあって、ワクワクしています」と話す。 広がる「誰もが楽しめるファッション」 SDGsへの関心の高まりや東京パラリンピックの開催などを機に、ファッションでも多様性や「誰もが楽しめる」という考えが少しずつ広がってきた。 大手アパレルメーカーのアダストリアは昨年、病気や障害のある人も着やすい服をつくりはじめた。日本障がい者ファッション協会は、誰もが着られる巻きスカート「ボトモール」を提案し、9月にパリでファッションショーを開く。キヤスクの前田さんも、ユニクロ時代に「前開きのインナー」シリーズの開発を主導した。手頃な値段で手に入ると好評だ。 2022年版障害者白書によると、国内の障害者は推計で約964万7千人、約7・6%に何らかの障害がある。洋服選びに制約のある人は多いが、障害は人によってさまざまで必要とする服も異なる。量産が難しく、採算が取りにくい点が課題だ。 キヤスクはスタートして3カ月。まだ十分な利益は出ていないが、「選択肢を増やす」ことで平等という根本的な課題に正面から向き合っている。障がい者総合研究所(東京都)の戸田重央所長もこうした動きを歓迎する。「ファッションに意識を向けることができれば、心の豊かさやQOL(生活の質)の向上にも役立ちます」 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル