11年越しの被災者らの願いは、届かなかった。想定外の津波なら原発事故への国の責任はない、とした最高裁。仕事や人との絆を奪われ、「わずかでも国は責任を」と求めてきた原告たちは憤った。 今回の判決の対象になった4訴訟の原告らは、判決後に合同で会見し、戸惑いや落胆の表情をみせた。 「思いもしなかった判決。混乱している」。愛媛訴訟の原告の渡部寛志さん(43)は声を震わせ、「原発事故を起こした社会の誤りを正せないままに終わってしまう」と訴えた。 2人の娘とともに裁判に参加… この記事は有料会員記事です。残り982文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
介助してきた母殺害、懲役6年 「ヤングケアラー」の男、深めた孤立
同居する母親の首を絞めて殺害したなどとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた無職青谷良樹被告(29)=愛知県豊川市古宿町=の裁判員裁判で、名古屋地裁岡崎支部(三芳純平裁判長)は17日、被告に懲役6年(求刑懲役8年)の判決を言い渡した。 被告は起訴内容を認めており、量刑が争点だった。弁護側は被告が母親を一人で介助してきた「ヤングケアラー」で、「介護疲れを理由とする事件」として情状酌量を訴えていた。 判決は母親が精神障害を患い、自殺未遂や暴言を長年繰り返してきたと指摘。被告が犯行までの約2週間、暴言で睡眠を妨害され、過度の睡眠不足だったとして「我慢の限界に達したことは理解でき、酌むべき点がある」と述べた。 一方、被告が市の担当者による就労の助言などを拒み、医師にも積極的に相談していなかったと指摘。「周囲の助けを借りて現状を改善する努力をせず、短絡的な面がある」と判断した。専門学校に通学できていた点にも触れて、「人生を犠牲にしていたとはいえず、社会から完全に孤立断絶した境遇にあったとはいえない」と結論づけた。 判決によると、被告は2018年6月28日~7月2日ごろ、自宅で母親の首を絞めて殺害し、遺体を自宅内の衣装ケースに入れて約3年間放置した。 「ヤングケアラー」だった青谷被告。公判では周囲から十分な支援を受けられず、孤立を深めていった状況が浮き彫りになった。 中高生の頃は母親の介助のた… この記事は有料会員記事です。残り730文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名古屋入管元局長ら不起訴 ウィシュマさん遺族は検審申し立てへ
名古屋出入国在留管理局で収容中だったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、名古屋地検は17日、当時の局長ら職員13人について不起訴処分(嫌疑なし)とし、発表した。遺族はこれを不服として検察審査会に申し立てる意向だ。 13人は殺人や保護責任者遺棄致死の疑いで告訴・告発されるなどしていた。地検は業務上過失致死など他の容疑でも捜査したが、いずれも刑事責任は問えないと判断した。ウィシュマさんの死亡を巡る捜査はこれで終結した。 地検は不起訴の理由について、「捜査を尽くしたが、死因や死亡に至る具体的な経緯を特定できなかった」などと説明した。 この日はウィシュマさんの妹… この記事は有料会員記事です。残り222文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元マグロ漁船員ら「汚染水で体洗った」 高齢のため、あらかじめ尋問
米国が1954年、太平洋のビキニ環礁周辺で実施した水爆実験で被曝(ひばく)した高知県内の元マグロ漁船員や遺族ら19人が国に計約1200万円の損失補償を求めた裁判で、高知地裁(藤倉徹也裁判長)は17日、高齢で持病があり、あらかじめ証拠を保全しておく必要があるなどとして、元マグロ漁船員4人の証人尋問(非公開)を同県土佐清水市の公民館で行った。 4人は、いずれも同市在住で92~87歳の男性。原告側が民事訴訟法に基づき、証拠保全のための証人尋問を求めていた。 原告側によると、4人は、放射能に汚染されたとみられる雨水や海水で体を洗ったり、魚を食べたりした船上での暮らしぶり、その後の健康状態、同僚の傷病の発症状況などを裁判官の前で証言した。 尋問後、第11冨佐丸の元機… この記事は有料会員記事です。残り285文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山口組主要幹部を逮捕 組員の名札を隠した疑い
愛知県警は17日、指定暴力団山口組の直系組織「平井一家」(同県豊橋市)総裁の薄葉暢洋容疑者(65)=豊橋市仁連木町=と、同幹部の原幸夫容疑者(55)=同市西口町=を証拠隠滅の疑いで逮捕し、発表した。薄葉容疑者は「若頭補佐」と呼ばれる山口組執行部メンバーの1人。県警は2人の認否を明らかにしていない。 捜査4課によると、2人は共謀し、5月17日ごろ~20日、同市内の組事務所に掲げていた組員2人の名札を外して、刑事事件の証拠品を隠した疑いがある。 この組員2人について県警は5月17日、暴力団員であることを隠して持続化給付金を不正受給したとして逮捕。別件でこの5日前に事務所を家宅捜索した際には2人の名札が掲示されていたが、不正受給事件での20日の捜索時には外されていたという。 県警は、薄葉容疑者らは、2… この記事は有料会員記事です。残り99文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「事故以前の常識」重視の最高裁判決 反対の裁判官「問題見失うな」
有料会員記事 根岸拓朗 山野拓郎、佐々木凌、今泉奏2022年6月17日 22時36分 国には原発事故を起こした責任はあるのか。地裁、高裁で真っ二つに割れてきた司法判断に、最高裁が出したのは「責任なし」という結論だった。反対意見も付いた判断の決め手は何だったのか。責任を免れた政府・与党は再稼働に勢いづいている。 「端的に言えばあまりに大きな津波だったため、長期評価を前提に行動しても回避できたとの判断には無理が大きすぎる」 最高裁第二小法廷の菅野博之裁判長は補足意見で、国の責任を否定した理由をこう説明した。 未曽有の事故に対する国の責任をめぐる司法判断は、地裁と高裁の計23件の判決で「認める」が12件、「認めない」が11件と二分されてきた。最高裁で立ちはだかったのは、「想定外」という高い壁だった。 電気事業法では、国は原発事… この記事は有料会員記事です。残り2428文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
西九州新幹線、3日前までなら博多―長崎3600円 ネット予約割引
榎本瑞希2022年6月17日 19時30分 JR九州は、9月23日開業の西九州新幹線(武雄温泉―長崎)に関するインターネット予約割引について発表した。1カ月前から予約できる。 17日の発表によると、博多―長崎の指定席は、通常料金を片道6050円と設定。出発日の3日前までの予約となる「かもめネット早特3」は3600円で、2450円安い。3日前を過ぎた場合の「かもめネットきっぷ」も4200円とし、1850円安くなる。 さらに年内は「おためし!かもめネット早特7」として7日前までのネット予約を設定し、3200円で販売する。予約はいずれもJR九州のサイトで。 博多―長崎は、武雄温泉駅(佐賀県武雄市)で、在来線特急と西九州新幹線を乗り換える「リレー方式」で運行する。最速は現行より30分短い1時間20分。 現在の在来線特急でのネット割引は、7日前までの予約だと2340円。(榎本瑞希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20㍍の踏切を渡りきれず? 男性が電車と接触し死亡 JR京都線
2022年6月17日 19時35分 17日午前11時40分ごろ、大阪府島本町東大寺のJR京都線の「堂の後踏切」で、70代ぐらいの男性が歩いて横断中に、野洲発姫路行きの新快速に接触し、死亡した。府警によると、踏切は全長約20メートル。男性が渡りきれず、電車にはねられた可能性があるとみて調べている。 高槻署によると、踏切に備えられたカメラには、男性がキャリーバッグを引きながら歩いている姿が映っていた。踏切は遮断機、警報機付きで、上下計4本の線路が走っており、男性は3本の線路を渡って4本目の線路を横断中に電車と接触したという。 JR西日本によると、遮断機、警報機とも正常に作動していたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
淀川で発見の遺体、小6男児と判明 京都・宇治川で川遊び中流される
2022年6月17日 20時00分 京都市伏見区の宇治川で5日、川遊びをしていた小学6年生の男児(11)が流され行方不明になった事故で、大阪府警は17日、下流の淀川で10日に発見された遺体について、この男児と判明したと発表した。枚方署によると、司法解剖の結果、死因は溺死(できし)とみられるという。 事故は5日午後、宇治川の観月橋上流で発生。地元の小学生の男児2人が流され、1人は間もなく救助されたが、もう1人が行方不明となった。下流の大阪府高槻市の淀川で子どもの遺体が見つかっていた。不明になった場所から発見場所までの距離は、直線で約11キロだった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「煙たがられている?」修繕積立金の値上げ提案に、反応は…募る不安
「修繕積立金を見直しませんか」 自分たちの月々の負担を増やそう――。思い切った提案だった。 70代の男性は、大阪市内にある築20年超の分譲マンションで暮らす。 理事会でそう問題提起したのは、数年前のことだ。 契約時に「5年ごとの見直し」とされていた長期修繕計画は、10年ほど前に一度見直されたきり、放置されていた。 前回の計画見直しの翌年、修繕積立金は1平方メートルあたり70円程度から110円程度に値上げされた。当時の管理会社は約170円を提案したものの、住民は大反対。しかし、国土交通省のガイドラインでは同じ規模のマンションだと335円が平均とされている。 「いずれ足らなくなるのでは」 そんな危機感からの理事会での提案。しかし、ともにマンションを管理する「仲間」であるはずの理事たちの反応は、鈍かった。 「そこまで考えなくても……」 「今は別の課題が……」 理事は、2年交代で輪番制。「自分の期で、面倒なことをしたくない」という思いも感じた。 管理組合の活動が、活発とはいえないマンションもあるようです。議論が深まらない総会や理事会。さらに悩みを深めたのが、コロナ禍。オンライン化が進まない背景にあるものは。記事後半で、コロナ禍の総会の現状を紹介しています。 男性は、その後も「マンションをよくしたい」と理事会で積極的に発言するようにしていた。 しかし、ほかに意見をする人はほとんどいない。「自分は煙たがられているのでは」という不安も感じるようになった。 そもそも、会議は管理会社が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル