有料記事 聞き手・藤田知也2024年2月5日 8時00分 高速道路6社が暴力団への規制を強め、クレジットカードがなくてもETCを使えるETCパーソナルカード(パソカ)からの排除を徹底しています。これに対して愛知県の暴力団幹部は昨年、法の下の平等を定める憲法14条などに反するとして6社を提訴し、いまも係争中。憲法に照らすと、どのような争点が浮かぶのか。憲法学者で立命館大法科大学院教授の倉田玲さんに聞きました。 ――高速道を走ることは、日本国憲法で保障された権利だと言えますか。 「憲法第22条第1項は『居住、移転及び職業選択の自由』を定めている。高速道を走る自由は、公共の道路を日常的に通れるのと同じように『移転の自由』に含む形で権利として保障される。暴力団員であっても同じだ」 ――暴力団員であることを理由にパソカを使わせない行為は、どう評価されますか。 「どの程度の制約や権利侵害になるかがポイントの一つだ。高速道から完全に排除すれば権利の侵害と言えるが、カードがなくてもETCレーンを通れるなら話は変わる。現金で利用する場合の手間や負担がどの程度か、身近なインターはどうなっているか。そうした実害の程度によっても判断は違ってくる」 ――憲法で保障された権利の制約や侵害が許されるのは、どのような場合でしょうか。 「憲法第22条第1項には『公共の福祉に反しない限り』という前置きがある。公共の福祉は、みんなの幸せを指す。他人に迷惑をかけるような権利の使い方は認められず、制約できると解釈される」 民間企業と同じ論法は通用しない ――高速道での『公共の福祉』とは何でしょうか。 「パソカの利用規約には以前… この記事は有料記事です。残り2391文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高速6社「暴力団員もETC使わず走行可に」 憲法違反の訴えに反論
暴力団員であることを理由にETCパーソナルカード(パソカ)を使わせないのは違法だとして、暴力団幹部が利用の継続を求めた名古屋地裁での訴訟で、高速道路6社が棄却を求めて争っている。6社は高速道のETC専用化を進める一方で、暴力団員もETCを使わずに走れるようになるとして、憲法違反にはあたらないとの主張だ。 パソカはクレジットカードがなくてもETCを使えるようにするサービスで、ETCの利用率を高める狙いがある。高速道は2025年度に都市部、30年度ごろに全国で「ETC専用」とする計画だ。 パソカはクレカを作れない暴力団関係者にも広く使われてきた。原告の暴力団幹部は昨年2月に会員資格を取り消され、5月に高速6社と国を相手取って提訴。パソカを使わせないのは「不合理な差別」だとし、法の下の平等を定める憲法14条などに反すると訴えた。 これに対して被告側の6社は、国がETC非対応車の料金徴収を検討中だとし、誤進入車を誘導するサポートレーンを使えば、パソカのない暴力団員でもETC専用の出入り口を通れると主張。暴力団排除は社会の要請であり、組員が自ら脱退できることからも違法とはならないと反論している。 国はETC専用化の計画を20年に公表した際、ETC非対応車の料金徴収を検討すると表明したが、結論はまだ示されていない。 NEXCO東日本の広報担当者は「係争中なので(訴訟に関する)コメントは控える」としつつ、パソカの規制強化については「不当要求の防止に資する」とした。 パソカをめぐっては愛知県警… この記事は有料記事です。残り316文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海底隆起の輪島港、漁に出られず再開も見通せず 農水相に支援を要望
坂本哲志農林水産相が4日、能登半島地震で大きな被害が出た石川県輪島市の輪島港を視察した。水揚げが県内随一の港だが、海底が隆起した影響で水深が足りなくなるなどし、漁に出られない状態。再開の見通しも立っていないという。 県によると、輪島港には、刺し網漁船や底引き網漁船など約200隻が停泊。冬場はタラやブリ、ズワイガニなどが水揚げされる。地震では海底が1~1・5メートルほど隆起し、港内には漁船2隻が座礁したままになっている。 坂本農水相や馳浩知事は、漁船が停泊する岸や給油施設、荷さばき所を回り、漁業関係者から被害状況の説明を受けた。 視察後には、漁業関係者との意見交換会があった。県漁業協同組合の笹原丈光組合長が「壊滅的な状態で、復興は私たちの力だけでは到底無理。国、県に力を借りて、一日でも早く再生させたい」と要望した。坂本農水相は「何から手をつけるか、どういう工程で復旧工事をやるのかを早く示すことが大切。輪島が再びにぎわいを取り戻せるよう、全力で頑張りたい」と応じた。(岡純太郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ビオトープ作りに励む悠仁さま、秋篠宮さまと大会に出席、懇談も
多田晃子2024年2月4日 18時30分 秋篠宮さまと長男悠仁さまは4日、東京都台東区の東京国立博物館平成館で開かれた「全国学校・園庭ビオトープコンクール2023」の発表大会に出席した。悠仁さまの同大会への出席は初めて。 このコンクールは、学校や園庭などに色々な生きものがすむ「ビオトープ」をつくって活用する先進事例を発信するもの。秋篠宮さまはあいさつの冒頭、能登半島地震の犠牲者に哀悼の意を、被災者にお見舞いを伝えたうえで「意義深い取り組みが広く紹介されることは、持続可能な社会の実現に向けた人づくり・地域づくりにも大きく貢献するものと考えます」と述べた。お二人は上位5賞の受賞校や受賞園の表彰式の後、各取り組みの発表に耳を傾け、拍手を送った。関係者によると、発表を聞いた秋篠宮さまは、ビオトープの池の底について「どうやって作ったんでしょうかね」と話したり、取り組みについて「すばらしいことですね」などと感心したりしていたという。 これに先立ち、優秀賞受賞のうち3団体の取り組みを聞きながら生徒らと計約15分間懇談。悠仁さまは「ミヤコタナゴを育てていく環境で、何か工夫した面はありますか」「ビオトープの広さはどのくらいですか」と質問した。秋篠宮さまが悠仁さまに「キイトトンボは珍しいの」と尋ねる場面もあったという。 悠仁さまはお住まいがある赤坂御用地(東京都港区)で、小学生の頃から関心があったトンボ類の生息環境の調査を続け、生き物の生息環境が良くなるよう、ビオトープづくりに取り組んできた。昨年11月には、研究者らと執筆した「赤坂御用地のトンボ相―多様な環境と人の手による維持管理―」と題する学術論文を発表した。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
経費5776円で100円稼ぐ路線 それでも「存続以外あり得ない」
有料記事 藤田大道 原田悠自2024年2月5日 5時00分 「また明日ね~」。昨年12月のある夕方、JR水郡線の常陸大子(ひたちだいご)駅(茨城県大子町)のホームから降りてきた10人ほどの高校生が手を振って別れていく。白い吐息をはきながら歩いて帰る人、駅前で待つ親の車に駆け足で乗り込む人。ものの数分で、あたりに誰もいなくなった。バスやタクシーもなく、駅周辺は閑散としていた。 「生活の足」として欠かせない存在だったローカル線が窮地に立たされています。人口が減っていくまちで、公共交通はどうあるべきか。茨城県内の事例を通して考えます。 驚きの赤字公表 今から1年半前の夏、大子町を含めた沿線自治体が息をのむ出来事があった。 常陸大子―磐城塙(福島県塙… この記事は有料記事です。残り1472文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「雪国の象徴」維持へあの手この手 格安の公設スキー場のいま 岐阜
愛好者の減少や雪不足に悩むスキー場。公設スキー場を2カ所ずつ持つ岐阜県高山市と飛驒市はそれぞれ、地元利用者とのつながりを重視するなど、ゲレンデの「すみ分け」を狙った運営に乗り出している。民間との競合のなか、「雪国のシンボル」は守れるのか。 1月20日、高山市一之宮町の「高山市民スキー場」。雪不足のため滑れないコースもあったが、近隣や遠方から家族連れなどが訪れた。 名古屋市の40代会社員は妻子とスノーボードやそり遊びに興じた。「もう少し雪があれば。でも子どもも楽しんでいる」。名古屋からは郡上市高鷲地区のスキー場の方が近いが、「ここは安いし、昔も来ていた」と日帰りで足を延ばした。 昨季までの名称は「モンデウス飛驒位山スノーパーク」。近くには別の市営スキー場「ひだ舟山スノーリゾートアルコピア」もあった。どちらも合併前の旧町村時代にオープンし、小規模ながら50年を超える歴史を誇った。 だが、2000年度に計約17万6千人いた両スキー場の利用者は、22年度には約5万5千人に。深刻な雪不足だった19年度は計2万人に満たず、市は指定管理者に約8千万円を補塡(ほてん)した。新型コロナや原油・物価高の影響を受け、その後も補塡は続いたという。 両スキー場の共倒れが懸念さ… この記事は有料記事です。残り2390文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
さっぽろ雪まつり開幕 ゴールデンカムイ・大谷翔平選手&デコピン…
古畑航希2024年2月4日 20時20分 北海道の冬の風物詩「さっぽろ雪まつり」が4日、札幌市中央区の大通公園などで開幕した。昨年まではコロナ禍のため一部会場が中止されていたが、4年ぶりに全3会場での開催となった。高さ10メートルを超える大雪像を含む計196基の雪氷像が並ぶほか、6年半ぶりの開催となった札幌国際芸術祭の展示もある。11日まで。 3年ぶりのリアル開催となった昨年の来場者は175万人だったが、今年はインバウンドの回復傾向もあり、コロナ前の水準である200万人を目指す。大通、すすきの(中央区)、スポーツ交流施設「つどーむ」(東区)で開かれる。 大通会場では、明治時代の北海道を舞台にした人気漫画「ゴールデンカムイ」のキャラクター、杉元佐一やアシ●(小書きのリ)パなどの大雪像が並ぶ。約80基の市民雪像も立ち並び、専用アプリを使った人気投票も行われる。 札幌国際芸術祭の展示は大通2丁目にあり、「とある未来の雪のまち」をテーマに光や音を用いた作品を体感できる。繁華街のすすきの会場では、60基の氷像を見ることができる。つどーむ会場では「子どもから大人まで遊べる場」をコンセプトに、雪のすべり台や雪だるま作り広場などを楽しむことができる。(古畑航希) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
おかえり、16人のAKB48 研究生が新公演「そこに未来はある」
アイドルグループAKB48で正規メンバーを目指す「研究生」の新公演が4日夜、東京・秋葉原のAKB48劇場で始まった。これに先立ち、通し稽古が報道陣に公開され、出演した16人がフレッシュな笑顔をふりまいた。 ステージに立った研究生は、2022年に加入した17期生と、23年に加入した18期生。新公演のタイトルは「そこに未来はある」で、グループの人気楽曲を中心に構成された。 通し稽古後の取材で、18期の八木愛月(あづき)さん(18)=都内出身=は「初日(公演)を迎えられて、とても幸せ」。17期の山﨑空さん(19)=同=も「いまの研究生の魅力や良さをたくさんの人に知ってもらえたらいいなと思います」と笑顔を見せた。 AKB48はコロナ禍の影響で、ここ4年、劇場公演の出演人数を絞っていた。今回から通常の16人での公演が復活。18期の新井彩永(さえ)さん(18)=都内出身=は「歴史のある場所で、16人公演を研究生から復活できたのは大きな意味がある」と話した。 05年に結成されたAKB48は10年代以降、常に100人以上のメンバーがいた。しかし昨年、「卒業」が相次ぎ、現在は研究生を合わせて50人ほどにメンバー数が減っている。 こうした中、17年にわたってグループに在籍した人気メンバー、柏木由紀さんも今年4月に卒業を予定。一方、新たなメンバー「19期生」のオーディションを開催するなど、世代交代が急速に進んでいる。 選抜メンバーとしても活躍する17期の佐藤綺星(あいり)さん(19)は「先輩方が卒業したり、チーム制がなくなったり変化があったけれど、16人公演の再開など、新しい風を吹かせていきたい」と話した。(小松隆次郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
発売前の少年ジャンプ作品をネット掲載 著作権法違反容疑で男逮捕
吉田啓2024年2月4日 21時15分 人気漫画誌「週刊少年ジャンプ」の連載作品を、雑誌発売の数日前にインターネットのサイトで公開したなどとして、熊本県警サイバー犯罪対策課などは4日、著作権法違反容疑で外国籍の男2人を逮捕し、発表した。 逮捕されたのはいずれも外国籍の東京都新宿区新宿5丁目の会社経営の男(36)と東京都文京区向丘1丁目の会社員の男(34)。容疑者が経営する会社も、法人として同容疑で書類送検する方針。 発表によると、2人は共謀して①2023年3月15日ごろ週刊少年ジャンプに連載中の漫画の最新話を雑誌発売日前にインターネット上のサイトで公開し、②今年1月31日午前11時半ごろ、この作品の掲載最新話を雑誌発売の数日前にスマートフォンで撮影して複製し、作者の著作権を侵害した疑いがある。 調べに対し両容疑者は①について「私じゃない」と否認し、②については「間違いない」と容疑を認めているという。 県警は2人が都内の卸売店から発売日前の雑誌を入手していたとみている。 また、県警はほかにも複数のサイトに「ワンピース」や「呪術廻戦」といった連載中の人気作品が、週刊誌発売前に掲載されていることを確認していて、2人が関与していないか調べている。(吉田啓) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
がんに立ち向かう決意をこめてライトアップ 4日は世界対がんデー
2024年2月4日 21時23分 世界対がんデーの4日夜、がんに立ち向かう決意を発信することを目指し、各地で同時にライトアップの催しがあった。午後6時すぎ、東京都庁、名古屋市の「中部電力 MIRAI TOWER」、奈良市の薬師寺、福岡市赤煉瓦(れんが)文化館など16カ所で、ビルや建物が「国際対がん連合(UICC)」のテーマカラーである青とオレンジの光に包まれた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル