多くの住宅が損壊した能登半島地震の被災地で3日、応急仮設住宅への入居が始まった。最初は石川県輪島市内の18戸で、3月末までに県内で約1300戸が入居できるようになる見通しだ。 入居が始まったのは観光施設「輪島キリコ会館」近くの仮設住宅。2DK14戸と4DK4戸に、18世帯の約55人が入る予定になっている。木のぬくもりが感じられる内装で、窓ガラスは寒さ対策のため3重に。オイルヒーターも備えられている。市内はまだほぼ全域で断水しているが、室外に貯水槽が設置され、浴槽などで水が使える。 鍵を受け取った蕨野(わらびの)永治さん(75)は、一人暮らしをしていた観光名所「輪島朝市」近くの自宅が地震後の大規模火災で焼け、避難所で過ごしてきた。「プライベートな場所ができて助かる」と言う一方、まだ入居できていない人たちのことを思い、「うれしさ半分、申し訳なさ半分です」とも話した。 県内では1万4千人余りが避難所で過ごしている。県は3月末までに仮設住宅のほかに、県内で賃貸物件を県が借り上げる「みなし仮設住宅」約4300戸、公営住宅約900戸を確保する。 応急仮設住宅をめぐっては、入居の希望者数が建設予定の戸数を上回っており、増設できるかが課題となっている。 入居が始まった3日、石川県… この記事は有料記事です。残り700文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「飲酒運転、見逃さない」 17歳高校生の死悼み市と警察が撲滅誓う
西田慎介 西岡矩毅2024年2月4日 8時30分 福岡県大牟田市で1月末、飲酒運転による事故で17歳の高校生が亡くなったことを受け、市と福岡県警大牟田署は2日、大牟田文化会館で緊急の飲酒運転撲滅大会を開いた。交通安全協会員ら市民約120人が参加し、飲酒運転の根絶を誓った。 事故は、1月29日午後9時10分ごろ発生。県道交差点で原付きバイクと軽乗用車が衝突し、バイクに乗っていた市内の高校生の山下和真さん(17)が頭を強く打って死亡した。 車を運転していた市内の無職井上雄二容疑者(61)は道路交通法違反(酒気帯び)容疑で逮捕され、呼気からは基準値の約4倍のアルコールが検出された。署によると、「29日午前2時から午前6時まで自宅で焼酎のお湯割りを十数杯飲んでいた」と供述しているといい、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いを視野に捜査を進めている。 2日の大会では、那須重人署長が、飲酒運転は「重大な犯罪」とし、昨年の県内の検挙数を紹介。1536件(前年比145件増)で、うち大牟田署管内は64件(同29件増)だった。 そのうえで、那須署長は「飲酒運転をしている人を知っている、見たという方はためらうことなく110番を」と強く呼びかけた。昨年、同署には123件の情報が寄せられ、12件が検挙につながったという。 また、11年2月に飲酒運転の車にはねられて長男を亡くしたNPO法人はぁとスペース代表理事の山本美也子さん(55)が講演。「命が奪われてからでは遅すぎる。飲酒運転を止めないといけない」と訴え、「(警察への通報は)いじめや告げ口ではなく、飲酒運転をする人を出さないという思いやりの心です」と呼びかけた。 大会の最後に参加者らは「飲酒運転は絶対しない、させない、許さない、そして見逃さない」と声を上げた。(西田慎介、西岡矩毅) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
犯罪の背景に障害があったら? 再犯防ぐためには 札幌でシンポ開催
刑法犯で逮捕や書類送検された人のうち、およそ2人に1人が「再犯者」となっている現状を受け、再犯防止について考えるシンポジウムが3日、札幌市中央区で開かれた。札幌高検など法務省管轄の4機関が主催し、オンラインを含め約150人が参加した。 これまで再犯の背景として、貧困や家庭環境、依存症といった精神疾患や障害などが指摘されてきた。刑務所での服役後に出所する人に対しては、就労支援や福祉サービスとの連携といった「出口支援」が行われている。 この日のパネルディスカッションでは、刑務所に入る前の「入口支援」がテーマとなった。 検察が犯罪の成立は認めた上で悪質性などを考慮して起訴を見送る「起訴猶予」や、裁判官が有罪を認めた上で刑の執行まで期間を置く「執行猶予」になった人は、刑務所に入ることはなく社会に戻る。 このうち障害や経済的困窮といった背景がある人に対して、再犯をしない環境作りのための支援を検察庁が行っており、「入口支援」と呼ばれている。 実例も紹介された… この記事は有料記事です。残り272文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「国の事業」と称し電柱検査 相談100件、経産省「一切関係ない」
国の事業で電柱の劣化検査をしないかと持ちかけられ、出資金を要求された――。そんな相談が経済産業省に寄せられている。同省は「一切関係ない」と注意を呼びかけている。 経産省が昨年7月、ホームページに掲載した文書によると、「全国非破壊検査協会連合会」「日本非破壊電柱検査協会」「日本探査協会」の3団体が、同省からの委託事業だとして電柱の検査を実施する権利を持ちかけ、金銭を要求しているとの相談が寄せられた。 同省によると2020年以降、北海道から九州まで全国から約100件の相談があったという。 そもそも電柱は、電力会社のグループ会社などが設置し、管理も行う。グループ会社は電気事業法などに基づき保安規程を経産相に提出し、何年かごとに検査している。経産省が検査の委託事業を行うことはないという。 北海道から九州までの大手電力9社の本社やグループ会社の広報担当者は朝日新聞の取材に対し、いずれも「確認できる限り、3団体との関わりはない」としている。 「非破壊検査」は、超音波などを使って対象物を破壊せずに行う検査を示す一般的な言葉。3団体と名前が似ている「日本非破壊検査協会」など複数の組織が、3団体との関わりがない旨をホームページで周知している。 昨年末時点の法人登記によると、3団体は20~21年に設立された一般社団法人で、代表理事は同じ女性。 代表理事の女性は昨年12月、朝日新聞の取材に応じ、「経産省の職員から将来予算を組むと聞いた。委託されたとは言っていない。職員の所属や名前は言えない」などと語った。 取材の過程で、かつて代表理事が使っていた名刺を入手しました。その名刺は事実と違う点が多くありました。 この女性がかつて業者に配っ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教室に残されたままのランドセルや体操着 原発避難者らが母校を再訪
東京電力福島第一原発事故の影響で今も立ち入りが制限されている福島県大熊町の帰還困難区域で3日、小学校や幼稚園が事故後初めて報道陣に公開された。園児や児童だった100人以上が13年ぶりに訪れ、当時のまま残されたランドセルや私物と対面した。 公開されたのは、町立熊町小学校と熊町幼稚園(いずれも廃止)のほか、熊町児童館の3施設。333人が在籍(2010年5月時点)していた小学校では、11年3月11日当時のカレンダーが壁に貼られ、ランドセルが机の上に残されたままだ。 小学4年生だった鈴木みつきさん(23)は震災後、初めて校舎内に足を踏み入れた。他の児童とまず校庭に避難し、翌日には町外へ移動を余儀なくされた。 記事の後半では、当時小学1年生だった次女を亡くした男性の訪問の様子を紹介しています。 教室には、社会科見学で訪れた施設をまとめた自作の壁新聞や読書感想文が飾ってあった。絵が多く描かれているのを見て、「絵を描くのが好きだったので、頑張って描いたのだと思う」と懐かしんだ。 こだわりのランドセルと再会 机の上には、かつて使っていたピンク色のランドセル。友達と色が重ならないように選んだものだ。「お気に入りだったので、ずっと取りに来たいと思っていた。大切に保管したい」と話した。 小学4年生だった志賀俊希さ… この記事は有料記事です。残り1120文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「おせち食べないで」父に言ったあの朝 倒れた家から運び出した重箱
「雨でダメになる前に、少しでも運びださないと」 1月29日の午後、輪島市山岸町の土中美紀(みのり)さん(47)は、1階部分がほとんど潰れてしまった自宅で、思い出の品々を捜していた。家族の写真を収めたアルバムや、食器類などが出てきた。 台所周辺を捜していた美紀さんが何かを手に取り、声を上げた。 「あかん、泣きそうや」 手にしていたのは泥で汚れ、少し傷が付いたお重だった。 お重を見つめ、つぶやく。「あの日、あんなことを言わなければ良かった」 1月1日朝、美紀さんは仕事のために家を出た。夜には、同居する父・健一郎さん(74)と、東京から帰省する娘の優希さん(24)の3人で正月を祝うはずだった。 「今日は優希が帰ってくるか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
節分の被災地、輪島の神社で「鬼は外」 豆まきはトラックの荷台から
能登半島地震で被災した石川県輪島市の神社で豆まきが行われた=小林一茂撮影 節分の3日、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市の重蔵(じゅうぞう)神社で豆まきがあった。 境内の建物は倒れたり傾いたりしており、豆は社殿からではなくトラックの荷台の上からまかれたが、「鬼は外、福は内」の声で集まった被災者らが笑顔になった。 同神社では節分に、還暦の年男が豆をまく習わしがある。 輪島市内で精肉店を営む新谷祐治さん(59)は、避難先の同県加賀市から戻って豆をまいた。豆まきに関わる人の間で「こんな時こそやろう」という話になったという。 「みんなの笑顔が見られてよかった。現実は厳しいが、少しの間でも忘れられる場になったなら」。神社では、炊き出しもあり、被災者らが長い列をつくっていた。(真野啓太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
珠洲出身の井道女流二段が復興支援イベント 故郷に思いを託した文字
将棋の女流棋士で石川県珠洲市出身の井道千尋女流二段(35)が3日、都内で行われた能登半島地震復興支援イベントに参加した。 今月1日で発生から1カ月。死者が100人を超えるなど大きな被害を受けている珠洲市で生まれ育った井道女流二段は、指導対局や色紙への揮毫(きごう)などでファンと交流し「珠洲のためのとてもありがたいお話でしたので、少しでもお手伝いできたらと思いました」と語った。故郷について「人も自然ものんびりおっとりしていて、いつ帰ってもホッとする大切な場所です」と思いを寄せた。 市内に住む両親や親戚は無事だったが、自宅は屋根瓦が全て崩落し、車も破損するなど被害を受けた。「当日は夜まで両親に連絡がつかなくて……。海からも近いので本当に心配しました」。発生後の数日は大きな余震が続いたため、父の信吉さん(62)と母の裕美子さん(61)はしばらく車中泊を余儀なくされた。1カ月が経過した今も断水は続き、炊事や風呂、洗濯などで不自由な生活を強いられている。家族を失った友人もいる。「今でも地震のニュースを見ることができないんです」 愛棋家の信吉さんに教わり… この記事は有料記事です。残り575文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ひな飾りの回廊ゆらゆらと 健やかな成長願う手作りの1万個
溝脇正2024年2月3日 19時30分 名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市中村区)で恒例の「雛(ひな)のつるし飾り」が始まり、国内外からの宿泊者や観光客の目を楽しませている。3月3日まで。 制作したのは愛知県大治町の愛好会「大治町雅(みやび)の会」(伊藤加代子代表)のメンバー約50人。古い着物や帯などの布を材料に人形や動物などの細工物を手作りした。約1万個を高さ3・8メートル、直径5・2メートルの回廊型の枠組みに飾り付け、ひな壇飾りとともにロビーを華やかに彩っている。 今年は辰(たつ)年にちなんで「竜」をイメージした約70個の細工物も作り、展示コーナーを設けた。地元球団中日ドラゴンズの立浪和義監督のユニホームも展示して応援している。 また同会では、15日に名古屋国際会議場(名古屋市熱田区)で開催される「国内観光活性化フォーラムinあいち」の会場でチャリティーバザーを開き、収益金を能登半島地震の被災地に寄付する予定だ。(溝脇正) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ラーメン山岡家のふたをなめるような動作 威力業務妨害容疑で男逮捕
2024年2月3日 20時14分 ラーメンチェーン「ラーメン山岡家」釧路町店で、容器のふたをなめる動作をした動画がSNSで拡散したとして、北海道警釧路署は3日、住所不定のアルバイトの男(20)を威力業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。男は「息をふきかけただけでなめてはいない」と話しているという。 署によると、男は1月4日午前5時10分ごろ、釧路市芦野3丁目の店で、卓上にある水のピッチャーのふたをなめるような動作をした。別の人物がその様子を撮影し、SNSに投稿した結果、動画が拡散され、同店の従業員や経営会社にクレーム対応などを強いて業務を妨げた疑いがある。動画の撮影者や投稿者については捜査を続けているという。 ラーメン山岡家は1日、ホームページで事案を公表。店の全席のピッチャー・調味料容器を交換し、消毒を実施したとし、「動画に関与した方より、担当エリアマネージャーに対して直接謝罪を頂いております。しかしながら当社はこの事案を重大なものと認識し、顧問弁護士との協議を経て、釧路警察署に被害届を提出いたしました」と経緯をつづった。 ラーメン山岡家は、東日本や北海道を中心に150店舗以上を展開。札幌市東区に本社を置く「丸千代山岡家」が経営している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル