河川や用水路でのプレジャーボートの不法係留が後を絶たない。水産庁が2023年に公表した、昨年度分の調査結果では、全国で確認できた船14・5万隻のうち約4割が放置艇だった。 国土交通省は、放置艇が災害時の洪水で流されて付近の住宅に被害をもたらすことや、密漁や密輸などの温床になることが懸念されるとして、対策について有識者による検討を進めている。なぜ減らないのか。船の「墓場」と化している現場を歩いた。 「『見事』でしょう。全部燃えないごみだから。大変です」。千葉県市川市の真間(まま)川下流。ハゼを釣りに来たという近隣住民の70代男性2人は、釣り糸を垂らしながら、あきれた表情でこう話した。 すぐそばに壊れかけた漁船が数隻あり、上流にも漁船やプレジャーボートがずらりと並んでいる。一見、定位置に係留されているように見えるが、すべて河川の占用許可を得ていない放置艇だ。 男性らによると、真間川下流に放置艇が確認され始めたのは約20年前。現在は漁船も含め30隻ほどが川岸の手製の桟橋に係留されているが、「使っているのを見たことがない」。さびた鉄パイプで作られた桟橋は、新しいパイプで補強された形跡がある。「行政がその気になれば、すぐになんとかできそうなのに」 管理する県葛南土木事務所に… この記事は有料記事です。残り1237文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
修徳高サッカー部元監督を3回目の逮捕 数百点の少年の画像見つかる
増山祐史2024年1月30日 14時57分 勤務先の学校の10代の男子生徒2人にわいせつな行為をしたなどとして、警視庁は30日、修徳中高校(東京都葛飾区)の元教師で同校の高校男子サッカー部元監督、吉田拓也容疑者(30)=不同意わいせつ罪などで起訴=を準強制わいせつと不同意わいせつ、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで再逮捕し、発表した。「黙秘します」と話しているという。 捜査1課によると、吉田容疑者は2022年7月中旬ごろと23年8月上旬ごろ、生徒と教師という立場を利用して男子生徒を呼び出し、わいせつな行為をしてその様子をスマホで撮影。23年8月上旬ごろには別の男子生徒を呼び出し、同様の行為をした疑いがある。 15人以上が映る100点以上の動画 吉田容疑者のスマートフォンなどからは、少年とみられる15人以上が映る100点以上の動画や、数百点の画像が見つかった。同校で勤務し始めた18年ごろから撮影された形跡があるという。 吉田容疑者は今回の2人とは別の男子生徒にわいせつな行為をしたり、この生徒に性的な画像を撮影するよう要求してSNSで送らせたりした疑いで昨年12月以降に2回逮捕されており、逮捕は今回で3回目。被害が立件された生徒は計3人となった。 修徳中高校によると、吉田容疑者は今年1月20日付で同校を依願退職した。(増山祐史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
離婚後の共同親権、導入を提言 対立時は家裁が判断 法制審が要綱案
家族法制の見直しを検討してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は30日、離婚後も父母双方の親権を認める「共同親権」を選べるようにする民法改正の要綱案をまとめた。父母の協議で単独親権か共同親権かを選び、折り合わない場合は家庭裁判所が定める。政府は通常国会に関連法案を提出する方針。 厚生労働省の調査によると、未成年の子がいる夫婦の離婚件数は年間約10万件、親の離婚を経験した子は約20万人。法案が成立すれば、単独親権に限ってきた現行制度からの大きな転換となる。 ただ、父母の力関係によって片方が共同親権を強いられたり、家庭内暴力(DV)や虐待が離婚後も続いたりすることへの懸念は根強い。導入の可否をめぐる議論では、こうした懸念への対策が焦点となりそうだ。 要綱案は、父母は婚姻関係の有無に関わらず、子に関わることについては、子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならないと明記。離婚後も双方が子の成長に責任を持つ必要があることから、現行の民法で「婚姻中は父母が共同して行う」と定められている親権を、婚姻中に限らず、離婚後も双方が持てるようにした。 共同親権のもとでは、子に関することは父母の話し合いで決めるが、日常的なことについては、どちらか一方の判断で決められるようにした。 現在、離婚件数の9割近くを占めている協議離婚では、父母間の協議で親権者を定める。合意できない場合や裁判離婚では、家庭裁判所が親子や父母の関係を考慮し、親権者を定める。 いずれかの親の関与が「子の心身に害悪を及ぼすおそれがある」場合には、家裁は単独親権と定める。DVや虐待などを想定している。協議で共同親権と決めても、協議過程や事情の変化を踏まえ、子のために必要だと認められる場合には、家裁が単独親権に変更できるとした。 合意がなくても、一定額の養育費を請求できる仕組みも このほか養育費を確保するた… この記事は有料記事です。残り360文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1964年の地図帳を復刻したい 「佐藤憲四郎さん」探しから始めた
有料記事 編集委員・石橋英昭=1964年生まれ2024年1月30日 16時00分 「佐藤憲四郎さん」やその親族に、心当たりのある方はいませんか――。 仙台市で古地図や古い絵図の収集・出版を手がけてきた佐藤正実さん(60)が、人探しを続けている。 わかっているのは、半世紀以上前、仙台に「東北地図出版」という株式会社が存在し、憲四郎さんが代表取締役だったこと。そして、本人の本籍地は札幌市だということだ。 東北地図出版は1964(昭和39)年、仙台市街の精密な地図帳「新産都市 仙台市大鑑」を発行している。きっかけは、佐藤さんが知人を通じて、この地図帳の存在を知ったことだった。 「大鑑」は、仙台市が64年、国から「新産業都市」に指定され、産業集積地として発展しようとするのを期してつくられた。本格的な測量をし、一軒一軒、商店名や世帯主の名を記してある。当時の宮城県知事や仙台市長が序文を寄せた。 古地図好きの読者からは、自分が子どもの頃の街の様子も知りたいとのリクエストはよく来ていた。この「大鑑」をなんとか復刻したいと、佐藤さんは考えた。2022年夏のことだ。 だが、壁があった。 解散していた会社、戸籍の住所も見当たらず 日本では没後70年まで著作… この記事は有料記事です。残り1165文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
豊田自動織機に国交省が立ち入り検査、エンジン試験の不正で
富岡崇2024年1月30日 12時40分 豊田自動織機がトヨタ自動車から開発と生産を委託されている自動車用ディーゼルエンジンなどの試験で不正をしていた問題で、国土交通省は30日午前、同社の碧南工場(愛知県碧南市)への立ち入り検査を始めた。不正行為の事実関係やエンジンすべての基準適合性を調べ、道路運送車両法に基づいて対処するとしている。 午前9時前、同省職員6人が検査に入った。大量生産に必要な「型式指定」を取り消す必要があるかどうかなどを確認するという。 同社の高木博康執行職は報道陣の取材に応じ、「このような事態を招いてしまい、申し訳ありません」と陳謝。原因について、「複合的なものだと思うが、フォークリフトエンジンの認証に対してしっかりとした経営資源をあてられなかった。組織経営としても、しっかりと注目する、変化を敏感に感じ取ることが結果的にできなかった」などと説明した。また、「ご迷惑をおかけしている仕入れ先や販売店には個別に補償の対応をしている」と話した。 林芳正官房長官は同日午前の会見で、「自動車などのユーザーおよび我が国の自動車産業の信頼を損ない、かつ自動車認証制度の根幹を揺るがす行為で、今回更なる不正行為が明らかになったことは遺憾」と述べ、斉藤鉄夫・国交相も「(立ち入り検査を通じて)不正行為の事実関係などについて確認を行い、その結果を踏まえ厳正に対処してまいりたい」と話した。 同社はトヨタの源流企業で、昨年3月にフォークリフト用エンジンの排ガス試験などをめぐる不正が発覚。外部弁護士らによる特別調査委員会が調べた結果、乗用車向けのディーゼルエンジン3機種でも出力試験の際に安定した結果が得られるよう、燃料の噴射量をわざと調整するなどの不正が見つかった。 該当エンジンの搭載車のうち、国内販売は「ランドクルーザー300」や「ハイエース」など6車種で、トヨタは国内外で10車種の出荷停止を決定した。(富岡崇) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夜行バス運転手の飲酒検査、同僚が身代わり ビール飲み仮眠後運転
瀬戸口和秀2024年1月30日 12時58分 【大阪】南海バスは29日、高速夜行バスの50代の男性運転手が、一緒に乗務する同僚の運転手に飲酒検査の身代わりを頼み、検査を受けずに運転したと発表した。運転手2人と、検査の際に見落とした社員2人の少なくとも計4人の処分を検討するという。 同社によると、50代の運転手は昨年の10月と12月、三条(新潟県)発や戸塚(神奈川県)発のいずれも大阪行きの計3便に乗務する際、一緒に乗務する40代の運転手に依頼し、自分の代わりに出発前の飲酒検査を受けさせていたという。 いずれの便でも50代の運転手は、大阪からの往路便の乗務を終えた当日の午前10時ごろ、食事の際に缶ビール(350ミリリットル)2本を飲み、その後仮眠。当日の午後8時以降に、大阪に向かう復路便に乗務していた。同社の調査に対し、「飲酒検査でひっかかるのがこわかった」と説明し、40代の運転手は身代わりの依頼を「断れなかった」と話しているという。(瀬戸口和秀) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
皇嗣職大夫に元警視総監の吉田尚正氏が就任へ 秋篠宮家の側近トップ
多田晃子2024年1月30日 13時00分 秋篠宮家を支える側近トップの皇嗣職大夫に元警視総監で宮内庁御用掛の吉田尚正氏(63)が2月1日付で就任する人事が今月30日、閣議で決定した。現皇嗣職大夫の加地隆治氏(71)は退任し、2月2日付で同庁御用掛に就任する。 吉田氏は東大卒、1983年に警察庁に入り、警視庁刑事部長や福岡県警本部長、警察庁刑事局長や警視総監などを経て、2022年7月から秋篠宮家を担当する同庁御用掛を務めている。 吉田氏は今後、秋篠宮家の側近トップとして、成年を迎える長男悠仁さまの進学や成年皇族としての活動などに対応するとともに、情報発信を担う。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バリケードで囲い朝鮮人追悼碑撤去開始 「心を切りつけられたよう」
追悼碑がなくなったとしても、歴史の教訓を伝えていく――。群馬県が29日、行政代執行で朝鮮人追悼碑の撤去工事を始めた。碑がある県立公園「群馬の森」(高崎市)では、工事の様子を見に来る人たちが撤去への不満や抗議を口にした。 工事のため、公園は立ち入り禁止となった。正面と北側の入り口には2メートルほどの大きなバリケードが設置され、警備員や警察官が警戒していた。中の様子はうかがえない。 碑を見ることができた28日とは打って変わり、警察や工事関係者とみられる車が出入りするだけだった。 東京都新宿区の女性(46)は「自分なりに考えたい」と、仕事を休んで群馬の森までやってきた。 29日から追悼碑が見られなくなることは知っていたが、碑の雰囲気すら感じ取れないことに驚いたという。「追悼する場所がこんなに仰々しくなるとは。残念です」 この女性は「歴史を振り返る… この記事は有料記事です。残り523文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首相の「女性ならでは」と通底 麻生氏、上川氏の容姿言及の問題は
有料記事 二階堂友紀 松井望美2024年1月30日 9時00分 自民党の麻生太郎副総裁が、上川陽子外相について「そんなに美しい方とは言わんけれども」などと述べた。上川氏の外交手腕を評価する文脈だったが、「女性差別の姿勢が見て取れる」「今までの暴言の中でも最悪」と批判が広がっている。 今回の発言は28日、福岡県芦屋町での講演の中であった。「俺たちから見てても、このおばさんやるねえと思った」としたうえで、「そんなに美しい方とは言わんけれども、英語できちんと話をし、外交官の手を借りずに自分でどんどん会うべき人に予約を取っちゃう」などと語った。 女性が外相を務めるのは田中真紀子氏、川口順子氏に続いて3人目だが、麻生氏は「女性が日本の外務大臣になった例は過去にないと思う」と述べた。上川氏の名前も「カミムラ」と誤った。 「『俺たち』が女性を評価」 ライターの望月優大(ひろき… この記事は有料記事です。残り1417文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京アニ事件の青葉被告が遺族に面会 無言で頭を下げる
西崎啓太朗2024年1月30日 9時30分 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で殺人などの罪に問われ、京都地裁の裁判員裁判で死刑判決を受けた青葉真司被告(45)が29日、大阪拘置所で被害者遺族との面会に応じた。京アニ作品「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」のキャラクターデザインを手がけた池田(本名・寺脇)晶子(しょうこ)さん(当時44)の夫(51)で、29日午前に面会後、報道陣に明らかにした。 夫によると、青葉被告との面会は初めてで、アクリル板越しに20分間、言葉を交わしたという。 夫が最初に「私に気を使う必要はありません。本当に話したいことを話してください」と伝えると、青葉被告は困ったような表情を見せた後、アニメの話を約15分間続けた。「鑑定医に言ったことが全て妄想にされてしまった」と憤ることもあったという。 また、夫が「晶子を殺され、残された私も子どもも寂しい」と話すと、青葉被告は無言で深く頭を下げ続けた。翌30日も面会したいと伝えると、頭を下げながら「分かりました」と答えたという。 夫は自ら面会して会話を重ね、同じような事件が二度と起きないような教訓を見いだしたいと考えているという。「青葉さんは、公判の当初から犯行を申し訳なく思っていたと感じた。真に何を思っているのかを引き出し、再発防止策を考えることができればいい」と語った。(西崎啓太朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル