森下香枝2024年1月26日 8時30分 国の有形文化財に登録されている学士会館(東京都千代田区)が、再開発にあわせ年内いっぱいで営業を終了する。 同会館は1928年開業。関東大震災後に建てられた「震災復興建築」で、旧館は日本橋高島屋や帝国ホテル新本館を手がけた高橋貞太郎によって設計された。旧七帝大の卒業生の交流の場としてつくられたが、現在ではレストラン、結婚式場などとして一般利用されている。 学士会や事業者によると、築90年を過ぎて、耐震性を含め老朽化が進んでいるため、全面改修することに。白山通りの拡張計画もあり、学士会単独での事業が難しいため、隣地所有者と共同で再開発に乗り出すことになった。 2025年4月ごろから新館の解体工事を始める予定だが、旧館はそのままの姿で移動させる曳家(ひきや)工事で保存する計画だ。また、会館に隣接する神田錦町3丁目ビルが解体され、共同事業の大型ビルが29年夏ごろに完成予定という。 23日にあった事業説明会では、「再開発でどれぐらいの高さのビルが建つのか」といった質問が相次いだ。事業者側は「まだ決まっていない」と明らかにしなかった。(森下香枝) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車の整備士からスタバ焙煎士、今はビール造り 独立したくて歩んだ道
整備士、焙煎(ばいせん)士、そして醸造家。全て1人の男性が経験してきた職業だ。 渡辺仁史さん(36)は昨夏、自ら醸造したクラフトビールを提供する店「OHLOY STORE(オーロイストア)」(高松市内町)をオープンさせた。 香川県坂出市出身。地元の高校を卒業後、車の整備士になるために専門学校に通い、就職した。いずれは車関係の仕事で独立することが目標だった。 しかし、「どんな車でも直せる」と自信がついた25歳のころ、この業界は自分に合わないと感じるようになった。 そんな時、スターバックスコーヒーに関するビジネス書を読んだ。「面白いことをやっている」と思った。たまたま社員募集をしていたので応募し、2012年に入社した。 社内公募は狭き門、整備士の経験が生きた 香川県内の店舗で働いて5年ほど経ったころ、焙煎所を併設した高級店「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」で働く焙煎士の社内公募があった。 世界展開するスタバで日本初の体験型店舗。選ばれれば米国での10カ月の研修を受け、中目黒の新店舗で働ける。「コーヒーで独立したい、一度は香川から出なければ」と考えていた渡辺さんにとって絶好のチャンス。迷わず手を挙げた。 全国で5人の狭き門だったが… この記事は有料記事です。残り787文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スピード開票の東京・府中市、新システム導入の真意 28日市長選
28日に市長選が投開票される東京都府中市は、そのスピード開票で全国的に知られる。速さと正確さにこだわり、さまざまな工夫をこらしてきた。今回はあらたなシステムも導入し、より効率的な開票作業を目指す。 有権者21万人の前回選、わずか45分で確定 候補者が2人だった前回4年前の市長選。有権者数約21万人、投票者数6万7556人のなか、開票開始から確定までは、わずか45分だった。2016年の市長選は37分、12年は39分。同じ規模の他の自治体と比べても、そのスピードは圧倒的で、各地から視察が絶えない。 市選挙管理委員会の努力の歴史は長い。1967年には競艇場で使っていた紙幣の計数機を導入し、投票日の即日開票を可能にした。87年には折って入れても投票箱の中で自然に開く投票用紙を開発。後に全国に広まった。 選管が明かした「速さの秘訣」 「速さの秘訣(ひけつ)は事… この記事は有料記事です。残り573文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「まさか」より「またか」の裏金事件 怒りの牙を抜かれないためには
有料記事 聞き手・高重治香2024年1月26日 6時00分 会社員から昨年政治の世界に入った東京都武蔵野市議の酒向萌実さん(29)は、政治にはそれなりにお金がかかると実感したそうです。自民党の政治資金をめぐる問題や、有権者ができることについて、考えを聞きました。 ◇ 「まさか」というより「またか」というのが事件を知った第一印象でした。 もちろん大きな問題です。昨年市議になるまで企業で働いてきました。どこにも記載されないお金があるなんて、会社だったらあり得ない話です。なぜ政治なら許されてきたのかとすごく気になりつつ、正直、特別大きい怒りがわくことはありませんでした。 森友学園や「桜を見る会」の問題など、自分が大問題だと思い、世論も盛り上がっているように見える事件があっても、責任がうやむやにされ、やがて忘れられる。そんなことが繰り返されてきた中で、どうせ今回もうやむやになるのではと、怒る気力を奪われていたのだと思います。 一昨年リクルートに転職した時、リクルート事件の過ちを繰り返さないための研修を受けました。事件について初めて詳しく知りましたが、「いま同じことが起きたとして、同じように政治家を捜査できるだろうか」と思ってしまいました。 寄付する余裕ない人への政治を 自民党への信頼が元々ないか… この記事は有料記事です。残り1484文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
免震ゴム偽装、出荷判断した取締役の責任は? 株主訴訟、26日判決
2015年に発覚した東洋ゴム工業(現TOYO TIRE、兵庫県伊丹市)の免震ゴム性能偽装問題で、不備の可能性を知りながら出荷して交換費用などの損害を生じさせたとして、同社の株主が当時の取締役4人に4億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁で言い渡される。 株主側は、社内会議で一度は出荷停止と決めながら、取締役らが方針転換したと主張している。 一方の取締役側は、部下から「出荷に問題はない」との報告を受けていたとして、請求を棄却するよう求めている。 原告は県内の80代の男性株主で、16年7月に提訴した。訴状によると、東洋ゴムは14年9月、免震ゴムの性能が国の認定基準を満たしていない可能性が社内で発覚し、製品の出荷は取りやめる方針を決定した。しかし、その後の会議で、技術職の男性従業員が「認定基準に適合させられる」と意見し、方針を転換した経緯があったという。 訴訟では、方針転換のきっかけとなった従業員への証人尋問が行われた。 裁判記録によると、従業員は… この記事は有料記事です。残り626文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
季節で変わるかかし集団 制作者訪ねると「何やってんだろ、俺って」
お正月には、七福神に御利益を期待する。節分のころは、顔が真っ赤な赤鬼が登場。夏祭りの時期には、おみこしをかついだり、太鼓や笛を奏でたり。ハロウィーンの前後には、カボチャで飾り付け。サンタさんに変身するのは、クリスマスのシーズンだ――。 岩手県宮古市田老には、季節ごとに衣装が変わる、ユニークなかかしがたくさん置かれた名所がある。 記者(53)は普段、朝日新聞盛岡総局に所属し、取材活動をしている。そのかたわら、夜通しで長距離を走るウルトラマラソンに出場したり、トレーニングのために岩手県内を中心に広範囲を走り回ったりしている。その時に見つけ、気になった光景だ。 最初に遭遇したのは2023年4月。早朝、田老をランニングしていた時だった。道の駅「たろう」まで約700メートルの草地に差し掛かると、突然、派手に飾り付けた人形たちが現れた。 よく見ると、7体ある。脇には「手をあげて 自分も相手も ニコニコだ」というのぼり旗。学生服姿などで自転車を押したり、たすきを掛けたりし、春の交通安全を呼びかけている。 近くには、自由に打ち鳴らせる釣り鐘もあり、遊び心も盛りだくさん。笑っちゃうような光景だった。 昨年7月に再び通りかかると、衣装が様変わりしていた。頭に「北の海女」と書かれた手ぬぐいを巻いた、NHKドラマ「あまちゃん」のそっくりさんだった。マイクを握って笑顔で歌っていた。 定期的に変えているのか。誰が、何のために? 過去に津波が何度も襲い、水田が荒れ果てて「田が老いた」というのが地名の由来ともされる岩手県東部の宮古市田老地区。海岸線を進むと突如としてユニークなかかしの集団が現れる。思わず笑っちゃうような光景。作っている人に話を聞くと……。 地域の人に尋ねたところ、元… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【詳報】京アニ放火殺人 青葉被告に死刑判決 遺族「向き合って」
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)に対し、京都地裁は25日、死刑判決を言い渡しました。殺人事件として戦後最悪とみられる犠牲者を出した事件について、裁判員らの判断は。関係者の受け止めは。詳報します。 ■■■1月25日■■■ 18:00 青葉被告を治療した医師「これで終わりにしてはいけない」 青葉被告を治療した鳥取大学医学部付属病院高度救命救急センター(鳥取県米子市)の上田敬博教授(52)は、判決後に京都市内で会見を開いた。 上田教授は事件後、当時勤務していた近畿大病院(大阪府大阪狭山市)で約4カ月間、全身にやけどを負った青葉被告の治療にあたった。死刑判決については「特に驚きはなく、冷静に受け止めた」という。 裁判を振り返り、「(青葉被告は)表現は上手ではないが、彼自身の言葉で話したという点で意味があった。治療中、医療チームが損得なしに正面から向き合った姿勢を受け止めたと思っている」と語った。 裁判はこの日、一つの区切りを迎えたが、「これで終わりにしてはいけない」と思いが強まったという。「自分の生い立ちや理不尽な背景を理由に、関係のない人を巻き込む事件がまた起こってしまう。どうすれば防げるか、社会が向き合わなければならないときだと思う」 17:30 亡くなった池田さんの夫「晶子も子どもも理解してくれる判決」 判決の後、事件で亡くなった池田(本名・寺脇)晶子(しょうこ)さん(当時44)の夫(51)が取材に応じた。 晶子さんは、京アニ作品「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」のキャラクターデザインを手がけた。夫はいま、一人息子と暮らす。「晶子も、子どもも理解してくれる判決だった。この日を迎えられたのは、色々な方々のおかげです」と語った。 17:00 「判決に向き合って」 涙ぐむ遺族 映画「聲(こえ)の形」などで作画を担当した宇田淳一さん(当時34)の妻は、審理の大半を傍聴し、意見陳述にも立った。「大切な人、大切な日常が、本当に急になくなった。被告はどういう思いでいるのか、どういう表情、態度で法廷に出てくるのか。それを知りたいと思いました」 判決の言い渡し時、検察官席側から青葉被告の顔を見つめていた。裁判長が「被害者らや京アニに一切の落ち度がない」と述べた時、青葉被告は首を振るようなしぐさをした。主文の宣告では、表情の変化は読み取れなかった。 死刑の判決に妻は「亡くなられた方、遺族の気持ちをくみ取っていただいた。遺族や被害者が法廷で言ったことに目を背けず、判決を受け止めて向き合ってほしい」と涙ぐんだ。 15:30 娘を亡くした父「死刑にはなって欲しくなかった」 判決後、事件で娘を亡くした父親は、「死刑にはなって欲しくなかった。死刑と聞いたときは『やっぱりそうか』と思い、ため息が出た」と話した。 これまでの取材に対し、父親は、極刑を望む遺族の気持ちはもちろん理解できると話す一方で、「彼がもし死刑にされてしまったら、何が残るんかな」と心配していた。「優しくて楽しいアニメをつくる京アニに、死刑は似合わない」と思いを語っていた。 15:15 裁判員ら会見 「感情論にならないよう冷静に判断、苦労した」 判決の後、裁判員4人と補充裁判員2人が記者会見に応じた。 裁判員の40代男性は「被告の生い立ちであったり、被害者の気持ちであったりをどう整理していいかわからなかった。感情論にならないよう、冷静に判断するのが苦労した」と振り返った。 公判は昨年9月から23回開かれた。補充裁判員の50代女性は「長い審理だった。評議も張り詰めていた。(判決を終え)今はすごくほっとしている」と語った。 15:30 「主張認められた」 京都地検コメント 判決を受け、京都地検は「事実認定及び量刑いずれも当方の主張が認められたものと考えている」とのコメントを出した。 14:20 「判決を経ても無念さ変わらない」 京アニ社長がコメント 京都アニメーションの八田英明社長は、代理人弁護士を通じ、コメントを発表した。 ◇ 法の定めるところに従い、然(しか)るべき対応と判断をいただきました。長期に渡って重い責任とご負担を担っていただいた裁判員の方々、公正な捜査と関係者への行き届いた配慮に尽力いただきました検察・警察の皆さま、裁判官や書記官その他、裁判の実施に従事いただいたすべての皆さまに敬意を表します。 判決を経ても、無念さはいささかも変わりません。亡くなられた社員、被害に遭った社員、近しい方々の無念を思うと、心が痛むばかりです。彼ら彼女らが精魂込めた作品を大切に、そして今後も作品を作り続けていくことが、彼ら彼女たちの志を繋(つな)いでいくものと念願し、社員一同、日々努力をしてまいりました。事件後、当社に加わった若人も少なくありません。 これからも働く人を大切に、個々のスタッフが才能を発揮できることを心がけ、可能な限り、作品を作り続けていきたいと考えます。 13:50 傍聴した京アニファンの女性「心の中はわからないが…」 裁判を傍聴した京都市内の30代の女性会社員は、2回目の傍聴だった。京アニ作品のファンで、事件の背景を知りたかったという。「心の中はわからないが、青葉被告の表情が前回とは違い、硬かった。事件と向き合うことができたのだろうか」と話した。 極刑が言い渡されて遺族が涙する様子をみて「いたたまれない気持ちです」。女性は「ご遺族にとっては、青葉被告の生い立ちは関係ないし、刑が軽くなることもないと思う。でも青葉被告を生み出した社会にも責任がある気がした」と振り返った。 13:40 主文に大きく頭を下げた青葉被告 表情変えず退廷 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件の判決公判で、京都地裁は25日、青葉真司被告(45)に死刑判決を言い渡した。 言い渡す前に、裁判長はこう告げた。 「最後に主文を告げますが、被告人よろしいですか」 青葉被告がうなずく。 「主文、被告人を死刑に処する」 「主文をもう一度繰り返します。被告人を死刑に処する。主文は以上です」 青葉被告は大きく頭を下げた。 裁判長による説諭はなく、午後1時43分に閉廷した。青葉被告は表情を変えず、うつむいたまま退廷した。傍聴席の遺族は、涙をぬぐったり目頭を押さえたりしていた。 […]
ロヒンギャ男性が逆転勝訴 難民認定を国に命じる判決 名古屋高裁
高橋俊成2024年1月25日 20時35分 ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの男性(44)=名古屋市=が、難民不認定処分の取り消しを国に求めた訴訟の控訴審判決が25日、名古屋高裁であった。長谷川恭弘裁判長は、原告の訴えを退けた一審判決を変更し、処分を取り消し、難民認定するよう国に命じた。 判決は、現地では2021年の国軍によるクーデター後、ロヒンギャへの大量殺戮(さつりく)といった迫害が全土で起きていると認定。その上で、男性が反政府活動に参加していた事情も踏まえ、「人種、宗教及び政治的意見を理由に迫害を受ける恐れがあり、難民に当たることは明らかだ」と結論づけた。 原告代理人によると、同種訴訟を巡って特定地域以外のロヒンギャも迫害を受けているとの判断が示されたのは異例だという。「ロヒンギャを巡る国の難民認定の判断に影響を及ぼす可能性もある判決だ」と評価した。 判決によると、男性は07年に一時的な保護を求めて来日。計4回難民認定を申請したがいずれも認められなかった。 23年4月の一審・名古屋地裁判決は、男性はロヒンギャと認めつつ、ミャンマー全域で迫害があるとは認められないなどと指摘し、難民には該当しないとの判断を示していた。(高橋俊成) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パラシュート降下訓練の米兵、米軍基地の外に着地 沖縄・伊江島
棚橋咲月 小野太郎2024年1月25日 21時01分 25日午後2時ごろ、沖縄県伊江村の米軍伊江島補助飛行場でパラシュートの降下訓練をしていた米兵3人が、基地の外に着地した。沖縄防衛局によると、被害は確認されていないという。防衛局は現地に職員を派遣し、米軍側に事実関係の確認を進めている。 パラシュート降下訓練をめぐっては、1996年に伊江島補助飛行場に集約することで日米が合意し、2007年に米軍嘉手納基地(嘉手納町など)での訓練は「例外的な場合に限る」と確認した。だが、その後も嘉手納での訓練は繰り返されており、昨年12月19日と今月19日には地元自治体が反対するなか行われた。 沖縄県の池田竹州(たけくに)副知事は25日、県庁で沖縄防衛局の伊藤晋哉局長と外務省沖縄事務所の宮川学沖縄担当大使に対し、「周辺住民をはじめ、県民に多大な不安を与えるものであり断じて許すことはできない」と知事名で抗議した。(棚橋咲月、小野太郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
予想超える大雪、立ち往生した車770台 昨年の反省生かした対応も
名神高速道路の関ケ原インターチェンジ(IC、岐阜県関ケ原町)の上下線で24日朝から発生した車の立ち往生は、19時間ぶりに解消した。車列の長さは一時6キロを超え、動けなくなった車は約770台に上った。立ち往生はどのように起こり、どう解消されたのか。 速度制限・除雪車運行していたけれど…予想以上の降雪 中日本高速道路(NEXCO中日本)によると、24日午前9時10分ごろ、下り線でトレーラー2台が雪の上でタイヤが空転する「スタック」を起こした。その後続の車両最大約500台が進めなくなり、車列は6・6キロまで延びた。上り線も同IC付近でワゴン車が動けなくなり、約270台(最大5・5キロ)が立ち往生した。 気象庁によると、関ケ原町では24日、午前7時に2センチの積雪を観測。午前8時には9センチ、午前9時には17センチまで増えた。その後も増え続け、午前10時に24センチ、午後1時には50センチを超える積雪があった。 同社によると、除雪能力を超える大雪が予測された場合は鉄道の「計画運休」にあたる「予防的通行止め」を実施するが、今回の現場は、この区間に含まれていなかった。同日朝は速度制限をかけ、除雪車を運行していたという。 だがこの日午前9時以降、予想をはるかに上回る降雪があった。関ケ原IC付近では同時多発的に車両が動けなくなり、後続の車が立ち往生。除雪車を投入できず、作業員らが人力で除雪にあたった。 「昨年の反省を生かして実現した対応」 中部地方整備局によると、午後2時半ごろ開かれた同局や県、NEXCO中日本などが参加する関係機関の会議で、同社は県に、自衛隊への派遣要請をするよう求めた。これを受けて県が陸上自衛隊に災害派遣要請をしたという。 NEXCO中日本によると、24日夜に陸上自衛隊員300人以上が現場の除雪に加わった。同社は「総合的な検証はこれから」としつつも、「1台の車を救出する時間は昨年に比べて速かった」とする。 昨年1月の大雪でも、滋賀・三重両県の新名神高速で多くの車両が立ち往生し、最大約65・5キロの車列が連なった。解消までに最大28時間を要した。時間がかかった一因が除雪の難航だったが、自衛隊に災害派遣を要請する対応はとられなかった。 同社によると、昨年の新名神の立ち往生の際は、自治体を通じての自衛隊への要請は想定していなかったという。同社の広報担当者は「昨年の反省を生かして実現した対応」とする。 立ち往生は上り線が25日午前0時、下り線は同日午前4時に解消した。同社は除雪作業を進め、同日午後7時半、名神高速で続いていた通行止めを全面解除した。 続いた渋滞、自宅到着は午前4時ごろ 岐阜県土岐市から大阪方面に向かっていた会社員の男性(51)は、立ち往生に巻き込まれて約12時間後に解放された。 関ケ原ICから250メート… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル