最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は16日、ホテルや旅館などの2次避難所に移った人が1278人になったと発表した。1万7千人を超える避難者全体の7%にとどまる。調査が進む住宅被害が2万棟を超えたことも明らかにした。 県によると、避難者の9割はいまも体育館や集会所などの1次避難所に身を寄せており、生活環境の悪化に伴う災害関連死が懸念されている。県は14日からコールセンターを設けるなどして2次避難の受け入れを進めているが、環境の変化を心配する被災者も少なくない。 一方、住宅被害は前日より2228棟増えて2万1411棟となった。ただ、被害の深刻な輪島、珠洲両市については「多数」とされたままで、被害の全容は把握できていない。 岸田文雄首相は16日の非常災害対策本部会議で、被災者の生活となりわいの再建に向けた支援パッケージについて、月内にとりまとめるように関係閣僚に指示した。「被災地の声がしっかりと反映されたものとなるよう作業を進めてもらいたい」と述べた。 首相は災害関連死を防ぐため、2次避難を促す考えを改めて強調。「住み慣れた土地に戻ってこられるという安心がなければ、なかなか2次避難を決断することはできない」と語り、インフラの復旧や仮設住宅の建設時期の見通しを示すことも指示した。 石川県の発表では16日午後2時現在、死者は前日と同じ計222人。このうち14人が災害関連死とみられる。地震のためとは断定できないが連絡がとれない安否不明者は、計22人となっている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
滑走路に小さな亀裂 能登空港 いまだ再開の見通し立たず
能登半島地震で被害を受けた能登空港。発災から2週間が経つが、いまだ本格的な再開の時期について、見通しが立っていないという。 同空港は滑走路に出来た大きな亀裂を、11日に応急処置し仮復旧した。自衛隊の輸送機などが離着陸できるようになった。 しかし、石川県空港企画課によると一般利用の本格再開までにはまだ時間がかかりそうだという。担当者によると「滑走路にはいまだに小さな亀裂などもあり、ターミナルビルの補修工事も進めなくてはいけない」と話す。 県によると、同空港での民間機利用は1月25日以降になると見通しているが、再開は更に延びる可能性もある。(竹花徹朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
八方尾根で遭難、千葉の男性が不明 4人でバックカントリースキー中
15日午前8時40分ごろ、長野県白馬村の北アルプス・八方尾根の北側斜面で、スキーをしていた4人組の1人から「仲間とはぐれてしまった」と110番通報があった。大町署によると、男性2人が遭難し、このうち千葉県白井市の男性(52)の行方が分からないままだという。 4人は自然の冬山を滑るバックカントリースキーをしていた。遭難したもう1人の男性(49)は県警山岳遭難救助隊員らが同日午後2時過ぎに八方池付近で救助した。付近の山小屋に収容され、けがはないという。 ほかの2人は自力で下山した。16日は悪天候で捜索が難航した。17日以降に再開するという。 八方尾根では、南側斜面をグループで滑っていたうちの1人の男性(30)が雪崩に巻き込まれて死亡する遭難事故が14日も起きていた。(清水大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元衆院議員・山口泰明氏の不起訴は「不当」 検察審査会が議決
議員時代に選挙区内の自治体に寄付をしたことが違法だとして告発された自民党の元衆院議員・山口泰明氏(75)をさいたま地検が不起訴としたことについて、さいたま第一検察審査会が不起訴不当の議決をしたことがわかった。告発をした市民団体が明らかにした。議決は昨年12月20日付。 公職選挙法は、選挙の候補者や候補予定者が役職員を務める会社が、候補者の名前を類推できるような方法で選挙区内で寄付することを禁止している。 山口氏は2021年7月に衆院議員の引退を表明した後、同9月に坂戸ガスの代表取締役として選挙区内にある埼玉県坂戸市などに寄付。同10月の衆院選では、息子の晋氏が立候補して初当選した。この時の寄付が、公選法違反にあたるとして告発されていた。 検察審査会の議決では、寄付… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入所者に薬物飲ませ殺害した罪 老人ホーム元職員を鑑定留置経て起訴
長野県塩尻市の老人ホームで入所者の女性が薬物を飲まされて死亡した事件で、長野地検松本支部は16日、職員だった望月大輔容疑者(41)=同県下諏訪町=を殺人罪で起訴し、発表した。地検は刑事責任能力の有無を調べるため、昨年10月から鑑定留置していた。地検は認否を明らかにしていない。 起訴状によると、望月容疑者は2022年5月28日ごろ、勤務先の塩尻市内の老人ホーム「ケアハウスえんれい」で、入所者だった前田裕子さん(当時77)に対し、何らかの手段で向精神薬を服用させ、翌日29日ごろ前田さんを薬物中毒で殺害したとされる。 捜査関係者などによると、前田さんの遺体から検出された向精神薬の成分は、望月容疑者が持病のため使用している薬の成分と同じだったという。 望月容疑者はこれまでに前田さんら複数の入所者の口座から現金を引き出したとされる窃盗などの罪や、施設の同僚の飲み物に向精神薬を混入させた傷害の罪などでも起訴されていた。(清水大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ダイハツ社長「仕事量見誤ったかも」「経営の問題」 不正の背景巡り
島崎周2024年1月16日 17時34分 ダイハツ工業の車両認証試験を巡る不正で、斉藤鉄夫・国土交通相は16日午後、道路運送車両法にもとづき、ダイハツの奥平総一郎社長に対して、組織体制の抜本的な改善を求めて、是正命令を出した。是正命令書を受け取った奥平社長は「重大なことだと認識し、社員全員で改善に努めていく」と述べた。 斉藤国交相が同日午前、特に悪質な不正行為が確認されたとして、ダイハツ・グランマックスやOEM(相手先ブランドによる生産)供給しているトヨタ・タウンエースとマツダ・ボンゴの3車種について、大量生産に必要な「型式指定」を取り消す方針を明らかにしていた。 斉藤国交相は是正命令書を手渡す際、不正が広範囲であったことや極めて悪質なものが含まれていたこと、報告されたもの以外の不正が新たに見つかったことを指摘。「国の型式指定の信頼性を根本から損ない、我が国の製造業への信頼をも傷つけるもので、極めて遺憾」と述べた。「会社の体制や体質を抜本的に改革しなければ、失墜した信頼を取り戻すことはできない」とし、再発防止策を1カ月以内に報告するよう求めた。 奥平社長は報道陣の取材に対し、「ご心配、ご迷惑をおかけしたことを心よりおわびしたい。不正によって失われた信頼は大変大きい。原点に立ち戻り、小さい車を中心に据えた新しいダイハツを目指す」と話した。 不正が起きた原因については、「仕事の量を見誤ったかもしれない。我々がこなしうる仕事量に対して、過度に(仕事を)詰めすぎ、硬直的なスケジュールを変えられなかった。そういった環境や風土は、経営が醸成してきたもので、経営の問題だと受け止めている」などと述べた。 また、同社が報告した以外にも不正があったことについては、「不正だという認識がきちんとできていなかった部分にあったのではないか」と話した。(島崎周) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被災地に防犯カメラ100台 防災相、避難所マスクせず「配慮不足」
松村祥史・国家公安委員長兼防災担当相は16日の閣議後会見で、能登半島地震の被災地に防犯カメラを約100台設置する方針を明らかにした。被災地で空き巣などの被害が出ており、「設置を加急的速やかに進めていきたい」と述べた。 警察庁によると、石川県内では15日までに、住民が避難した住宅への空き巣や置き引きなどの被害が計22件確認された。防犯カメラの具体的な設置場所は、避難所や街頭などをはじめ今後検討するという。 松村氏はこの日の会見で、14日に石川県内の避難所を訪れた際にマスクを着用していなかったとの質問を受け、「着けていない場面もあった。少し配慮不足であったと思っている。被災者の方々に心配や不安を与えてしまったかもしれない。今後しっかりと配慮した形で対応していきたい」と話した。(板倉大地) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
共同親権導入の議論「DVリスクの検討が不十分」 被害者らが会見
離婚した父母双方による「共同親権」の導入をめぐる議論が法制審議会(法相の諮問機関)の部会で大詰めを迎え、早ければ月内にも要綱案がとりまとめられる可能性がある。家庭内暴力(DV)の被害者を支援する団体の幹部らが16日、記者会見を開き、慎重な議論を尽くすよう求めた。 部会は昨年8月、共同親権を導入する場合の親権者の決め方の案を示した。協議離婚の場合は原則、父母間の協議で共同親権とするか、一方だけの「単独親権」とするかを決め、裁判上の離婚の場合には家庭裁判所が定めるとした。 その後の議論を踏まえて昨年12月に示した素案では、DV被害などを念頭に、片方の親が子どもの心身に害を及ぼす場合には、家裁は単独親権と定めると明記した。 この日の会見で、夫からDV… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「老朽マンション」建て替え促進へ 多数決の要件緩和、法制審が提言
耐震性などの基準を満たしていない分譲マンションについて、法制審議会(法相の諮問機関)の部会は16日、所有者の4分の3以上の賛成があれば建て替えられるとする要綱案をまとめた。安全性が損なわれる前に、必要な対策をしやすくする狙い。法務省は通常国会に、区分所有法などの改正案を提出する方針だ。 これまでは所有者の5分の4以上の賛成が必要だったが、建物が老朽化し、所有者も高齢化する「二つの老い」が進むなか、要件が厳しく、必要な対策に向けた合意が得にくいとの指摘があった。所有者ごとの財産権と全体の利益が対立することもあり、合意形成のあり方を検討してきた。 要綱案は、①耐震性②防火性③外壁の安全性④給排水の衛生状況⑤バリアフリー設備――が一定の基準を満たしていない場合、4分の3以上に緩和するとした。 一律に4分の3以上とする案も検討したが、今夏に実施したパブリックコメントで「反対する人の権利を必要以上に制約する」といった意見が寄せられ、安全性が損なわれるおそれがある場合に引き下げることにした。 原則、所有者全員の同意が必要だった建物・敷地の一括売却についても多数決で決められるようにし、5分の4以上の賛成があれば可能とした。 同法によれば、決議に参加しない所有者は反対とみなされる。国土交通省の調査では、所有者が所在不明などの空き室が10%超のマンションもあるという。そのため、裁判所の決定で、所在不明の所有者らを決議の母数から除外できるようにすることも盛り込んだ。 また、建て替えや売却、解体… この記事は有料記事です。残り532文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マンション建て替え「5ポイント」の要件緩和 業界大手が語る影響は
法制審議会(法相の諮問機関)の部会が16日、マンションの建て替えに必要な所有者らの多数決要件を5分の4(80%)から、条件付きで4分の3(75%)へ緩和するとする要綱案をまとめた。「5ポイントの差」を、どう受け止めたらいいのか。 マンションの建て替え業界で最大手の旭化成不動産レジデンスのシンクタンク「マンション建替(たてか)え研究所」の重水丈人所長は「建て替えの当事者にとってはインパクトのある数字だ」と話す。 国土交通省の集計によると、2004年以降に全国で建て替えられたマンションの件数は282件(23年3月時点)あった。 同社が建て替えに参画し、工事に着手、竣工(しゅんこう)したプロジェクトは、東京23区を中心に22年末現在で47件(49棟)。築年数は40年以上50年未満が21棟で4割超を占め、60年以上も4棟あった。 足りなかった「2人分の賛成」 否決されたケースも 研究所の調査では、建て替え… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル