新型コロナウイルスの影響で休業した人への手当などを国が補助する雇用調整助成金(雇調金)を不正に受給したとして、秋田県にかほ市のホテルが秋田労働局から545万円の返還を命じられた。実際には従業員が勤務していたにもかかわらず、「休業した」と偽って申請していたという。不正を裏付ける証拠となったのは、ホテルが取り組んでいたコロナ対策だった。 ホテルは、秋田市から電車で約1時間の人口2万3千人ほどの港町にある。地元では「唯一のシティーホテル」とされる「ホテルエクセルキクスイ」(従業員約50人)に秋田労働局が立ち入り調査に入ったのは昨年10月だった。 「社長はいますか?」。 複数のホテル関係者によると、社長は一時不在だったが、労働局職員らは構わずに、不正を裏付けるタイムカードなどの資料を捜し始めた。 ホテルには緊迫した雰囲気が広がった。なぜなら、勤務表では「休業」とし、タイムカードに記録しないまま勤務している従業員ら数人がいたからだ。実際は勤務しているのに「休業」と偽って雇調金を申請する方法だけに、見つかれば一発アウトとなりかねない。 これらの従業員らは「2階にあ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
演出家から「セックスが必要」 表現の場でセクハラ横行
現代美術家らが立ち上げた「表現の現場調査団」が、美術や演劇、映像などの「表現」に関わる人たちが受けたハラスメントの実態調査を行った。回答した1449人のうち、1195人が、過去10年以内に「(何らかの)ハラスメントを受けた経験がある」と答えた。セクハラやパワハラ、ジェンダーハラスメントなど、「表現の現場」で横行する様々なハラスメントが浮かび上がった。 24日に発表された調査結果で示された具体的な事例は次の通り。 ・立場と年齢が上のスタッフに、マッサージをしてほしいという建前のもと宿泊していたホテルに連れて行かれ無理やり性行為をされた。(30代、女性、監督) ・館長から密室でキスを求められ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
かんぽ不正、局員調査「5分」 扇動の上司には甘い追及
日本郵便とかんぽ生命の両社長が24日夕に記者会見し、不正が多数発覚した保険営業の本格再開について発表する見通しだ。だが、現場の郵便局員には解雇を含む厳罰が科される一方、不正を黙認・扇動した上司らが厳しく追及された形跡はない。実態に即した反省もなく営業再開を急げば、信頼はさらに遠のきかねない。 東京都内のある郵便局で数カ月前、保険営業に携わる局員が一人ずつ、総務部長に呼ばれた。不正営業への上司の関与を調べる「調査」となるはずだった。 「ここ数年で(上司の)パワハラはありましたか」 不正営業で懲戒処分を受けた局員の一人は、総務部長にそう問われ、「あります!」と答えた。総務部長は「何年何月何日?」ときいてきた。「えっ、そこまではちょっと覚えていないです」と言うと、総務部長は「じゃあ報告するのは難しいな」と話を切り上げた。「調査」という名の面談は、わずか5分ほどで終了したという。 この局員には、研修でインスト… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
おきあがりこぼしで被災地支援、何度でも立ち上がる
2017年の九州北部豪雨からの復興を目指す福岡県朝倉市のスギを使ったおきあがりこぼしの展示会が福岡市で開かれている。被災地支援を続ける全国のアーティストが手がけた330点が展示されている。 九州北部豪雨では、朝倉市で大量の流木が発生して被害が広がった。九大の大学院の研究室やデザイナーら有志が、被害をもたらした地元のスギを活用した復興支援として、何度でも立ち上がる、おきあがりこぼしの制作を始めた。地元の木工会社が提供する木材で、アーティストらが作品に仕上げている。 展示会は18年から続き、昨年はコロナ禍のためオンライン開催だった。 今回の展示作には、朝倉市を流れる佐田川をイメージしたり地元の鵜飼(うか)いを表現したりした作品が並ぶ。サポートする若林宗男さんは「いろんな人が参加する、発想豊かな作品を楽しんで見てほしい」と話す。 朝倉特産のイチジクやイチゴなどをアクリル絵の具で描いた福岡市西区の犬井由紀子さん(49)は「コロナ禍で現地入りが難しい人も、頑張り続ける住民を思ってもらえたら」。福岡市東区のグラフィックデザイナー永瀬順子さん(68)は「当時は家や車が流木と土砂に埋まっていたが、やっと復興を感じるようになった」と語り、絵を描いた。 博多阪急で30日まで。寄付金3千円で作品1点がもらえる。開業10周年を迎えた博多阪急が九州各地の被災地支援のため企画し、27、28日には絵付けのワークショップがある。(高木智子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京出身51歳、大船渡で漁師めざす 妻と伝える海の味
「海のそばで猫と暮らしたい」。そんな夢を持った東京出身の岡田薫省(くにあき)さん(51)と真由美さん(46)夫妻が岩手県大船渡市に移住して1年。薫省さんは23日、「いわて水産アカデミー」を修了し、漁師への道を歩み出す。真由美さんは市の地域おこし協力隊員として三陸の海の魅力を発信している。 釜石市の県水産技術センターで修了証書を受け取った薫省さんは「一つステップが上がった感じ。技術はもちろんですが、漁師のみなさんの力強い生き方を学んだ」と1年間を振り返った。 旅行会社に勤め、福島県内や盛岡市で勤務した。果樹園や農家を回るツアーを企画する中で、「自分で生産したい」との思いを強くしていった。釣りが趣味で、海産物が大好き。世界3大漁場と言われる三陸沖に絞り、市の水産担当者の丁寧な対応にひかれ、大船渡市三陸町に移住した。 昨年4月から地元の漁師に弟子入りし、水産アカデミーを受講。大好きなホタテやカキ、ワカメの養殖を学んできた。今後も師匠の下で修業をしながら独立をめざす。「観光業に携わった経験を生かし、漁業体験などを通じて海の幸を味わってもらい、首都圏などと食のつながりをつくっていきたい」という。 カキが大好きという真由美さんは市の地域おこし協力隊員として、水産業の魅力をインスタグラムやフェイスブックで発信している。「宮古の漁師の妻とも連携し、三陸全体の魅力を伝えている。多くの人に海のことを知ってほしい」 愛猫のベティーちゃんと海が見える家で、ワイングラスを傾け、ホタテやカキを味わう暮らしが続く。(大久保泰) 「いわて水産アカデミー」は、… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
千葉小3殺害、控訴棄却 極刑求める父「納得できない」
2017年に千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年生、レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害された事件で、東京高裁の23日の控訴審判決をうけ、父親が同日、会見した。求めていた極刑は「殺害の計画性が認められない」などと退けられ、「納得できない」と憤りをあらわにした。 判決によると、元保護者会長の渋谷恭正(やすまさ)被告(49)=一審・千葉地裁判決は殺人や強制わいせつ致死などの罪で無期懲役=は17年3月24日、登校中のリンさんを軽乗用車で連れ去り、わいせつな行為をした上で首を圧迫し窒息させて殺害。遺体を我孫子市の橋の下に捨てた。高裁は一審判決を支持し、検察側と弁護側の控訴を棄却した。 父親のレェ・アイン・ハオさん(38)は、極刑を求める署名活動を続け、ベトナムや日本から130万以上の署名を集めてきた。今も毎月、遺体発見現場などを訪れているといい、法廷でも「(リンさんを思い出すと)苦しくて、感情を抑えられなくなる」と訴えていた。 会見では、検察側に上告してほしいと伝えたことも明らかにした。 事件、風化させない 地域の試み続く リンさん殺害事件は24日で4年を迎える。リンさんが通う小学校の保護者会長だった男の逮捕は地域に衝撃を与えた。この地域では子どもを守る意識が一層根付き、「事件を風化させない」との思いを持ち続ける人もいる。 事件後の六実地区では、高校生… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
聖火リレー、逆風の号砲 機運を左右する「両刃の剣」
延期決定から1年。東京五輪の聖火リレーが25日、福島県から始まる。辞退者が相次ぎ、コロナ禍が続く中でランナーに不安や迷いがないわけではない。それでも伝えたい思いがある。 平和や友愛といった五輪の理想・精神を伝え、大会の機運を盛り上げるための聖火リレーだが、これまで逆風が続いた。昨年3月20日にギリシャから日本に到着したものの、リレー出発の2日前、東京五輪の延期が決まった。 「五輪をコロナに打ち勝った証しに」と掲げた安倍晋三前首相は昨年8月に退き、今年に入っても組織委の森喜朗前会長が2月、女性蔑視発言で辞任し、島根県の丸山達也知事は「コロナの感染が拡大しかねない」とリレーの中止検討を表明。著名人ランナーの辞退も相次いだ。 一方、コロナで社会に暗いムードが続くなか、聖火リレーを心待ちにしてきた人たちもいる。大会関係者は「今はコロナで五輪開催への支持率は低いが、リレーが始まれば少しずつ盛り上がる」と期待する。 リレーは121日間かけて約1… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
泥水につかった球磨焼酎 蔵元、再起へ新天地探し苦闘
熊本県南部を中心に甚大な被害が出た昨年7月の記録的豪雨では、人吉球磨(くま)地域で500年続く「球磨焼酎」の蔵元も多くが被災した。繰り返される水害への不安から、移転による再起を決めた蔵元もある。人々の支援を受け、「これで終わりにはしたくない」と前を向く。 球磨焼酎酒造組合(同県人吉市)によると、球磨焼酎をつくる人吉市や球磨村などにある計27蔵元のうち、11蔵元が豪雨で被災した。このうち今も製造や販売が再開できていないのは、「渕田酒造場」(同市)だけになった。 1878(明治11)年創業の老舗。米焼酎だけでなく、芋焼酎なども販売していた。昨年の豪雨では球磨川の氾濫(はんらん)で店舗や工場が4メートル近く浸水。工場内のタンクやかめが倒れ、機材や在庫品は泥水につかった。被害額は5億~6億円に上るとみられるという。 被災直後は廃業も頭をよぎった… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
お金ないからナプキン買えない 生理の貧困「我慢する」
首都圏に住む大学生の女性は、ここ数カ月、生理用品を切り詰めている。 「コロナでアルバイトが減って、数万円の収入がなくなった。何を減らそうかといったら、その一つがナプキンだった」 拡大する生理と貧困① デザイン・福宮千秋 生理痛が重く、鎮痛剤も買わざるをえないという。そのぶん、ナプキンは1日に何回も交換しないようにして節約している。 トイレに行けば、経血の汚れは気になる。そのたびに「我慢できる」と自分に言い聞かせて、しのぐ。 初潮から閉経までの平均約35年、月経のある女性が避けては通れない、生理とのつきあい。だが、月に千円程度の生理用品を、経済的理由で満足に使えない「生理の貧困」が、若年層を含む多くの女性の間に確かに広がっている。 「生理用品は、友達にもらったり、知らない人にもらったりしてきた」 「生理が来たら、街で配っているティッシュを1パック使って、それでしのいでいた」 生活が困難な若年女性の支援を続けてきた西日本の女性は、こんな声を多く聞いてきた。今も女性たちへの差し入れには、食品などとともに生理用品も入れている。 「親に買ってもらえず、生理中に学校の保健室でもらっている子もいる。でも、そうした機会がない20代の女性などは、よりしんどい状況ではないか」とこの女性は言う。 経済的理由で女性が生理用品の入手に苦しむ実態が民間の調査で明らかになりました。コロナ禍で困窮が広がる中、生理をめぐる動きをリポートする連載です。 「5人に1人が苦労」 生理用品に関するアンケートに… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
豪雨災害で浸水、でも取り壊し不要「洗える家」の秘密
豪雨などによる浸水で入り込んだ汚水や泥を洗い流し、取り壊さず繰り返し使える――。そんな「洗える家」を一般社団法人「埼玉いえ・まち再生会議」(さいたま市南区)が考案した。きっかけは水害対策だったが、「一世代で壊す」日本の住宅のあり方への異議でもある。(黒田早織) 同会議は、設計事務所や工務店、都市計画の教授、建材業者、弁護士など多様な人材が集まり、建築に関わる様々な相談を受ける組織。「洗える家」づくりは、同会議理事で1級建築士の小山祐司さん(74)が娘の河原三保さん(41)夫婦に家づくりの相談を受けたことから始まった。 国土交通省のハザードマップによると、河原さんの新居の建設地(川口市東領家)は荒川氾濫時に3~5メートルの浸水が想定されている。同会議は浸水しても最小限の被害で復旧できる家を目指すことにした。 浸水被害で大変なのは家に流れ込んだ水や泥の処理。一般的な住宅は、建物の骨組みや素材の内部に入り込んだ水や汚れを除去する方法がなく、外壁も内壁も取り壊して新しくするしかない。総額1千万円近くの費用がかかるといい、大量の廃棄物が出る。経済的にも環境的にも負担だ。 これに対し、「洗える家」は土台や柱、断熱材に水を通さない素材を採用。水がしみこまなければ、表面の洗浄だけで汚れと臭いを除去できる。油性の汚れは水での洗浄では足りない場合もあるため、業務用洗剤で洗浄・消毒をする。日常的に触れる部分である室内の壁だけ取り換えれば、衛生面は問題ないという。 小山さんは「コップに例えると分かりやすい。中に汚水が入っても、水を通さない材質なら汚れは落ちるし、洗剤でごしごし洗える。今までの家はそれができなかった」と解説する。 外壁と内壁の間には数センチの隙間を作った。ここからきれいな水を流し、内外壁の間に入り込んだ水や泥を洗い流すことができる。キッチンや洗面所も取り外し可能で、壁との間に汚れが入り込めば洗って繰り返し使える。 洗浄後は、屋根から取り込んだ太陽熱を、建物内部の送風機を使って床下や壁内に送り込み乾燥させる。家の大部分をそのまま生かせ、廃棄物になるのは室内の壁のみ。修理費用は約250万円で済む試算だ。小山さんは「復旧工事で大量の廃棄物を出すことなく家を再利用できる。SDGsの理念にもかなっています」と話す。 平均寿命が短い日本の家 「今の日本の建築技術では100年住める家ができるのに一世代で使い捨てられる」。小山さんが洗って長く使える家を造った大きな理由の一つは、そうした現状への疑問からだ。国交省が発表した住宅寿命に関する資料でも、平均で米国約55年、英国が約77年なのに対し、日本は約30年だ。 古民家の再利用は以前より増えたが、おしゃれなカフェやアトリエとしての再生ばかり。「普通の人が住む家が長く使えなきゃ意味がない」と小山さんは言う。同会議を立ち上げたのも、家を「造る」だけでなく、家のメンテナンスの仕方を助言し「見守る」ためだ。「洗える家」は耐震基準も最も高い等級3で、正しくメンテナンスすれば「100年住める家」だと小山さんは胸を張る。 「洗える家」は今月末に完成予定。河原さん夫婦も「自分たちの家が社会的課題の解決の一端を担えれば」と話している。28、29日には、市民や工務店など誰でも参加できる一般公開が行われる。問い合わせは同会議(048・789・7381)へ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル