兵庫県は4日、新たな新型コロナウイルスの感染予防対策を決めた。緊急事態宣言が解除された後も飲食店などに要請している午後9時までの営業時間短縮の対象エリアを限定。8日から21日まで、神戸、芦屋、西宮、尼崎の4市に限って続ける。 井戸敏三知事は「(4市は)大阪との交流が多く、感染者数が平均を超えている」と説明した。時短要請を続ける4市でも、午前11時から午後8時までとしてきた酒類の提供は午後8時半までと30分広げる。大阪市に合わせたという。 同県西宮市の阪神甲子園球場では19日に第93回選抜高校野球大会が開幕予定だが、イベントの開催制限はこれまで5千人としてきた人数上限を、8日からは県内全域で1万人に広げる。井戸知事は「高校野球は例外を認めてもいいと思ったが、いろんな議論を呼ぶので、ご協力をお願いすることにした」と話した。 時短要請について、大阪府は2… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑の副市長を再逮捕 宮崎・日南の官製談合事件
宮崎県日南市の官製談合事件で、県警は4日、副市長の田中利郎容疑者(64)=官製談合防止法違反罪などで起訴=を別の官製談合防止法違反の疑いで再逮捕し、発表した。逮捕は3度目。県警は認否を明らかにしていない。 捜査2課によると、田中容疑者は2018年3月2日にあった台風被害に関する市道災害復旧工事の一般競争入札で、元日南地区建設業協会長で市内の元建設会社長小野耕嗣被告(67)=別の公共工事に関する競売入札妨害罪で起訴=に、工事の査定額など非公開の入札情報を教え、同社が代表となった共同企業体に2億4350万円で落札させた疑いがある。 また、同月23日の別の市道災害復旧工事の指名競争入札でも小野被告に入札情報を伝え、別の建設業者に2960万円で落札させた疑いがある。 いずれの入札も競売入札妨害容疑については時効の3年を過ぎているとみて、小野被告への調べは任意で進めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男児が持ってきた「ママが好きなお菓子」 餓死1カ月前
福岡県篠栗(ささぐり)町のマンションで昨年4月、5歳の男児が食事を十分に与えられず餓死した事件で、保護責任者遺棄致死容疑で知人の女とともに福岡県警に逮捕された母親の碇利恵(いかりりえ)容疑者(39)の供述から、男児がなくなる約1カ月前のある出来事が明らかになった。 死亡したのは、碇容疑者の三男、翔士郎(しょうじろう)ちゃん。知人の赤堀恵美子容疑者(48)からの指示で、碇容疑者が約9カ月にわたり食事の量を減らしたり、抜いたりして昨年4月18日、低栄養状態にさせて餓死させた疑いがある。 捜査関係者によると、昨年3月初旬、碇容疑者は3人の子どもと親族とともにスーパーへ買い物に出かけた。親族は店内に入ると「何でも好きなものを持っておいで」と子どもたちに呼びかけた。すると、翔士郎ちゃんはお菓子をもって戻ってきた。「これ、ママが好きなお菓子」 その約1カ月後、翔士郎ちゃんは亡くなった。 亡きがらは、同年齢の平均体重… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
LGBTカップルの認定、導入延期 パブコメに反対多数
山口県宇部市は、2020年度中を目指していたLGBTなどの性的少数者のカップルを公的に認定する「パートナーシップ宣誓制度」の導入を、9月に延期することを決めた。「時期尚早」といった反対意見が多数寄せられるなどしたため。制度を理解してもらうため、今後、市民への説明の機会を設ける。 宇部市が導入を予定している制度では、市内在住か転入予定の成年カップルを対象に証明書を交付。法的拘束力はないが、証明書を示すと市営住宅への入居や助成金の受給など法律婚をしたカップルと同様に行政サービスを受けることができるようになる。 議会の議決を経ない「要綱」として制定予定で、昨年12月にパブリックコメントを実施。市によると、メールや郵便などで計217件の意見が寄せられた。 賛否を明確に分けられない意見もあったが、賛成は16%、反対は8割程度を占めた。 賛成意見は「法律婚にある夫婦とのサービスの差が解消できるよう努めてほしい」(23件)▽「より広範囲の地域で使える制度にしてもらいたい」(2件)など。一方、反対意見は「結婚して子どもを育てるのが本来の家庭のあり方」(33件)▽「新たな制度を導入しなくても現行の施策の活用で個人の人権は守られる」(25件)▽「制度導入は時期尚早」(22件)▽「多様な性を学ばせることで、未成熟な子どもの精神的な混乱を招く」(19件)などだった。 募集対象は市内に住んでいるか… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
両陛下が被災地とオンライン交流 10年の歩みを傾聴
天皇、皇后両陛下は4日、東日本大震災の発生から10年を機に、岩手県釜石市と陸前高田市の被災者らとオンラインで交流した。 天皇陛下は、津波で家族4人を亡くした釜石市の鈴木堅一さん(77)に「ご家族を亡くされ、お悔やみ申し上げます。本当に大変な思いをされたのではないですか」などと話した。皇后雅子さまは2013年11月に釜石市を訪れたことについて触れ、野田武則市長に対して、仮設住宅の人たちと話したことを「とても印象に残っています」と語りかけた。 陸前高田市の浅沼ミキ子さん(57)は、長男の健(たける)さん(当時25)を震災で失い、陛下から「ご長男を亡くされたことは本当に残念でしたね」と声を掛けられた。浅沼さんは津波避難の大切さを呼びかける絵本「ハナミズキのみち」を出版しており、交流後、「伝承活動はこれからだと思う。次世代につないでその子たちに託したい」と話した。 今回の交流は、被災者らから震災後10年間のそれぞれの歩みが語られ、両陛下は時折大きくうなずきながら話を聞いていた。天皇陛下は「今後も色々大変なことがあろうかと思いますが、お体にお気をつけて」とねぎらった。 両陛下は11年3月の震災発生後、岩手県、宮城県、福島県の被災3県を3巡し、被災者らと交流を重ねてきた。天皇陛下は今年2月の誕生日会見で震災について触れ、「被災された方々の力に少しでもなれるよう、被災地に永(なが)く心を寄せていきたい」と語っている。 今回は、新型コロナウイルス感染症の影響により、両陛下のお住まいの赤坂御所(東京都港区)と二つの市がオンラインでつながれた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
島根知事と自民・竹下氏 今度は宣言延長期間めぐり舌戦
東京五輪聖火リレーの中止検討を表明した島根県の丸山達也知事は3日、1都3県の緊急事態宣言が2週間程度延長される見込みになったことについて、記者団に「2週間は中途半端。1カ月は延長して腰を据えてやるべきだ。首都圏は五輪を控えているんでしょう。都知事らには背水の陣で臨んでもらわねばいけない」と話した。 丸山知事は政府や東京都の新型コロナウイルス対策が不十分だとして、五輪開催に反対だとしている。3日の丸山知事の発言について、島根選出の竹下亘・自民党元総務会長は4日、党本部で記者団に問われ、「島根の知事がどう言ったか私は聞いておりませんけども、黙って受け流しておけば良いんじゃないかな、とこう思います」と述べた。 竹下氏は、丸山知事が聖火リレー中止検討を表明した翌日の2月18日、「知事を呼んで注意をしっかりしなくてはいけない」と発言。丸山知事は同25日、上京して竹下氏と面談していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サルヴァトーレ・フェラガモ 未来感の着想はSF映画
サルヴァトーレ・フェラガモが2021年秋冬コレクションを発表した。時空を超えた旅を思わせる映像で始まり、モデルたちがまとう服はシャープで未来感がある。1990年代のSF映画「ガタカ」「夢の涯てまでも」「マトリックス」などから着想を得て、「新しいユニホーム」を提案したという。 ポケットやフラップがアクセントになったジャケットやコート、ウェットスーツのように体にぴったり沿うトップス、フード付きのポンチョ風アウターなど、ミリタリーやスポーツといった様々な要素をとり入れた。水色や緑、ピンクやラベンダーなどきれいな色が並び、明るい未来を求めるようなコレクションだった。 デザイナーのポール・アンドリューは「未来のかけらを通して現在をみすえることで、様々な新しい観点を解き放つコレクションを構築したいと考えた。今こそ再考、再構築、前に進むことを決心して団結するべき時であると考えている」などとコメントした。(神宮桃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保育士への「マタハラ」認定、解雇無効の判決 東京高裁
「出産したら戻ってくるからね」――。園児たちにそう約束した保育士が、育休からの復職直前、園側に解雇された。東京高裁は4日の控訴審判決で、妊娠や出産による職場での嫌がらせ「マタニティー・ハラスメント」と認め、保育士の解雇は無効と判断した。 神奈川県の30代女性は、2017年4月から産休に入り、同年5月に出産。18年からの復職を希望したが「園長と保育観が一致しない」と解雇されたという。 男女雇用機会均等法9条4項は、「原則として妊娠中や産後1年たたない労働者への解雇は無効」と規定するが、事業主が解雇理由を妊娠や出産でないと証明できた際は例外とする。 後藤博裁判長(石井浩裁判長代読)はこの日の判決で、園長に批判的な言動をしたことが解雇理由とされた点について、「意見は述べたが解雇に相当する問題行動とはいえない」と判断。一審・東京地裁判決に続き、解雇は均等法9条4項に反するとした。 さらに、この規定が目指す趣旨についても言及。「妊娠や出産で身体的・精神的な負荷が想定されることから、安心して出産・育児ができるようにするための規定」とした。 判決後に都内で会見した女性は「同じ思いをする人がいなくなってほしい」と訴えた。今も、この園での復職を望んでいるという。 保育園側は「コメントできない」とした。 厚労省によると、均等法をめぐ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
心愛さん虐待死「異常なまでに陰惨」 被告側の控訴棄却
異常なまでに陰惨で、女児の尊厳を全て否定するすさまじい虐待だ―― 千葉県の小学4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10)が2019年1月、虐待により死亡したとされる事件。東京高裁の近藤宏子裁判長は4日の控訴審判決で、傷害致死などの罪に問われた実父の勇一郎被告(43)による虐待を「悪質性が並外れて際立つ」と指摘し、懲役16年とした一審・千葉地裁判決を支持した。被告側の控訴は棄却された。 被告はこの日、黒いスーツに白いシャツを着て出廷。判決が読み上げられると、刑務官に筆記用具を借りてメモを取り続けた。 地裁は昨年3月、被告が丸2日間にわたり食事や十分な睡眠をとらせずに真冬の浴室に放置し、シャワーで冷水を顔に浴びせ続けたことなどを認めて実刑判決を言い渡した。被告は虐待行為の大半を否認していた。 控訴審判決は、虐待が1年2カ月以上の長期間にわたっていたことを重視。「被告は児童相談所などの救いの手を徹底的に排除し、妻も暴力で支配して、被害児を孤立無援に追い込んだ」と指摘し、量刑不当と主張した弁護側の訴えを退けた。 さらに、妻(34)=傷害幇助… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ふるさとの海を耕す」藻場の復活へ 佐藤さんの情熱
「ホタテが揚がってこねんだども、何が引っかかっでらんだべが。潜ってきてけねぇが」――。 岩手県大船渡市でダイビングショップを営む佐藤寛志(ひろし)さん(46)のもとには、養殖施設の異常を訴える漁師からの連絡が後を絶たない。漁場に潜ると、ロープや網などの漁具、沈没した船、腐食した車など、津波で流出した様々な物が絡まっているという。東日本大震災から間も無く10年がたつ今でも、月に1度はこうした依頼が舞い込む。 岩手県花巻市出身。タイ南部カオラックでダイビング・インストラクターとして働いていた佐藤さんはあの日、アンダマン海のクルーズ船上で東日本大震災の発生を知らされた。三陸沿岸に住む親戚の安否を案じる一方、「自分が戻ったところで何ができるのだろうか」。帰国をためらう複雑な気持ちで港に戻ると、大量の物資と航空券を用意してスタッフが待ち受けていた。 「これを持って、とにかく日本に帰ってほしい」。下着や生理用品、インスタント食品に電池。2004年のスマトラ沖地震と津波を経験し、復興の道のりを知る現地の仲間の思いに背中を押された。身長180センチの屈強な体の前後左右に持てるだけの支援物資をぶら下げ、日本へ帰国した。 震災から4日後、美しかったふるさとの海は、漂流がれきで覆われ、車や家屋、自動販売機など、陸にあったあらゆるものが沈んでいた。「元のきれいな海を取り戻したい」と、胸に刻んだ。全国のダイバー仲間から寄せられた支援物資も車に積み込み、三陸沿岸の知り合いに配り歩く日々が3週間ほど続いた。 4月にはダイバー仲間と海底の清掃やがれき調査を本格化。「何か手伝えることはありませんか?」と、飛び込み営業のように港を回った。レジャーダイビングが盛んでなく、密漁者のイメージも付きまとう土地柄。大船渡市の漁師及川省吾さん(49)は当時を振り返り、「大柄で浅黒い人がニコニコして寄ってくる。だまされるもんかと警戒した」と笑った。海に潜ってがれきにロープをかけ、漁師と一緒に引き揚げる日々。一日一日と地道に関係を築いていくうちに、3年の月日が経っていた。 海中のがれきが片付き、漁業が再開し始めると、港ではウニやアワビの漁獲量減少が話題になっていた。津波は海底の藻類にも打撃を与え、それらを食料とするアワビも減少していた。生え始めた海藻を、大量発生したウニが奪い合うように食べ尽くし、岩肌が真っ白になる「磯焼け」と呼ばれる食害も発生していた。 佐藤さんは沿岸の生態系を再生するため、魚類のすみかとなる藻や海草類を復活させる活動に取り組み始めた。大船渡市の浪板海岸では、マコンブの胞子が入った「スポアバッグ」約100個を岩場に設置し、海草のアマモを砂地に植えた。磯焼け対策を行った海域でウニの身入りが目に見えるように増えると、「そんなことやったって変わらないよ」と高をくくっていた漁師からも一目置かれるようになった。 佐藤さんは現在、NPO法人「三陸ボランティアダイバーズ」の代表としてウニの駆除や藻場の再生に取り組む「ボランティアダイビング」を主宰する傍ら、三陸沿岸の高校で海洋実習の講師も引き受けている。「自分自身もいつまで潜れるか分からない。ふるさとの海を、自分たちで耕す。そんな『海の活動家』を育てたい」。海から三陸の復興を見つめ続けてきた目尻には、深い笑いじわが刻み込まれていた。(加藤諒) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル