改造内閣では、朝日新聞が昨年実施したアンケートや自民党の点検で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点を認めた議員が4人入閣した。 いずれも初入閣の鈴木淳司総務相▽盛山正仁文部科学相▽伊藤信太郎環境相▽木原稔防衛相。朝日アンケートや自民点検によると、教団側のイベントに会費を支出していたのが鈴木氏と伊藤氏で、鈴木氏は祝電も送っていた。盛山氏と木原氏は、教団関連団体の会合に出席していた。 盛山氏は宗教法人を所管する文科省のトップとして、教団への解散命令請求を視野に入れた手続きを担うことになる。この日、盛山氏の事務所は取材に「昨年3月に関連団体の行事に一度出席しただけで教団と関係はなく、仕事の判断に影響はない」と回答した。 首相官邸は閣僚候補について教団側と接点がないかどうか事前に調査したが、「うわさレベルの話をどこまで真に受けるか。目をつぶるしかなかった」(政府高官)という。官邸幹部は「大事なのは今は関係が切れていること、今後もつきあわないならセーフとするしかない」とした。 自民党の役員人事では、教団との接点を認めてきた萩生田光一氏が、政調会長に留任した。萩生田氏は、昨年の参院選前に立候補予定者と地元の教団施設を訪問したことが明らかになり「猛省をしなくては」と謝罪した。教団側との具体的な関係について説明不足との指摘もあるが、この日の会見で萩生田氏は「現段階で何か説明不足だという指摘はあたらないんじゃないか」と語った。 これまで萩生田氏の選挙で電話かけなどの支援をしてきたという現役信者は「我々が助けてきた萩生田氏が要職にいる自民党政権に(教団を)解散しろと言われるのは許せない」と話した。 教団の元2世信者の女性は「… この記事は有料記事です。残り385文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヒグマ被害の朱鞠内湖でイトウ釣り再開、クマ撃退スプレー、鈴必携に
今春、釣り人の男性がヒグマ襲われて死亡した北海道北部の朱鞠内湖(幌加内町)で13日、イトウ釣りが再開した。湖を管理するNPO法人シュマリナイ湖ワールドセンターなどが専門家の意見や知床などの先進事例を参考に約4カ月かけて独自ルールを作成。安全に絶対はないが、ヒグマ撃退スプレーの携帯など「可能な限りの対策」を施した。 男性が襲われたのは湖北東部の「ナマコ沢」の入り江。同センターのボートで上陸し、1人で湖岸で釣りをしている時に背後から襲われたとみられている。何度もイトウ釣りに訪れており、土地勘もあった。ただヒグマ撃退スプレーは見つかっておらず、携帯していなかった可能性もある。 新たなルールでは、ヒグマ撃退スプレー、クマ鈴、トラブル発生時用のホイッスルや発煙筒、緊急連絡やGPSアプリによる所在確認のためのスマホなどを携行必須の装備品とした。スマホ以外はレンタルを用意。撃退スプレーは飛行機に持ち込めないため、道外のリピーターには買ったスプレーを預かれるようにもした。 ヒグマを寄せ付けないために、カップラーメンも含めて限られた場所以外での調理を禁止した。釣れた魚についても、岸辺に魚のにおいを残してヒグマを誘引しないよう、湖内での撮影やリリースを定めた。「湖内から出さないことでイトウへのダメージも少なくなる」という。 朱鞠内湖のイトウ釣りは大自然に包まれながらさおを振るのが醍醐(だいご)味だが、前浜やキャンプ場以外での単独での釣りを原則禁止とした。夜明けや日没前後の「朝まずめ」「夕まずめ」は釣果が上がるが、この時間帯はヒグマも活動する時間帯。釣り人同士が適切な距離を保ち、互いに死角となる背後を確認しあうことがヒグマ対策につながる。 この日は平日で朝方にかけて雨が降ったが、夜明けを待ちかねたように釣り人が訪れ、さおを振っていた。代休を取って来た近隣の男性(37)は「朝の気温が20度ではイトウも深みでじっとしていますよ。釣果なし。わかっていても初日だから。新ルールは煩わしさはあるけど安全を考えればやむを得ないですね」と話していた。 朱鞠内湖のイトウ釣りは10月からが後半戦。同センター理事長で朱鞠内湖淡水漁協の組合長代理も務める中野信之さん(48)は「ヒグマはどこにでもおり、安全に絶対はないが、十分な対策とルールの順守が釣り人の命を守ることであり、朱鞠内湖という貴重なフィールドを守ることになる」と理解を求めている。(奈良山雅俊) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
事件1カ月前に計画した「無差別殺傷」 青葉被告が語った動機と経緯
有料記事 光墨祥吾 山本逸生2023年9月13日 21時04分 36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人など五つの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第5回公判が13日、京都地裁であった。弁護側の被告人質問で青葉被告は、事件の1カ月前、自宅のある埼玉県で実行しようとした「無差別殺傷計画」を説明した。 この計画は、検察側が5日の初公判で明らかにした。19年6月、包丁6本を持って大宮駅(さいたま市)に向かったが、断念したというものだ。 青葉被告は計画した理由について、京アニに自身の小説作品を盗用され、公安警察に監視されていると考えたと説明。「メッセージ性を込めた犯罪をしないと、そういった物事から離れられないと思った」と述べた。 複数の刃物を準備したのは… この記事は有料記事です。残り733文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小渕氏の政党支部 有罪判決の元秘書が取締役の会社に家賃支出
東郷隆2023年9月13日 21時07分 13日に自民党の選挙対策委員長に就いた小渕優子・元経済産業相が代表を務める政党支部が、過去に政治資金規正法違反の罪で有罪判決を受けた元秘書が取締役を務める会社に、事務所の家賃を支出していたことがわかった。 元秘書の男性は、2014年に発覚した小渕氏の政治団体の不明朗な会計処理をめぐり、政治資金規正法違反の罪で15年に有罪判決を受けた。 小渕氏が代表を務める「自民党群馬県第五選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、事務所の家賃として同県高崎市内の不動産会社に毎月15万円を支出。同社の登記によると、元秘書は16年6月に取締役に就いていた。 収支報告書に家賃が記載され始めたのは09年8月で、公開されている最新の21年の報告書までに記された支出総額は約2200万円だった。 また同支部は、この元秘書が昨年5月まで取締役だった別の群馬県内の会社にガソリン代を支払っており、21年の支出額は計約100万円だった。 小渕氏の事務所は取材に対し、いずれの会社でも元秘書は無報酬だったとしたうえで「必要な経費を事業者に支払っているだけのことであり、道義的な問題はない」とコメントした。 こうした支出について文春オンラインが13日に配信した。(東郷隆) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小学生では史上2人目の快挙 日本最高峰のそろばん大会で満点を獲得
日本最高峰と言われる全日本珠算選手権大会の個人総合競技で、千葉県流山市の高嶋優(ゆたか)さん(12)が小学生で史上2人目の満点を獲得した。惜しくも全体での優勝は逃したが、2年連続で小学生日本一を決めた。 8月8日、国立京都国際会館(京都市)に「そろばん日本一」をめざして全国から600人が集まった。高嶋さんは昨年も小学生日本一に輝いたが、満点は逃し、「今年こそ」という思いで臨んだ。 大会は張り詰めた雰囲気の中で始まった。最大9桁の数字を10個足し引きするなど、6種目で計210問を15分で解答し、1500点満点で採点される。 上位を狙うほとんどの選手の机の上に、そろばんはない。頭の中のそろばんで、答えを導き出すという。優さんは「心の中で数字を言う。無意識で計算している」。鉛筆を止めることなく、動かし続ける。 ■そろばんを始めたのは4歳… この記事は有料記事です。残り770文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
やきものでも器ではない「前衛陶芸」、なぜ京都で 芸術生む土壌とは
戦後間もなく、やきものの新たな形を追求する前衛陶芸が京都で始まった。中心となった走泥社(そうでいしゃ)に焦点を当てた初の展覧会が京都国立近代美術館(京都市左京区)で開かれている。走泥社が果たした役割や、京都で生まれた背景について、展覧会を企画した同館の大長智広主任研究員(46)に聞いた。 ――走泥社とはどんな団体ですか。 1948年に八木一夫、山田光、鈴木治ら5人が結成した陶芸団体です。全員が京焼の中心地である京都市の五条坂周辺で製陶業にかかわっていました。器などのやきものを作る技術の体系や様式は既にできあがっている場所でしたが、それに乗っかって自動的にモノを作ることをよしとしなかった人たちです。 ――走泥社はメンバーを増やして1998年まで続きましたが、今回の展覧会では、結成から25周年までの活動を紹介しています。初期の活動はどのようなものだったのでしょうか。 既存の価値観にとらわれないで、やきものでなければできない造形を追い求めてきた人たちだといえます。ずっと前を向いて進んで行くことで、やきものの表現を従来の意味での器から広げていきました。 ――会場には、前衛陶芸の記念碑的作品とされる八木一夫の「ザムザ氏の散歩」(54年)が展示されています。この作品がなぜ記念碑なのですか。 ろくろで、いわゆる器ではな… この記事は有料記事です。残り699文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本の謝罪とは…米国出身の言語学者が実感した「申し訳ない」の意味
有料記事 聞き手・池田伸壹2023年9月13日 18時00分 「誤解を与えたとすれば申し訳ない」。責任を認めているとは思えないような、あいまいな「謝罪」を政治家らがするケースが日本では目立ちます。米国出身で北九州市立大学准教授の言語学者、アン・クレシーニさんに両国の違いなどを尋ねると、コンビニやPTAでの体験も踏まえて考察してくれました。 「誤解を与えたとすれば申し訳ない」という言い方を、米国の政治家やリーダーはしないでしょう。ただ、「だから日本はひどい」などと判断するのではなく、謝り方の背景を含めて理解を深めることが大事だと思っています。 私は言語学、特に和製英語や… この記事は有料記事です。残り1124文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
検察事務官を児童ポルノ所持容疑で書類送検 性犯罪捜査資料を撮影か
浅田朋範2023年9月13日 14時00分 18歳未満の少女のわいせつな画像を所持していたとして、埼玉県警は13日、さいたま地検の事務官の男(52)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで、書類送検した。 画像には性犯罪事件の捜査で作成された内部資料を撮影したものが含まれており、写っている少女は事件の被害者とみられる。捜査関係者への取材で分かった。容疑を認めているという。 捜査関係者によると、事務官は、スマートフォンに複数の少女の体を写した画像を保存し、所持していた疑いが持たれている。事件の被害者のほかに、無関係の少女の映像もあったという。 事務官は8月6日昼過ぎ、埼玉県朝霞市の公園で陰部を露出したとして、県警に公然わいせつの容疑で現行犯逮捕され、その後、釈放されていた。県警が逮捕後に押収したスマホを解析し、今回の事件が明らかになったという。(浅田朋範) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国に荒れ放題の無縁墓、管理料滞納も 総務省が初の実態調査
単身者が増加し人口減少が進む中、管理者がいない「無縁墓」が増えている。総務省が初めて全国調査を実施したところ、公営墓地や納骨堂がある市町村の約6割に無縁墓があり、管理費の滞納総額は4億円を超えていた。だが、「無縁」であることの確認には手間や時間がかかり、撤去は進んでいない。 総務省は、1718市町村と東京都を対象に昨年2月から今年9月までの間、調査を実施。13日に発表した。 公営墓地・納骨堂があると回答したのは765市町村。このうち。58・2%が無縁墓があると回答した。雑草や樹木が生い茂ったり、墓石やブロック塀が倒れたり、ゴミが捨てられたりするケースもあるという。 だが、過去5年間(2016~2020年度)で無縁墓の墓石の撤去に着手したと回答したのは6・1%。今後、無縁墓の撤去(改葬)を実施する意向と回答した市町村の割合は22・1%だった。 無縁墓を撤去できない理由とは? 今回の総務省調査で判明した無縁墓は氷山の一角にすぎません。なぜ、多くの自治体は無縁墓を撤去できないのでしょうか? 撤去が進まない理由として、縁故者や墓の継承者などの連絡先がわからず、同意の確認が難しいことがあげられた。無縁墓の遺骨は合葬式施設に移されるケースが多いが、施設がないので対応できない、との回答もあった。遺骨の扱いを「一時保管後処分」や「未定」とした自治体もあった。墓石の保管期間や保管場所について困惑している、との回答も寄せられた。 墓の管理料を徴収していると回答した432市町村のうち滞納が発生したのは55%。滞納総額は約4億4800万円にのぼった(2020年度末時点)。唐津市では5年に1度管理料を徴収していたが、使用者との接触頻度を高めるため、2014年度から毎年徴収するように変更した。 全国には墓地・納骨堂は約8… この記事は有料記事です。残り239文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
襲撃指示認めた工藤会会長、検察側は反論「主張変更には動機がある」
四つの市民襲撃事件に関与したとして、殺人罪などで一審・福岡地裁で死刑判決を受けた特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)のトップで総裁の野村悟被告(76)の控訴審が13日、福岡高裁で始まった。弁護側は「有罪認定の直接証拠が全くないにもかかわらず、『推認』に『推認』を重ねている」などと一審判決を批判、検察側は控訴棄却を求めた。 工藤会トップの裁判で、高裁では厳重な警備態勢がとられた。 午前8時10分、58席の傍聴席を求めた抽選には、385人が並んだ。 午前9時ごろ、野村、田上不美夫(67)両被告を乗せた車両が福岡拘置所(福岡市早良区)を出発した。県警の車両に護衛されながら、計6台の車列をつくり、20分後、福岡高裁(同市中央区)に入っていった。上空には、県警のヘリコプターも飛び、警戒にあたった。 一審で無期懲役の判決を受けたナンバー2で会長の田上被告とともに、午前9時55分ごろ、法廷に入った。 2人とも上下黒のスーツを着用。野村被告は、入廷した際、裁判長に頭を下げた。 開廷前、裁判長に補聴器の調子を確認され、「聞こえづらい」と伝えると、自身が用意した補聴器を右耳に装着した。裁判長から「私の声が聞こえますか」と尋ねられ、「聞こえます」と答えた。 午前10時に開廷すると、裁判長に本人確認のために名前を聞かれた野村被告は「野村悟です」と答えた。 その後、弁護側は控訴審での主張の要旨を読み上げた。冒頭では「有罪認定の直接証拠が全くないにもかかわらず、『推認』に『推認』を重ねている」「客観性を欠落させた、理屈だけの判決だ」と一審判決を批判した。 その上で、1998年に元漁協組合長が射殺された事件については、「組織によるものではなく、被害者に個人的な怨恨(えんこん)を抱く別の組員が首謀したものだ」と説明し、両被告の関与を改めて否定した。 さらに、2012年の元福岡県警警部銃撃事件については、「会ナンバー3の組員が、独断で計画や指示をした。両被告は関与していない」と主張した。ナンバー3の菊地敬吾被告=一審で無期懲役判決、控訴中=は、自らの裁判では関与を否定していた。 一方、残りの二つの市民刺傷事件について弁護側は、田上被告がこれまでの主張をひるがえし関与を認める、とした。 田上被告が個人的な確執や怒りから犯行を指示したと説明。その際に田上被告が野村被告に許可を得る必要はなく、むしろ相談すれば共犯に巻き込むことになると考えたと説明し、野村被告の関与がないことを強調した。 検察側は、「一審の判決に事実誤認はなく、常識にかなっている」と指摘。田上被告が主張をひるがえしたことについては「田上被告には野村被告の刑事責任を免れさせようとする動機があり、信用できない」と断じて、控訴棄却を求めた。 検察官の証拠調べ請求、野村被告が発言 裁判所は弁護側が提出した約… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル