寺沢知海2023年8月30日 17時30分 名古屋城天守の復元をテーマにした名古屋市主催の市民討論会で差別発言があった問題で、市は30日、大学教授や弁護士らが参加する検証委員会の初会合を開いた。河村たかし市長ら関係者へのヒアリング調査などを通じ、市側が差別発言を制止できなかった原因を究明することで一致した。 6月にあった市民討論会では、木造復元が計画されている天守にエレベーター設置を求めた障害者の男性に対し、他の参加者から「ずうずうしい」などの差別発言が相次いだ。会場には河村市長をはじめ、複数の市幹部がいたが、誰も発言を止めたり、注意したりせず、その対応が市議会などで批判された。 この日の検証委は一部非公開で実施。会合後、取材に応じた検証委座長の杉野みどり副市長によると、委員からは討論会開催までの経緯や差部発言の前後の状況などを検証する必要があるとの意見が出たという。差別発言を制止できなかった原因を検証し、そこで明らかになった課題に応じた再発防止策を検証報告書にまとめる予定だ。 市は検証が終わるまで、名古屋城復元の計画策定を中断する方針を示しており、杉野副市長は「数カ月では終わらない」と述べた。(寺沢知海) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寺の厨子、さびを落とすと徳川綱吉の「三つ葉葵」 背景に母の存在?
埼玉県行田市須加の田園風景のなかにある長光寺。この寺にある仏像を安置する厨子(ずし)を、徳川5代将軍の綱吉が作らせた可能性が高いことがわかった。ものつくり大(同市)が昨年から今年にかけて調査を実施し、あしらわれた「三つ葉葵(あおい)」の模様や形を分析して判断した。「将軍自ら作らせた建造物だとすれば県内では珍しい」という。 高さ2・4メートルの厨子「長光寺阿弥陀堂宮殿」は長年、寺の境内から東に約400メートルの「阿弥陀堂」にあった。市の指定文化財で、近くの利根川の河川改修で阿弥陀堂の境内への移転が決まったことにあわせ、修復修理をすることになった。 「三つ葉葵」 細かく調べると…… 厨子の扉には、徳川家の家紋として知られる「三つ葉葵」のようなかざりが四つついていた。三つ葉葵は家によって葉の模様などが異なるうえ、同じ将軍家であっても、時代や将軍によって違う。かざりはさび付き、どの家のものなのか詳しくはわからなかった。 修復のため、昨年7月から歴… この記事は有料記事です。残り741文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
求む!昭和のお宝 ラジオ、炊飯器、ちゃぶ台…寄付相次ぎ1万点超
臼井昭仁2023年8月30日 14時00分 昭和時代の家電などの収集に力を入れてきた愛知県大府市の市歴史民俗資料館(桃山町5丁目)。予想以上に寄付が相次ぎ、所蔵品は1万2千点といっぱいとなった。残る8ミリ映写機など十数種の「お宝」の寄付を呼びかけている。 同館は1980(昭和55)年の設立。当初は農家が使っていた古い民具を集めていたが、後に昭和に販売された家電や雑貨、玩具などの収集と展示を主に進めるようになった。 1階の常設展示では、所蔵品のラジオや炊飯器、ちゃぶ台などを並べて昭和30~40年代の暮らしや町並みを再現した。テレビやカメラなどは種類が豊富で、例えばアイロンだと電気、炭火、コテ、火のしと時代別に展示する。洗濯板で服を洗う体験教室も開く。 いずれも市内外からの寄付で、毎年100点ほどあるという。ただ持ち込まれる品と所蔵品との重複も増えてきており、断らざるを得ないケースが多くなってきた。 館内では、所蔵していない品々をイラストつきで知らせている。「ゴミがお宝に大変身するかも」とうたって寄付を求めてきた。これまでに、アルマイトの水筒やすだれ、電灯、ローラースケート、ペナントなど大半を入手でき、「GET」の紙を貼っている。 残るは十数点。8月現在、8ミリ映写機(使用可能品)や脱水ローラー式洗濯機、家具調のカラーテレビ、4灯ヘッドライトが付いた自転車、ペダル式ベビーカー、1ドア冷蔵庫などだ。担当学芸員は「昭和の製品は形、機能で個性があるが放っておけば無くなってしまうので収集に努めてきた。関心も高いのでもし心当たりがあれば寄付をしてほしい」と話す。問い合わせは同館(0562・48・1809)。(臼井昭仁) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「もう無視しないで」 被害告白の元ジャニーズJr.、国会内で訴え
島崎周2023年8月30日 14時15分 ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏からの性被害を告白した元ジャニーズJr.の石丸志門さん(55)と大島幸広さん(38)らが30日、立憲民主党が国会内で開いた会合に出席した。事務所が設置した外部の専門家による「再発防止特別チーム」の調査報告を受け、国として被害者に聞き取りをするなど、この問題に関与することを求めた。 特別チームは29日に記者会見を開き、調査報告書を公表。喜多川氏について「長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められた」とし、事務所に対して藤島ジュリー景子社長の辞任を求めた。 会合の冒頭、立憲の同党の長妻昭政調会長は「昨日(の提言)で、フェーズが変わったと考えている。政府、与党は傍観者であってはならないし、傍観することはもうあり得ない段階にきている」と述べた。 石丸さんは、被害を訴える「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が求めてきた事実認定、謝罪、被害者救済に言及された点について評価した。一方で「国と事務所と当事者の会が三位一体とならないと、真の被害者救済はできないのではないか。二度と性加害を起こさせない世の中をつくるためには、国の関与は絶対必要だ」と述べた。 大島さんはこの日、初めて国会内で自身が受けた被害について話し、「見て見ぬふりをしてきたメディア、調査をしなかった政府には、もう無視をしないでほしい」と語った。特別チームの提言に藤島社長の辞任が盛り込まれたことについては「社長には、直接対話をし、全て終わってから辞任をしてほしい」と話した。 また、事務所が今後開く記者会見で、藤島社長が出席しない見通しだとした一部報道について、会合後の取材で、石丸さんは「社長として出席する義務があると思う」と話した。(島崎周) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
本州では「珍しい」サツマイモの花、小1が発見 花言葉は「幸運」
池田拓哉2023年8月30日 14時15分 本州での開花は珍しいとされるサツマイモの花が、甲府市立善誘館小の中庭で毎朝咲き続けている。29日、2学期が始まったばかりの児童たちが目を丸くして花をのぞき込んでいた。 同校によると、夏休み中の19日、清掃作業で来校した1年生が中庭の畑で発見した。花は中心が鮮やかな紫色で、外側が真っ白。子どもたちは「アサガオみたい」と喜んだが、1本のつるにだけ花が咲いていたため、教員の間で「珍しいのでは」と話題になった。 山梨県総合農業技術センターによると、サツマイモはアサガオと同じヒルガオ科。日照時間が短くなるにつれて咲きやすくなる。本州は九州以南と比べて気温が低くなりやすいため、開花しないのが一般的。センターには開花情報が年に1、2件寄せられるという。サツマイモの花言葉は「乙女の純情」「幸運」。(池田拓哉) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阿波踊り桟敷席の違法問題、観光庁が調査開始 補助金見直しも検討
東孝司2023年8月30日 11時05分 今夏の徳島市の阿波踊りで設けられた1席20万円のプレミアム桟敷席が建築基準法違反の構造だったことに関連し、観光庁が企画主体のレジャー会社「アソビュー」(東京)から違反に至った経緯を聞き取る調査を始めた。事業への補助金交付を見直すかどうか検討するという。 この企画を巡っては、同社が観光庁の「観光再始動事業」への採択を申請し、5500万円の交付決定を受け、「阿波おどり未来へつなぐ実行委員会」と共同で運営した経緯がある。 観光庁によると、同社と結んだ契約書には、履行に不備があれば交付額を減額したり、契約を解除したりする規定がある。同庁は期限を定めずに聞き取り調査を重ね、契約違反に該当するか判断するという。 桟敷席へ上り下りする外階段の幅が基準を満たしていなかったことは同社も実行委員会も認めており、9月4日に開催予定の実行委員会の会合で、経緯の詳細を明らかにする予定だ。 今回の不祥事を受けて、実行委を構成する徳島市の内藤佐和子市長は「実行委がプレミアム桟敷席を建築基準法に違反した状態で提供したことは遺憾に思う。二度とこのようなことが起こらないよう取り組む」とコメントした。(東孝司) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「早く行けこの野郎」バス運転手があおり運転 仙台市交通局が謝罪
仙台市営バスの運行を委託された宮城交通の50代の男性運転手が7月、乗用車に対し車間距離を詰めるなどのあおり運転をしていたことがわかった。郡和子市長は29日の定例会見で、「市民の安全を最優先しなければいけないのに、とても遺憾だ」と話した。 市交通局によると、事案は7月27日午前10時ごろ、同市宮城野区の市道交差点で発生。バスの運転手が始発のバス停に向かう回送中に、赤信号で止まっていた乗用車の後方約1メートルの距離に停車した。 その後、回転場に着くまでの約500メートルにわたり、車1台程度の車間距離で走行するなどした。バスのドライブレコーダーには、「早く行けこの野郎」などと話す運転手の声が録音されていたという。 運転手は市交通局の聞き取りに、「乗用車が低速走行だったため、距離が詰まった」と説明。また、バスの出発時刻に遅れそうになっていたことから、「焦りもあったかもしれない」と話した。ドラレコなどを調べると、乗用車は制限時速40キロの道路を15~30キロで走っていたという。 市交通局は、乗用車を運転していた男性から苦情を受け、7月28日に謝罪。委託先の宮城交通を通じて、運転手を指導した。(平川仁) 交差点で急停止 乗客4人が軽傷 仙台市営バス 仙台市交通局は29日、市営バスが同市若林区の市道交差点内で急停止し、乗客4人が軽傷を負う事故が発生したと発表した。 市交通局によると、バスは宮城交通に運行を委託し、男性運転手(54)が運転。信号が黄色から赤色に変わるタイミングで、交差点に時速約35キロで進入し、抜けようとしたところで歩行者信号が青色になり、横断しようとした自転車に気づいて急停止した。 バスには約40人が乗車しており、転倒するなどした50~70代の女性客5人が救急搬送され、4人が頭や背中を打撲するなどした。 運転手は市交通局の聞き取りに、「信号前で急停止すると客が転倒すると思い、交差点を抜けた方が安全だと思った」などと話しているという。(平川仁) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
倍率3倍、中学生が「起業」体験 熱視線受ける高専でサマースクール
徳島県の山あいに起業家の育成を目指して開校した私立高等専門学校「神山まるごと高専」(神山町神領)が今月、入学希望の中学生を対象にサマースクールを開いた。「高専の1週間を疑似体験する」がテーマの催しは報道陣にも公開され、型破りな授業を展開する学校の日常を垣間見られる機会となった。 会場は、約9倍の倍率を突破して入学した1期生44人が学び、暮らすオフィス(校舎)とホーム(寮)。同校への進学を希望する全国の中学3年生64人が参加した。211人の応募があり、自己PR動画と作文の選考を経て選ばれた。 参加者には8月15~20日の期間中、「神山の強みを活(い)かした商品のプロトタイプを作り、プレゼンせよ」とのお題が与えられた。4人1組のゼミ活動で、発案だけではなく、試作品作りまでしてゴールになる。「モノをつくる力で、コトを起こす」ことをミッション(使命)と位置づける同校ならではのプログラムだ。 15日にあった最初の授業、「起業家精神概論」で講師を務めたのは、同校の創立者の一人で、カリキュラムの責任者の伊藤直樹さん(51)。クリエーティブ集団「PARTY」の代表でもある伊藤さんは、これからゼミ活動に臨む参加者にこう語りかけた。 「リサーチ、課題発見、アイ… この記事は有料記事です。残り868文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「改ざんは可能です」 障害児施設で給付費巡り不正 元職員の告発
東京都八王子市などで運営する放課後等デイサービスの事業所で、障がいのある児童が通う事業所に支給される「障害児通所給付費」の請求に関して不正の疑いがあると、元職員らが会見を開いて訴えた。八王子市も監査で不正を認定。事業所に対して行政指導を行い、改善状況がわかる報告書の提出を求めている。 会見で明かされたメールの文面 29日に立川市内で開かれた会見に参加した元職員と上杉謙二郎弁護士によると、この事業所は「こどもプラスホールディングス」(新宿区)のグループ会社が運営する3カ所。実際には資格を持たない職員を児童指導員としたり、不在の職員を常勤としたりして配置することで、虚偽の勤務表を市に提出し、実際より多く通所給付費を受け取っていた、と指摘した。 会見では、事業所の勤務表や職員間のメールのやり取りも示された。メールの文面には「修正改ざんすることは可能です」などの文言があった。こうした行為は、2013年以降の各事業所の開所時から行われていたといい、上杉弁護士は「金額ははっきりとはわからないが、少なくとも数億円に上る」とした。 自治体も不正認定 改善報告求める 八王子市障害者福祉課による… この記事は有料記事です。残り360文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
キッズ防災キャンプ 着衣水泳などに挑戦、集団生活で成長も狙い
和歌山県湯浅町で今月、1泊2日の「防災キャンプ」が開かれた。対象は小学生だった。 大型の台風2号などの影響で線状降水帯が発生し、県内にも大きな被害が相次いだ6月2日から3日にかけての大雨。海南市では1200戸以上の住宅が浸水被害に遭い、湯浅町湯浅では24時間の降水量が観測史上1位の385ミリを記録した。 キャンプは災害の記憶が新しいうちに、避難時の行動を考えてもらおうと企画。町内に住む小学3年生から6年生の41人が参加した。栖原区民センターで22、23日の2日間、家族と離れての共同生活は、異なる小学校の児童とグループを組んでスタートした。 最初に取り組んだのは避難所… この記事は有料記事です。残り806文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル