ジャニーズ事務所が設けた「再発防止特別チーム」が29日に会見し、故ジャニー喜多川氏による半世紀に及ぶ性加害を認定した。調査のきっかけになったのは、英公共放送BBCによる3月のドキュメンタリー番組「J―POPの捕食者 秘められたスキャンダル」だった。 番組づくりを担ったモビーン・アザー記者は特別チームの会見直後、朝日新聞の取材に、「虐待のサバイバー(生存者)たちに正義をもたらす動きのなか、正しい方向に進むための重要な一歩だと感じている」と、調査結果を歓迎するコメントをメールで寄せた。 アザー氏は、性加害を認定する結果が出たことについて、「サバイバーたちが勇気をもって声をあげたからだ」と指摘。一方で、「この虐待は単に喜多川氏の犯罪というだけでなく、(日本の)不処罰文化をめぐる問題でもある」と訴えた。 今後については、虐待を受けたサバイバーたちの声に耳を傾け続けることとともに、「権力を乱用する者を食い止める風土づくり」が重要になると主張。被害者への補償、ジャニーズ事務所自身の抜本的な変化、さらには、社会の変化の必要性も強調した。 その上で、「私たちはもはや、問題を隠しておくことはできない。サバイバーたちを信じ、権力の乱用者に責任を負わせましょう」とコメントを締めた。(ロンドン=藤原学思) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特別支援学級で体罰 担任「指導うまく進まず」あざできるほどつねる
熊谷姿慧2023年8月29日 20時00分 特別支援学級の児童に体罰をしたとして、兵庫県教育委員会は29日、尼崎市立小学校の男性臨時講師(66)を同日付で減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にし、発表した。 県教委によると、講師は5~7月、担任を務める特別支援学級の小学3年生の男子児童に対し、算数や国語の指導がうまく進まなかったことにいらだち、数回にわたり頰をつねったり手をたたいたりした。 頰にあざをみつけた両親からの連絡で発覚。講師は県教委の聞き取りに「体罰はいけないとわかっていてもやってしまう心の弱さがあった」と説明したという。 県教委はほかに、覚醒剤所持の疑いで逮捕、起訴された猪名川町立猪名川小学校の男性教諭(32)を懲戒免職処分とした。県教委の聞き取りに対し、覚醒剤を複数回使用したことを認めているという。(熊谷姿慧) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「恒心教で犯罪が横行」 FAX脅迫事件、男2人を窃盗容疑で再逮捕
東京音楽大学に爆破予告ファクスを送ったとして「恒心教」を称する男2人が威力業務妨害容疑で逮捕された事件で、警視庁は29日、他人のクレジットカード情報を不正に使って買い物をしたとして、私電磁的記録不正作出・同供用と窃盗の疑いで2人を再逮捕し、発表した。2人は容疑を認めているという。 再逮捕されたのは、無職の大熊翔(26)=威力業務妨害罪で起訴=と、東京農工大大学院生の佐藤直(22)=同罪や著作権法違反罪などで起訴=の両容疑者。 捜査1課によると、大熊容疑者は「恒心教にはまっており、恒心教で犯罪が横行していたから自分もやってしまった」、佐藤容疑者は「大熊からお願いされ、商品を受け取って大熊に送ってしまった」と供述しているという。 「恒心教」は、特定のネット掲示板に弁護士らへの嫌がらせや中傷を書き込む人たちの行動について、2012年ごろから使われる言葉で、宗教性はない。この掲示板では不正に入手されたとみられるクレカ情報がやりとりされることがあり、同課は関連を調べる。 他人名義カード使用 ネットで購入されたものは 2人の逮捕容疑は、共謀して… この記事は有料記事です。残り367文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニー喜多川氏の性加害認定、藤島社長の辞任求める 特別チーム
有料記事 島崎周 堀越理菜 照井琢見2023年8月29日 15時34分 ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、事務所が設置した外部の専門家による「再発防止特別チーム」は29日、性加害があったと認定する調査結果を公表した。事務所に対しては、同族経営の弊害が事務所におけるガバナンス不全の最大の原因とし、藤島ジュリー景子社長の辞任を求めた。 特別チームの会見は午後4時から東京都内で開かれている。 「1950年代から性加害」と指摘 調査報告書によると、特別チームは5月末から8月末までの3カ月、元タレントらの被害者23人と事務所関係者ら18人の計41人からヒアリングを実施。喜多川氏が1950年代に性加害を行って以降、事務所では70年代前半から2010年代半ばまでの間、「多数のジャニーズJr.に対し、長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められた」と指摘した。 再発防止策として事務所がとるべき基本的な対応としては、「組織としてジャニー氏の性加害が事実であることを認め、被害者に真摯に謝罪し、すみやかに被害者と対話を開始してその救済に乗り出すべきである」とした。その上で、被害者の「救済措置制度」を直ちに構築すべきだとした。 また、事務所の同族経営が「事務所のガバナンス不全の最大の原因の一つ」と指摘。藤島社長の辞任による「解体的出直し」を迫った。 そのほかにも、現在開催して… この記事は有料記事です。残り552文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自己負担ゼロ」が半数 耐震改修が急増した津波想定34mの町
現場へ! もっと地震に強く② 「地震の後、すぐに逃げ始められるように家具の固定をしていますか」「していない理由を教えてもらっていいですか」 6月、高知県黒潮町で中学生たちが高齢者宅を訪ねて回った。コロナ禍を経て4年ぶりの訪問活動。家具の固定や避難訓練の参加状況を尋ね、各戸の津波到達までの時間を伝えた。 家具の固定状況を集計すると、3分の2が未固定だった。枕元に棚がある、一人暮らしで固定作業が困難など、様々な課題が浮かび上がってきた。 黒潮町は2012年に公表された国の南海トラフ地震の想定で、最も高い最大34メートルの津波が見積もられた。この10年あまり、迅速な避難に向けた取り組みが進められ、避難タワーなどの施設も一通り整備された。 しかし、津波の前には激しい揺れが襲う。最大で震度7。家具の下敷きになったり、家がつぶれたりしては津波から逃げることもできなくなる。 「今、最も取り組まなければいけないことの一つが耐震」と町情報防災課の村越淳課長(50)は言う。家具固定費用の補助は2年前に1万円から3万円に増額、費用の半額までだったしばりをなくしている。中学生の調査も対策に生かすという。 黒潮町は、住宅の耐震改修が急増したことで知られる。補助の件数は14年度で13件だったのが毎年百数十件になった。「耐震診断を受けても工事に進んでいない人もいる。さらに働きかけを加速していきたい」 「10万円でも出したくない」 高知県で普及した低コスト工法 背景には安価な工法の普及と… この記事は有料記事です。残り925文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
児童養護施設で育った僕、仲間と作ったサイトに託す「頼る先知って」
7月中旬、さいたま市のオフィス。20歳ぐらいの若者たちが車座になり、わいわいと話していた。 「相談先の都道府県は、複数選択にできたほうがいいよね」 「『女性の悩み』という分類じゃなくて、性別に関係なく相談できるようにしたい」 意見は尽きず、予定の時間を過ぎても話し足りなそうだった。 集まっていたのは、児童養護施設などで育った10人ほどだ。オンラインで、九州や北海道にいる仲間ともつないだ。 話していたのは、施設出身の人たちを支援する一般社団法人コンパスナビが運営するサイト「なびんち」(https://navinchi.jp/)についてだ。 虐待などを理由に親元を離れ、施設や自立援助ホーム、里親家庭などの「社会的養護」下で育った若者たちが、1人で生活を始めたり、社会に出て働き始めたりする中で、困ったときの相談先を検索できる。 都道府県を選び、「家賃が払えない」「居場所がほしい」「こころの不調・障害」などの項目から、該当する悩みを選ぶと、地域のNPOなどの情報が出てくる。 サイトに載せる各地の機関を探したり、現地に赴いてスタッフの声を聞き取って載せたりしたのも、冒頭の若者たちだ。 自分たちと同じように施設などを巣立った若者が、孤独を感じずに「頼れる先」につながってほしい――。そんな願いを込めて活動している。 サイトは昨年立ち上げたばかり。まだ十分に周知されておらず、利用者がサイト内で目的の情報を探しづらいといった声もあった。よりよいサイトにするために、今年6月から話し合いを始めた。 生きづらさがあった、でも仲間に会えたから 自身の生い立ちから学んだ経験でラップをつくり発信している加藤建城(たてき)さん(21)もその1人だ。 横浜市の児童養護施設で育った。施設を退所し、高校を卒業したが、一人暮らしをしながら働き始めた昨年、慣れないプログラミングの仕事や、職場環境のストレスで体調を崩し、仕事をやめた。 施設は好きだったが、いざ離… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
異国のホテルでかけ続けた詐欺電話 女が明かした「かけ子」の日常
フィリピンの廃ホテルなどから日本に特殊詐欺の電話をかけ続ける。こんな「仕事」を4年ほど続けた女が所属した組織は、後に「ルフィ」などと名乗り、日本各地での強盗を指揮したとされる男が仕切っていた。女が法廷で明かした、異国の犯罪組織での日々は――。 7月28日に東京地裁であった初公判。長い黒髪、グレーのスウェット姿の被告の女(27)は、付き添いの職員2人を置いていかんばかりの足取りで弁護側の席に向かった。 2019年11月、フィリピンから東京都内の高齢者2人に、警察官などを演じて「口座が不正に残高照会されている」と電話をかけた。さらに「財務局」職員を名乗る共犯者が被害者宅を訪れてキャッシュカードを盗み取り、ATMで計約414万円を引き出した――。 被告はこうした起訴内容について、よく響く声で「協力したことは間違いありません」「直接引き出したことはない」と答えた。 始まりはツイッター、やがてフィリピンへ そして、弁護人の質問に答える形で、来し方を振り返った。 被告「30~40歳でも働ける仕事をしたいと。ツイッターで『闇バイト』と検索して見つけました」 弁護人「(渡航に使った)チケットは?」 被告「いきなり送られてきた。行かざるを得なくてフィリピンに行った」 19年9月、現地に到着すると、空港に2人が迎えに来て、廃ホテルに移動した。 弁護人「ホテルに着いてから… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「恒心教」称する2人再逮捕 他人のカード情報で不正に買い物疑い
東京音楽大学に爆破予告ファクスを送ったとして大学院生ら2人が威力業務妨害容疑で逮捕された事件で、警視庁は29日、他人のクレジットカード情報を不正に使って買い物をしたとして、私電磁的記録不正作出・同供用と窃盗の疑いで2人を再逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。 爆破予告ファクスは全国の大学などに送られ、インターネットファクス送信サービスの代金決済で別人名義のカード情報が使われたことが判明している。警視庁は、2人が不正に入手した他人のカード情報を様々な用途で使ったとみて調べている。 再逮捕されたのは無職の大熊翔(26)=威力業務妨害罪で起訴=と、東京農工大大学院生の佐藤直(22)=同罪や著作権法違反罪などで起訴=の両容疑者。2人は「恒心教(こうしんきょう)」と称しているという。 捜査関係者によると、2人は… この記事は有料記事です。残り288文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
屋形船の乗客7人軽傷、「護岸に衝突」と通報 東京都港区
29日午前11時半ごろ、東京都港区海岸3丁目で「屋形船が護岸に衝突した」という内容の119番通報があった。東京消防庁によると、船に乗っていた20~50代の男女7人が搬送され、いずれも軽傷だという。船は現場から移動し、品川区の発着場に戻ったという。 警視庁三田署によると、「船が木に接触した」という通報があった。けが人は6人でいずれも軽傷という。署は単独事故とみて原因を調べている。(御船紗子、増山祐史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
助かった命、被災後は防災士に 紙芝居で伝え続ける紀伊半島大水害
大水害が起きたらどう対処すればいいのか。 淡々とした語り口だが、自作の紙芝居で当時の様子を鮮明に伝えていく。2011年に起きた紀伊半島大水害で被災した女性の話に、砂防を学んでいる大学生ら6人が真剣な表情で聴き入った。 JR那智駅(和歌山県那智勝浦町)から約3キロの距離にある井関地区。夫と長女と家族3人で住んでいた久保榮子さん(80)の平屋の自宅を激流が襲ったのは12年前の9月4日未明だった。 玄関の戸は開かず、3人で窓から外へ出て雨どいにぶら下がった。このままでは助からないと、3メートル先にある駐在所のフェンスへ乗り移ろうとしたが流された。もがき続け、100メートル以上離れた歩道沿いのフェンスに引っかかり一命を取り留めた。 朝になり水が引き始め、自宅… この記事は有料記事です。残り782文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル