厚生労働省は27日、医療関連団体などの自殺予防に関する取り組みの概要や実施時期などを発表した。自殺対策基本法で位置付けられている自殺予防週間(9月10-16日)を中心に行われる相談事業や啓発活動を取り上げている。【新井哉】 厚労省によると、日本自殺予防学会は、9月6日から8日まで南山大(名古屋市昭和区)で開催する学会総会で、「支え合いとつながりで 皆で紡ぐ自殺対策」をテーマに講演やシンポジウムを行う。日本公認心理師会も、メールマガジンなどで会員に自殺予防週間を周知。日本臨床心理師会も定例電話相談(月-金)で相談を受け付ける。 厚労省は、職場のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」で、自殺予防週間の啓発活動を実施。日本医師会は、厚労省が作成した広報ポスターを会員に配布する。日本薬剤師会も、このポスターを会員に案内し、薬局での掲示を呼び掛ける。 CBnews 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
【独自】政府系企業の顧問が51億円落札を指南 提案書も代筆か(FNN.jpプライムオンライン)
FNN.jpプライムオンライン 政府系保険会社の顧問だった男が、システム開発の入札をめぐり、特定の会社のために提案書を代筆するなどして落札できるようにした疑いで逮捕された。 浅原泉容疑者(72)は、政府系保険会社の「日本貿易保険」の顧問だった2017年3月、システム開発の入札をめぐり、セキュリティー会社「ラック」のために提案書を代筆したほか、入札審査で問われる重要な着眼点を教えるなど、ラックが落札できるようにした公契約関係競売等妨害の疑いが持たれている。 ラックは、日本貿易保険のシステム開発事業を、およそ51億円で落札していた。 浅原容疑者は、見返りとしてラック側から複数回、接待を受けていたとみられ、警視庁は、ラックの担当部長ら3人も書類送検する方針。 FNN 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
佐賀県内は1300人避難続く “スーパーボランティア”到着(FNN.jpプライムオンライン)
FNN.jpプライムオンライン 九州北部を襲った記録的な大雨から一夜。 大雨が降った地域では、29日も広い範囲で、警戒レベル4の避難指示が出されている。 福岡では久留米市と朝倉市、佐賀では伊万里市や武雄市など、長崎では佐世保市と松浦市。 避難指示が出されている佐賀県内では、午前6時半現在、およそ1,300人が避難を続けている。 そんな中、スーパーボランティアの尾畠春夫さんが、水が引いたあとの佐賀・武雄市に到着した。 “スーパーボランティア”の尾畠春夫さんは、「武雄市は一番水位が高かった。今回は佐賀で、武雄市で、お手伝いさせてもらおうと」と話した。 尾畠さんは、民家の泥はきなどを手伝うという。 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
佐野SAスト「1日800万円の損害」会社が賠償請求におわす 組合側は「正当な権利」と反発(弁護士ドットコム)
お盆真っ只中の8月14日から始まった東北道・佐野サービスエリア(SA・上り)の「ストライキ」。関連会社や日雇いのスタッフが入って16日から営業は再開しているものの、運営会社「ケイセイ・フーズ」の従業員のうち79人は、未だストを続けている。 一方、ケイセイ・フーズ労働組合の執行委員長のもとには、違法なストであるとして、会社側から賠償請求をほのめかす書面が届いている(8月19日付)。 損害は「1日当たり少なくとも800万円を下らない」として、損害額が確定次第「しかるべき法的手段を講じます」としている。 これに対し、ストが始まってから代理人になった同組合の弁護団は「正当なストライキで賠償責任はない」と主張している。根拠を聞いた。 ●組合側「労働組合による正当なスト」 ケイセイ・フーズの労働組合は7月15日に結成されている。 従業員が独学でつくったものだが、適切な方法で役員を選任しており、直接無記名投票で組合員の過半数の支持を得ないと同盟罷業(スト)を開始しないことを明記する(労組法5条2項8号)など、規約も整備されているという。 そうだとすれば、組合の適格性には問題がないようだ。ストは労働組合の権利として認められている。 組合は7月20日、会社側と初めて団体交渉し、経営状況のことも話題になった。このとき、会社側は銀行からの新規融資が凍結されたことを認めたそうだ。 資金繰り悪化の話は取引業者にも広まっており、この頃から商品が納入されず、佐野SAの利用者からクレームが入るようになったという。 そこで元総務部長の加藤正樹氏(45)の提案により、商品の代金を前倒しで払うという覚書に社長がサインし、取引業者に安心してもらおうということになった。これが8月5日のことだ。 ところが、8月9日になって社長が覚書は守れないと翻意。社長との溝が広がり、加藤氏は8月13日に解雇された。同日、組合のA委員長も出勤しないように通告された。ストはこうした2人に対する扱いを受けて発生したものだ。 組合には従業員の大半を占める79人が加入しており、その全員がストに参加している。組合員の過半数の賛成があることから、適法なストだというのが組合側の主張だ。なお、労働委員会に「争議発生届」も出している。 組合側はストを通して、加藤氏やA委員長の復職などを求めている。なお、加藤氏は元々、組合員ではなかったが、解雇後に加入した。一方、会社側は8月15日の記者会見で解雇を撤回すると発言している。 ●そもそも憲法上の権利でもある 今回、スト決行に際して、規約で定められた全組合員の投票があったわけではない。緊急性が高かったためだ。 だが、仮にこの点をもって、労働組合法上の免責が受けられなかったとしても、憲法上の免責があると組合側は主張している。 憲法28条は、団体行動権(争議権)などの主体を労働組合に限定していない。たとえば、外国人技能実習生が訴えられた「三和サービス事件」では、労働組合ではないが、憲法上の保障を受けるとして、ストは正当なものとされた(津地裁四日市支部平成21年3月18日判決、高裁も維持)。 組合の主張をまとめると、(1)ストは労組法上、正当である、(2)仮に労組法上のストとして認められない場合でも、8月14日は「憲法で保障された争議」として免責される。翌15日にはスト参加者の意思を確認しており、労組法上のストに移行しているーーということになる。 労組法に照らして正当なストに対して、会社が損害賠償を請求してくるのは、不当労働行為に当たるというのが組合側のスタンスだ。 ●「解雇についての団交なし」「事前通告なし」への反論 一方、会社側は加藤氏らの解雇についての団交がないことから、ストは違法だとしている。 この点について組合側は、7月20日に団交を持ったが、その後、会社側との信頼関係が崩れ、これ以上話し合いをしても仕方がない状況になっていたと反論する。 そもそもスト前にその要求についての団交が必要なのかというと、法規定や明確な判例はなく、学説も分かれているという。 ストについて事前通告がなかったことも指摘されているが、組合の「争議戦術」のうちだとして、通告なしでも適法とされた裁判例は複数存在する。 ストは一般的に労働組合が団交を重ねた上で決行する。事前通告して交渉カードにすることも多い。ただし、それ以外の方法が違法ということではない。そこは個別具体的な事情による。 ●スト開始から2週間、従業員たちは毎日話し合い スト決行からすでに2週間が経過している。従業員たちは毎日、公共施設に集まって、今後の方針を話し合っているという。まだ離脱者は出ていない。スト中の給与は出ないため、加藤氏が組合の闘争資金として、1500万円を用意しているという。 「ここまで長いストは珍しく、調べる裁判例も50年以上前のものが多い。それだけ、加藤さんやA委員長が信頼されているということでしょう。裏返せば、会社への不信感が強いということでもあります」と弁護団のひとりは話す。 現在、佐野SAは別の従業員によって運営が続けられている。ネット上では「スト破り」との声もある。 「ストをしているスタッフを引き抜いているわけではないので、組合として問題視はしていません。ただ、団体交渉の日程を延ばすなど、営業を優先して労働者と向き合わない姿勢には疑問を感じています。組合としても、SA利用者のためにも早期に解決したいと考えています」 組合と会社の団体交渉は8月30日に予定されている。 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
【九州北部で記録的大雨】街の約4割が浸水・車から脱出できず2人死亡…濁流被害の全容(FNN.jpプライムオンライン)
8月28日、九州北部を襲った記録的な豪雨。 “数十年に1度の災害”の恐れがあるとして、福岡・佐賀・長崎の3県に大雨特別警報が発令され、気象庁の梶原靖司予報課長は、「直ちに命を守るために最善を尽くす必要のある、警戒レベル5に相当します」と呼びかけた。 【画像】カメラが捉えた1歳児救助の一部始終 今回の雨の原因は、台風11号だった低気圧がもたらした温かく湿った空気と、秋雨前線に向かう空気がぶつかったことで発生した「線状降水帯」だ。 気象レーダーには赤や黄色の激しい雨を示す雲が、九州北部に連続してかかり続けていた。 大雨はどれほどの猛威をふるったのか?一夜明け、被害の全容が見えてきた。 街を覆った濁流 取り残された家族をヘリで救助 特に大きな浸水被害を受けたのが、佐賀県武雄市だ。 ヘリコプターからの記者リポート:途中で道路が水没していて、先がまったくわからない状況になっています。 武雄市では、山林地帯を除いたエリアの実に4割が浸水。街は一面、湖と化し、午前6時半ごろも人影はほとんどなかった。 市の中心部を走る国道34号線も完全に水没し、午前9時過ぎには車が屋根の下まで泥水にのまれていた。さらに、広大な畑が広がるエリアも冠水し、午前6時頃には住宅に濁流が迫っていた。 午後1時すぎの武雄市の上空からの様子は… テレビ西日本 阿江保智アナウンサー:住宅街のところに置かれている車。完全に埋まっていて、かろうじて屋根の部分だけが見えています。信号機は色もついていません。救助隊員の中には、完全に肩まで水に浸かっている人もいます。 アパートの駐車場に止まる車はフロントガラスまで浸水。ぎりぎりの状況で、ボートを使って住民を救出していた。 救助された人:相当降ってましたね。気付いたのは朝方4時くらい。そのころには水位も上がって、なかなか車の運転もできない。 そして午後3時すぎ、県道が冠水して車に取り残された家族の救助の一部始終をカメラがとらえていた。 ーーどこに行きたいのですか? 男性:佐賀空港です。 泣き叫ぶ1歳の我が子を抱えた父親は救助隊に子供を託し、救助隊員は懸命に走り、ヘリまで向かった。 テレビ熊本 熊本竜太アナウンサー:隊員がヘリで救助を開始します。これから佐賀空港まで避難するということです。 浸水した街ではこうした自衛隊員らによる懸命な救助活動が行われたが、車ごと濁流にのまれるなどして3人が死亡。一時、87万人に避難指示が出された。 次ページは:住宅に迫る「油」10万リットルが流出 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
AI兵器、どこまで認める? 兵器自ら判断は禁止の指針
人工知能(AI)などを搭載し、自らの判断で標的を選んで攻撃する完全自律型の兵器は認められないとする指針が、スイスで今月開かれた国際会議で採択された。法的拘束力はないものの、今後の兵器のあり方を示す事実上の国際規範となる。ただ、議論では各国の思惑が交錯し、指針には土壇場で「説明できるAI」のような新技術について、グレーゾーンにする項目が盛り込まれた。 スイス・ジュネーブ、22日午前3時(現地時間)になった。エアコンも止められた国連欧州本部の小ぶりな会議室で、会議を総括する報告書が全会一致で採択された。2014年から続いてきた「自律型致死兵器システム」(LAWS)に関する議論が、ようやく集大成の成果文書としてまとまった。 非人道的な兵器を規制する目的で、125の国と地域が批准する特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)。その下に設けられた今回の政府専門家会合には、90カ国以上の政府代表やNGOなどが出席した。LAWSはまだ登場していないが、米ロや韓国、イスラエルなどが先駆的に開発しているとされ、人権団体などは自律性のある兵器の幅広い禁止を訴えてきた。 今回採択された指針は11項目。AIと称される機械学習などの新技術を用いた将来のLAWSについて、まず戦時の民間人らの保護を定めた国際人道法や関連する国際法を順守することを確認した。そして、AIなどを搭載した兵器が自ら標的を選んだり、攻撃を決断したりすることが技術的に可能になるとしても、兵器を使用する責任は人間にあると規定。開発から配備、使用まで人間が関与する原則も示した。 一方、指針はAIのような「知的な自律技術」そのものの発展や、平和利用されることを妨げないことも求めた。民生でも軍事でも、AIなどのソフトウェア技術に大きな違いはないためだ。ロシアなど一部の国は、将来の兵器であるLAWSが出現していない段階で、開発に規制をかけることに反対してきた。 指針は11月に予定されるCCWの締約国会議で追認され、より確固たるものとなる見通しだが、さらに進めて条約化を目指す動きは鈍い。先行き不透明だ。 人権団体のブレーンである米ハーバード大法科大学院講師のボニー・ドチェルティさんは採択後、取材に「(報告書の文言は)今後、法的拘束力のある条約をつくる可能性を残しつつ、非拘束もあり得るという広い意味を持つものになった」と指摘した。 一方、日本政府代表団に加わった拓殖大の佐藤丙午教授(安全保障論)は「指針を採択した各国は、自らの責任で自国の政策に反映するよう方向付けられた。規制のための国際機関や条約体は当面、作られる可能性が低いだろう」と語る。 説明できるAI 米国が開発に注力 指針には採択直前、当初案になかった1項目が米国主導で盛り込まれた。「人間と機械の意思疎通」という項目で、人間とAIなどが十分に意思疎通できる技術が確立すれば、国際人道法に沿う、いわば合法的なLAWSが実現できるかもしれないとする内容だ。どういうことか。 今のAIは、脳の神経回路を模した仕組みなどを採り入れた極めて複雑な数式のようなもの。AIがどんな根拠をもとに答えを出したのかは人間には到底分からず、「思考の過程」はブラックボックスになっている。答えが外国語の翻訳なら間違ってもあまり問題にならないが、殺傷した標的を選んだ根拠が不明な兵器は許されない。 米国防総省も、攻撃判断は人間が関与するよう内規で定めている。ただ、米同時多発テロ後、米国がアフガニスタンでミサイル攻撃や仕掛け爆弾の除去に無人機やロボットを多用する時代に入り、画像認識技術などAIをこれらに組み込む流れが生まれた。日本も、完全自律型の兵器は開発しないとしつつ、AIは「ヒューマンエラーの減少や省力化に意義がある」と期待する。 では新技術でAIの思考の過程が見え、人間と以心伝心と言えるまでになれば、AIの判断でも人間が判断したと同じに見なせるのではないか――。 米国防総省は近年、「説明できる(eXplainable)AI=XAI」に力を入れる。5月に米スタンフォード大で開かれたシンポジウムでは、AI技術担当士官がLAWSを前提に「XAIは国防総省が最も注力する分野の一つ」と明言した。 一方、元グーグルのプログラマーでシンポにも参加したラウラ・ノーランさんは「XAI開発は初期段階。(敵などに)乗っ取られる懸念を和らげるわけでもない」と反発する。自律兵器開発を進めたい国々と人権団体の対立はなお続きそうだ。ただ、LAWSを巡る議論を分析してきた広島市立大の福井康人准教授(国際法)は指針を「ソフト・ローの一種だ」と評価した。ソフト・ローとは、条約のような法的拘束力はないが守らなければ大きな不利益を被ることもある規範性を有するものだ。福井さんは「海のものとも山のものとも言えないLAWSの規制としては最適の選択になったと思う。この指針は事実上の国際規範になる」と話す。(松尾一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自宅で気軽に心臓リハビリ 継続狙って医療者が遠隔支援
心臓病になった後の「心臓リハビリ」が注目されている。大阪大学発のベンチャー企業「リモハブ」は、家にいる患者を、医療者が遠隔支援する方法の開発に取り組んでいる。 大阪府吹田市内のビルの一室で、パソコンに映し出される心拍数や心電図を見ながら、女性の看護師がビデオ通話をしていた。相手は、府内の自宅でいすに座り、自転車のように足でペダルをこぐ80代の男性。「今から負荷上げますね」と、女性がパソコンを操作すると、ペダルの負荷が上がった。医師や看護師が、患者に合った適切な運動量を判断していた。 心不全患者の再入院を防ぐための心臓リハビリでは、手術後などに歩行や軽い筋トレなどをすることが勧められている。5カ月間は保険適用できる。 だが、リモハブの最高経営責任者で循環器内科医の谷口達典さん(38)によると、入院中は3割ほどの患者が心臓リハビリに取り組むも、退院後も継続する人は1割以下。体力が落ちて病院に行くことさえつらく、病院への送り迎えも家族の負担になる。 そこで、自宅でのリハビリを遠隔で支援しようと、2017年3月にリモハブを設立した。自宅でペダルをこぎ、医師や看護師、理学療法士がビデオ通話で状況を聞き取りながら、負荷を遠隔で調整する。患者はテレビを見ながらでも気軽にリハビリに取り組めるのが特徴だ。 20年度には100人以上の患者を対象に臨床試験(治験)を始める。最終的にはこの遠隔リハビリシステムを、今の心臓リハビリの保険適応で使えるようにすることが目標という。谷口さんは「できるだけリハビリの場を在宅に持っていきながら、将来は服薬、食事、栄養指導もできるような仕組みにしていきたい」と話す。(後藤一也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
進化するフリーズドライ もしもの災害へ備蓄食にも
9月1日は防災の日。家庭で備蓄食品や飲料水を点検してみてはいかが。気づいたときには賞味期限切れということもある。そこで注目されているのが、保存食を定期的に食べて補充していく「ローリングストック」という考え方。最近は、おいしくて扱いやすいフリーズドライ食品の活用が広がっている。 大きな災害が起きると、物流が滞って食品が店の棚から消え、水道も出なくなる。内閣府は「大規模災害に備え、3日分のストックを」と呼びかけているが、できれば1週間程度の備蓄があった方がいいだろう。 しかし、同府の2017年の世論調査では、「大地震が起こった場合に備えてどのような対策をとっているか」という問い(複数回答)に対し、「食料や飲料水、日用品などを準備している」という回答は45・7%だった。 私の家でも食品や飲料水の備蓄はしている。しかし押し入れに入れっぱなしで、先月点検したら、ペットボトル入りの飲料水はすべて期限切れ。庭の植木にかけることになってしまった。 こうした無駄を減らし、備蓄の心理的負担も下げる方法として注目されているのが「ローリングストック」。保存食を買って定期的に食べていき、補充していく考え方だ。期限切れが起きにくいし、いざというときでも慣れた味のものが食べられる。 防災教育に取り組むNPO法人プラス・アーツ(神戸市)もローリングストックを推進している。きっかけは、阪神淡路大震災から10年たった05年、理事長の永田宏和さん(50)が多数の被災者から話を聞いたことだった。 「毎日同じ弁当やパン、おにぎり。炭水化物が多く『おなかを満たせばいい』という感じ。もっとおいしくて温かいものを食べたかった」「あの食事では元気になれなかった」という声があふれていた。 食品の種類増え、食感や味もよく 人間活動にまず必要なのはエネルギーなので、避難所などでおにぎりやパンが配られるのは理にかなっているが、そればかりでは飽きてくる。好きな食べ物を自分で備蓄していれば補えるが、言うはやすしで……。 そして出会ったのがローリングストックの考え方。「大量に買い込み、食べないうちに期限が一気に来てしまうのがこれまでの備蓄のやり方。結局、やらない。ローリングストックは『日ごろから食べていきましょう』という考え。『目からウロコ』でした」 当初は「普段づかいできるおいしいレトルト食品や缶詰を使いましょう」と勧めていたが、フリーズドライ食品の種類が増えていると聞き、食べてそのおいしさを知った。今は、「アマノフーズ」ブランドのアサヒグループ食品の備蓄用フリーズドライ食品詰め合わせづくりに協力している。 フリーズドライ食品は、密封後に高温殺菌する缶詰などと違い、食材をマイナス30度程度まで冷やして凍結したあと、空気圧を下げて食品に含まれている水分を昇華させる製法で作られている。過度の加熱はしないので、食感や風味がよく保存される特徴があり、お湯をかけるだけで簡単に戻る。 アサヒグループ食品は枝豆、みそ汁、大根おろし、ポテトサラダ、パスタなど約200種類を販売している。カツカレーを開発したこともある。 岡山県里庄町にある工場を訪問すると、大量のみそ汁を作ってから具を加え、トレーに入れて凍結、そして真空乾燥させる工程を見せてくれた。凍結に8時間、真空乾燥には24時間かけるのが基本だが、商品の種類に応じて最適の温度や時間を細かく調節しているという。 好きなものを食べ、ストレス克服 ローリングストックを推奨する企業も増えている。「無印良品」の良品計画は「いつものもしも」のプロジェクト名で食品や備蓄方法をイベントなどで紹介。トーヨーフーズも「備えるために、いま食べる」をキャッチフレーズに、野菜、ケーキ、ごはんの缶詰の詰め合わせを販売している。 宮城大の石川伸一教授は「嫌いなものをストックする必要はない。被災して緊張を強いられている状況では、苦手なものを食べてストレスになるより、好きなものを食べてリラックスするのがいい」という。 プラス・アーツは①普段からちょっと多めに食材を買い置きし、被災直後の3日間は冷蔵庫のものでしのぐ②次の3日間はローリングストックしている食材でまかなう③それ以降は、乾物や発酵食品などの保存食などで乗り切ろうと呼びかけている。(勝田敏彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
離島警備で沖縄、福岡に159人増員要求 警察庁概算要求(産経新聞)
警察庁は29日、令和2年度予算の概算要求を発表し、尖閣諸島など離島の国境警備強化に向け、沖縄、福岡両県警に整備を進めている大型ヘリコプターの操縦士や整備士、事案対処部隊の人員として159人の増員を盛り込んだ。 2年度概算要求額は一般会計で前年度予算当初比5・7%増の約3617億円。大型ヘリは平成30年度から3年計画で整備を進めているもので、2年度末ごろ、両県警に1機ずつ配備を予定。要求した人員はヘリ運用のほか、離島への不法上陸を試みる外国武装集団や領有権主張団体などの対処に充てる。 2020年東京五輪・パラリンピックの警備対策では、全国の警察部隊の旅費といった活動経費や資機材の借り上げ費用などで約300億円、国際テロ対策では約37億円をそれぞれ計上、サイバー空間の脅威への対処として約49億円を盛り込んだ。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
【夢酒場】2人のジョーに明日はあるのか 老いた店主は厨房で居眠り(47NEWS)
昔住んでいたアパートの近くに、古いギョーザ屋があった。 店長“ジョーさん”の腰は、ほぼ直角に曲がっていた。目にかぶさるほどフサフサ生えた白い眉毛がチャームポイントだ。なぜジョーかというと、厨房の丸椅子に腰掛け居眠りをする姿が、漫画「あしたのジョー」のラストシーンそのものだからだ。 「バブルの頃は外まで行列が出来たヨ。何十人も並んでた」というのがちょっと自慢。 忙しくても暇でも寝起きでも、ジョーさんはいつも機嫌が良い。おしゃべりなほうではないが、手持ち無沙汰にしていると、「仕事、忙しい?」「こないだいいマッサージ屋さん見つけたヨ」「ほら腰がまっすぐになった」などと直角のままの腰でニコニコと話しかけてくる。 私が仕事でしくじり半べそをかいている姿も、恋人とのケンカの現場も、紹興酒を飲みすぎて撃沈している姿も、すべてジョーさんはフサフサの白眉毛の隙間から、充血気味の瞳であたたかく見守ってくれていた。 たまに「いいの取れたヨ」と言って、UFOキャッチャーの戦利品をくれた。ヘンテコなぬいぐるみキーホルダーでも、子どもあつかいされることに妙なうれしさがあった。 そんなジョーさんが店をたたむと言ったのは突然のことだった。 「うん、でも前から決めてたヨ。これから何するかまだ決めてない」 ジョーは、完全燃焼したのかもしれない。 落胆する常連客とは正反対に、本人だけがケロっとしていた。 間もなく店が閉まり、看板だけすげ替えた居抜きでオープンしたのは、焼き鳥屋だった。 熱心に仕込みをする店主を見て、ちょっと驚いた。どう見ても七十路後半だ。聞けば、長い間、老舗の焼き鳥屋の厨房で「ご奉公」。ついに念願かなって独立したと言う。 しかし、予想通り店はうまく回らない。なんせ接客は初めてらしく、お酒も料理も出てくるのに恐ろしく時間がかかる。それでも近所のよしみで気まぐれに足を運んでいたある日、視界の隅に何か懐かしい気配を感じた。客席に座っているのは、ジョーさんだ……! 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース