子どもの声や学校からの音が「騒音」だとして、地域住民との間でトラブルになるケースが報告されている。住民の苦情をきっかけに、公園が廃止された例もある。静かな暮らしを求める人も多い地域の中で、子どもたちが伸び伸びと育っていくためには、どうすればいいのか。 住民1世帯の苦情をきっかけに 長野市で4月、住宅地にあった公園が廃止となった。そのきっかけは近隣の住民1世帯から寄せられた子どもの遊び声に対する苦情だった。 公園の設置は約20年前の2004年4月にさかのぼる。近くの小学校の児童が放課後に通う児童センターができたことで、市は遊び場の確保のため、隣接する土地を借りて、約1400平方メートルの「青木島遊園地」を設けた。テニスコート5面分ほどだ。都市公園法に基づく公園ではなく、地元区長らの要望をもとに設置した「遊園地」という位置付けだった。 開設直後、近隣の1世帯から「うるさい」と苦情が入った。市によると夕方、40~50人が一斉に遊び、大きな音が発生していたという。 市が公園の出入り口の位置や遊具の場所を変え、公園内のボール遊びをやめると、苦情はなくなった。ただ、センターの送り迎えをする保護者の車の「アイドリング」に対しては同じ住民からたびたび苦情が寄せられた。 なぜ長野市は廃止と判断したのか 転機は21年。10年ほどなかった子どもの遊び声に対する苦情が再び同じ住民から入った。 センターはアイドリングと同じように苦情が続くと考え、公園の利用をやめることにした。 センターは公園の管理業務も… この記事は有料記事です。残り1919文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 #ニュース4U 「#N4U」取材班が読者の皆さんから身近な疑問や困りごとを募集し、SNSで情報交換しながら深掘り取材します。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
追い払い策とカラスは気づくか? カラス自身の警戒音でごみ荒し防止
ごみ集積所を荒らすカラス対策として、カラス自身が周囲を警戒する時に発する鳴き声を機器から流して追い払うやり方を、東京都足立区が始めた。被害がひどい区内5カ所に9月まで置き、効果を調べる。カラスに荒らされないごみの出し方に向けた、人の行動変化についても考えていくという。 音声機器は「クロウコントローラー」と名付けられたもの。宇都宮大学発のベンチャーで、カラス被害対策に取り組む会社「CrowLab(クロウラボ)」(宇都宮市)が開発した。カラスが近づくと赤外線センサーが感知。「ここは危険」だと周囲に知らせるために、カラスが発する鳴き声を約10秒流し、よそへの移動を促す。都内でこの機器を使った追い払い策を実施している自治体は、他にはないという。 設置したのは、竹ノ塚駅周辺の3カ所と、西新井駅近く、東綾瀬地区の計5カ所。区内約3万カ所のごみ集積所の中でもカラス被害が集中している場所で、とくに竹ノ塚駅周辺では飲食店から出る生ごみが荒らされ、区民からの苦情が絶えない。区内のカラスの生息数は不明だが、舎人公園や東綾瀬公園などに多くいると見られるという。 区では、ふたが付いた折り畳… この記事は有料記事です。残り722文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「浮輪に乗ったまま流された」 京都の木津川で3歳男児が行方不明
2023年8月11日 18時39分 11日午後2時25分ごろ、京都府木津川市加茂町銭司小倉の山八キャンプ場で、「子どもが浮輪に乗ったまま川に流された」と110番通報があった。消防や警察約70人態勢で捜索しているが、行方が分かっていないという。 府警などによると、流されたのは大阪府守口市の3歳男児。現場は木津川に面したキャンプ場で、男児は家族や知人と遊びに来ていた。大人や子どもたちと一緒に木津川の浅瀬で遊んでいたところ、目を離したすきに流されたという。同日午後3時ごろ、流されたところから約1・2キロ下流で男児が使っていたとみられる浮輪が見つかったという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
組織ぐるみ否定も「矮小化は不当」 近ツー過大請求、報告書の指摘
旅行大手の近畿日本ツーリストが自治体から受託した新型コロナワクチン接種業務で、委託費を最大9億円過大請求した事件。責任をとって辞任することになった高浦雅彦社長は9日の会見で「組織ぐるみでは決してない」と釈明した。一方、外部の弁護士らによる調査委員会は「個人の問題に矮小(わいしょう)化するのは相当ではなく、むしろ企業体質に関わる根深い問題が根底にある」とみている。 近ツーは4月に過大請求を公表し、調査委員会を設置した。関係者の聞き取りや会議の議事録、役員のメールやチャットを調べ、事実関係や原因分析を調査報告書にまとめた。9日に公表された。 近ツーにとって、自治体からの受託事業は、コロナ禍で売り上げが激減した旅行事業に代わり、業績を支える柱となった。 利益追求方針に「忖度」 報告書によると、2020年7月に開かれた社内の「反転攻勢会議」では、「受託事業営業への注力」が掲げられていた。経営陣からは各支店長に対し、「利益最優先」との営業方針が伝えられた。 「やること、見込み、進捗(… この記事は有料記事です。残り982文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「笑ってかせげ」祖父の教え あんこ屋さん倉庫、女性向けアトリエに
「浦和のあんこ屋さん」として地元の人から親しまれてきた築70年の小豆倉庫が、女性向けのシェアアトリエとして生まれ変わった。さいたま市浦和区岸町にあった青木製餡(せいあん)工場。倉庫を管理する渡部成恵さん(61)は、祖父の代からの遺産を、女性が活躍できる拠点として次世代に残していきたい考えだ。 渡部さんによると、実家でもある青木製餡工場の全盛期は1960~70年代。街の冠婚葬祭にまんじゅうが多用され、生あんの需要が伸びたという。渡部さんもあんこのにおいがするこの場所で育ち、結婚するまで暮らした。 70年に2代目で父の一巳さんが家業を受け継ぎ、県内を中心に200軒以上の和菓子店にあんを提供していた。今も残る高さ20メートルの煙突は、地元ではランドマーク的な存在だった。小豆を運ぶトロッコとレールが残っており、近くの子どもたちの遊び場にもなっていたという。 「あそこもマンションになった」と言われたくない 一巳さんが2011年に亡くなり、青木製餡工場は廃業した。ただ、敷地内に残った小豆倉庫は取引があった和菓子店のパッケージを保管する賃貸倉庫として、22年まで稼働してきた。 一巳さんの時代から不動産業者から「更地にしてマンションを建設しては」という声はかかっていた。一巳さんはなかなか踏ん切りがつかないまま亡くなった。倉庫を引き継いだ渡部さんも「祖父母が何もなかったこの場所であんこ屋を興し、それを父母が守り続けてきた。『あそこもマンションになってしまったね』と言われるのは悔しい。この遺産をどうすれば祖父母に喜んでもらえるか考えた」と話す。 渡部さん自身、妊婦向けの雑… この記事は有料記事です。残り929文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
笑顔で故郷や行楽地へ 名古屋駅も帰省ラッシュ、台風接近で不安の声
富岡崇2023年8月11日 14時30分 お盆休みを故郷や行楽地などで過ごす人たちの帰省ラッシュがピークを迎えた。名古屋駅は11日、手土産などを手にした家族連れらでにぎわった。 愛知県から福岡県の実家に帰省するという女性(42)は「去年は新型コロナが気になり帰らなかったが、今年は観光地にも出かける予定」と話す。小学6年の長男(11)は「いとこたちと一緒に遊びたい」と笑顔を見せた。ただ、台風7号が接近しており、女性は「16日に戻る予定なので心配。台風の情報に注意したい」と不安げに語った。 JR東海によると、下りのピークは11日。この日午前の東京駅発の東海道新幹線「のぞみ」の自由席は、乗車率が200%に達したものもあった。 JR東海は、台風7号の影響で東海道新幹線は13~16日に計画運休や運転見合わせをする可能性があると発表している。(富岡崇) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
台風接近の中、帰省ラッシュがピーク 新幹線は乗車率200%も
2023年8月11日 12時00分 夏休みの帰省ラッシュが11日、ピークを迎えた。JR各社の指定席予約がコロナ禍前(2018年)の9割超まで回復する中、各地の新幹線の駅は故郷や旅行へと向かう乗客らで混み合った。 JR東京駅は、キャリーバッグを引く人などで朝からごった返していた。東京都千代田区の会社員、佐藤拓郎さん(37)は、家族で山形県東根市の実家に帰省。長男の礼理(れいすけ)さん(7)は「プールに入りたい」と声を弾ませる。17日に東京に戻る予定だが、気がかりなのは本州に接近中の台風7号。佐藤さんは「晴れているうちに、子どもたちを遊ばせたい」と話した。 東京都台東区の会社員の女性(42)は、大阪市内の実家に帰省する。最近、職場など身の回りで新型コロナウイルスの感染者が増えてきたという。マスクを付けて消毒用のアルコールも持参。「移動中も感染対策に気を付けたい」と語った。 JR東日本、東海によると、この日午前に東京駅を出発する東北、北陸新幹線や東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」の指定席は満席。下り自由席の乗車率は、「のぞみ」で110~200%に達したほか、東北・上越・北陸新幹線の多くで100%を超えた。 上りのピークは15日で13~16日は混雑が続く見込みという。JR東海は、台風7号の影響で東海道新幹線は13~16日に計画運休や運転見合わせをする可能性があると発表している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
健脚あやかれる? 「マラソン神社」に元公務員ランナーの足形刻む石
永沼仁2023年8月11日 12時26分 埼玉県を代表するマラソン選手、川内優輝さん(36)=あいおいニッセイ同和損保=が10日、自らの足形を刻んだ石を川越八幡宮(川越市)に奉納した。「健脚」にあやかろうと、市民ランナーたちがさっそく足を合わせていた。 川内さんは、「公務員ランナー」からプロに転じたマラソン選手。足腰の健康に御利益のある「民部稲荷」をまつり、自らも市民ランナーの神主、榊原祥光さんが、創建千年事業の一環として川内さんに依頼していた。 「足形石」は、本殿脇の民部稲荷の前に置かれた。足のサイズは26・5センチ。川内さんの座右の銘「現状打破」という言葉も刻まれている。川内さんは、レースではいたシューズと一緒に奉納した。 年内にフルマラソンを10レースほど予定しているといい、「光栄です。この足形に負けないように頑張りたい」とコメント。8カ月になる息子の渉夢(あゆむ)ちゃんを足形にのせ、「毎年ここに来て成長を確かめたい」と語った。 足形石には、誰でも自由に足を合わせることができる。さっそく足をのせた人たちからは「忍耐強く走れそうな気持ちになりました」という声もあがった。 神社には、五輪メダリストの靴も奉納されており、ランナーからは「マラソン神社」とも呼ばれている。榊原さんは「足形から川内さんの元気をもらってほしい」。(永沼仁) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「社会課題の解決を」社員全員がレスリング元日本代表の会社、挑戦中
設立メンバー5人全員がレスリング日本代表の経験者という会社が、千葉県袖ケ浦市にある。レスリング教室の運営に加えて、循環型農業「アクアポニックス」にも乗り出した。引退後のアスリートがやりがいを持って打ち込めるようにと、様々な社会問題の解決につながるような事業に挑戦している。 5人はみな早稲田大学の出身。4人は社長の佐藤吏(つかさ)さん(39)が、早大レスリング部の監督を務めていた時のコーチ陣だ。全員が現役時代にはレスリングで日本一を経験し、世界選手権やアジア選手権にも参加したことがあるという輝かしいキャリアを持つ。 ただ、アスリートの世界は厳しい。佐藤さんは早大在学中の2005年、全日本選手権(男子フリースタイル66キロ級)を制した。その後、企業に所属して五輪出場を目指していたが、大きな大会で成績がふるわず、突然企業から契約の打ち切りを告げられた。 支援してくれる企業を頼って、千葉に移り住んだ。30歳で引退。その後、アスリートのセカンドキャリアを応援することを掲げて、選手時代に佐藤さんと同様の挫折を経験したレスリング仲間と21年、起業した。自分たちの心を燃やすのと同時に、人の心にも火を灯(とも)したいと、社名は英語で「点火」という意味の「IGNITION(イグニション)」とした。 レスリング教室・サプリ販売…循環型農業も開始 木更津市で、地域の幼児や小… この記事は有料記事です。残り451文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
見せられなかったワンピース姿 娘2人に会いたくて、また御巣鷹に
自宅のタンスにワンピースをしまっている。ビニールで包んで、大切に。 堺市の山岡清子さん(77)は時折取り出しては、娘2人との最後の会話を思い出す。 「それを着て迎えに来て」 また2人に会いたくて、今年も遠く離れた真夏の山に向かう。 ワンピース姿の娘から電話 娘2人と一緒に出かけ、それぞれが気に入ったワンピースを買った。山岡さんが選んだのは、薄手のピンク色。「まだ若いし、似合うと思うよ」と2人に薦められた。38年前のこと。 それから1カ月ほどたった1… この記事は有料記事です。残り1207文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル