聴覚障害者がプレーするデフサッカーとデフフットサルの女子日本代表に加え、大学サッカーの「三刀流」で活躍する選手がいる。日本経済大学(福岡県太宰府市)1年の久住呂文華(あやか)さん(18)だ。 生まれつき耳が聞こえない久住呂さんは「自分のプレーが障害を持つ人たちの励みになれば」と話している。 「そこ、前、前!」「パスを出してっ!」 日本経済大学キャンパスにあるサッカー場。女子サッカー部の練習で、部員からは盛んに声が飛ぶ。久住呂さんは練習中、補聴器を着けているが、ほとんど聞こえない。 ポジションは守備の要となるセンターバック。状況を把握するため、常に首を左右に動かし、周囲に注意を払う。「特に守備ラインを組む隣の選手の動きを見て、判断する」と話す。 創部2年目で、部員は1、2… この記事は有料記事です。残り1310文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車内に1歳児を放置の疑い パチンコ店から戻った母親と交際相手逮捕
2023年7月2日 15時32分 1歳の男児をパチンコ店の駐車場の車内に放置したとして、兵庫県警垂水署は2日、母親で茨城県阿見町の無職の女(21)と、同居する交際相手で自称音楽家の男(21)を保護責任者遺棄容疑で逮捕した。男児の健康状態に異状はないという。 調べによると、2人は1日午後6時ごろから約40分間、神戸市垂水区下畑町のパチンコ店の駐車場に止めた軽乗用車内に、男児を放置していた疑い。巡回中の警備員が、車の後部座席のチャイルドシートにいた男児を発見。館内放送で車の所有者を呼び出したところ、2人が戻ってきたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
同性カップル、隠れるように生きてきた でも伝えたい「隣にいる」と
同性カップルであることを言えず、隠れるように生きている人たちがいる。自分がありのままでいられるように――。そう願うカップルたちは、同性婚が認められることで生きやすい社会に変わるかもしれないと望みを託し、全国で展開されている訴訟の行方を静かに見つめている。 福岡県古賀市の30代の同性カップル、ゆうやさんとヒナノさんは、一緒に暮らし始めて5年になる。それぞれ元夫との間に生まれた子どもも一緒だ。だが、カップルであることはごく一部の人にしか言えずにいる。 以前、同僚が性的少数者のことを「差別するのも権利」と話すのを聞いてショックを受けた。周囲の目が怖くて地元では手をつないで歩けない。 「どっちが父親役?」と問われ、自分たちはまだ「異次元の存在」 2人は2021年、同性カップルとその子どもを家族として登録する「ファミリーシップ」制を設けた古賀市で、登録第1号となった。九州初の事例として注目されたが、このことも一部の人にしか知らせていない。 登録したことで、パートナーの子の親として通院に付き添ったり、学校や保育園に迎えに行ったりできるようになった。こうした制度ができたことはうれしい。周りの人たちからは理解が進んできたねと言われる。でも2人は「そこから先はまだまだ……」と口をそろえる。 実情を伝えた相手から、「ど… この記事は有料記事です。残り1901文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
藤井棋聖が選ぶ勝負メシは? 沼津御用邸オススメのおやつ3品も
将棋の藤井聡太棋聖(20)=名人・竜王・王位・叡王・棋王・王将と合わせ七冠=に佐々木大地七段(28)が挑戦している第94期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)第3局が7月3日、静岡県沼津市の沼津御用邸記念公園東付属邸で開かれる。対局当日に2人の棋士に食べてもらいたい「勝負メシ」の候補6品と、御用邸が用意する「勝負おやつ」3品などが公表された。多彩なメニューから2人が選ぶのはどれ? 藤井棋聖の対局では、食事やおやつ、飲み物などにも熱い視線が注がれる。今年で市制100周年を迎える沼津市は棋聖戦を盛り上げようと、2人におすすめしたい昼食と、沼津土産として持ち帰ってもらう手土産スイーツを公募した。市内の店舗で提供されているメニューに限定して募集したが、6月5~18日の公募期間中、昼食には402票、手土産スイーツには352票の投票があった。 市は28日、昼食候補として和食、洋食、中華の3ジャンルの上位6品と、手土産の上位3品を公表した。昼食候補には、沼津港で水揚げされた駿河湾の魚介類など静岡産のこだわりの食材を使った料理や、沼津市民のソウルフードとして長く愛されている料理が選ばれた。 ショコラティエの究極の一品も 投票者の推薦理由や店舗によ… この記事は有料記事です。残り647文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
朝鮮学校が公開授業 350人が来校、等身大の姿かいま見る
京都朝鮮中高級学校(左京区)で6月25日、公開授業があった。見学した350人の多くが学校をはじめて訪ねた人たちだった。生徒135人の学ぶ姿に、自分たちと同じところと違うところをかいま見た。 見学者は、数学・英語・朝鮮歴史・日本語といった授業を見てまわり、生徒による民族楽器演奏や朝鮮舞踊を講堂でたのしんだ。 ともに大学1年生で19歳の女性2人組は「言葉は違うけれど、学んでいることはいっしょやなと思った」「私は吹奏楽をやっていたので、あれだけの演奏をするのにどれだけの練習をしたんだろうと純粋に思いました」と話した。 大学3年生の小笹稜太さん(21)もはじめて見学した。休み時間中の生徒たちのおしゃべりはプロレスの話題やはやりの音楽のことだった。「ぼくの中高生時代とかわらずに学校生活をたのしんでいる」。一方で「授業の中身は受験のためというよりも民族教育を通してアイデンティティーを育むことに力を入れている」と違いも感じた。 元文部科学省審議官で京都芸術大学客員教授の寺脇研さんの記念講演もあった。 寺脇さんは、日本政府がすす… この記事は有料記事です。残り229文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大王」が説くテンカラ釣りの極意 和式毛針で次々に渓流魚をヒット
アウトドアブームの追い風も受けて人気の日本古来のシンプルな毛針釣り「テンカラ釣り」。そんな渓流釣りの漁法に精通する愛知工業大名誉教授の石垣尚男さん(76)は、釣り番組や専門誌の記事に何度も取りあげられ、今や「テンカラ大王」と称される。その石垣さんが、渓流釣りの普及に力を入れる山村で講習会を開くと知り、技の極意を聞きに記者も足を運んだ。 6月18日午前、「木曽川源流の里」を掲げる長野県木祖村の公民館小木曽分館には県内外から20人の参加者が集まった。顔ぶれは、テンカラ釣り歴10年を超すベテランから、6千円のさおをネット通販で取り寄せた初心者まで幅広い。 テンカラ釣りはリールを使わず、延べざおと呼ばれるシンプルなさおから垂らした糸の先に、水生昆虫やカゲロウに見立てた1センチ大の毛針をつけて渓流魚を釣る方法だ。何度もエサを付け替える必要がない「省エネ」な釣り方で、江戸時代には職業漁師が好んで使った漁法とされる。 釣り上げるポイント4点とは 石垣さんによると、テンカラ… この記事は有料記事です。残り1237文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伏せてきたもう一つの名前 取引停止「ブラックリストにおたくが…」
仙台市郊外の国道沿い。4年前に廃業し、閉鎖された小さな工場がある。 看板の社名は「豊洋電子精機」、1974年創業。電子回路と精密機械を組み合わせた「メカトロニクス」と呼ばれる技術で、高精度の計測器や自動制御装置を手がけてきた。 松下電器産業(現パナソニックホールディングス)、アルプス電気(現アルプスアルパイン)、キヤノン、リコー、中部電力、東京電力……。取引先リストには、大企業や関連会社が並ぶ。 ここでしか作れない機器が、いくつもあった。日本のモノづくりの一端を担ってきたのは、一人の老技術者だ。 元社長の豊川光正さん。今年87歳になった。 実は、彼にはもう一つの名前がある。 仕事仲間にはずっと伏せてきた。任左彬。朝鮮語でイム・ジャビンと読む。 「北朝鮮に行くのは待て」 運命の分かれ道に 戦前に朝鮮半島から渡ってき… この記事は有料記事です。残り1897文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市議の子連れ登庁支えるのは費用ほぼゼロの授乳室 議会の変化着々と
市議選の初当選から4日後に出産した徳島県小松島市議の間愛結美(はざまあゆみ)さん(30)が、6月から生後約2カ月の赤ちゃんを連れて議員活動をしている。支えになっているのは市議会が設けた「授乳室」。6年前、子連れで議場に入ろうとし、社会に問題を投げかけた元熊本市議も、取り組みに注目している。 精神保健福祉士の間さんは、第1子の長女晴咲(ひより)ちゃん(3)を出産した後、「子育て当事者の声を市政に届けたい」と立候補を決めた。その後、第2子となる彩晴(いろは)ちゃんを妊娠したが決意は変わらず、4月23日投開票の市議選で初当選した。産後のケアのため、実質的な初登庁は6月9日となった。 議会開会日の間さんの朝は、農業を営む夫の統一さん(42)が運転する車で長女をこども園へ送った後、次女彩晴ちゃんを抱いて議会棟に入ることから始まる。まず向かうのは2階にある「授乳室」。ここで彩晴ちゃんを寝かせ、夫に世話を託した後、議場に入る。 6月13日は本会議が始まって約40分後、間さんは静かに立ち上がり、席を外した。手元のスマホには、赤ちゃんがミルクをほしがっていると夫からのLINEメッセージが届いていた。授乳室で母乳を与えると、15分ほどで議場に戻った。 議会規則は「会議中はみだりにその席を離れてはならない」と定めているが、間さんについては、授乳の際に審議中でも席を外してよいと特別に認めている。授乳室にいる夫とLINEで連絡を取り合うことも許可している。 同僚議員らが手作り 授乳室は市議会図書室をパー… この記事は有料記事です。残り1145文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中野サンプラザで結婚式をした2人 閉館、私たち流の「ありがとう」
7月2日、開館から半世紀経った東京・中野の複合施設「中野サンプラザ」が閉館する。 徳永留依子さん(35)はちょうど1年前、そのニュースを知った。「閉館、本当だったんだ」 9年前から中野で暮らす。夫の光さん(37)ともこの街で出会い、ランドマークのサンプラザで6年前、結婚式をした。 閉館を知った日から、ある思いが膨らんだ。最後にあの場所で2人で写真を撮りたい。せっかくならプロに頼んで、衣装もヘアメイクもビシッとキメたい。ウェディングフォトかな。でも、今さら感は否めない。 恥ずかしくてためらうこと7カ月。タイムリミットが迫ってきた。直接伝えるのははばかられ、別々の場所にいる仕事中に光さんにLINEを送った。 「実はずっと考えていたんだけど、なくなる前に写真を撮ろう」 すぐに返事が届いた。「イイ… この記事は有料記事です。残り1086文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「今度は事件で貢献しよう」 逃走した過去がある警察犬に相棒の一言
宮沢崇志2023年7月2日 6時00分 兵庫県警所属の警察犬クレバ・フォム・フンデ・シューレ号(オス4歳、ジャーマンシェパード)には過去がある。行方不明者の捜索中に逃げ出し、2日後に保護された。それから2年半。今では行方不明者発見の実績を重ねている。 6月3日深夜、県警加西署から警察犬派遣の要請があった。80歳の女性の姿が見えないという事案。当番だったクレバ号と、一昨年3月からコンビを組む辻理仁警部補(42)が現場へ向かった。 自宅周辺から捜索を始めた。草むらでにおいをかぎ始めたクレバ号は、進んだ先で靴とカバンを発見。女性の自宅から500メートルほど離れた溜(た)め池近くでしっぽを振り始めた。そこには、体の一部が水につかった状態で倒れている女性がいた。発見は4日午前1時11分。低体温状態だった女性は病院に搬送され、2日後に退院した。 辻警部補とクレバ号には27日、大戸英治・加西署長から賞状とジャーキーが贈られた。 「逃走事件」の後にコンビとなった辻警部補は、クレバ号を「元気いっぱいで明るい犬。訓練への意欲も強い」と評する。賞状贈呈でやや緊張するクレバ号の首筋や耳の周りをなでながら「訓練通りやってくれた。今度は事件でも貢献していこう」と話しかけた。(宮沢崇志) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル