寺田実穂子2023年6月27日 20時00分 チラシに掲載した価格のほかに実際には別途サービス料を加算して販売していたとして消費者庁は27日、ドミノ・ピザジャパン(東京都品川区)に対し景品表示法違反(有利誤認)で再発防止策などを求める措置命令を出し、発表した。 消費者庁によると、同社は2022年10月~23年4月、チラシ上の一部の商品で、持ち帰り価格とその2倍ほどの値段となるデリバリー価格の両方を表示。消費者はデリバリー価格には配達料などが含まれるため高くなっていると認識するはずだが、実際には別途、299円を上限に最大7%のサービス料が加算されていた。チラシにはサービス料がかかることが小さく書かれていたものの、消費者庁はサービス料がかからないかのように消費者を誤認させる不当な表示だと判断した。 同社は取材に対して「今回の措置命令を厳粛かつ真摯(しんし)に受け止め、再発防止策として、社員教育のさらなる徹底、掲載前の社内審査など景品表示法をはじめとする表示に関するチェック体制を一層強化します」などとコメントした。同社によると、サービス料は今年4月に廃止し、ピザ商品についてはサービス料を含める形で値上げをしたという。(寺田実穂子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バス止まると車内にブザー 安全装置義務化で子ども置き去り防げるか
子どもが車内に置き去りになることを防ぐため、4月から保育園などの送迎バスに安全装置の設置が義務づけられた。今月末までの設置を促していた政府は27日、各施設の設置状況を公表。熱中症のリスクが高い夏本番を前に、設置率は5割台にとどまっている。 バス後方の窓に消音ボタン 埼玉県鶴ケ島市内のバス停に5月下旬、ある県立特別支援学校の送迎バスが止まった。「また明日ね」。乗務員は3人の子どもが降りるのを見守りながら、「○○ちゃん、降りました」と名簿で3人の名前の横に丸印をつけた。 すると、バスの中で「ピピ、ピピ」と大きな音が鳴り始め、運転手が立ち上がった。乗務員と2人で車内を見回しながらバスの後部まで歩き、後ろの窓に取り付けているブザーのボタンを押して、音を消した。 子どもの車内置き去りを防止するための安全装置で、ボタンを押さずに車外に出るとさらに大きな音が車外に向かって鳴り響く仕組みだ。 このバスを運行する会社は5月上旬に県内や東京都内で運行している全てのバスに安全装置を前倒しで設置したという。きっかけは4月、同校で子どもがあわや置き去りになる事案があったことだった。 県教育委員会などによると、子どもが座席で寝ているのに乗務員らが気づかず、バスを営業所に向けて回送。保護者の連絡を受けた学校からの問い合わせで子どもの存在に気づいた。子どもは無事だったという。 県教委は昨秋、別の学校のバスで起きた置き去りを受け、「安全管理マニュアル」を作成。マニュアルでは車内に子どもが残っていないかの確認や乗降時の氏名の突合などを行うことになっていたが、十分に実施できていなかったという。 バス会社の担当者は「名簿の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
河井元法相、丸刈りで証言台に 「毎日のように地元の風景が夢に」
2019年参院選に関する買収事件をめぐり、河井克行元法相(60)=公職選挙法違反(加重買収など)の罪で実刑確定=が27日、広島地裁で、同法違反(被買収)の罪に問われた元広島市議の公判に検察側と弁護側双方の証人として出廷した。克行氏は元市議に陣中見舞いなどの趣旨で現金を渡したとする一方、妻の案里氏(49)=同法違反(買収)の罪で有罪確定=を当選させる意図について「全く無かったわけではない」と述べた。 克行氏は21年、東京地裁で懲役3年、追徴金130万円の実刑判決を言い渡され、確定。現在服役中で、地元・広島に戻るのは3年余りぶりだとした。 被買収の罪に問われているのは、元市議の藤田博之被告(85)。起訴状によると、案里氏の当選に向けた選挙運動の報酬と知りながら、19年3月と6月、克行氏から計70万円を受け取ったとされる。藤田被告は買収された認識はなかったとして無罪を主張している。 克行氏はこの日の法廷で、3… この記事は有料記事です。残り897文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内最大の「蛇行剣」初公開 全長2m超、奈良・富雄丸山古墳で出土
日本最大の円墳・富雄丸山古墳(奈良市、4世紀後半、全長109メートル)で出土した国内最大とされる鉄剣が27日、奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所(橿考研)で報道陣に初めて公開された。橿考研などの調査で、鉄剣は木製の鞘(さや)に収められていたことも新たにわかった。 鉄剣は、刃が左右にうねるように屈曲した「蛇行剣」(全長約2・37メートル、幅約6センチ)。奈良市教委の昨年度の調査で、古墳の造り出し(突出部)から全長5メートル前後の木棺を収めた埋葬施設が新たに見つかり、その木棺を覆う粘土の中から、過去に類例のない盾形銅鏡とあわせて出土。今年1月に発表された。 当時は土ごと取り上げられ、共同調査研究をしている橿考研で保存処置中だったが、今回片面のクリーニングが終わったため、公開された。手術用の顕微鏡などで観察しながら、竹串やピンセットなどで土やさびを取り除いたという。 鉄剣の屈曲は7カ所程度。剣は木製の鞘に収められており、樹種は現在調査中という。鞘や柄(つか)には漆が使われた痕跡があり、辰砂(しんしゃ)を原料とする赤色顔料が付着していたとみられる。橿考研の岡林孝作・学芸アドバイザーは「いま見えているのは出土時に上になっていた部分。残りがいいと予想される下の面のクリーニングが進めば、もう少しいろいろなことがわかると期待している」と話した。 残る片面のクリーニングは今秋ごろまでかかる見込みで、一般公開の時期は未定という。 古墳時代の刀剣に詳しい豊島直博・奈良大教授(考古学)は、「鞘や柄など『刀装具』をつけた状態で副葬されたようだ。柄の一部と鞘は重なる構造だったとみられ、裏返して土を慎重に取り除けば、装具の全体像が見えてくるのではないか」と話している。(清水謙司、今井邦彦) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性別変更、手術強いられるトランスジェンダー 「強要は人権侵害だ」
有料記事 金子和史 杉原里美2023年6月27日 17時30分 トランスジェンダーの人たちが性別を変えるには、生殖能力を失わせる手術が必要。そう定めた「性同一性障害特例法」の規定は憲法に違反するか――。2019年には「合憲」とした最高裁が、再び判断を示す。手術を受ける選択、受けない選択。それぞれの決断をした当事者が、その理由と最高裁への期待を語った。 「裁判官が意見を寄せ合って、今の時代にあった回答を出してくるのを楽しみにしている」 4年前に最高裁が合憲と結論づけた時の申立人、臼井崇来人(たかきーと)さん(49)はそう語る。 女性の体で生まれ、男性として生きるトランス男性だ。13年に性同一性障害と診断され、戸籍上の名前を変えたが手術は受けていない。 4年前の「合憲」から、つながったバトン 手術は健康上のリスクがある… この記事は有料記事です。残り1610文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「週刊誌報道がきっかけ」 市川猿之助容疑者を自殺幇助の疑いで逮捕
有料記事 増山祐史 遠藤美波 吉沢英将2023年6月27日 18時00分 東京都目黒区の自宅で5月、同居する両親と倒れているのが見つかった歌舞伎俳優の市川猿之助(本名・喜熨斗(きのし)孝彦)容疑者(47)について、警視庁は27日、母親の自殺を助けたとして自殺幇助(ほうじょ)の疑いで逮捕し、発表した。「両親が自殺する手助けをした。後を追って自殺するつもりでした」と供述しているという。 捜査1課によると、逮捕容疑は5月17日午後5時ごろ~18日午前10時ごろ、自身に処方された睡眠導入剤を母親(75)に服用させ、向精神薬中毒で死亡させて、自殺を手助けしたというもの。 猿之助容疑者は逮捕前の任意聴取に、「週刊誌報道をきっかけとして家族会議が行われて、みんなでさよならすることにした」という趣旨の話をしたという。 5月18日には週刊誌「女性セブン」が、同容疑者からのハラスメントを俳優らが訴えているとの内容を報じた。女性セブン編集部は取材に、「紙面に掲載したとおり」としている。 猿之助容疑者「後始末を自分が行うことになった」 猿之助容疑者は逮捕前の聴取に、「睡眠薬を飲んで眠った後にビニール袋を使うことにした。後始末を自分が行うことになった」とも供述。同課は、容疑者が両親の顔に袋をかぶせた可能性があるとみている。事件後に薬や袋は見つからず、同課は容疑者が処分したとみている。 目黒区の自宅2階では5月18日午前10時15分ごろ、母親と、父親で歌舞伎俳優の市川段四郎(本名・喜熨斗弘之)さん(76)が倒れた状態で見つかり、死亡が確認された。司法解剖で段四郎さんの死因は「向精神薬中毒の疑い」と判明。猿之助容疑者は半地下の部屋でぐったりした状態で見つかり、遺書のようなものがあった。同課は睡眠導入剤を飲んだとみている。 両親の死亡から1カ月余りの捜査を経て 両親が死亡してから、警視庁が猿之助容疑者を逮捕するまで1カ月余りが経過した。警視庁はどのような点に着目して捜査をしていたのか。 捜査1課によると、猿之助容… この記事は有料記事です。残り774文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
なぜあそこに?「日本一危険な国宝」の謎 今やSNS映えスポット
鳥取県には「日本一、危険な国宝」があるという。文化財って、ゆったりと安全に鑑賞するものだと思っていた。日本一危険な国宝の正体って――。 4月下旬、記者は県中部の三朝町にある三徳山(みとくさん)(標高900メートル)を訪れた。中腹の県道から山を見上げると、木々の向こうのはるかかなたの山肌に、お宮のような建物が見える。デジカメでズームして撮影してみると、岩窟にすっぽりとはまり込むように木造建築物があるのが分かった。 建物を支えるのは、床下から岩肌に長く伸びた何本もの細い柱。なんとも頼りなく見え、確かに危険そうだ。国宝「三仏(さんぶつ)寺の投入堂(なげいれどう)」だ。 名前の由来は、慶雲3(706)年、修験道の開祖とされる役小角(えんのおづぬ)が開山し、法力で岩屋に投げ入れたという言い伝えからだ。2015年には文化庁が、日本遺産「六根清浄(ろっこんしょうじょう)と六感治癒の地~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉」に認定。「日本一危ない」のうたい文句が話題を集めた。 もっと近くで拝みたい。だが、中腹から見たとおり、岩肌にたたずむ投入堂に近づくのはたやすいことではない。 寺の受付から距離にして約900メートル、標高差は約200メートル。だが、ここは険しい行者道。過去には死亡事故もあり、登山の服装や靴が必要だ。 靴底までチェックし、いざ入山 万が一の事態に備え、単独では入山できず、受付では登山に適しているかどうか、靴底までチェックされる。記者も知人と2人で行者道に入った。 「日本一、危険な国宝」は険しい行者道の先にあります。動画では住職の教えも紹介します。 いざ、行者道のスタートとな… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪市西成区の商店街で火災 女性1人が意識不明
2023年6月27日 14時00分 27日午前11時半ごろ、大阪市西成区千本北1丁目の中央通商店会で「建物付近から煙と炎が出ている」と通行人の男性から119番通報があった。大阪府警によると、数軒が連なる店舗兼住宅で延焼し、80代の女性が意識不明で救急搬送されたという。 西成署によると、70代の男性も病院に運ばれたが意識はあるという。署や消防は、他に逃げ遅れやけが人がいないか確認している。現場は大阪メトロ岸里駅から西に約400メートル。アーケードに覆われた商店街で、閉鎖した店舗も多い。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
有明ノリ「全量出荷」誓約廃止へ 公取委が福岡の漁連の改善計画認定
有明海のノリ取引をめぐり、九州3県の漁連や漁協に独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いがあるとして公正取引委員会が立ち入り検査をした問題で、公取委は27日、このうち福岡有明海漁業協同組合連合会(福岡県柳川市)が提出した改善計画を認定したと発表した。同漁連の独禁法違反は認定せず、調査を終了した。 公取委によると、独禁法違反の疑いがあったのは、漁連が組合員に対し、生産した全てのノリを漁連に出荷するよう求めていた行為などだ。この「全量出荷」に応じるよう求める誓約書を漁連傘下の各漁協が組合員から集めることも十数年前から行われていた。 さらに、漁連は自らの入札会以外でノリを仕入れないことを約束させる書面を卸売業者と交わしていた。入札会で売れ残ったノリは生産者に返却せず、漁連側が処分していたという。これらの慣習が生産者や業者の自由な取引を制限している可能性があると、公取委は問題視していた。 一方、漁連側も問題点を認識。2020年からは組合員に求める誓約書の文言を「全量出荷する」から「全量出荷に努める」とする趣旨に変更し、全量出荷は「努力目標」に過ぎないとしていた。ただ、公取委は事実上、組合員に全量出荷を強要する状態が続いていると判断した。 公取委の検査を受け、漁連側… この記事は有料記事です。残り452文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小田急線刺傷事件、被告が起訴内容を認める 東京地裁で初公判
小田急線の車内で2021年8月、乗客3人を包丁で襲ったなどとして、殺人未遂などの罪に問われた住所不定、無職対馬悠介被告(37)の裁判員裁判の初公判が27日、東京地裁であった。対馬被告は「(違っているところは)ないです」と起訴内容を認めた。弁護側は、殺意の程度については争う姿勢を示した。 起訴状などによると、対馬被告は21年8月6日午後8時半ごろ、登戸(川崎市)―祖師ケ谷大蔵(東京都世田谷区)間を走る小田急線の電車内で、当時20~52歳の3人に対し、包丁で胸などを刺したり、切りつけたりして殺害しようとしたとされる。3人は1週間~約3カ月のけがを負った。 対馬被告は事件の約1時間半後、祖師ケ谷大蔵駅から約4キロ離れたコンビニエンスストアを訪れ、「自分がやった」と店員に説明。警視庁に身柄を確保された。 このほか、犯行前にコンビニで缶ビールなどを盗んだなどとして、窃盗や窃盗未遂などの罪にも問われている。 同年10月には東京都内を走る京王線車内で乗客が刺され、放火される事件も起きた。殺人未遂などの罪で起訴された服部恭太被告(26)の公判は26日に始まり、検察側は、服部被告について、対馬被告の事件を参考に詳細な計画を立てた、と指摘した。(田中恭太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル