2023年度卒の就職活動が、3月1日から本格的に始まった。就活生の中には、日本企業への就職をめざす外国人留学生もいる。国も留学生の日本への定着をめざしているが、課題は多い。
2月下旬、東京都港区のビルの一室に、リクルートスーツを着た人の行列ができていた。中で行われていたのは、外国人留学生限定の就職フェア。約600人が参加登録し、メーカーや小売業など30社のブースは、どこも立ち見が出るほどにぎわっていた。
「日本の生活にも慣れたし、みんな優しい。もう少し日本で生活したい」。中国出身で都内の大学4年生の男性(27)は、日本での就職をめざす理由をこう話した。
就職増も、高い壁
日本で就職を希望する留学生は増えている。出入国在留管理庁のまとめによると、21年に、就職などによって在留資格が「留学」から就労ができるものに変わった人は2万8974人。11年の8586人から3倍以上になった。
政府は、大学院などへの進学者をのぞく外国人留学生の就職率を、5割に引き上げる目標を掲げている。しかし、日本学生支援機構の21年度の調査によると、日本で就職した人は4割弱にとどまる。
その壁は何か。
就職活動中という中国出身の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル