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遠藤和希
長野県は30日、里親を務めていた県内在住の男が、養育していた延べ3人の児童に性的や身体的な虐待を繰り返していた事案を確認したと明らかにした。県は「要保護児童に対する重大な虐待事案」と判断し、原因究明と再発防止のための第三者検証委員会を設けた。
里親による虐待事案について、県が同様の第三者検証委を設けるのは初めて。児童福祉法に基づいて検証作業をする。検証委は弁護士や児童精神科医らが委員で、年度内に6回開催し、報告書をまとめる。
県によると、里親の男は昨年度後半、養育していた児童1人に性的な虐待を、児童2人に身体的な虐待をした。うち1人が虐待について外部に伝え、その情報をつかんだ管轄の児童相談所が対応。被害児童を保護した。聞き取りに、男は虐待の事実を認めたという。
県は30日に記者会見して事案を説明したが、「被害児童の特定につながる恐れがある」として、男が養育していた児童数や里親を務めた期間、刑事事件として立件されたかなどの情報は明らかにしなかった。
県は定期面談で異状の有無などを確認しているが、今回は虐待の事前把握ができなかった。県の担当者は「面談は里親が同席しており、児童が虐待について伝えられなかったこともあったと思う」と話し、面談方法を見直す考えを示した。
県によると、県内の里親は193家庭(2019年度)。今回の事案を受け、里親に養育されている全児童の安全を確認したという。(遠藤和希)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル