特攻隊員の遺品や遺書、関係資料を展示する知覧特攻平和会館(鹿児島県南九州市)で、初の女性語り部が7月から講話を始めた。心を打たれた遺品のエピソードを語り、隊員たちの生と死、遺族の思いを伝えていく。
南九州市在住の松山尚子さん(49)は7月14日、宮崎県の高校生約130人を前に初めて語り部を務めた。太平洋戦争や特攻作戦について説明し、隊員の遺書を読み上げた。そして戦死した息子のへその緒を、94歳になって平和会館に寄託した母親の手紙を紹介した。
「どこかにご陳列くだされば永久に保存して頂けるものと存じ」と、託した理由が書かれていた。自分が死んだ後でも、自分が産んだ、そして息子が生きた証しを見てほしい、永久に残してほしいという母親の強い思いを伝えた。
松山さんは真剣に耳を傾ける生徒たちにゆっくりと語りかけた。30分ほどで講話を終え、「緊張しました」と明かした。
松山さんは地元の小中学校や…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル