北海道斜里町沖で発生した観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の沈没事故から1年となる4月23日に、犠牲者の追悼式を開くことになった。地元住民や被害者の家族らはその日に思いをはせるが、いまだ6人の行方がわからず、事故の捜査や原因調査は続く。 1月31日、斜里町内で「4・23 知床遊覧船事故被害者追悼式 実行委員会」が開かれた。この日は最初の会議。町や地元の商工、観光、漁業関係者らが出席した。 「ご家族などと相談しながら進めたい」との委員会側の方針で、会議は冒頭から非公開で進められた。 地元関係者らによると、この日の会議では、式を町と実行委員会が共催することを決めた。参列者は約150人を想定。カズワンの運航会社「知床遊覧船」の関係者ら当事者の参列は見送られる予定で、慰霊碑の建立は追悼式後になる見込みという。 委員会では、犠牲になった人たちに追悼の意を示すことに加え、同じような事故を二度と繰り返してはいけないという決意を示すことを目的に掲げる。事故1年を単なる節目ではなく、風化を防ぎ、原因究明や再発防止を徹底する契機にしたいという。 それだけに、追悼式に対する地元関係者らの思いは強い。 「家族に言われた声が忘れられない」 漁業関係者の男性は「これだ… この記事は有料記事です。残り875文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
協定結ばず運転手に残業させる 北海道のバス会社 労基署が是正勧告
協定を結ばずに従業員に残業させていたとして、千歳相互観光バス(本社・北海道千歳市)が、苫小牧労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。勤務間の休息時間などをめぐり労使が対立し、協定を結ぶメドは立っていない。対立が長引けば、ストライキに発展する可能性もあり、千歳市は「労使できちんと話し合ってほしい」としている。 労働基準法では原則「1日8時間、週40時間」を超えて社員を働かせる場合、会社と労働者の代表との間で「三六協定」を結ぶ必要がある。だが、本社事業所では会社が提案した退職金の大幅削減案などをめぐり労組が反発し、昨春に協定が失効した。 その後も、仕事を終えてから次の始業までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」の拡充や人員不足の解消をめぐり、労使間の対立が続く。 同社は1月、苫小牧労基署から残業をさせる場合は三六協定を結ぶように是正勧告を受けた。だが歩み寄りは見られず、いまも違法な状態のままだ。 札幌地域労組千歳相互バス支… この記事は有料記事です。残り476文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
フィリピンから移送の2人、航空機の座席はシートで遮蔽 記者が同乗
特殊詐欺グループの幹部だった疑いが持たれている渡辺優樹(38)、小島智信(45)両容疑者を乗せたフィリピン発の航空機に記者も同乗した。 日本時間の9日午前0時20分ごろ、マニラのニノイ・アキノ国際空港。襲撃に備えた防弾チョッキとみられる黒いベストを着た2人は、移送のために派遣された警視庁の捜査員らとともに航空機に乗り込んだ。 機内では最後尾にある3列シートとその前列の中央席に縦に並んで座らされ、左右を捜査員が固めた。機体が離陸すると渡辺容疑者はパーカのフードをかぶったまま額を前の席の背もたれにつけ、小島容疑者は自席にもたれかかって前方の様子をうかがっているような状態だった。 しばらくしてこの一角は緑のシートで遮られ、ほかの乗客からは見えなくなった。 同2時18分ごろに機体が日本の領空に入り、その約5分後に警視庁が取得していた窃盗容疑の逮捕状が執行された。逮捕時の様子をうかがうことはできなかったが、大きなトラブルはなかったようだ。 着陸に伴い、緑のシートが取り外された。記者の席から見えた小島容疑者は、他の報道陣や乗客を気にしている様子だった。 航空機は同4時50分ごろに羽田空港に着陸。2人はフィリピンを出国した際に着ていた黒色のパーカ、薄緑色のTシャツのまま捜査員に囲まれながら到着ゲートに現れ、うつむき気味に歩いて空港を後にした。(御船紗子 山口啓太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
災害時の安否不明者 家族の同意なくても原則氏名公表へ 国が指針案
災害時に、家族などの同意がなくても安否不明者の氏名を原則公表するとした防災の指針案を内閣府がこのたびまとめ、8日から意見募集(パブリックコメント)を始めた。こうした指針を国が示すのは初めて。捜索が必要な人を特定し、速やかな人命救助につなげる目的がある。3月中旬に正式決定し、4月から全国の自治体に指針に沿った対応を呼びかける方針。 被災した可能性があって安否が確認できない人の氏名の公表は、自治体ごとの条例に差があり対応が分かれていた。ただ、2021年に静岡県熱海市であった土石流災害では、発災後に県が安否不明者の氏名を公表したことで、救助が必要な人の早期絞り込みにつながる例があった。 指針案では、発災後72時間… この記事は有料記事です。残り193文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪談合、地検が重視する「一覧表」 捜査山場で電通が迫られた選択
有料記事 金子和史 川嶋かえ2023年2月9日 7時00分 東京五輪・パラリンピックを舞台にした談合事件は、大会運営の中核を担った組織委員会の元次長と広告最大手「電通」幹部らの逮捕に至った。明らかになったのは、五輪に携わる公の意識に欠けた組織委に、電通が加担して作り上げた「出来レース」だった。大規模なスポーツ大会の国内開催が今後も相次ぐ中、透明性の確保と着実な運営の両立が問われている。 「今回の談合は、発注者である組織委と業界最大手の電通が一緒になって主導したという点に尽きる」。捜査関係者はそう語る。 東京地検特捜部は昨年7月、電通OBの組織委元理事をめぐる汚職事件で、電通や広告大手「ADKホールディングス」などを幅広く捜索。この時点で基礎資料を押収して談合疑惑を把握し、ADK側からは談合を認める供述も得た。 11月、汚職捜査を終えるとすぐに談合に本腰を入れ、電通を再捜索するなどした。電通は捜査に全面協力した汚職事件では逮捕者が出なかったが、談合では直接の容疑対象になった。 今回適用された独占禁止法の「不当な取引制限」が成立するには、①他の業者と意思の連絡(合意)をして②互いの事業活動を拘束(相互拘束)し、③一定の取引分野で競争を制限したという立証が必要になる。 特捜部や公正取引委員会が重視する証拠が、組織委と電通が作った一覧表だ。 容疑対象となったテスト大会… この記事は有料記事です。残り1868文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特急「はるか」12日終日運休、「くろしお」の一部も 線路工事で
松永和彦2023年2月9日 7時00分 大阪市北区の「うめきた」エリアで3月に開業するJR大阪駅地下ホームの関連工事のため、JR西日本の特急「くろしお」の一部区間と特急「はるか」が2月12日、終日運休する。地上の線路を新しい地下の線路に切り替える作業を実施する。大阪駅近くの一部の道路も通行止めになる。 線路の切り替え工事は、11日午後10時ごろに始まり13日早朝まで続く予定。「くろしお」は、京都―天王寺間が12日終日運休になる。和歌山方面は天王寺駅で折り返して運行する。「はるか」は、全区間(野洲―関西空港)が12日終日、運休する。 道路は、JR大阪駅西側の「なにわ筋」で約300メートル(浄正橋交差点北側)が、11日午後10時から13日午前6時まで通行止めになる。 切り替え工事が終わった後は、「くろしお」と「はるか」は地下の線路を走行するようになる。JR西日本によると、地下ホーム横を通過するため、一足早く新しいホームを目にすることもできるという。(松永和彦) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海外での臓器移植を無許可であっせん容疑 NPO法人理事を逮捕
独自 2023年2月9日 1時46分 無許可で臓器移植をあっせんしたとして、警視庁は8日までに、横浜市に事務所を置くNPO法人「難病患者支援の会」理事の菊池仁達容疑者(62)=横浜市=を臓器移植法違反(無許可あっせん)の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。両罰規定に基づき、同法人も同じ容疑で書類送検する方針。 捜査関係者などによると、菊池容疑者と同法人は厚生労働大臣の許可を得ていないにもかかわらず、海外に渡航して臓器移植を希望する日本人患者に対し、摘出した他人の臓器の提供をあっせんした疑いがある。同法人があっせんした移植が行われた海外の病院では、手術後に合併症を引き起こすなどして死亡したり重篤な症状になったりするドナーや患者がいたという。 同法人は2007年の設立。ホームページでは「腎・肝・心臓・肺移植の海外渡航に関する支援及び情報提供が私たちの活動」とうたっている。ただ、今年1月には新規患者の対応は3月末で終了するとしていた。 日本臓器移植ネットワークによると、日本国内の100万人あたりのドナー数は0・62で、米国(41・88)やドイツ(11・22)など世界各国に比べて臓器の提供件数が少ない。特に待機者の多い腎臓移植は約15年待ちだとしている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
有名ラッパー「イエローバックス」を逮捕 自宅マンションで大麻所持
2023年2月9日 2時00分 自宅で大麻を所持していたとして、愛知県警は9日、ラッパーの坂口和(わたる)容疑者(26)=名古屋市中区大須3丁目=を大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕したと発表した。「納得がいかない」と、容疑を否認しているという。 中署によると、坂口容疑者は8日午後7時半ごろ、自宅のマンションで、乾燥大麻約0・888グラムを所持した疑いがある。大麻はキッチンの周辺で見つかったという。 坂口容疑者は「¥ellow Bucks(イエローバックス)」の名前で、ラッパーとして活動している。インターネットのオーディション番組で優勝したり、お菓子のCMに出演したりするなど、若者を中心に人気を博している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
詐欺G「リーダー格」「側近」窃盗容疑で逮捕 「ルフィ」関与捜査へ
2023年2月9日 2時47分 フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループの幹部だったとして、警視庁は9日未明、渡辺優樹容疑者(38)と小島智信容疑者(45)の2人を窃盗容疑で逮捕した。同国から日本に移送中の航空機内で逮捕状を執行した。この2人に先立って送還された同じグループの2容疑者を7日に逮捕しており、被害総額60億円以上とされるグループの解明を進める。 警視庁によると、渡辺容疑者と小島容疑者は2019年11月、警察官と金融庁職員を名乗って東京都内の男性に電話し、用意させたキャッシュカードを2枚をだまし取る特殊詐欺グループに幹部などとして関わった疑いが持たれている。警視庁は、渡辺容疑者がグループのリーダーで、小島容疑者がその側近だったとみている。 渡辺、小島両容疑者は、7日に送還・逮捕された今村磨人(きよと)容疑者(38)と藤田聖也(としや)容疑者(38)の2人と一緒にフィリピン・マニラにある入管施設に収容されていた。 これに対し、警視庁は渡辺、小島、今村の3容疑者については19年7月に、藤田容疑者は21年2月に逮捕状を取得。その後も容疑内容を変えて逮捕状を取っており、4人同時の送還をフィリピン側に求めてきた。同国は国内で続いていた全員の裁判の公訴が7日までに棄却されたとして、強制送還に応じた。 この4人をめぐっては、特殊詐欺事件のほかに、昨年から各地で相次いだ強盗事件への関与も疑われている。これらの強盗事件では、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」で「ルフィ」や「キム」と名乗る人物が指示していた疑いが浮上。同庁は4人の中に「ルフィ」「キム」がいるとみている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR九州、トヨタや福岡県などと水素バス実証運転 豪雨被災の路線で
板倉大地2023年2月8日 21時00分 脱炭素社会の実現に向け、水素を活用したバスの導入をJR九州などが検討している。2017年の九州北部豪雨で被災して不通となったJR日田彦山線の一部区間で今秋、実証運転を始める。同社や福岡県などが8日、発表した。 JR九州によると、実証運転を行うのは、今夏にバス高速輸送システム(BRT)が開業する添田(同県添田町)―日田(大分県日田市)の約40キロ区間。今秋から25年春ごろまで、水素などを使った燃料電池(FC)で走る定員20人の小型バス1台を実験的に運行する。実際に客を運ぶという。 添田駅の最寄りの水素ステーションは福岡県内でも数十キロ離れた宮若市にしかなく、燃料の補給を含めて運行距離に問題がないかなどを検証し、実用化を検討していく。 トヨタ自動車やいすゞ自動車などが出資し、商用車の電動化などに取り組む「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」(東京)も実証運転に参加。福岡県は昨年12月、同社とFC車の活用についての連携協定を結んでおり、服部誠太郎知事は、今回の実証運転が「協定の第1弾となる」と語った。 JR九州の古宮洋二社長は「水素は今後、環境問題への武器となる。環境対策に少しでも尽力したい」と意気込んでいる。(板倉大地) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル