有料会員記事 宮島昌英、熊谷姿慧、真常法彦 中野晃2022年5月4日 9時02分 朝日新聞阪神支局襲撃事件から35年となった3日、市民らが兵庫県西宮市の阪神支局を訪れ、29歳で命を奪われた小尻知博記者の遺影に手を合わせた。各地で言論や表現の自由について考える催しが開かれた。 大阪府吹田市の島晃さん(66)は電動車いすで弔問に訪れた。「ロシアの軍事侵攻が続くなかでの特別な5月3日。言論を暴力で止めることはあってはならない」と事件とウクライナ情勢を重ね合わせて話した。 クーデターで国軍が実権を握ったミャンマー出身者も知人に誘われて訪れた。イン・スエさん(32)、ハン・ミョー・ラインさん(32)、ピェ・ピョー・ウェイさん(30)の3人。いずれも小尻記者が亡くなった年齢と近く、インさんは「やりたいことがたくさんあっただろう。小尻さんや残された家族の思いを想像すると本当に悲しい」。軍政下のミャンマーでは多くの記者が逮捕され、殺されることもあるという。ハンさんは「悪いことは悪いと言える社会を望みます」と話した。 西宮市の福田守男さん(55)は毎年5月3日は支局を訪れる。「他者と違う意見を言いにくい世の中になっているような気がする。自由にものが言える世の中であってほしい」と話した。 事件後から阪神尼崎駅前で開かれていた追悼行事「青空表現市」は、新型コロナウイルスの感染拡大のため昨年と一昨年は駅前での開催を見送ったが、今年は3年ぶりに行われた。メンバーが小尻記者に取材を受けたことがある「劇団らせん館」が太鼓と踊りを披露した。オンラインによる第2部では、福井県高校演劇祭で、原発を題材にした福井農林高の劇が地元ケーブルテレビで放映されなかった問題を取り上げ、言論、表現の自由について議論した。(宮島昌英、熊谷姿慧、真常法彦) ◇ 西宮市職員労働組合など地域の団体や個人でつくる「平和と民主主義を進める西宮・芦屋の会」は「『朝日新聞阪神支局襲撃事件』を忘れない~日本国憲法が保障する言論・表現の自由を活かそう」と題した集会を市勤労会館で開いた。 新型コロナ対策で一昨年は中… この記事は有料会員記事です。残り237文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トンネル内に垂れ下がったケーブル、バイク引っかかり転倒 男性死亡
篠原大輔2022年5月4日 9時07分 2日午後0時45分ごろ、奈良県十津川村川津のトンネル内で、バイク2台が垂れ下がったケーブルに引っかかって転倒した。バイクを運転していた大阪市の男性会社員(53)が心肺停止の状態で病院に搬送され、外傷性ショックで死亡した。別の1台を運転していた平群町の男性会社員(31)は軽傷だった。 五條署によると、事故当時、亡くなった男性は単独で走行。その後ろに2台のバイクが連なる格好で、国道168号を十津川村から五條市へ向かって走っていた。 道路の左寄りを走っていた男性のバイクがケーブルに引っかかり転倒。2番目のバイクは中央寄りを走っていて対向車線側に避けたが、左寄りを走っていた3番目は転倒した。 ケーブルは直径1センチの照明用で6本あった。通常はすべてトンネルの天井にはわせているが、当時、工事のため天井から下ろして壁にはわせていた。署は何らかの原因でケーブルが垂れ下がったと見て、詳しく調べている。(篠原大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
三幸製菓、ずさんな労働契約が常態化か 約10人の書類不交付認める
2月の工場火災で従業員6人が死亡した米菓メーカー三幸製菓(本社・新潟県新潟市)が、パートだった4人に労働条件を記載した書面を交付していなかった問題で、ほかに約10人のパート従業員にも同様に交付せず、いずれも内容を口頭で伝えただけだったことがわかった。労働基準法は賃金や労働時間といった労働条件を書面などで明示するよう義務づけており、違法の疑いがあるずさんな労働契約が常態化していた実態が明らかになった。 4月に問題が発覚したことを受け、三幸製菓が報道各社の取材に文書で答えた。火災で亡くなった4人に加え、「一部のパート従業員」である「10名程度」への書面の不交付を認めたうえで、「毎月の給与明細書は交付しており、勤務の実績時間等はそこに記載されていた」とした。また、不交付を「必ず改善すべき事項の一つ」とする一方、始まった時期や経緯、累計の対象者数などについては「調査中」などとした。 遺族の一人は朝日新聞の取材に対し、「勤務時間は日によってばらばらだった。会社が都合のいい働かせ方をしたかったのかもしれない」と指摘した。 三幸製菓では2月の火災をめ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
留守番中の女児、マンション4階から転落して骨折か 東京・木場
島崎周2022年5月3日 16時41分 3日午後2時過ぎ、東京都江東区木場のマンション敷地内で「子どもが落ちてきた」と、通行人から110番通報があった。警視庁によると、10歳未満の女児がうつぶせで倒れており、病院に運ばれた。命に別条はないが、骨折しているとみられるという。同庁は、女児がマンション4階の自宅から誤って転落したとみている。 深川署によると、女児の両親は近くのスーパーに買い物に行っており、女児は10代の兄と自宅で留守番をしていた。兄は体調不良で寝ており、女児の様子に気がつかなかったという。ベランダには壁や手すりがあり、署が転落の経緯を調べている。(島崎周) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水温は20度超 「三度目の正直」で本州最速の海開き 和歌山・白浜
勝部真一2022年5月3日 17時00分 和歌山県白浜町の白良浜(しららはま)海水浴場で3日、海開きがあった。町によると、本州で最も早いという。この日は朝から晴天で、午前11時時点で気温17度、水温20度超となり、大型連休を利用して訪れた観光客らが初泳ぎを楽しんだ。 町営の白良浜海水浴場は2016年まで5月に海開きをしていたが、専門の監視員が確保できないなどの理由で17年から7月になった。20、21年は再び5月に予定したが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて7月に延期に。3年ぶりに行動制限のない今年、「三度目の正直」で本州最速が復活した。南紀白浜観光協会の藤田正夫会長は「白浜町にとって一番の起爆剤になる」と期待を寄せた。(勝部真一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不明女児の母「一目見て美咲のものと…」 山梨・道志で見つかった靴
池田拓哉2022年5月3日 18時35分 山梨県道志村の山中で見つかった子ども用の運動靴について、近くのキャンプ場で2019年に行方不明になった千葉県成田市の小倉美咲さん(9)の母親、とも子さん(39)が3日、現地で報道陣の取材に応じ「一目見て美咲が履いていたものとわかった」と話した。 靴は4月28、29日に左右片方ずつ見つかった。県警は、メーカーや色などから美咲さんの履いていた靴と類似していると説明していた。とも子さんは3日、県警関係者から29日に見つかった左足用の靴の写真を見せられ、確認。色などから美咲さんが履いていたものと話した。 29日には靴下の片方も付近で見つかっており、とも子さんは3日に靴下の写真も見せられ、ピンク色でウサギの模様がついていたといい、「形状からも美咲の靴下と思われる」と語った。 一方、靴などが見つかった付近で発見された人骨の一部からDNA型が検出されなかったことについて、とも子さんは「ホッとした思い。美咲が無事に戻ると信じている」と話した。 3日の捜索では、新たな遺留品などは見つからなかった。県警は4日も40人態勢で捜索を続ける方針。(池田拓哉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3年ぶりの流鏑馬 50センチ四方に命中 世界遺産の京都・下鴨神社
世界遺産の下鴨神社(京都市左京区)で3日、流鏑馬(やぶさめ)神事の騎射が3年ぶりに行われた。京都三大祭りの一つである葵祭(あおいまつり)の先駆けで、過去2年は新型コロナウイルスの影響で本殿での儀式だけが行われていた。 神事の中で行われる流鏑馬は日本の伝統的な騎射の技で、疾走する馬の上から的に矢を射る。2019年以来となった今回も古式にのっとり、公家や武家の姿をした射手(いて)が「イン、ヨー(陰陽)」の掛け声と共に、100メートル間隔の三つの的を狙った。矢が約50センチ四方の杉板に命中すると、観客からは歓声が上がった。 コロナの影響で、葵祭ではハ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
救命ウェットスーツ、2分で着られるか 「水温0度」想定、改良重ね
4月のオホーツク海で観光船が沈没する事故があった。水温1度。そんな冷たい海でも、長時間浮かんでいられる「救命ウェットスーツ」があるという。 「イマーションスーツ」と呼ばれるもので、「水温0度の海でも6時間保温できる」という想定で設計されている。もともと北太平洋・ベーリング海の漁師のために作られ、南極観測船「しらせ」でも使われているそうだ。 スーツに革靴の記者が体験「足さえ通ればあっという間」 船舶向け装備品を製造する日… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
護憲派・改憲派それぞれ集会 憲法9条・緊急事態条項を焦点に議論
渡辺洋介、編集委員・北野隆一2022年5月3日 21時07分 憲法記念日の3日、護憲派と改憲派は各地で集会を開いた。ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、憲法9条や緊急事態条項に焦点をあてた主張が展開された。 護憲派の「九条の会」などでつくるグループは東京都江東区の公園で「改憲発議許さない!守ろう平和といのちとくらし」と題して集会を開いた。主催者発表で約1万5千人が参加。新型コロナの影響で過去2年は人数を絞っていたため大規模な集会は3年ぶり。 集会では「(ウクライナ危機に)便乗した日本政府の一切の軍拡策動に反対し、憲法9条を掲げ世界の市民とともに平和をつくり出す闘いに全力を挙げてとりくむ」との宣言が読み上げられた。 登壇した上智大の中野晃一教授は「(戦争防止のために双方の国が)抑止一辺倒だと、互いに抑止と言いながら軍拡競争になる」と指摘。「9条を守り、先に攻めるつもりはないという『安心供与』をして初めて安全保障政策として成立する」と語り、憲法9条の堅持を訴えた。 一方、改憲派の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などは東京都千代田区で「公開憲法フォーラム」を3年ぶりに聴衆を入れて開いた。ウクライナ危機やコロナ禍などに触れ、今夏の参院選で改憲の必要性を訴えるよう各政党に求める声明文を採択した。 日本会議や日本青年会議所が協賛し、主催者発表で約500人が参加。オンラインで国内20カ所でも中継した。 声明文は、ウクライナ侵攻について「『力による現状変更』を目指す国々を隣国に持つわが国には他人ごとではない」とし、「緊急事態や安全保障上の危機を想定しない現行憲法が危機を突破する際の壁」だと主張。国会や各政党に「憲法改正で国難に対処できるよう、改憲内容の早急な合意形成を」と訴えた。 また、航空自衛隊出身の織田(おりた)邦男・元空将は「制服を着ていた時は言えなかった」と断り、「自民党の(改憲の)提言も専守防衛が前提。憲法の精神から来るからだと。何でこれを変えないのか。そんなもので守れるんですか」と述べ、憲法9条に基づく専守防衛の方針を批判した。(渡辺洋介、編集委員・北野隆一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
SLやまぐち号、不具合で運休 4日からディーゼル機関車が牽引
3日午後2時25分ごろ、島根県津和野町のJR津和野駅に到着していた新山口駅行きのSLやまぐち号(客車5両編成)に不具合が見つかり、折り返し午後3時45分に津和野駅を発車する予定だった上りSLやまぐち号が運休した。乗客約220人は代行バスに乗り換えて移動した。4日から8日は蒸気機関車D51に代わりディーゼル機関車DD51が客車を牽引(けんいん)して、予定通りのダイヤで運行する。 JR西日本によると、津和野駅で車両点検中に、先頭のD51の後部で石炭や水を積む「炭水車」に不具合が見つかった。修理には時間がかかると判断し、連休中は牽引車を変えることにした。連休明け以降の運行については未定という。 SLやまぐち号は週末や夏休… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル