東北電力は22日午前、同日の管内の電力需給が非常に厳しいとして、東北と新潟県の利用者に節電への協力を呼びかけた。16日に発生した福島県沖を震源とする地震で一部の火力発電所が停止しているほか、気温が低下して電力の消費量が想定より増えているため。 東北電力のホームページによると、電気の供給力に対する使用率が22日午前9時台に100%を超え、午前10時台は99%だった。現段階で停電などは起きていないが、「状況を精査している」(広報担当者)という。午前11時台や午後0時台も使用率が97%となる見通しだ。電力の安定供給には、供給余力を示す予備率が3%必要とされる。同じく需給が逼迫(ひっぱく)している東京電力に22日朝から電力を融通し始めていたが、送電量を減らすなどの対応を検討しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ムキムキ、コテコテから爽やかに 大阪府警採用ポスター、変化のわけ
インパクトの強さで例年話題を呼んできた大阪府警の警察官募集ポスターが、路線を変更した。2022年度は、青空に「進め、未来の警察官。」の文字。爽やかに変わった背景には、コロナ下での採用の難しさや、時代の変化があるようだ。 「コテコテが続いているなら、シンプルなものに目が止まるのではないかと思った」 そう「戦略」を明かすのは、新年度のポスターを手がけた高速オフセット(大阪市北区)のディレクター、末松翔平さん(31)だ。応募28作品によるコンペを勝ち抜き、駅や警察署に青空のポスター計約4500枚が貼り出されている。 昨年7月のポスターの最終審査(10作品)は、府警本部の警察官らに加え、若い警察学校初任科生による投票だった。計約1300票が投じられ、中でも青空のものが支持を集めたという。 末松さんは「若い世代は自分が目にしたきれいな景色をSNSでシェアすることに慣れている。その感覚を意識した」と言う。スマートフォンを見つめ、うつむきがちな時代。「青空が目に入るのは、信号を見るときくらい。そんな若者の背中を押したかった」 府警の警察官募集ポスターは、これまで「攻め」のコピーとデザインで話題を呼んできた。 「ムキムキ」で時代に逆らったことも 「草食系男子」が広く定着し… この記事は有料会員記事です。残り972文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自衛隊だけでは対応困難」ハイブリッド戦とは 世界が驚いた8年前
ロシアはウクライナで「ハイブリッド戦」を展開している――。日本政府がこう分析し、専門家は「現代戦」の手法と語るハイブリッド戦。その意味とは。スパイが暗躍した過去の戦争とはどう違うのか。そして、日本はどのように備えているのか。 「ハイブリッド戦の手法をとっているともみられる」。ロシアが侵攻を始めた翌2月25日、岸信夫防衛相は会見でこう指摘した。 兆候はあった。昨年12月、SNSで「緊張を生んでいるのは欧米側」との投稿が1日平均3500件近く確認されていた。それを公表した米政府は「欧米がゲリラを送り込んで地元住民を殺害している」との発信も増えたとする。侵攻を正当化する世論誘導を狙った工作とみられている。 ロシアはウクライナ周辺に部隊を集結させたが、侵攻の意図は否定し、一部の撤収を発表したことも。侵攻は、ウクライナ東部の一部を占拠する親ロ派勢力からの要請に応える形で住民保護を名目に始まった。「情報戦や心理戦による揺さぶりが数カ月がかりで行われた」(自衛隊幹部)との見方が強い。 一方、ウクライナ側も情報戦で対抗。「帰りたい」と訴えるロシア兵捕虜の映像をSNSで公表するなどした。支援する米国も、ロシアの狙いを先回りで暴露している。 ハイブリッド戦、「世界が驚いた」きっかけは ハイブリッドには「複数の方式を組み合わせる」という意味がある。陸海空の軍事力に、サイバー攻撃やSNSによる偽情報など、新旧の手段を多元的に組み合わせる「ハイブリッド戦」は「軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧(あいまい)にした」(防衛大綱)手法だ。 「現代戦」とも言われるハイ… この記事は有料会員記事です。残り963文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
早稲田大のペナントが美しい理由 兄亡くなり受注停止の「オギワラ」
早稲田大学の隣で90年近く学生を見守る店がある。部活動やゼミの記念ペナントを長く作り続けてきた「記念ペナントオギワラ」(東京都新宿区西早稲田1丁目)。卒業シーズンを迎え、例年なら注文した品を受け取りに来る学生らでにぎわう時期だが、今年はひっそりとしたままだ。 早大とオギワラ その長い歴史 早大正門前の大隈通り。角の本屋を曲がった突き当たりに「ペナント」の大きな看板が目に入る。店内には「祝卒業 早稲田大學」「早稲田VS慶應」などと額装されたペナントが100枚ほど、壁一面に並ぶ。奥で角帽を縫う店主の荻原恵子さん(70)が仰ぎ見て、つぶやいた。「これ全部、兄が作ったの」 1933年に父・富光さんがこの地に開業した当初は、学生服や紳士服を仕立てる店だった。出征した父が帰国後、体調を崩して亡くなると、代わって母・ゆき子さんが店を守った。 ペナントを始めたのは、終戦の約10年後。早大の運動部が対戦相手と交換するペナントを、母が手がけるようになった。さらに約10年後、音楽系の団体に所属する学生が「先輩一人ひとりの名前を記したペナントを卒業式に贈りたい」と店を訪れた。長く続く卒業ペナントの始まりだ。 校章や数字、アルファベットは母が型を起こし、複雑な漢字は当初、刺繡(ししゅう)で補った。ただ、刺繡(ししゅう)は針を通した周辺の布を引っ張り、出来上がりが引きつって見えることもある。90年ごろから、恵子さんの二つ上の兄、久昭さんが少しずつ漢字の型を起こしていった。「學(学)」や「辯(弁)」などの旧字体も久昭さんの仕事だ。 校名、卒業年、学生の名前、絵柄。卒業ペナントの注文を受ける時、久昭さんは細かく聞き取った。それから配置を考え、文字や図柄の型を起こす。「祝卒業」や年号などは事前に用意できるが、同じ文字でもサイズが違えば改めて型を作った。 パーツがそろったら、土台のフェルトにバランスよく貼り付けていく。フェルトは時間が経つと縮むため、土台と文字にそれぞれ半紙を裏打ちし、乾いたら、特注したえんじ色の額縁に入れて完成だ。 常連は早大のゼミや部活、学… この記事は有料会員記事です。残り976文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
働き方改革したら学力アップ効果も 「定額働かせ放題」やめるには
タイムカードの書き換えに、月100時間超の残業……。社会全体で働き方改革が進むなか、学校現場では労務管理の意識がまだまだ希薄だ。なぜ学校は変わらないのか。200以上の学校、教育委員会の業務改善に関わってきたワーク・ライフバランスの小室淑恵社長に背景と改善策を聞いた。 ――学校で働き方改革が進まない理由は。 大きいのは、保護者との関係です。私たちがコンサルティングをする際、まずは教職員に集まってもらって会議を開き、職場の仕事を全て書き出して、減らせないか、外部に移管できないかを徹底的に考えます。その際、先生方から必ず出たのが、「保護者がどう思うか」という懸念でした。 自分たちはやめたいと思うことがたくさんあるけど、やめたら保護者に「教員が楽をするための働き方改革だ」と思われるのではないか。考えた末、どれもやめられないという状況だったんです。 ――どう対処しましたか。 ある学校では会議に保護者も入ってもらいました。すると、保護者は先生たちが子どもに向き合う余裕がない状況を実感し、改革の必要性を認識してくれました。事務作業を何個クリアしたかではなく、子どもに向き合い、授業の質を上げる時間を確保する必要があるという点で保護者も先生も同じ方向を向いていることがわかったんです。 地域行事の手伝いや登校中の誘導など、むしろ保護者の側から「やめてよいのでは」と言われた業務もありました。この数年、多くの企業で働き方改革が進んで、親たちの意識も変わってきているのでしょう。 ――改革によるメリットは。 教員の長時間労働の改善にとどまらない結果が出ています。夕方以降の電話を留守番電話にした学校では教員だけでなく、保護者の改革への満足度も高いという結果が出ました。 改革をした学校の方が、そう… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「かす」にも愛を コーヒー専門店バリスタの思いが商品化
お湯を注いでコーヒーをいれた後に残る「豆かす」がもったいない――。そう考えた若きバリスタが、かすを原料に加えた再生紙を生み出した。加工してブックカバーやポーチも作り、今月から売り出している。 カフェラテのような淡い色合い。表面をゆっくり丁寧になぞると、うっすらと豆のつぶつぶを感じる。 「すごく強く爪で削ってみてください。小さな『かす』がとれますよ」 そう説明してくれたのは、発案した竹下亮さん(25)。コーヒー専門店「QoFFEE(コーヒー)」(大阪市北区)でバリスタとして働いている。 竹下さんは2年ほど前、コーヒーをいれるたびに生まれる大量のかすを前にして思い悩んでいた。何かに再利用できないか。自宅で消臭剤にしようとしても、カビが発生したり、かえって臭くなったりして、うまくいかなかった。 コーヒー豆の「かす」は捨てるしかないのか。模索する竹下さんに、思いがけない出会いがありました。 調べていくと、マスクや服な… この記事は有料会員記事です。残り677文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
流氷を背に群れるエゾシカ ウクライナ問題で緊張の北方領土周辺
北海道・根室海峡の冬の風物詩となっている流氷が、北の羅臼町から南の根室市までの一帯で接岸している。中間の標津町と別海町にまたがる日本一の砂嘴(さし)、野付半島は、流氷と16キロ離れた北方領土の国後島を背景に、餌の草の根などを食べるエゾシカの群れでにぎやかだ。 平らな砂浜と湿地が細長く延びる半島は海風が強い。そのため積雪が少なく、掘り起こして食べやすいササや草の根を求め、多くのエゾシカが集まる。結氷した野付湾の岸辺はササが密生し、いくつもの群れができている。 のんびりとした景色が広がる一方、ロシアに隣接する北方領土周辺は、ウクライナ侵攻で緊張感が高まっている。 国後島では、実効支配するロシア軍施設があるラグンノエ(日本名・ニキシロ)などから中心地ユジノクリリスク(同・古釜布)までを、ロシア軍支持を訴えて住民らが車両で13日にパレードした。 択捉島でも、ウクライナに侵… この記事は有料会員記事です。残り142文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府で1638人が感染、1人死亡 新型コロナウイルス
大阪府は21日、府内で新たに1638人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。また、90代の女性1人の死亡も確認した。 府内の感染者は延べ75万9978人、死者は計4490人になった。 コロナ以外の疾病で重症病床での治療が必要な人を含めた府内の重症病床(620床)の使用率は26・5%、軽症中等症病床(3409床)の使用率は55・2%だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヤジ排除問題が問いかける意味とは 排除された人たちの思い
3年前の参院選で、札幌市中心部で応援演説をしていた安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男女2人が北海道警の警察官に排除された問題。この2人が憲法で保障された「表現の自由」を侵害されたとして、北海道に慰謝料などを求めた訴訟の判決が25日、札幌地裁で言い渡される。同じような体験を持つ人たちや専門家に、この問題が問いかける意味を3回にわたり聞いた。 問題が起きたのは2019年7月15日。安倍氏はJR札幌駅前や繁華街の札幌三越前の街頭で自民党候補者の応援演説をした。原告の2人以外にも、警備にあたる道警警察官に政治的な表現の自由を侵害されたと主張する人がいる。 道警ヤジ排除問題 2019年7月15日、JR札幌駅前で参院選の応援演説をしていた安倍晋三首相(当時)に、「安倍やめろ」と叫んだ男性(34)が、複数の北海道警警察官につかまれて移動させられた。近くで「増税反対」と叫んだ女性(26)も警察官らに排除された。その後、女性は警察官らに1時間以上ついて回られた。男性は札幌三越前でも演説中の安倍氏にヤジを飛ばし、排除された。 その日午後5時半ごろ、富永恵子さん(73)は知人らと三越前に着いた。選挙カーの上で安倍氏が演説していた。 富永さんは脇に、「老後の生活費2000万円貯金できません」と書かれたパネルを抱えていた。無言でパネルを掲げて、抗議の意思を示すつもりだった。車道の近くに立ち、パネルを掲げようとすると、車道側にいた男性警察官が両手を上げてさえぎった。「(パネルを)上げたら危ないですよ」「お守りしますので」と言われた。 富永さんらの背後では数十人… この記事は有料会員記事です。残り1170文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「電力需給逼迫警報」 JR、東京メトロは始発から通常運転の予定
2022年3月21日 23時22分 政府は21日夜、東京電力管内の電力需要が22日に非常に厳しい予想だとして「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を出し、家庭や企業に節電に協力するよう呼びかけた。 JR東日本によると、21日午後10時半現在、22日の始発から首都圏の在来線で間引き運転などの調整はしていないという。東京メトロも「現状予定はない」としている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル