生キャラメルやチーズの製造販売で知られる「花畑牧場」(本社・北海道中札内村、田中義剛社長)で、ベトナム人従業員が待遇改善を求めてストライキを行い会社と対立していた問題で、和解が成立したことが19日わかった。会社側が問題を認めて謝罪し、ストを主導したとしてベトナム人従業員に起こした損害賠償請求や、名誉毀損(きそん)容疑で北海道警に出した刑事告訴を取り下げるという。 ベトナム人従業員を支援する札幌地域労組によると、和解は18日に成立。同日、札幌市内で田中社長と労組関係者が話し合い、田中社長は一連の会社側の対応が不適切だったと認め、「申し訳ありませんでした」と謝罪したという。謝罪文も会社サイトに1週間掲載するという。 花畑牧場では1月26日、ベトナム人従業員約40人が待遇悪化に抗議し、十勝第2工場(中札内村)でストを行った。寮で暮らす従業員の水道光熱費は従来月7千円だったが、昨年末以降、十分な説明がないまま値上げされ、今年1月には約2倍になったという。 スト後、会社側は光熱費を従来水準に戻すとした一方、ストを主導したみなしたベトナム従業員3人に対し、1人あたり50万円の損害賠償を請求した。 会社側はさらに、スト直前に田中社長と従業員らが話し合った際の音声ファイルが意図的に編集され、ネット上で報道されたなどとして、3人を名誉毀損などの容疑で道警に刑事告訴もしていた。 一方、会社側がベトナム人従業員との雇用契約期間を巡り、ベトナム人と交わした契約書類とは異なる内容が記された書類を、出入国在留管理庁に提出していたことも明らかになっていた。 会社側がストを主導したとし… この記事は有料会員記事です。残り222文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ミドリムシと食用油を使って大空へ プロペラ機に使うエコな燃料
鈴木智之2022年3月19日 12時30分 使用済み食用油やミドリムシ由来の油脂を、燃料の一部に使ったアジア航測(東京)のプロペラ機が大阪の空を舞った。脱炭素社会をめざした取り組みだ。 燃料はユーグレナ(同)が開発。食用油の原料である植物やミドリムシは、二酸化炭素を吸収して育つため、燃やしても環境負荷が低いという。 船やバス、ジェット機などでも利用が進むが、高価なのが課題だ。「バイオ燃料を倍々に増やして、循環型社会に笑顔も循環させたい」と同社の担当者。(鈴木智之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「私の一票はどこへ?」 投票したのに「0票」 再確認する自治体も
「0票になってるぞ」 堺市美原区の山口義弘さん(77)は友人から連絡を受け、慌てて自宅のパソコンに向かった。 2019年7月22日。参院選の投開票から一夜明け、市選挙管理委員会のホームページで同区の開票結果を見て、目を疑った。 自身が投じたはずの比例候補の得票が「0」と表示されていたためだ。 共産党員の山口さんは、大阪を拠点に活動する同党の山下芳生議員を長く応援してきた。13年参院選で山下議員に投票した際、山下議員の同区での得票は88票だった。それが突然、「0票」になった。 山下議員は全国で4万8932票を得て4選を果たした。府内で約1万6700票を得たうち、大阪、堺両市の計31区と41市町村の得票で「0票」は美原区だけ。堺市のほかの6区は、いずれも100票を超えていた。 「山下議員に投票した」という知人らと区役所へ赴き、再点検を求めた。だが、応じてもらえなかった。 「信じられない。私の一票はどこへ行ったの?」 公職選挙法に、こんな定めが… この記事は有料会員記事です。残り1682文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人工雪はどうやってつくるの?
「人工雪はどうやってつくるの?」 大分県・吉岡照真さん(小3)ほかからの質問 ののちゃんのDo科学 ののちゃんは、朝日新聞に連載されている漫画の主人公で、小学3年生。学級担任の藤原先生を相手に、身の回りの不思議を質問します。聞いてほしい疑問はこちらへ。science@asahi.com ののちゃん 北京オリンピックとパラリンピック、テレビで見てとても楽しかったよ。でも、ゲレンデの雪がほとんど人工雪だって聞いて気になっちゃった。どうやって作るのかな。 藤原先生 雪は小さな氷の粒がたくさん積もったもので、この氷の粒を専用の機械で作るのが人工雪。この機械は、大きく分けて「人工降雪機」と「人工造雪機」の二つがあるよ。 のの よく似た名前だね。 先生 「降雪機」の方は、細… この記事は有料会員記事です。残り1034文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
父を「リスペクト」する四男は寮生活 変わらぬ機械好き
昨年12月、北海道苫小牧市内の待ち合わせ場所で待っていると、遠くからひょろりと背の高い少年がやって来た。夕張市・谷口家8人きょうだいの下から2番目、四男の誇吾郎(こごろう)さん(18)。苫小牧高専の3年生。実家を離れて寮で暮らしている。 他のきょうだいの言葉どおり、「昔の姿をタテに伸ばした感じ」。身長は高専に入ってから10センチ伸びて175センチ。きょうだいの中で一番高い。 「すばしこい」。10年前、誇吾郎さんについて書いた記事の書き出しだ。当時は小学2年生。ちょこまか走り回り、兄の遼馬さん(26)や凜太郎さん(25)からうるさがられていた。 家事の分担が決まっていた谷口家で、自身の役目の風呂の湯張りを忘れ、怒られたことも。当時の記事で、いすの上で丸まり照れ笑いする自分の写真に「懐かしいっすねー」と見入っていた。 人なつこく、叱られてもどこ… この記事は有料会員記事です。残り705文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「少しでも力に」「後悔したくない」ウクライナ支援、若者たちの思い
ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、高校生や大学生ら若者の間で、ウクライナの人々を支援する動きが広がっている。「少しでも力になりたい」「もう後悔したくない」――。それぞれの思いを抱き、街頭やインターネットで支援を呼びかけている。 「ウクライナで苦しんでいる人や子どもたちのために、募金をお願いします」 東京都品川区のJR大井町駅前でそう呼びかけ、今月から街頭募金活動をしているのは、青稜中学・高校(同区)のSDGs部の生徒たちだ。SDGs(持続可能な開発目標)のゼミナール授業がある同校で、昨春、生徒の要望から新設された。中高生約40人の部員で活動する。 期末試験終わり、街頭へ SDGsが掲げる17の目標の一つは「平和と公正をすべての人に」。ウクライナ侵攻が始まった時期は、学年末の定期試験前で身動きが取れなかったが、試験中に「ウクライナ支援にも動かなければ」と連絡しあい、試験明けの3月4日から不定期で午後3時~5時の2時間、ウクライナ大使館に寄付するための街頭募金を始めた。 驚いたのは、最初の3日間で約35万円も集まったことだ。クーデター後にミャンマーへの募金活動も行ったが、1カ月以上かけて約40万円だった。 副部長の立蔵里香(たてくらりこ)さん(16)は「SNSでも連日、現地の映像が届き、罪もない幼い子や人々が亡くなっていく現実に怖さを感じる。少しでも早くウクライナの人々に笑顔を取り戻してほしい。何か力になれたら、という思いは、私たちだけでなく日本の人々の間でも強くなっていると実感します」と話す。 クリミア半島からきた先輩 募金活動を始めた時は知らな… この記事は有料会員記事です。残り1747文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地上62メートルでアトラクション停止、30人乗り込んで下降させる
2022年3月18日 22時11分 18日午後0時半ごろ、埼玉県所沢市の「西武園ゆうえんち」にあるアトラクションが地上62メートル付近で停止し、乗客7人とスタッフ1人が約1時間、円盤形のキャビンに閉じ込められた。西武園ゆうえんちが18日夜に発表した。けが人はいないという。 アトラクションは、地上80メートルで眺望を楽しめる「富士見天望塔」。塔を軸に客が乗り込んだキャビンが昇降する仕組みで、ウェブサイトでは「晴れた日には富士山や東京スカイツリーまで見渡せる」と紹介している。 西武園ゆうえんちの発表によると、スタッフ約30人が非常階段を上ってキャビンの中に入り、午後1時半ごろから自重で下降させた。同45分に地上にたどり着き、乗客を降ろしたという。キャビンを昇降させるモーターファンの不具合が原因とみられると説明している。 広報担当者は取材に、「非常階段を下りる方法もあったが、キャビンと非常階段をつなぐタラップが雨天で滑りやすかったため、自重での下降となった。長時間閉じ込めることとなり、ご迷惑をおかけしました」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「コロナ落ち着き、期待してた…」震度6強地震、東北の観光地の嘆き
首都圏とつながる東北新幹線が脱線の影響で復旧の見通しが立たず、東北の観光地では宿泊客らのキャンセルが相次いでいる。 仙台の奥座敷・秋保温泉(仙台市太白区)では、水道管の破裂や窓ガラスの損壊などで旅館が次々と臨時休業に追い込まれた。 「地震直後は東日本大震災以上だと思った」。当面の休業を決めた温泉街にあるホテルの担当者は、備品が散乱する客室やロビーの様子を見てそう感じたという。屋上の水道タンクも破損し、水が出ないという。「ただでさえ全国的な資材不足で、工事の見通しがたたない」と嘆く。 11年前の東日本大震災で建物に大きな被害があった「緑水亭」では、レストランの窓ガラスが割れ、水道管が損傷して館内が水浸しになったという。若女将の高橋知子さんは「命が残ったことに感謝しかない。東日本大震災の倍以上の被害を受けました」とツイッターに投稿した。 客室の一部に補修が必要なものの、通常営業を決めたホテル「蘭亭」では、新幹線の運休などで連休中の予約の半分ほどがキャンセルに。担当者は「3連休は満室で、やっと人が戻ると思ってたので痛い」。秋保温泉旅館組合の佐藤司事務局長(54)は「余震が一カ月続くという報道もあった。GWの予約状況まで響くのが一番の心配」と影響を懸念する。 日本三景の一つ、宮城県松島… この記事は有料会員記事です。残り882文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「検察なめんな」「ふざけんな」 特捜検事はなぜ、一線を越えたのか
2021年7月8日、大阪地裁の201号法廷。業務上横領事件に関与したとして起訴された東証1部の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(59)の公判で、大阪地検特捜部の検事が、プレ社の元部長に取り調べをした際の映像が流された。傍聴席には、検事と元部長のやりとりの音声のみが響いた。 「うそは本当に言うつもりはないんで」 そう話す元部長に、検事は語りかけた。 「でもね、あえて僕の心証を申し上げる。あなたが事件で果たした役割って『僕は共犯になるんですか』みたいなかわいいもんじゃないと思いますよ」 特捜部は19年12月5日、学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)の土地売却にからみ、法人の資金21億円を着服したとして、法人元理事長やプレ社元部長、プレ社の取引先の不動産会社元社長ら5人を業務上横領容疑で逮捕した。当時、元部長や不動産会社元社長が横領のスキームを山岸元社長に説明していたか、が捜査の焦点になっていた。説明していたなら、山岸元社長も事件に関与していた可能性が高まるためだ。 検事は再三、関与の有無を元部長に問いただしたが、元部長は逮捕された後、否定をし続けていた。 検事は、さらに畳みかけた。 「あなたはプレサンスの評判をおとしめた大罪人ですよ」 「損害を賠償できます?10億、20億じゃ済まない。それを背負う覚悟で今、話をしていますか」 大阪地裁は昨年10月、検事の発言の一部について「真実と異なる供述をさせかねない」と指摘し、山岸忍元社長に無罪を言い渡しました。大阪地検は取材に「取り調べにおける具体的なやりとりについては、お答えを差し控える。無罪判決に至ったことは真摯(しんし)に受け止め、今後の執務に生かしてまいりたい」と書面で回答しました。 「背負えっこない。だから… この記事は有料会員記事です。残り2919文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東電が節電を一時呼びかけ、昨冬以来 地震で一部の火力発電所が停止
東京電力ホールディングスは18日、同日夜の東日本の電力需給が逼迫(ひっぱく)する見通しだとして、節電を呼びかけた。福島県沖を震源とする地震で一部の火力発電所が停止しているうえ、気温の低下で暖房などの需要が増えた。節電を要請するのは寒波が到来した昨年1月以来という。19日以降は週末で企業の電力使用が減るため、一定の余裕があるという。 18日午後9~10時は電力需要が最大で3800万キロワットと見込まれたが、確保している供給力は3877万キロワットだった。電力使用率は98%となり、供給余力を示す予備率が最低限必要とされる3%を下回った。東電と中部電力が出資するJERAの広野火力発電所(福島県広野町)6号機など、復旧していない発電所もある。(新田哲史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル