推奨されている「路線価」を使って相続税を申告しても、国税庁が「著しく不適当」と考えれば認められないことがある――。そんな国税の特別な課税手法について、最高裁が初の司法判断を近く示す見通しだ。「伝家の宝刀」と呼ばれる国税の手法の是非や司法判断にどんなことを期待するか、税理士法人山田&パートナーズ代表社員の浅川典子税理士に話を聞いた。 ――裁判で争われている税務調査の手法は、国税庁長官が定めた「財産評価基本通達6項」に基づくものです。遺産額の評価を国税側の判断で見直すことができるという内容ですが、どうみていますか。 国税が「使え」と言う路線価をもとに出した不動産の評価額を、国税自身に否認されたら、納税者は何をよりどころに不動産を評価したらいいのかわからなくなってしまいます。そもそも路線価を使わずに、不動産鑑定士に依頼して不動産の評価額を算出するというのは、国税に適正価格と認めてもらえる保証がありませんので、税理士として勧めにくい。鑑定費用も納税者の負担になってしまいます。 ――6項の適用率は、過去10年間の適用率は0・006%とされています。 節税策がよほど悪質でない限… この記事は有料会員記事です。残り604文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
授業準備で休日出勤「削っといた」 気遣い装う上司、これでいいの?
ある日の放課後、北陸地方の公立小学校で、若手の女性教諭が学校備え付けのパソコンに向かっていた。 表計算ソフトにまとめて勤務時間を入力する作業。ある程度進めると、月の時間外労働時間が「過労死ライン」とされる80時間を上回ることに気付いた。 「超えるかもしれません」。女性は、少し離れた席にいる管理職にそう声をかけた。 働き方改革で、この管理職から80時間を超える場合は報告するよう言われていたためだ。 管理職は席を立ち、近づいてきてパソコン画面をのぞき込んだ。 そしてこう言った。 「全部8時からにしちゃえ」 女性は毎朝、午前8時よりも少し前に出勤するのが習慣だった。これを一律、8時に遅らせて少し勤務時間を削る。そんな提案だと受け止めた。 毎日のように自宅に仕事を持ち帰る。タイムカードを押さずに休日出勤するーー。教員の長時間労働の背景に、そんなオンとオフとの境界があいまいな現状があります。連載「いま先生は」の第2部は、勤務時間の内外を問わず業務に追われる姿を通じ、働き方改革はどうあるべきかを探ります。 書き換えられたのに「ありがとう」 親身になってアドバイスして… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛子さま、成年の記者会見に 皇室14~20日
2022年3月14日 7時00分 天皇、皇后両陛下や皇族方の予定を毎週更新します。皇室の方々は様々な行事や式典、宮中祭祀(さいし)などで多忙な日々を送っています。紙面では掲載しきれない公務も紹介します。 宮内庁は14~20日の予定を発表した。愛子さまは17日、成年皇族として初めての記者会見に臨む(表記は宮内庁発表に準じます。予定は変更されることがあります)。 天皇、皇后両陛下、愛子さま 3/14(月) 天皇陛下 御所(外務省総合外交政策局長から説明) 3/17(木) 愛子さま 御所(成年の記者会見) 皇嗣家(秋篠宮ご一家) 3/16(水) 秋篠宮さま 赤坂東邸(恩賜財団済生会理事長らから報告) 三笠宮家 3/19(土) 信子さま 行幸通り(TOKYO FLOWER CARPET 2022) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
焼きそば 蒸してから焼けば麺もちもち
記事の後半で、作り方のポイントを動画でご覧いただけます 焼きそば=合田昌弘撮影 人気料理シリーズ、今回は焼きそばです。市販のソース付き中華麺もおいしいけれど、ほんのひと手間で麺のもちもち感を生かした本格的な味わいを楽しめます。 中国料理の吉田勝彦シェフのおすすめは、生麺を自分で蒸してから焼く作り方。たしかに麺の弾力がまったく違います。具材はシンプルに抑えました。 焼く時のポイントは、麺をフライパンに置いた後はあまり動かさないこと。フライパンに接している部分には軽く焼き目をつけ、中はやわらかいままに仕上げるためです。 具材を入れた後は、しっかりと全体を混ぜましょう。汁がなくなる頃には、エノキからうまみが出て、モヤシもシャキッと仕上がっています。 吉田さんの「ごはんラボ」は今回が最終回。みなさんへのメッセージをもらいました。「1度目はうまく作れないこともあるかもしれませんが、繰り返しやってみてください。作ることを楽しんで」(山本奈朱香) 材料・1人前 料理監修:吉田勝彦さん(中国家庭料理ジーテン) □ 中華麺(生麺)100g □ モヤシ 50g □ エノキ 30g □ ニラ 3本 □ 調味料(砂糖小さじ1、酒大さじ2、しょうゆ小さじ2、オイスターソース小さじ1) □ サラダ油 大さじ2 【作り方】 ①ニラを長さ3cmに切る。モヤシは洗っておく。エノキは根元を落とし、束をほぐす。 ②しっとり蒸し上げるため、麺… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入試不正、受験生の「立ち直り」につなげるには 尾木直樹さんの提案
大学入学共通テストの試験問題が試験中に流出した事件で、偽計業務妨害容疑で書類送検された受験生は調べに「カンニング目的」だったと話したという。「同様の事件が起きてもおかしくない」という教育評論家の尾木直樹さん(75)に、対策や当事者のケアについて聞いた。 尾木さんは、スマートフォンやSNSを使った不正の手口について、「ネットに即した時代の申し子によるカンニング行為」とし、「いまの子どもは小学生の頃からスマホを持ち、ネットや最新機器の知識が豊富。同様の事件が起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らす。 進学先を選ばなければ誰でも大学に入りやすい「全入学時代」を迎え、受験生のプレッシャーは非常に大きいという。書類送検された受験生について「プレッシャーの中でネットの知恵を働かせ、巧妙にカンニングをしたのだろう。頭の切れる子のはずで、能力を素直に試験に生かせず残念だ」と話した。 カンニングは「断じて許されない稚拙な行為」と尾木さん。再発を防ぐには、まず子どもたちに早い段階から「許されないこと、自分自身を傷つけてしまうということを教えなければいけない」と訴える。 その上で、試験を実施する大… この記事は有料会員記事です。残り789文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
誕生日のくまモンへ刀プレゼント 知事「熊本県をくまモン県にする」
伊藤秀樹2022年3月13日 9時27分 くまモンの誕生日の12日、「くまモン誕生祭2022」が熊本市中央区の市民会館シアーズホーム夢ホールで催された。くまモンの集客イベントは3年ぶり。1千人以上のファンが、お祝いに駆けつけた。13日もある。 ステージイベントでは、誕生日ケーキが用意され、プレゼントの刀が贈られた。宇宙に飛び出したくまモンが地球へ「くまモンパワー」を発信するパフォーマンスや、県内に拠点を置く劇団「096k熊本歌劇団」との殺陣演技などがあった。ステージで蒲島郁夫知事は「熊本県をくまモン県にするように頑張る。駅や港など、どこでも生のくまモンに会えるくまモンランド化構想を考えている」とあいさつした。 家族3人で訪れた熊本市立龍田西小学校3年の川端滉大さんは「くまモンに会えることが楽しみ。誕生日おめでとう」と話した。(伊藤秀樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「えほんの力で思いを形に」 考え抜いた姉弟の新たな遺言サービス
遺言を書くのにあわせ、自分の人生を絵本にして残す――。そんなサービスを打ち出す司法書士事務所が昨秋、大阪市に誕生した。その名も「えほん遺言司法書士事務所」。手がけるのは、司法書士の弟と広告業界で働く姉。遺言を身近に感じてもらい、トラブルを避けるために遺言を作る人を増やすのがねらいだ。 まず、依頼者の半生を聞きとり、自分史や家族への思いをまとめた一冊の絵本をつくる。その絵本の中にポケットをつけ、法的に有効な遺言書を入れる。好きな作風にあわせ、16人以上の絵本作家からデザインを選ぶ。依頼から完成まで、半年ほどかかるという。 事業を始めたのは、司法書士の水上和巳さん(31)と姉の瞳さん(34)。 和巳さんは高校卒業後、司法書士の試験に24歳で合格。東京に拠点を置く大手の事務所に採用された。相続登記などを手がける中、遺言がないため、遺族間でトラブルになるケースを目の当たりにしてきた。 司法統計によれば、遺産分割事件のうち、残された財産が1千万円以下のケースが3割超を占める。和巳さんは「一般家庭でも起きる問題だ」と考え、独立を検討していた2020年夏、「残された人に余計な負担がかからないよう、遺言を書くことが楽しいと思えるサービスをできないか」と瞳さんに相談した。 瞳さんは広告業界に身を置き、選挙で投票すればタピオカ入りのドリンクが半額で買えるキャンペーンなど、社会課題の解決をめざすユニークな企画に関わってきた。和巳さんの話を受け、姉として、ビジネスパートナーとして協力できないかと考えた。 藍染めや漆塗りの遺言を提案してはどうか――。さまざまなサービスを検討した結果、行き着いたのが絵本だった。イラストで描かれ、文字が少なくて読みやすく、親しみやすい。絵本は、世代を問わず、受け入れられるコンテンツだと思っていたという。 昨年10月に大阪市中央区に… この記事は有料会員記事です。残り749文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
酒気帯び運転容疑、52歳の俳優を現行犯逮捕 兵庫県警
2022年3月13日 11時53分 酒を飲んで車を運転したとして兵庫県警生田署は13日、横浜市磯子区岡村6丁目の川原英之容疑者(52)を、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。署によると、川原容疑者は兵庫県出身の俳優だといい、「三宮で同級生と焼酎を飲んだ」などと供述して容疑を認めているという。 署によると、川原容疑者は13日午前6時15分ごろ、神戸市中央区三宮町1丁目の県道で、乗用車を酒気帯びの状態で運転した疑いがある。 川原容疑者が信号待ちをしていたトラックに追突する事故を起こし、トラックの運転手が110番通報。警察官が呼気を調べて発覚した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
留学か出産か、女性だけ選ばされるのは 若手官僚らの声、制度動かす
家族のあり方や働き方の変化で、出産や育児をめぐる環境も大きく変わっている。様々な理由や事情で、子どもを「産まない」「もたない」という選択をしても、「なぜ?」「まだ?」と聞かれることも。「産まない」という選択についてどう思うか、考えた。 留学をあきらめるか、出産を先に延ばす、または産まないか――。留学中の出産を認めていなかった国家公務員の留学制度が先月見直された。国を動かしたのは、出産のために留学をあきらめたり、今後のキャリアプランに悩んだりする若手官僚らの声だった。 人事院は2月22日、ツイッターで「産前・産後休暇を取得しても留学を続けられるようになりました」と発表した。留学は2年間で、入省10年未満が対象。留学中に妊娠した場合、留学をとりやめて帰国しなければならなかった。 声を上げた一人が若手官僚らでつくる「新しい霞ケ関を創る若手の会(プロジェクトK)」副代表で、経済産業省ヘルスケア産業課の紺野春菜さん(32)だ。結婚3年目となる27歳の時に、留学に立候補した。 ただ、当時の選考担当者から「制度上、留学が終わるまで出産できない」と言われ、心が揺れた。選考期間を含めると、留学が終われば31歳。少しでも早く留学したかったが、周囲から言われた「1、2年(出産が)遅れても問題ないでしょ」という言葉も、「留学前にササッと産んで連れて行けば?」という言葉も、悪意はないと分かりながらも違和感がぬぐえなかった。 悩んだ末に留学はあきらめ、不妊治療を経て出産した。現在は育児休業中で、1歳と0歳の子を育てている。子どもはかわいいが、留学への心残りと、妊娠は認めないという女性にだけ課せられた制約への憤りは、くすぶり続けた。 そんななか、2月上旬、若手… この記事は有料会員記事です。残り1886文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帰りたかった浪江のふるさと 「避難先で一生を終える」決断した祖父
一帯に広がる空き地の先に地平線が見える。福島県浪江町の内陸部にある立野地区。住宅は所々に残っているが、道を歩く人の姿は見えない。 「あそこにも家があった。あそこにも。ここは集会所――」。仙台市から車を走らせてきた横山眞志(71)は運転席から空き地を指さし、2月上旬に同行した記者に向かって教えてくれた。 横山眞志さんの自宅跡=2022年2月9日午前10時19分、福島県浪江町、申知仁撮影 横山は1951年1月1日、立野で稲作、養蚕、林業などを営む家の長男として生まれた。60歳になるまで生家で暮らした。町農協(合併後はJAふたば)職員との兼業農家だった。 集会所のあった付近から少し山側に入り、生家のあった敷地に着いた。4年前に解体された自宅の面影を残すものはない。 突然奪われた日常 自宅跡に残した白いコンテナ 変わってしまった「ふるさと」。脳裏に浮かぶ立野での暮らしは、一生続くと思っていた。 近くの山から湧き水をタンクで集め、水道代わりに。秋には結婚して仙台に引っ越した次女が、家族を連れて稲刈りの手伝いに来てくれた。休日は孫と一緒に家のそばの坂道に寝転がり、何もせず青空を眺めるのが楽しみだった。 震災前、立野には約900人が暮らしていた。住民同士の付き合いは深く、夏は盆踊りや花火大会で盛り上がった。神楽の芸能保存会もあり、結婚や出産のたびに奉納に来てくれた。2008年に父親が亡くなった時は、葬儀に600人以上が駆けつけてくれた。 そんな暮らしは突然、奪われた。東京電力福島第一原発の事故で、住民はちりぢりに避難。横山も仙台市の次女宅に駆け込んだ。立野地区は原発から半径20キロ圏内で、一帯に避難指示が出された。その夏、仙台市内の借り上げ住宅に移った。 東日本大震災、そして東京電力福島第一原発事故は多くの人の人生を狂わせました。その中の一人、横山さんのふるさとへの思い、葛藤を描きます。(文中敬称略、年齢は現在) 横山が、立野の自宅跡地に残… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル