2022年3月4日 21時34分(2022年3月4日 22時45分更新) 株価を維持する目的で不正な取引を繰り返したとして、東京地検特捜部は4日、SMBC日興証券(東京都千代田区)の専務執行役員でエクイティ本部の本部長ヒル・トレボー・アロン容疑者(51)ら4人を金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕し、発表した。本社に家宅捜索も入った。大手証券が同容疑で刑事責任を問われるのは極めて異例。 ほかに逮捕されたのは、執行役員で同本部の副本部長アヴァキャンツ・アレクサンドル(44)、同本部のエクイティ部部長・山田誠(44)、同本部のエクイティ・プロダクト・ソリューション部部長・岡崎真一郎(56)の3容疑者。関係者によると逮捕前の任意聴取に「通常の業務の範囲内だった」などと違法性を否定したとされる。 特捜部の発表などによると、2019年12月~20年11月、東証1部上場の5銘柄について、市場が閉まる直前に指し値で買い注文を大量に入れるなどして、終値が前日よりも大幅に下落しないよう安定させる操作をした疑いがあるという。 これらの銘柄はSMBC日興が扱う「ブロックオファー」取引の対象だった。同取引では、大株主から売却の意向があった株を市場外で買い取って顧客に売り出す。売買価格は取引予定日の市場の終値を基準に決まり、SMBC日興は差益を得る。 4人は市場で値崩れして大株主が売却を撤回しないよう、前日の終値程度を目標価格に設定し、自社資金で買い支えていたという。 この事件では証券取引等監視委員会が昨年6月にSMBC日興本社を強制調査していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
SMBC日興証券を家宅捜索、相場操縦の疑い 東京地検特捜部
2022年3月4日 21時34分 株価を維持する目的で不正な取引を繰り返した疑いがあるとして、東京地検特捜部は4日、金融商品取引法違反(相場操縦)容疑でSMBC日興証券本社(東京都千代田区)の家宅捜索に入った。複数人を逮捕する方針で、大手証券が同容疑で刑事責任を問われるのは極めて異例。 担当者ら「通常業務の範囲内だった」 関係者によると、SMBC日興の「グローバル金融ソリューション部」は、大株主から売却の意向があった株を立会時間外で買い取り、SMBC日興の顧客に売り出す「ブロックオファー」取引を担当。売買価格は取引予定日の終値を基準に決まる仕組みで、SMBC日興は差益を得るが、大株主は値崩れすれば売却を取りやめることも可能だ。 同部は2020年に担当した複数の銘柄で、ブロックオファー取引が確実に成立するように、自社資金で株式を売買する「エクイティ部」に買い支えを依頼。エクイティ部は市場が閉まる直前に対象銘柄を高値で大量に買い付ける注文を出すなどの不正な操作をした疑いが持たれている。取引成立の目標となる株価を設定し、両部門で共有していたという。担当者らは特捜部の任意聴取に「通常業務の範囲内だった」と違法性を否定したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
送別会シーズンなのに 重点措置21日まで延長 飲食店に落胆広がる
有料会員記事 武田啓亮、東谷晃平、狩野浩平、堀越理菜2022年3月4日 22時10分 新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が18都道府県で21日まで延長されることが4日、決まった。送別会シーズンが本格化するなか、飲食店への営業制限が続く。対象地域の店主らからは落胆と不安の声が相次いだ。 東京・銀座のコリドー街にある家庭料理が売りの「家めし 殊衆(しゅしゅ)」店主、佐藤則子さん(51)は「延長されるだろうと思っていたので驚きはない」という。昨秋に酒の提供ができるようになってからも客足は戻らない。貯金を切り崩し生活費に充てる日々が続く。 3、4月はコロナ禍でなければ書き入れ時だが、「去年に続き、今年の送別会シーズンも期待できそうにありません」とあきらめ顔で語った。それでも「店は私にとって子どものようなもの。どんなに苦しくても、閉店はしない」と話した。 名古屋市中区にある料理屋「… この記事は有料会員記事です。残り1166文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北京パラ開会式、ウクライナ選手団の入場に大きな歓声
2022年3月4日 22時11分 4日に開幕した北京パラリンピック。開会式の入場行進でひときわ大きな歓声が上がったのが、4番目にウクライナが登場した瞬間だ。 「ウクライナ!」 国名がアナウンスされた瞬間、観客席の招待客や記者席から、大きな拍手がわいた。立ち上がって声援を送る姿もあった。入場行進したウクライナの選手団は20人ほど。車いすに乗った一人は行進中、左手を空に高く突き上げ、自分たちの存在をアピールしていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国大協がウクライナ侵攻非難の声明 ロシアからの留学生にも配慮
ロシアによるウクライナ侵攻について、国立大学協会は4日、「武力による一方的な現状変更の試みは、全く容認できない」と批判する声明を出した。 国大協は同日、定例の総会を開き、学長たちから声明を出すべきだとの意見が相次いだ。これを受け声明は、「侵攻は平和を願う私たち国際社会への挑戦」だとして、「侵攻の即時停止と、平和的な解決を強く望む」と訴えた。 一方で、各大学にはロシアからの留学生らも在籍しているため、「ウクライナとロシアからの留学生、研究者とその家族には、今回の事態に伴うトラブルや不利益が生じないよう、国立大は心のケアも含め、適切に対応する」とした。 ウクライナ侵攻をめぐっては、東京大や北海道大の学長が「許容できない」などとする声明を発信。広島大の学長は、ロシアのプーチン大統領が「ロシアは世界で最も強力な核保有国の一つだ」と述べたことに対し、「強く抗議する」と訴えている。(編集委員・増谷文生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「殺すぞこら」「完全にダメ人間」 神戸大、暴言の准教授2人を停職
小野大輔2022年3月4日 19時37分 神戸大は4日、学生に暴言を繰り返したなどとして、40代の男性准教授2人をいずれも停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。 人事課によると、准教授の一人は昨年1月、ミーティングを無断欠席した学生を研究室に呼び出し「お前不可だぞ。ここでぶん殴ってやりたいとこなんだなあ。殺すぞ、こら」と怒鳴って椅子を蹴り飛ばした。 大学の調査で、10人以上の学生に対し「殺すぞ」「馬鹿」などの言動が確認されたという。准教授は「怒りで理性を失った」と説明しているという。 もう一人の准教授は2020年秋、研究室に属する学生に「幼稚すぎて指導するレベルに達していない」「君は完全にダメな人間や」などと人格を否定する発言を繰り返したという。 学生の相談を受けて研究科長が大学側のハラスメント防止対策本部に報告。大学のその後の調査で、この准教授をめぐって13年以降、10人以上の学生が研究科へアカデミック・ハラスメントの被害を相談していたことが判明した。 研究科は准教授にその都度注意したが、大学に報告はしていなかった。人事課は「隠匿とは認められないが、研究科の対応には疑問が残る」としている。 大学の調査では、研究室の複数の学生らから「ゼミは長時間にわたって理不尽な叱責(しっせき)が科される場所だった」との証言もあったという。 准教授は調査に対し「熱心に指導する中で、学生を追い込む形になってしまった」と説明しているという。 人事課は「ハラスメントに関する就業規則の順守を周知徹底し、再発防止に努める」とのコメントを出した。処分者の特定につながるとして、准教授の所属する学部・研究科は明らかにしていない。(小野大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
10年前の強盗容疑、大阪府警が誤認逮捕認める 別人を送検、不起訴
荻原千明2022年3月4日 19時53分 大阪府泉大津市のコンビニエンスストアでの強盗容疑で10年前に男性(31)を逮捕した事件について、大阪府警は4日、別の男性を窃盗容疑で書類送検し、発表した。逮捕された男性は窃盗罪で起訴され、無罪判決が確定したが、勾留は約10カ月間に及んだ。府警は誤認逮捕と認め、4日に男性に謝罪した。 府警によると2012年6月、同市のコンビニで現金1万円が奪われた。男はマスクを買うように装い、店員がレジを開けると、現金をつかんで逃走した。 泉大津署は同8月、自動ドアに残されていた指紋などから現在ミュージシャンとして活動する同市の土井佑輔さんを強盗容疑で逮捕した。大阪地検岸和田支部は窃盗罪で起訴したが14年7月、大阪地裁岸和田支部が無罪を言い渡し、確定した。土井さんが国と府に慰謝料などを求めた訴訟は棄却されている。 府警は未解決の強盗事件と位置づけ、今年6月の時効を前に21年10月、改めて現場に残された指紋を登録システムで照会。レジカウンター付近に落ちていたポリ袋に付いていた指紋が別の30代男性のものと一致することが判明し、任意で事情聴取した。容疑が固まったとして今月4日、大阪地検に窃盗容疑で書類送検したが、窃盗罪の時効(7年)が過ぎており、同日に不起訴となった。 合致の指紋登録も、確認できず 「反省すべき」 刑事総務課によると、今回一致した指紋は、土井さん逮捕後の12年後半に登録されたが、指の種類を絞って照会しており、確認できていなかった。熱田好司(たかし)課長は「男性(土井さん)やご家族に申し訳なく、当時の捜査については大変反省すべきだと思っている」と話した。 土井さんは冤罪(えんざい)撲滅を訴えるライブ活動をしている。取材に「時効間際までなぜきちんと指紋を調べなかったのか。自分は10年間苦しんできた。警察や検察幹部から謝罪は受けたが、当時取り調べた警察官らに謝ってもらいたい」と話した。(荻原千明) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道十勝沖地震から70年 国内で例のない流氷津波、その次は
北海道東部の太平洋沿岸で1952(昭和27)年3月4日、津波が襲い、死者28人、行方不明者5人が出た「十勝沖地震」から70年が過ぎた。その後も道内では死者・行方不明者が出る震災が計8回起き、次は千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震が懸念されている。札幌管区気象台地震情報官の阿南恒明さん(58)に道内の地震の特徴や、命を守るための注意点を聞いた。 ――52年の十勝沖地震の特徴を教えてください。 午前10時22分に発生したマグニチュード(M)8・2の大地震です。浜中町霧多布(きりたっぷ)地区など太平洋沿岸では、流氷を伴う津波が押し寄せ、家屋が流されるなど被害が出ました。同じような被害は、国内でほかに確認されていません。 北海道で活発な地震活動 十勝沖からロシア・カムチャ… この記事は有料会員記事です。残り1564文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
土で作られた日本最古の塑像、「異例」と呼ばれるその訳とは
当麻寺・弥勒如来坐像 奈良県葛城市の当麻(たいま)寺金堂には、塑像(そぞう)で日本最古とされる「弥勒(みろく)如来坐像(ざぞう)」(国宝)が安置されています。制作年代は白鳳時代の681年ごろです。 粘土などの土で形を作る塑像ですが、表面に布を貼り、上から漆と金箔(きんぱく)が施されています。高さは2・2メートルで、厚みのある体やふっくらと張りのある顔が重厚感を放っています。 弥勒如来は、釈迦の入滅後、56億7千万年後に人間界に現れて人々を救う未来仏のことです。「当時の人々は弥勒さまとともに仏になって、苦しみから解放されることをここで願ったのでしょう」と当麻寺奥院の川中教正副住職(44)は話します。 日本最古の塑像であることと… この記事は有料会員記事です。残り304文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生きづらさも発達障害もありのままに 文章を書くことで広がる世界
私は、発達障害がある長男(22)には好きなことを伸ばして成長してほしいと思ってきた。「書くこと」で何を得られているんだろう。本紙朝刊の「声」の投稿者を訪ねた。 青森県三沢市の米軍基地。「トイレで手を洗い、容器に採取して……」。山根寛子さん(43)は、迷彩服に身を固めた米兵に流暢(りゅうちょう)な英語で話しかけた。基地で違法薬物の検査のための検体採取の仕事をしている。 私は文を書くことが長所です 事務職員 山根寛子(青森県 41) 「絵を描くことは私の長所だ」という中学生の投稿を読んだ。「自信がない私にとって、たった一つの自分の強みだと感じる」とあった。私も同じと気づいた。成人後、発達障害との診断を受けた。自信がなく、取りえもないと思っていた。でもこの方と同じように好きなこと、つまり書くことを続けてきた。少しずつ自信を持てるようになった。(2020年4月24日、「声」欄投稿要旨) つまずきを感じたのは大卒後、就職をしてからだった。得意の英語を生かし、決まった作業は着実にこなす。だが、複数の仕事が重なると混乱した。上司らが「普通はできるでしょ」といらだつたびに「消えたい」と思った。職場を転々とし、スーパー事務員だった2015年、うつ病と診断され休職。その後退職し、16年3月に現在の仕事に就いた。 5年ほど前、知人から「発達… この記事は有料会員記事です。残り793文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル