漫画家・水木しげるさんの出身地で「さかなと鬼太郎のまち」を掲げる鳥取県境港市のご当地菓子パン「ブドーパン」が約70年の歴史に幕を下ろす。製造する伯雲(はくうん)軒(境港市末広町)が3月に廃業するためだ。親しんできた市民からは惜しむ声があがり、スーパーでは品薄状態になっている。 ブドーパンはレーズン入りの生地にバタークリームを挟んだパン。ふかふかでシナモンが香る生地に、ラム酒入りの自家製クリームがマッチする。 伯雲軒は妖怪のブロンズ像が並ぶ「水木しげるロード」近くの路地にたたずむ。1897(明治30)年、菓子製造業を始めた。店名は1916(大正5)年、伯耆(ほうき)国(鳥取県)に出雲国(島根県)から移転してきたことにちなむ。戦後、配給パンを製造したことを機に製パン業となった。 4代目社長の山本敏則さん(65)によると、ブドーパンは約70年前、戦後のパンが売れない時代に先代が考案したという。かつては幼稚園で給食に採用されたこともあり、境港市民のソウルフードとして親しまれている。 ■自分も育ってきた… この記事は有料会員記事です。残り1017文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍で客足遠のく3・11伝承施設 語り部、オンラインに活路
東日本大震災からまもなく11年。新型コロナウイルスの「第6波」に見舞われる岩手、宮城、福島の被災地では、伝承施設の来館者数の落ち込みが目立つ。教訓の継承に向けて、各団体はオンラインでの活動などに活路を見いだすが、長引くコロナ禍に苦悩が続く。 今月17日の昼前。宮城県気仙沼市の「市東日本大震災遺構・伝承館」の館内を訪れる人はまばらだった。同館で語り部をしている菊田忠衛さん(72)は「忙しい時には、午前中から団体客でにぎわうんですが」と声を落とした。 同館は2019年3月にオープン。4階まで津波が襲った気仙沼向洋高校旧校舎を遺構として活用し、流された車が校舎3階に入り込んだ姿などを今に残す。感染が落ち着いていた昨年10、11月は校外学習の生徒などでにぎわい、1カ月で7千人近くが訪れた。 オミクロン株感染拡大で修学旅行客が激減 ただ、1月にオミクロン株の… この記事は有料会員記事です。残り1320文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
終戦直前に響いた「白線流し」の歌 隠された反戦への願いとは
岐阜県立斐太(ひだ)高校(高山市)で卒業式後にある伝統行事「白線流し」で歌い継がれている歌がある。歌詞には、ともに学んだ仲間との別れを惜しむ気持ちがあふれるが、その背景には第2次世界大戦のさなか、勉学をあきらめ、死を覚悟しながら出征していった学友への思いも隠されている。 白線流しは男子生徒の学帽の白線と、女子生徒の制服のスカーフを結び、高校前の川に流す行事。約80年前に始まったとされ、テレビドラマの題材にもなった。卒業生は川岸で悲しげなメロディーが特徴の「巴城ケ丘(はじょうがおか)別離の歌」を歌うのが習わしだ。 作詞作曲は、同校OBで昨年1月に93歳で亡くなった河内(こうち)敏明さん。戦中に斐太高(当時は旧制斐太中)に学んだ。 残された手記によると、予科… この記事は有料会員記事です。残り1169文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
橋の工事で前町長起訴、官製談合か 最低制限価格との差10万円未満
香川県土庄町発注の沖之島の架橋工事をめぐる官製談合事件で、高松地検は24日、前町長の三枝邦彦容疑者(63)を官製談合防止法違反などの罪で起訴し、発表した。三枝容疑者のほかに、高松市の建設会社「タチバナ工業」役員の松田善雄容疑者(67)と同市の設計施工会社「平成機工」の会社員の真嶋忠雄容疑者(74)も公契約関係競売入札妨害の罪で起訴した。地検は3人の認否を明らかにしていない。 起訴状によると、三枝容疑者… この記事は有料会員記事です。残り338文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
甲府で住宅全焼、1人の遺体
三ツ木勝巳2022年2月26日 9時40分 26日午前0時5分ごろ、甲府市和戸町の2階建て住宅から炎が出ているのをパトロール中の警察官が見つけた。火は約3時間半後に消し止められたが、住宅は全焼。甲府署によると、焼け跡から男性1人の遺体が見つかり、住人の70代女性が病院に運ばれた。女性は軽傷という。 同署によると、女性は40代の息子と2人暮らしで、この息子と連絡が取れていないという。同署は遺体の身元や出火原因などについて調べを進めている。(三ツ木勝巳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警察署に虎のフェルト人形 きっかけの死亡事故、署員が込めた思い
福岡県春日市の春日署で、交通課の来客用窓口に1月から虎のフェルト人形が飾られている。署員が交通事故の撲滅を願い、手づくりしたものだ。その思いを強めたきっかけは、昨年に管内で起きた死亡事故だった。 人形は立体的なデザイン。はがきサイズの台紙から、フェルト生地でつくられた虎が元気よく紙を突き破って上半身を出している。台紙には、今年の年号「2022」とともに、「交通事故を0にしタイガー」とのメッセージが書かれている。 つくったのは、署で車両整備士として働く論手(ろんて)真樹さん(47)。自動車販売会社に勤めていたが、警察官だった父の影響で、28歳で県警の行政職員になった。 論手さんは、警察車両の不具合によって事故が起きないよう、日々の整備に力を入れている。警察車両が事故に絡むと、修理でしばらく使えなくなり、補充はない。パトロールにも支障が出るので、重要な仕事だ。 署では今年、年賀状の代わりに署員からはがきサイズの紙に書いた新年の抱負を募り、会議室に飾る企画を始めた。 趣味で絵を描いたり、フェルト人形をつくったりしていた論手さんは、今年の年男。イラストではなく、干支(えと)の人形をつくろうと思いついた。「自分が整備したパトカーが、事故に遭うことがないように」との願いとともに、別の特別な思いも込めた。 昨年11月24日、春日市内… この記事は有料会員記事です。残り561文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「森友学園」の交渉記録不開示、国の賠償責任が確定 最高裁
阿部峻介2022年2月25日 18時30分 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐる公文書の開示を請求した大学教授が、不開示とした国の対応は違法だと訴えた裁判で、情報隠しを認め国に33万円の賠償を命じた一審・大阪地裁、二審・大阪高裁判決が確定した。最高裁第三小法廷(戸倉三郎裁判長)が教授の上告を退けた。22日付の決定。国は上告していなかった。 原告の上脇博之(ひろし)神戸学院大教授は、近畿財務局と学園との交渉記録を開示しなかったのは違法だと訴えた。地裁は、学園と安倍晋三・元首相の妻・昭恵氏の関係や売却手続きに疑問を示す報道が2017年に出てから、追及を避けるため国が交渉記録を存在しないことにしたと指摘。「意図的に不開示にしており相当に悪質」と違法性を認定し、適切な開示を受ける「人格的な利益」を傷つけたとして賠償も認めた。高裁も支持した。上脇教授は一部の認定をめぐり上告していた。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
連合赤軍、凄惨なリンチ殺人 「死刑にしたくない」取り調べた検事は
連合赤軍事件から50年になる。1972年2月、「共産主義革命」を目指した若者たちが「あさま山荘」に立てこもり、その後、同志のリンチ殺人も発覚した。弁護士の古畑恒雄さんは当時、検事としてメンバーを取り調べ、いまも無期懲役が確定した元幹部の身元引受人を務める。連合赤軍事件とは何だったのか。古畑さんに聞いた。 ふるはた・つねお 1933年長野県生まれ。更生保護法人理事長。高卒後、代用教員を経て大学に進み、検事に。法務省保護局長、最高検公判部長などを歴任。 「総括」の名の下に12人が殺害された ――50年前、あさま山荘事件の現場に行かれていますね。 「1972年2月19日の午後でした。当時、私は39歳で、長野地検で公安担当の検事をしていました。その日は土曜で、スキーに出かけようと板を車に積み込んでいると、妻から『検察庁から電話』と呼ばれました。『怪しい男女2組の4人が軽井沢駅で捕まった。連合赤軍のメンバーかもしれない』という連絡でした。すぐに検察庁の車で軽井沢署に向かいました。署にはこうこうと電気がつき、多くの人が右往左往していました」 「軽井沢署に到着後、連合赤軍のメンバー5人があさま山荘にライフルを持って立てこもっていると聞かされました。現場を見ておいた方がいいと思い、真っ暗な中を検察車両で山荘の近くまで行きました。沿道にはすでに警視庁の機動隊がいて、現場ではヒューンというライフル銃の音がしていました」 「翌20日、私は駅で逮捕された4人に、直後の言い分を聞く弁解録取をすることになりました。最初に向き合った男性に職業を尋ねると、彼は私をじっと見て『革命戦士です』と答えました。事実関係は『黙秘します』でしたが、落ち着いていて、礼儀正しかった。その後、私はこの男性の担当になり、勾留期間の20日間、取り調べをすることになります」 ――取り調べはどのようなものだったのですか。 「当初は男性がリンチ殺人をしているとは、想像もしていませんでした。医学部の大学生で、父親が田舎から面会に来たときも、『お父さん、(行方不明だった息子さんの行方がわかって)よかったですね。遠からず帰っていくので大学に戻してください』と言ったぐらいです。父親は、母親と祖母の手作りのぼた餅を持参して男性を説得したのですが、彼は『お前は俺の父親じゃない。早く帰れ』と言い返し、父親は肩を落として帰って行きました」 「男性と私は、少しずつ話をするようになりました。男性からドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがあるかと問われ、途中で投げ出したと答えると、『一度読んでください』と言われました。長い検事生活で被疑者から読書を勧められたのはこのときだけです。彼が『また読みたい』というので、書店で上・中・下の文庫本3冊を買って差し入れました。接見禁止がついていて、だれからも差し入れが入らない状態でしたからね。取り調べの合間に人生論議もするようになり、互いに通じ合うものが生まれていったように感じました」 取り調べを進める中、男性は自白。その一連の犯行に驚いた古畑さんは、それでも「この男性を死刑にしたくない」と思ったと話します。その理由は何だったのでしょうか。記事後半では「寄り添い弁護士」として活動する古畑さんが、仮釈放をめぐる問題について語ります。 ――その後、事態が変わるのですね。 「2月28日にあさま山荘が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
内密出産「違法でない」と見解 法整備には慎重姿勢 参院予算委
熊本市の慈恵病院が国内初の実施を表明した「内密出産」をめぐり、25日の参院予算委員会で質疑がかわされた。後藤茂之厚生労働相は「慈恵病院が採用している方法であれば現行制度下で対応可能。違法ではない」との認識を示した。一方、病院や熊本市が求めている法整備は「現時点で対応が可能であることを踏まえ、今すぐ法制度の検討を行うかどうかは検討がいる」と述べ、慎重な姿勢をにじませた。 国民民主党の伊藤孝恵氏の質問に答えた。岸田文雄首相も答弁に立ち、子どもの出自を知る権利▽未成年が内密出産を希望する場合の支援のあり方などの課題を挙げ、「法整備となると課題を一つ一つ乗り越えながら、慎重に議論を深める必要がある」と述べた。 古川禎久法相は、出生届がなくても、首長職権で赤ちゃんの戸籍がつくれると説明し、現行法で対応可能との認識を強調した。生まれた子の親が自らの意思で出生届を出さなかった場合、出産に立ち会った病院の医師が届を出さないことで過料を科されることはないとの見解も示した。 現行法下で内密出産をする場… この記事は有料会員記事です。残り475文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡県の新型コロナの死者20人 過去最多、全員70代以上
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