桑原紀彦2021年12月7日 17時30分 私立大学のガバナンス(統治)強化策を議論し、現行制度を大幅に変える案を打ち出した文部科学省の有識者会議の報告書をめぐり、末松信介文科相は7日の記者会見で「(関係者の)意見が十分考慮されなかったという指摘については真摯(しんし)に受け止めなければならない」と述べたうえで、報告書以外に各方面の意見も聴いた上で、ガバナンス強化のための法案作りを進める考えを示した。 有識者会議は7月に設置され、今月3日、学校法人の最高議決機関を、学内関係者の理事会から評議員会に変更する最終報告書をまとめた。評議員会を学外の人だけの組織にすることも求めている。 同会議の委員は大学教授や弁護士、公認会計士らが中心で、私立大の団体は「(大学運営の)現場の声を反映させることなく議論を進めた」などと反発している。会見で末松文科相は「利害関係者の方を(委員に)バランスよく入れたかどうかという点については検証しなければいけない」と語った。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山手線や京浜東北線でワンマン運転導入へ 2025~30年めど
小川崇2021年12月7日 17時56分 JR東日本は7日、山手線などの首都圏の主要路線でワンマン運転の導入を進めると発表した。2025~30年ごろの実現を目指す。対象路線は山手線や京浜東北・根岸線、南武線、横浜線、常磐線(各駅停車)など。一部の路線には自動列車運転装置(ATO)を導入するという。 今後、車両の運転台にモニターやマイクをつけ、乗客の乗り降りが確認できるカメラをホームに設置するなどの工事を進める。今年に入ってから走行中の車内で刺傷事件が相次いでいるが、同社の担当者は「異常時には、運転士の代わりに指令が乗客と会話できるような対策は進めていく」と説明している。(小川崇) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
12棟被害の火災、放火容疑で男逮捕「コンロの火に紙を近づけた」
2021年12月7日 13時00分 東京都江東区で6日朝、住宅やアパート計12棟が焼けた火災で、警視庁は7日、住民の無職時庭和一容疑者(57)を現住建造物等放火容疑で逮捕し、発表した。調べに容疑を認め、「火をつけたことに間違いない。自殺しようと思った」と話しているという。 城東署によると、時庭容疑者は6日午前4時ごろ、同区大島8丁目の自宅に火を放ち、自宅や隣接する住宅、アパートなどを全半焼させた疑いがある。2棟が全焼し、計約230平方メートルが焼けた。「コンロの火に紙を近づけた」と説明しているという。時庭容疑者は火災でやけどを負い、病院で手当てを受けていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
販促用の巨人戦チケット、着服し転売容疑 51歳元課長を逮捕
大山稜2021年12月7日 13時09分 勤務先の会社が営業用に入手したプロ野球巨人戦のチケットを横領し、インターネット上で売ったとして、警視庁は元機械製造販売会社員で無職の田辺宏明容疑者(51)=埼玉県川越市田町=を業務上横領とチケット不正転売禁止法違反の疑いで逮捕し、7日発表した。2013年以降に254枚を売り、計547万円を得ていたとみている。 生活安全特別捜査隊によると、逮捕容疑は、東京都内の機械製造販売会社で課長をしていた3~4月、会社から巨人戦の年間指定席チケット4枚(定価計7万8124円)を着服し、ネットで都内の男性2人に計約9万5千円で転売したというもの。チケットは得意先への営業用で、田辺容疑者が管理を任されていた。容疑を認め、「生活費の蓄えにした」と話しているという。 巨人側が4月、年間指定席のネット上でのチケット転売について警視庁に相談していた。同隊が取引が行われているサイトを調べ、田辺容疑者の関与が浮上したという。虚偽の記録簿を作っており、勤務先は気づいていなかった。 プロ野球やアーティストのコンサートのチケットをめぐっては、ネットを介した高額転売が後を絶たず、警視庁が9月、日本野球機構や音楽団体など6団体と関連情報を共有する協定を結び、取り締まりを強めていた。同隊は10~11月にも、同じようにチケットを転売したとして、都内の50代の男2人をチケット不正転売禁止法違反容疑で書類送検していた。(大山稜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
筑波大教授、20代女性の胸など触った疑いで逮捕 大学内で複数回か
2021年12月7日 13時41分 大学内で20代女性の胸などを触ったとして、茨城県警は7日、筑波大生命環境系教授の大澤良容疑者(61)=茨城県つくば市千現1丁目=を強制わいせつ容疑で逮捕し、発表した。大澤容疑者は「強制的にわいせつな行為をしたという認識はない」と容疑を否認しているという。 つくば署によると、大澤容疑者は、大学にある建物内で今年4月から9月にかけて複数回、県内に住む20代女性の胸などを無理やり触った疑いがある。11月18日に女性が署に相談に訪れていた。 筑波大のホームページによると、大澤教授の専門分野は遺伝育種科学と生物資源保全学という。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
判決ではない「本当の区切り」に いじめ自死、謝罪要望を拒む県教委
いじめを受け、2013年に自ら命を絶った熊本県立高校1年の女子生徒(当時15)の母親(54)が5日、これまでの8年間と現在の思いを支援者に伝える報告会を熊本市内で開いた。母親は、裁判で県の賠償責任が認められた後、学校関係者から謝罪はないと明かし、「ものすごく悲しい」と語った。 生徒は13年4月に県立高校に入学し、付属の寮に入った。そこで同級生から、脅迫的なLINE(ライン)のメッセージを送られるなどした。夏休みで帰省中の同年8月、実家で自殺した。 遺族は16年、元同級生1人と県に損害賠償を求めて熊本地裁に提訴。19年の地裁判決は元同級生にのみ支払いを命じた。20年の福岡高裁判決は「いじめへの不適切な対応で、生徒は精神的苦痛を受けた」などとして、県に220万円の支払いを命じ、確定した。 5日の報告会で、母親は「事実を明らかにするには裁判という形を取るしかなかった」と話した。裁判では県側が、家庭に問題があったなどの主張もしたといい、「勝手に娘の人物像を作り上げていたことが、あまりにもかわいそうで悲しかった」と振り返った。 判決の後、当時の担任や寮の舎監長、校長との面会を弁護士を通じて県教委に要望したが、かなっていないという。「娘に手を合わせる心で謝罪してもらうことが、本当の一つの区切りだと思っている。これではいじめも学校の対応も何も変わらない」と話した。そして、「失った娘はどんなことをしても取り戻せないが、謝罪は私たち家族にとって、とても大切なことだった。それができない理由を教えてください」と訴えた。 県教委「公務員個人の責任ではなく組織として対応」 一審で意見書を出した、いじめ問題に詳しい立命館大大学院の春日井敏之教授(臨床教育学)は報告会で、「本来なら助かる命が救えなかった。子どもたちのトラブルを丁寧に解きほぐして解決を図る努力をすべきなのに、逆に追いやってしまったことが無念でならない」と話した。 学校の不適切な対応は、いじめている子どもの指導や支援の機会を失することにもなると指摘。いじめの認知などは学校が組織として対応しなければいけないと強調した。また、再発防止策は教育委員会任せにせず、知事などの首長が率先して示すことも大事だと述べた。 県教委学校安全・安心推進課の坂本一博・審議員は取材に、遺族が望む学校側との面会がなされていないことについて、「公務員個人の責任ではなく学校組織としての対応の責任が問われたものと認識しているため、(遺族の要望には)県教委として対応したい」と説明した。当時の校長ら教員3人も、面会を辞退したい旨の意向を示したという。 二審判決後、当時の担任と舎監長には、現在所属する学校の校長を通じて判決文を渡し、校長が再発防止に向けた助言をしたという。定年退職した当時の校長にも口頭で内容を伝えたという。県教委として再発防止に向けた取り組みを進めているという。(堀越理菜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡空港の関係者用トイレで盗撮か、JALグループ会社の社員を逮捕
杉山あかり2021年12月7日 11時50分 福岡空港の関係者用トイレで盗撮したとして、福岡県警は6日、福岡県久留米市山川町、村木泰裕容疑者(37)を県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕し、発表した。「女性が用を足すところを見たかった」と容疑を認めているという。日本航空によると、村木容疑者は同社のグループ会社「JALグランドサービス九州」の社員で、乗客の手荷物の積み込みなどの業務の担当という。 空港署によると、逮捕容疑は11月28日午前10時ごろ~29日午前8時40分ごろ、福岡空港の国内線旅客ターミナルビル内で、空港関係者専用の女子トイレの個室に小型カメラを設置し、利用者を盗撮したというもの。カメラはトイレットペーパーホルダーの隙間に両面テープで貼り付けてあったという。関係者専用のトイレは、許可証がないと入れない場所にあるという。 11月29日朝に清掃員が小型カメラに気づき、ビルの管理会社を通じて署に通報。このカメラで録画された動画には村木容疑者がカメラを設置する様子も映っていた。12月6日朝に村木容疑者が署に出頭したという。カメラには数十人の女性が映った動画が残されていたという。 日本航空広報部は「当該社員が逮捕されたのは大変遺憾。事実関係を調べた上で厳正に対処する」とコメントを発表した。(杉山あかり) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
真珠湾攻撃で魚雷放った103歳 暗闇の「銀色」に「訓練じゃない」
「戦いに選ばれた幸せ」と「生きて帰りたい」という願い。真珠湾攻撃に参加した男性は、103歳になった今も、出撃前に心が揺れたことを覚えている。あの日から80年になるが、強く思う。「戦争をしないで、もう少し腰を据えて外交交渉をしたらよかったんじゃないかな」 東京都足立区の吉岡政光さんは、20代で巻き込まれていった戦争を忘れることはない。 真珠湾攻撃を振り返る吉岡政光さん=2021年11月22日午後3時48分、東京都足立区、瀬戸口和秀撮影 1941年。日本は4年前に始めた中国との戦争が泥沼化。資源を求め東南アジア攻略を目指して南部仏印(ベトナム南部)へ軍を進めると、米国は石油の全面禁輸などに踏み切り、対米交渉は行き詰まった。天皇と重臣らによる御前会議は11月5日、対米交渉が打ち切られた場合、12月初旬の開戦を決断した。 11月下旬、千島列島の択捉(えとろふ)島にある単冠(ひとかっぷ)湾。日本海軍の空母「蒼龍(そうりゅう)」「赤城(あかぎ)」などが続々と集結していた。蒼龍の艦載機の搭乗員だった吉岡さんもその場にいた。 空母「蒼龍」に乗っていた頃の吉岡政光さん=本人提供 これからハワイに奇襲攻撃をかける――。 集結後まもなくのことだった。空母6隻などからなる機動部隊を率いる南雲忠一中将の訓示が読み上げられた。 日本よりも戦力があると思っていた米国に対する攻撃に、「これは俺の死に場所だな」と思った。 米国を憎いと思ったことはな… この記事は有料会員記事です。残り1393文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
同僚男性の鼻に練りガラシ 作業員の男2人を共同暴行容疑で逮捕
2021年12月7日 7時30分 大阪府高石市の工場内で、一緒に働いていた20代の男性に対し、鼻に練りガラシを入れるなどの暴行を加えたとして、大阪府警は6日、作業員の男2人を暴力行為等処罰法違反(共同暴行)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、逮捕されたのはいずれも大阪府岸和田市に住む作業員で、35歳の男と31歳の男。2人は容疑を認めているという。 2人の逮捕容疑は、高石市の化学メーカーの工場内で9月下旬、男性作業員の体を結束バンドで縛り、10月中旬には体を押さえつけて鼻に練りガラシを入れる暴行を加えたというもの。 府警が押収した2人の携帯電話から、男性が暴行される様子が撮影された画像や動画が見つかった。男性は府警に対し、「他にも暴行を受け、日常的に職場でいじめられていた」と話しているという。 容疑者の2人はそれぞれ別の土建会社の作業員で、男性も別会社に所属する作業員だが、3人は同じ化学メーカーの工場で一緒に働いていた。業務は工場設備の整備などだった。 捜査関係者によると、暴行は工場内の休憩スペースで行われていたとみられる。男性は現在、休職しているという。府警は男性から被害届を受け、11月中旬に工場内を家宅捜索し、捜査を進めていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熱海土石流、県警が告訴受理 遺族「全部洗いざらいはっきりさせて」
【静岡】7月に熱海市で起きた土石流の犠牲者の遺族ら5人の刑事告訴が6日、熱海署に受理された。容疑は殺人。危険性を知りながら何もしなかったことが「不作為の殺人」にあたると主張する遺族。捜査の過程で何があって、何がなされなかったのか全容が解明されることを期待している。 「悲しみはあの日から変わらない。全部洗いざらいはっきりさせてほしい」 告訴人の一人で、受理後取材に応じた小磯洋子さん(71)は、時折言葉を詰まらせながらそう語った。 遺族が重視したのが、県と熱海市が10月に公表した調査結果だ。県と市は盛り土を造成した業者や現在の土地所有者に対し、複数回にわたって盛り土崩落の危険性を指摘し、造成の中断や安全対策を求めていたことが明らかになった。しかし、工事は行われることなく放置され、7月の土石流につながった。 遺族らはそこに「未必の故意」が成立すると主張する。弁護団共同代表の加藤博太郎弁護士は「崩落すれば住民に危険が及ぶことが繰り返し指摘されていたのに何の対策も取らなかった。住民が死んでもいいという未必の故意があったと言わざるを得ない」として、不作為の殺人罪が成立するとしている。 告訴人の一人で、夫の徹さん… この記事は会員記事です。残り262文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル