伊藤和行2021年10月18日 22時15分 戦時中に朝鮮半島の人々を日本で働かせたことについて、歴史や公民の教科書を発行する高校と中学の教科書会社計6社が、「強制連行」という用語を「強制的に動員」などと訂正する申請を文部科学省に出し、11日に承認されていたことがわかった。閣議決定された答弁書の内容をふまえた。 文科省によると、訂正申請を出したのは、東京書籍、第一学習社、学び舎、山川出版社、実教出版、清水書院の6社の歴史や公民の教科書計13カ所。「強制連行」という記述は残したまま、注釈で答弁書の内容を付記する社もあった。 政府は4月27日、朝鮮半島から来た人々について「移入の経緯は様々であり、『強制連行された』もしくは『強制的に連行された』または『連行された』と一括(ひとくく)りに表現することは、適切ではないと考えている」などとする答弁書を閣議決定していた。「従軍慰安婦」という用語についても「単に『慰安婦』という用語を用いることが適切」との答弁書を閣議決定した。 これに対し、市民団体「子どもと教科書全国ネット21」は18日に記者会見し「常態化すれば、教科書の記述がいつでも政府の意向で変えられてしまう」と訴え、政府に答弁書の撤回などを求めた。この要求への賛同団体は192にのぼったという。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
空港の発電設備、4割が地震で損傷の恐れ 会計検査院が指摘
後藤遼太2021年10月18日 17時00分 災害で空港が停電しても管制塔などが使えるよう国が整備してきた運搬型の発電設備について、会計検査院が保管状況を調べたところ、全体の4割が地震で損傷する恐れがあることがわかった。検査院は18日、国土交通省と4空港事務所に対し、適切に保管するよう改善を求めた。 地震や津波などで停電しても、管制塔や航空灯火などの保安施設が停止しないよう国は予備電源を整備している。特に全国7カ所の拠点空港には、非常時に全国各地に運ぶことも想定し、運搬型の発電設備を配備。東日本大震災の時は、被災した仙台空港に全国から発電設備が運ばれ、電気を供給した。 検査院が、拠点空港の空港事務所などに配備された計98台の保管状況を調べたところ、4空港事務所が保管する39台(総額計約8億6千万円)は大地震で損傷するおそれがあった。内訳は東京空港事務所18台、大阪14台、新千歳4台、仙台3台。ボルトで床に固定せず床に置いただけの状態だったという。 検査院は「地震に十分耐えうる状態で保管されていない」と指摘。設置方法の改善やルールづくりを求めた。国交省は「内容をまだ把握していないので、コメントできない」とした。(後藤遼太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
CAにストーカー容疑、「見覚えない」と否認 羽田空港で声かけか
2021年10月18日 18時31分 航空会社の客室乗務員の女性に付きまとったとして、警視庁は18日、東京都大田区萩中1丁目の職業不詳、山根基之容疑者(40)をストーカー規制法違反の疑いで逮捕し、発表した。被害女性について「見覚えがない」と説明し、「ストーカー行為には該当しないと考えている」などと話しているという。 東京空港署によると、逮捕容疑は8月下旬から9月中旬の夕方から夜の間、客室乗務員の30代女性の自宅周辺で計9回にわたって女性を見張ったり、外出時につけ回したりしたというもの。個人的な関係はなかったが、女性は署の聞き取りに対し、2018年秋に羽田空港で山根容疑者から「職場はどこですか」などと声をかけられたと説明したという。 女性が今春、署に相談した。警察官が女性の周辺で警戒し、付きまとい行為を現認するなどしたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アダルトビデオのモザイク、AI技術で加工し公開 容疑の男逮捕
2021年10月18日 19時00分 人工知能(AI)の技術を悪用し、アダルトビデオ(AV)にモザイクがかかっていないように加工して著作権を侵害したとして、京都府警は18日、兵庫県高砂市の自称画像クリエーター中本正幸容疑者(43)を著作権法違反とわいせつ電磁的記録記録媒体陳列の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 モザイクがかかった小鳥の画像(左)。AI技術を使って加工処理した画像(右)では、モザイクがかかっていないように見えるという=京都府警本部 サイバー犯罪対策課によると、中本容疑者は1月、AVにかけられたモザイクがないように見える加工処理を施し、東京都のビデオ制作会社の著作権を侵害。加工したわいせつな画像10点を、自身のウェブサイトで公開した疑いがある。 中本容疑者が加工処理に使ったのは、不鮮明な画像を予測で補い、鮮明化させるAI技術。本来は画質を向上させるために使う技術という。中本容疑者はウェブサイトで「モザイクを無くし、クリアな動画を楽しみましょう」などと宣伝していたという。 府警は、押収したパソコンなどを分析した結果、昨年12月~今年8月に計約1万2千本の動画を販売し、約1100万円を売り上げたとみている。 京都府警本部=京都市上京区 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ロケットが飛び立つ町、元は原発の計画地 本州最南端の「魅力発信」
ロケット打ち上げのイメージ図=スペースワン提供 本州最南端の和歌山県串本町で近く、国内初の民間小型ロケット発射場が完成する。この土地は関西電力が原発建設を計画し、断念した後に町に寄付したものだ。地元はロケットでの町おこしを図る。原発計画が頓挫した土地は全国各地にあり、跡地利用は様々だ。 紀伊半島の先端近く。太平洋のリアス式海岸沿いの国道42号を車で行くと、白い建物とロケットの写真の横断幕が見えてくる。ロケット発射場「スペースポート紀伊」の総合指令棟だ。 キヤノン電子や日本政策投資銀行、清水建設などが出資する「スペースワン」(東京)が建設する。2021年度中に1号機を発射する計画で、20年代半ばには年間に20機の打ち上げを目指す。ロケットに搭載した衛星で地上の画像を撮り、分析して産業に生かす構想だ。 ロケット発射場の総合指令棟。斜面にロケット写真をあしらった横断幕が掲げられている。ロケットは奥の山間から打ち上げられる=2021年10月5日、和歌山県串本町田原、直井政夫撮影 串本町は人口約1万5千人。「ロケットの町」をPRし、打ち上げを見に来る観光客の呼び込みを図る。小中学校で宇宙産業を学習する機会を設けている。和歌山県は、観光などの経済効果を10年で670億円と試算する。 東京ドーム6個分 経済効果は「10年で670億円」 町はスペースワンから発射場建設の申し入れを受け、19年に町有地など約130万平方メートルを同社に無償貸与した。期間は20年間だ。 町によると、貸与した土地には、関電が町へ寄付した約30万平方メートルが含まれる。東京ドーム6個分ほどの広さにあたる。関電が原発計画のために買収した山林などという。 ロケットが飛び立つ予定の串本町は、1970~80年代、原発計画を巡って町民が二分されました。ロケットは町に夢をもたらすのか。記事の後半では、全国各地の原発計画跡地の現状も報告します。 関電は福井県に次ぐ地域とし… この記事は有料会員記事です。残り2005文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佐賀銀行本店に車突っ込む 行員への暴行容疑で50代男を逮捕
2021年10月18日 17時05分 佐賀県警南署は18日、佐賀市唐人2丁目の佐賀銀行本店で、男性行員を殴ったとして、佐賀県神埼市千代田町嘉納の自称作業員、野口一容疑者(59)を暴行容疑で逮捕した、と発表した。容疑を認めているという。 同署によれば、野口容疑者は同日午後0時35分ごろ、50歳代の男性行員に対し、頭部を拳で殴った疑いがある。男は銀行関係者から現行犯逮捕され、警察に身柄を引き渡された。 事件と同時刻ごろ、同銀行に「車が突っ込んできた」「男が騒いでいる」と目撃者から110番通報があったという。軽乗用車が同銀行の出入り口に突っ込んでおり、県警は男が運転した車とみて、事件の経緯などを調べる方針。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名古屋のモーニング「原型は和菓子文化」 PRサイトを開設
名古屋は「和菓子どころ」なのに、あまり知られていない。そんな思いにかられた名古屋商工会議所が今月15日から、ウェブサイト「なごや和菓子旅」(https://wagashitabi.nagoya-cci.jp/)を開いている。 豪華なモーニングや小倉トーストといった独自の喫茶店文化で知られる名古屋。その原型に和菓子文化があるとアピールして、観光客を呼びこみたい考えだ。 サイトには、名商の会員になっている和菓子店の情報を掲載。「小ざくらや一清(かずきよ)」「菓匠 花桔梗(はなききょう)」「むらさきや」「菊里 松月(しょうげつ)」(いずれも名古屋市)の各店について、春夏秋冬の季節ごとにつくる自信作を紹介している。 店の歴史や特徴の解説も添え、近くの観光地の情報も盛りこんだ。 今後は毎月1店のペースで掲載を増やす。複数の店をめぐるモデルコースの提案も計画している。 名商によると、江戸時代に尾張徳川家の城下町として栄えた名古屋では、お茶とともに和菓子を楽しむ文化が発展した。武家だけでなく、町人や農家にも広がり、それが現代の喫茶店文化につながったという。 名商会員の和菓子店は約50… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
気候危機訴える「ジェネレーション・レフト」 国内の当事者の思いは
いま「ジェネレーション・レフト」が脚光を浴びつつある。暴走する資本主義の変革や深刻化する気候危機への対応を求め、社会運動を繰り広げる若い世代を指したものだ。日本でも、8月に関連本が相次いで刊行された。 グレタ・トゥンベリさんが始めた抗議活動の影響を受け、各地で「ジェネレーション・レフト」が中心となり、気候変動がもたらす国家間、世代間などの不公平を是正する「気候正義」や脱成長を訴える声が高まる。一方で、日本社会ではまだ、こうした動きが盛り上がりを欠く。世界と日本の現状の違いに、当事者は何を思うか。「Fridays For Future Tokyo(FFFT)」でオーガナイザーを務める黒部睦さん(20)に聞いた。 くろべ・むつみ 2001年、東京都生まれ。国立音楽大学2年。2019年度少年少女国連大使として活動。現在は国内で気候正義や持続可能な社会の実現を訴える運動「Fridays For Future Tokyo」のオーガナイザーを務める。 ――FFFTの活動について教えてください。 年に数回、世界各所で同じタイミングに気候危機を訴えるアクションをするのが活動の大きな柱です。コロナ禍前はマーチや署名活動などを主にしていましたが、今はSNS上での発信や、気候変動に関する研究者やインフルエンサーを招いて、オンラインでウェブセミナーを開いてもいます。あくまで団体ではなくムーブメントなので、各自が自分の出来る範囲で加わるというかたちをとっています。SNSで動画を制作したり、海外のメンバーとやり取りしたりと様々な役割がありますが、私は動画への出演などを担当することが多いです。 ――黒部さんが活動に加わるようになったきっかけは。 高校1年の時に先輩に誘われてSDGsのワークショップに行ったことが始まりです。その後高校3年で日本青年会議所が主催している「少年少女国連大使」のプログラムに参加し、スウェーデンに滞在しました。 その時、たまたま市役所前で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海外で影響力「ジェネレーション・レフト」 日本の若者の思いは
会員記事 聞き手・山本悠理2021年10月18日 15時00分 いま「ジェネレーション・レフト」が脚光を浴びつつある。暴走する資本主義の変革や深刻化する気候危機への対応を求めて、左派的な主張に共感し、社会運動を繰り広げる若い世代を指したものだ。日本でも、8月に関連本が相次いで刊行された。 2016年、20年の米大統領選予備選では、自らを「民主社会主義者」とかたる民主党のバーニー・サンダース上院議員が、若い世代の支持を得て旋風を巻き起こした。「ジェネレーション・レフト」が政治に及ぼす影響を印象づけた一方、日本では熱の高まりが感じられない。政治意識の向上を目指すNPO法人「Mielka」代表理事の徐東輝(そぉ・とんふぃ)さん(30)は、日本の政治に対する若者の思いをどうみるか。 ――Mielkaの主な活動内容を教えてください。 各地の学校で行う主権者教育とユーチューブなどを通じた若者への発信、さらに有権者が投票先を判断するために役立つ政策や候補者の情報を提供するサービス「JAPAN CHOICE(JC)」を運営しています。 主権者教育では、これまでにのべ約1万5千人の学生さんへ授業を行いました。JCを始めたのは2017年の衆院選の時で、その後19年の参院選でアップデートを行い、今回の衆院選に向けて再度改良を進めているところです。また、現職の議員たちがそれぞれどういう政策を支持し、どういう主義主張を持つのかを可視化する「議員ペディア」というサービスも近く開始する予定です。 ――議員たちや政策の「マップ」を作ることに注力しようとしている。 僕は将棋が好きなのですが、藤井聡太さんの報道で多いのは「何を食べたか」で、この一手がどれだけすごいのかといったことは報じられない。それでは将棋そのものへの関心は広まりません。政治も同じではないでしょうか。菅義偉・前首相の「パンケーキ報道」のように、ワイドショー的な情報ばかりになってはいけない。ファクトに基づき、政治への関心を高めていけるようにしたいと思っています。 今の30歳未満の若い人々は… この記事は会員記事です。残り703文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ジェネレーション・レフト」日本では POSSE編集長に聞く
会員記事 聞き手・山本悠理2021年10月18日 15時00分 いま「ジェネレーション・レフト」が脚光を浴びつつある。暴走する資本主義の変革や深刻化する気候危機への対応を求め、社会運動を繰り広げる若い世代を指したものだ。 若者の労働問題などを扱う雑誌「POSSE」は8月、「ジェネレーション・レフトの衝撃」という特集を組み、国内で気候対策や労働環境の改善に向けて尽力する若者たちの姿を追った。「ジェネレーション・レフト」は日本において、これからどう展開していくのか。その可能性について、同誌の渡辺寛人編集長に聞いた。 わたなべ・ひろと 1988年、神奈川県生まれ。雑誌「POSSE」編集長、ブラックバイトユニオン共同代表。2009年から学生ボランティアとしてNPO法人「POSSE」に参加、のち事務局長となる。共著に『闘わなければ社会は壊れる』など。 ――8月に雑誌で「ジェネレーション・レフト」の特集を組みました。 コロナ禍前から、海外では若い世代を中心とした社会運動の盛り上がりが活発になってきていました。一方、日本では今の社会システムにどう適応していくかを考える傾向が強く、こうした中で若い世代の社会意識が高まるのか、私たちも考えていました。 日本にいま「ジェネレーション・レフト」の動きがあるかと言えば、そうではありません。ただ、若い世代に向けて今の社会に合わせる生き方ではなく、もっと違う想像力をかきたてるような社会運動の物語を提示していかなければという意識がありました。(1990年代後半以降に生まれた)Z世代の多くの人と対話を進める中で、今の社会に矛盾を感じてはいるものの、それをどう表現し説明して良いか分からないという状況を痛感したこともあり、「ジェネレーション・レフト」というムーブメントを紹介しようとなりました。 ――ほぼ同時期、キア・ミルバーン氏の『ジェネレーション・レフト』の邦訳が刊行されました。こちらの翻訳作業にもPOSSEのメンバーが関わっています。 2019年に原書が出たあと… この記事は会員記事です。残り1663文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル