「自分の親や家庭環境のせいで、人生が望み通りにいかなくなった」――。そんな見方を表す「親ガチャ」という言葉を巡り、主にネット上で論争が盛り上がっている。賛成、反対どちらであれ、なぜ親ガチャという人生観は多くの人の心に刺さるのか。オンライン記事で今回の論争に火を付けたといわれる社会学者、土井隆義・筑波大学教授に聞いた。 ――親ガチャは、1、2年前から言われたSNSスラングと言われますが、最近、ネット上をにぎわせています。早くからこの言葉に着目してきた立場からどう見ますか。 「私のオンライン記事が9月に配信された直後、ツイッターで急激に取り上げられ始めました。実は私は7月にも、北海道新聞にこのテーマのコラムを書いたのですが、これほどの論争には発展しませんでした」 ――その差は何でしょう? 「東京以外で発行されている紙媒体である新聞に、ネットを駆使する層はあまり目を通さないからだと思います。ネットに乗って初めて、若者と中高年のあいだの世代間論争のようなことが起きています」 後半では「親ガチャ」に関する世代間ギャップや世代内格差について語り、所得再分配の面では「日本は外れ」と語ります。 ――世代間論争ですか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大理事らを逮捕へ 2億2千万円背任容疑 きょう出頭要請 特捜部
独自 2021年10月7日 6時00分 日本大学の付属病院の建て替え工事をめぐる事件で東京地検特捜部は、日大理事(64)と大阪市の医療法人グループの前理事長(61)に対し、7日に出頭するよう要請した。日大の資金2億2千万円を外部に流出させて大学に損害を与えたとする背任容疑が固まり次第、逮捕する方針。関係者への取材で分かった。 2人は特捜部の任意の事情聴取に対し、違法性を否定しているとみられる。 関係者によると、日大は2019年12月、医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事の設計・監理業者を選ぶ業務を、理事が取締役を務める子会社「日本大学事業部」(世田谷区)に委託した。事業部は都内の設計事務所を選び、日大は事業部の提案通り24億4千万円で20年4月に契約。一部の約7億3千万円を同年7月に支払った。 翌8月、医療法人グループ前理事長が全額出資した実体のないペーパー会社に、設計事務所から2億2千万円が送金された。特捜部は、送金は理事の指示で、任務に背いて日大に不要な支出をさせて損害を与えたとみている。 翌9月には、同グループの関連会社から、理事の知人側のコンサルタント会社に6600万円の送金があった。うち3千万円は11月に知人側の別会社に移され、知人はこのうち計2500万円を理事に手渡したことが既に判明。2億2千万円の事実上の分け前として理事個人も利益を得た疑いが持たれている。理事は別のルートで現金を受け取った疑いもあるという。 理事は日大の田中英寿理事長の側近で、特捜部は先月、田中氏の自宅も含めて一斉捜索していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
紅い妖精、愛情たっぷり子育て 北海道の島での調査でみえた過酷さ
絶滅が心配されている海鳥「ケイマフリ」の国内最大の繁殖地は、北海道北部の日本海に浮かぶ天売島(てうりとう)にある。海に面した断崖につくられた巣に島の環境団体が3年にわたりビデオカメラを置いた。映し出されたのは愛情たっぷりの子育て、そして、過酷な生存競争だった。 名の由来はアイヌ語で「赤い脚」を意味するケマフレ。「紅(あか)い妖精」とも呼ばれる。体長約40センチ。夏は全身黒色で、目の周りに白色の輪があり、水かきのある脚の朱色が特徴だ。繁殖地は国内では北海道の天売島や知床など限られ、環境省のレッドデータブックで「絶滅の危険が増大している種」に指定されている。断崖の岩の間に巣をつくり、詳しい生態はわかっていない。 天売島の環境団体「守りたい生命(いのち)プロジェクト」(寺沢孝毅代表)が、国など関係機関の許可を得て、2019年から一つの巣穴に4Kカメラを設置した。巣づくりをする4月から、ひなが巣立ちケイマフリが島を離れる7月までの間、毎日12時間、巣の様子を撮影した。カメラの電池と録画機材は約20メートル離れた場所に置き、繁殖に影響がないように交換した。 ケイマフリは冬の間は繁殖地の沖に出て、4月ごろに島に戻り、巣づくりをする。最初に映し出されたのは、オスが巣穴に入り、小石をどけたり枯れ草を入れたりする姿だった。そのあとメスがやってきて産卵する。抱卵はメスとオスが交代でした。 約30日後、ヒナが生まれた… この記事は会員記事です。残り1171文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学校行事の中止、子どもへの影響は 社会でフォローする必要も
会員記事 聞き手・才本淳子2021年10月7日 7時00分 コロナ下で中止や縮小になった修学旅行や運動会。学校での様々な体験活動の機会が少なくなったことで、子どもたちにどんな影響があったのでしょうか。教育社会学者の浜野隆・お茶の水女子大教授に現状と今後の課題について聞きました。 はまの・たかし お茶の水女子大教授(教育社会学)。専門は学力と教育政策。文部科学省委託の「全国学力・学習状況調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の研究代表として家庭の社会経済的背景と学力、非認知的スキルの関係を分析。共著に「学力格差への処方箋(しょほうせん)」(勁草書房)、「世界の子育て格差」(金子書房)などがある。 主体性を発揮する場所が少なく 今年2年ぶりに行われた文部科学省の全国学力調査と一緒に行われたアンケートで、学校に行くのが楽しいと思っている子どもや、将来の夢や目標を持っている子どもの割合が減りました。 これは、学校での文化祭や運動会といった特別活動や日常的な子ども同士のふれあいが少なくなった影響があると思います。ただ、コロナ下でも学校に行くのが楽しいと思っている子の割合が微減ですんでいることは、現場の先生方が工夫しながら学級運営をしてこられたからだと思います。 私はこの「夢や目標を持っている」子の割合が減っていることを心配しています。「あきらめ感」や「無力感」が子どもたちの間に広がっているとすれば深刻だからです。 長期化するコロナの影響で、学校行事などの中止、延期が繰り返され、子どもたちの心の中で「あきらめ感」や「無力感」を醸成してしまっている可能性があります。これは学校だけでなく、社会全体で考えていかなければならない問題です。 机の上の学習に限らない、日… この記事は会員記事です。残り1410文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍で増える転職希望者、きっかけは? オンライン化で追い風も
新型コロナウイルスの影響が長引く中、働き方や勤務先の将来性に疑問を持ち、転職を考える人が増えている。オンライン上での採用試験が主流になり、転職を希望する人が時間や場所を気にせず、様々な挑戦ができる選択肢が増えたことを歓迎する声もある。(小林直子) 関東地方に住む女性(22)は、7月に転職活動を始めた。今春、東京都内のベンチャー企業に新卒で入社したが、長時間労働によって体調を崩して退社。コロナ禍で大切な人に会えない現状も重なり、「価値観が変わり、もっとプライベートを大切にしながら働きたいと思った」という。 現在は都内の別の企業で契約社員として働きながら、出身地に近い関西地方の会社を中心に約40社にエントリーしている。「オンラインで採用面接が受けられるので、交通費もかからず、たくさんの企業に出会えるのがいまの転職活動の利点」と話す。 即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」が今年3~4月、会員(平均年齢40歳、有効回答775人)を対象に調査したところ、84・6%が「転職意欲が向上した」と回答。そのうち、22・6%は新型コロナの感染拡大以降に転職を検討するようになったと回答した。 自宅待機や将来不安 転職を決意したわけ 昨年4月の同様の調査では「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
滋賀で豚2頭、豚熱で死ぬ 1400頭殺処分へ 県で2019年以来
奥平真也2021年10月6日 18時30分 滋賀県は6日、同県近江八幡市の養豚場で飼育していた豚から豚熱(CSF)が確認されたと発表した。県はこの養豚場の豚約1400頭を殺処分する。 県によると、5日午前11時15分ごろ、養豚場から「子豚2頭が死に、他の豚もやせ、元気がない」と県家畜保健衛生所に連絡があった。県がこの2頭と周囲にいた10頭の計12頭を検査すると、死亡した2頭を含む11頭が陽性だった。国の検査で豚熱と判定された。 殺処分は県職員を動員し、10日までに終える予定。豚は養豚場の隣接地に埋める。滋賀県内の養豚場での豚熱発生は2019年2月に続いて2回目。(奥平真也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
真鍋さんの方程式、刻まれた意外な場所 「ホテルの形したアート」
吉川喬2021年10月6日 19時00分 ノーベル物理学賞の受賞が決まった真鍋淑郎さん(90)が気象の研究に用いた方程式を、外壁などにデザインしたホテルが岡山市中心部にある。真鍋さんの受賞が決まり、ホテル側はデザインを見た人が地球環境についてさらに考えるきっかけになれば、と願っている。 ホテルは岡山市の岡山後楽園の近くにある「A&A リアムフジ ”The Manabe Equation House”」(北区天神町)。現代美術アーティストのリアム・ギリック氏の着想をもとに、建築家が設計した木造2階建てで、2019年にオープンした。真鍋さんの方程式のデザインが外壁などに多数あしらわれている。 ホテルのホームページによると、ギリック氏は真鍋さんの方程式を「優美な様相を呈すると同時に機能的であり、温暖化という問題について曖昧(あいまい)に注意喚起するのではなく、人々にそれに関わる科学的根拠や研究に目を向けてもらうことを意図している」と評価。ホテルは「(真鍋さんへの)オマージュであり、多大なる貢献への敬意を示すものだ」としている。 ホテルを運営する公益財団法人「石川文化振興財団」の担当者は「科学、アート、建築が三位一体となったこのホテルは、まさに未来志向であり、ホテルの形をしたアートだ」と語る。真鍋さんの受賞決定を喜び、「このホテルが地球温暖化について考え、世界の人が岡山を訪れるきっかけになれば」と話している。(吉川喬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
叔父を車の下敷きに、保険金狙い事故偽装か 殺人容疑でおいを逮捕
福岡県うきは市で今年4月、事故を装って叔父を殺害したとして、福岡県警は6日、住居不定、会社役員の松成英一郎容疑者(54)を殺人容疑で逮捕し、発表した。松成容疑者は約1500万円の保険金を受け取っており、県警は保険金目的とみている。認否は明らかにしていない。 発表によると、松成容疑者は4月1日午後8時過ぎ、うきは市内の駐車場で、叔父の運送会社員、西村一敏さん(当時64)=大分県日田市=の上半身などを軽乗用車で複数回ひき、殺害した疑いがある。 西村さんは翌2日午前6時45分ごろ、うつぶせで車の右前輪の下敷きとなった状態で死亡しているのが発見された。司法解剖の結果、2日午前2時ごろに外傷性ショックで死亡したとみられる。 保険金目的、事故を偽装か 松成容疑者は西村さんが勤める運送会社の代表取締役で、日田市内で保険代理店も経営。西村さんは昨年6月に松成容疑者の勧めで生命保険に加入し、捜査関係者によると、死後、保険金約1500万円が松成容疑者に支払われていた。また1千万円以上の自動車保険にも加入しており、松成容疑者が受け取りの手続きを進めていたが、こちらは支払われていないという。 松成容疑者には借金があったといい、県警はこれらの保険金の受け取りについても、詐欺容疑などで調べている。 松成容疑者は通行人が遺体を見つけたすぐ後に現れ、会社役員の弟とともに西村さんの車を遺体の上から動かした。県警には逮捕前、「この時以外は現場に行っていない。事故死だと思っている」と説明していたという。県警は、松成容疑者が事故死を偽装しようとしたとみている。 県警は6日、うきは署に74人体制の捜査本部を設置した。 西村さんの遺体は、軽乗用車の前輪に肩付近を踏まれた状態で見つかった。発見した男性によると、車のボンネットは開き、バックランプが点灯。後輪にはブロックが置かれ、近くに懐中電灯や携帯電話が落ちていたという。 不自然な状況、次々と このため、当初は車の不具合などにより西村さんが車体の下をのぞいた際、何らかの拍子に動き出した車にひかれた可能性もあるとみられた。現場の駐車場は大分県境に近い山間部の国道沿いにあり、周辺に民家や防犯カメラもなかった。 しかしその後、不自然な点が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関電旧経営陣、争う姿勢 金品受領訴訟で株主側「不正を徹底追及」
関西電力の役員らが、関電の原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)側から多額の金品を受け取るなどした問題で、関電と株主が森詳介元会長ら旧経営陣6人に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、大阪地裁であった。旧経営陣側は、請求を棄却するよう求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。 関電は、金品の受領を取締役会に報告しなかったことが取締役としての注意義務に違反する、と主張。東日本大震災後の電気料金値上げに伴いカットした役員報酬の一部を、退任後に嘱託報酬の形で補塡(ほてん)することを旧経営陣が決めたことも「法令や社内手続きに違反しないようにする義務」に違反したとしている。 一方、株主側は、旧経営陣の報告手続きだけではなく、金品受領そのものが違法であり、役員報酬の補塡自体が「利用者への詐欺的行為」と主張している。 これに対し、旧経営陣側は「(受け取った金品は)預かり保管していただけ」などと説明。役員報酬の補塡は「業務の正当な対価だった」と反論した。 この日の弁論で、株主の一人が意見陳述し「社会的な常識からかけ離れた思考回路で会社の経営方針が決められてきたことが問題だ」と訴えた。(森下裕介、松浦祥子、浪間新太) 株主側弁護団「関電のストーリー崩すのが仕事」 この日の法廷では、別の訴訟で争っている関電側(現経営陣ら)と株主側がそろって原告席に並んだ。関電は旧経営陣を、株主側は現旧経営陣の責任を問う訴訟を起こしていたが、旧経営陣に損害賠償を求める部分では同じとみた大阪地裁が、一部を併合して審理すると決めたためだ。 口頭弁論の後、記者会見を開いた株主側弁護団の井戸謙一弁護士は、旧経営陣が金品を受け取ったこと自体の違法性を関電が追及していないことを問題視。「そのストーリーを崩すのが我々の仕事だと思っている」と述べ、関電の責任追及が甘いとの認識を示した。 金品受領や役員報酬を巡り、森元会長ら9人は会社法の収賄や特別背任などの容疑で市民団体から刑事告発されている。大阪地検特捜部が昨年10月に受理し、今年3月以降、元役員らを任意聴取するなど捜査を進めている。 市民団体は同日、大阪地検を訪れ、起訴するよう申し入れた。株主代表訴訟と市民団体の両方で代理人を務める河合弘之弁護士は「刑事でも民事でも不正を徹底的に追及し、関西電力をまともな会社にしたい」と語った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
赤木雅子さん、首相に直筆手紙 財務省の公文書改ざん「再調査して」
森下裕介2021年10月6日 22時55分 学校法人森友学園(大阪市)の国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんに関与させられ自死した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さん(50)が6日、岸田文雄首相に再調査を求める直筆の手紙を首相官邸宛てに郵送した。雅子さんの代理人弁護士が明らかにした。 財務省の公文書改ざん問題をめぐっては、同省が2018年6月、調査報告書を公表。改ざんを命じられた近財の職員に「反発」や「強い抵抗感」があったとしたが、本省からの改ざんの指示に関する詳細なやりとりは記されず、野党が再調査を繰り返し求めてきた。 雅子さんは手紙で、「夫は改ざんや書き換えをやるべきではないと本省に訴えています。それにどのように返事があったのかまだわかっていません」と指摘。岸田首相に対し「夫が正しいことをしたこと、それに対して財務省がどのような対応をしたのか調査してください」と求めた。(森下裕介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル