会員記事 文と写真・新井義顕2021年10月2日 15時00分 1928ビルの星形の窓=2021年9月18日午前10時36分、京都市中京区、新井義顕撮影 星形の窓からのぞく景色は、京都中心部の町並み。かつては五山送り火も見えたという。新聞記者は、ここを拠点に特ダネを追い、町へ飛び出していった。 地下へ向かう急な階段は真ん中がすり減ったモザイク模様。店へ続く扉はきしきしと音を立てる。未知に出会う期待と不安を抱きたどり着いたカフェ「アンデパンダン」。昼でも薄暗い。店の中ほどに、しっくいがはがれコンクリートがむき出しの太い柱が並ぶ様子は、忘れられた神殿のようだ。 カフェ・アンデパンダン。崩れたれんが壁や、しっくいがはがれ、不思議な模様を描き出す壁が、時の流れを醸し出している=新井義顕撮影 カフェがあるのは、建築年にちなみ名付けられた「1928ビル」。かつて、毎日新聞京都支局だった。3階建てのビルには今、劇場やギャラリーが入る。1999年に支局が移転。取り壊しの話もあったが、建築家と芸術家らの手で改修が行われ、再生した。 毎日新聞社長室によると、地下には建設当時、食堂や理髪店があった。80年代は夜勤の記者用のシャワー室が置かれ、90年代には、地下水が染み出し「廃(はい)虚(きょ)」となった。湿度が高かったため、支局長がワイン置き場にしていた時もあるという。 「建物も内装も、美術館と同じくらい価値がある。だからこそ不必要に手を加えずに再生したのでしょう」。オーナーの髙尚赫(こうしょうかく)さん(55)は話す。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。 屋上に上る階段にある星形の… この記事は会員記事です。残り794文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
間近で観察、サケの遡上 知床半島の川で産卵準備
神村正史2021年10月2日 15時30分 北海道の知床半島でサケの遡上(そじょう)が本格化している。知床散策の拠点となる斜里町ウトロでは、市街地を流れるペレケ川のあちこちで、サケの産卵行動による水しぶきがあがっている。 ペレケ川は、ウトロ温泉バスターミナルのすぐ横を流れる。周辺は河岸公園になっており、護岸が階段状に整備され、間近でサケの観察ができる。 70センチ前後に成長して海から戻ったサケは、水面から背びれが出るほどの浅瀬を遊泳。メスは川底を尾びれでたたき、くぼみを作って産卵の準備をし、オスはライバルを追い払う。「すごい」「がんばれ」。観察していた人からは感動の声が上がっていた。(神村正史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
前川清さん、いま語る「東京砂漠」 カラオケで歌う心得とは?
東京オリンピック、パラリンピックが終了した今、あなたが好きな、題名に「東京」がつく歌は? 朝日新聞土曜beで毎週、実施している読者アンケートで9月上旬、そんなテーマで調査したところ、1位に輝いたのは、内山田洋とクール・ファイブが1976年に発表した「東京砂漠」でした。ソロになってからもこの歌を歌い続ける前川清さんに、歌声に込めてきた東京という街への思いをうかがいました。 ――前川さんは長崎のご出身ですが、東京という街をどんな風に感じてきましたか。 たとえば僕のように、地方から東京に出てきた人もいれば、しばらく東京で暮らして、また地方に帰る人もいますし、東京で生まれ育ったという人もいます。ありがたいことに、そういう違いを抜きにして、「東京砂漠」は色んな人に支持されてきた歌なんですよね。 東京にも「あなた」の温かさが 東京は、冷たい街、人と人とのつながりがない、会話もない、隣が何をする人かもわからない街――。私が九州から東京へ来た頃、そんな風に言われていたし、実際にそう感じる部分もありましたね。でも一方で、九州みたいな地方に暮らしていると、もちろんすごく人間は温かいんだけど、ちょっと温かいを通り越して、うるさいかな、なんてところもあるんですよ。近所付き合いみたいなものが。だって、隣の家のケンカのことまで知っているんだから。 だから、東京の魅力というのは、便利さはもちろん、そういうしがらみのなさ、自由であることの良さなのかも知れないですね。でも、「ひとはやさしさをどこに棄ててきたの」と歌っておきながら、サビではちゃんと「あなたがいれば」と歌う。東京にも「あなた」がいることの温かさが、あるんですよ。 ――前川さんご自身もこの曲に共感しつつ歌っていらっしゃるのでしょうか。 本当に「好き」と思いながら歌っている曲というのは、必ずしも多くないんです。指を折って数えるほどでしょうか。でも「東京砂漠」は間違いなく、そのうちの1曲。不思議と歌うことで心が落ち着く。素直に「いい歌だな」と思いながら歌うことができる。たとえば「中の島ブルース」などは少し違って、素の僕が好きかどうかは、脇において歌うようなところがありますよね。 クラシックやジャズが好きというような方にも、「私は演歌はあまり得意じゃないけれど、『東京砂漠』は、クール・ファイブは好きなんだ」という方が時折いらっしゃるのですが、クール・ファイブは、もともとジャズをやっていたので、ハーモニーにしても、音の並べ方にしても、ど真ん中の演歌と違うところがあるんです。おそらくはそれが「東京砂漠」という歌のしゃれた部分に生きていて、「演歌っぽく聞こえない歌」なんて言われる理由なのかも知れません。ジャズの渡辺香津美さんと共演させてもらった時は、渡辺さんのギターで、自分自身も知らない「東京砂漠」を引き出してもらった気がして、面白い体験でした。型にはまらない、崩していく歌い方が意外と好きなのかも知れない。 ――クール・ファイブ時代と、ソロの今と、歌い方に違いがあるのでしょうか。 今と昔を比べるなら、若い頃… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クジラの死骸に食らいつくヒグマ 主食のカラフトマス激減 知床半島
世界自然遺産・知床で、海岸に漂着したクジラの死骸にかじりつくヒグマの姿が撮影された。夏から秋にかけ、ヒグマの主食となるのはカラフトマスだが、近年は気候変動の影響などで知床半島への遡上(そじょう)が激減。そうしたなか、思わぬごちそうにありついたようだ。 【動画】世界自然遺産・知床の海岸にクジラの死骸が漂着=桜井憲二さん提供 ヒグマが撮影されたのは、知床半島先端の知床岬からオホーツク海側に約5キロ、北海道斜里町のポロモイ川の河口近くだ。23日、ヒグマ観察のクルーズ船から、羅臼町の漁業、桜井憲二さん(58)が撮影した。クジラの死骸は「体長10メートル以上の大きさだった」といい、ヒゲクジラの一種とみられる。 死骸は腐敗が進んで表面が白っぽく、周囲の海面には流れ出した肉片や脂も漂っていたという。午前9時40分ごろに親子グマ3頭、20分ほど後にはオスグマが1頭、それぞれ海岸に現れ、爪で死骸の皮をはがし、鼻先や手を体の中に突っ込むなどして肉を食べていたという。 ■2017年にも死骸食べる姿… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長野県議の妻殺害、無施錠の入り口から侵入か 荒らされた形跡なし
高億翔2021年10月2日 12時17分 塩尻市塩尻町の丸山大輔県議宅で妻の希美さん(47)が殺害された事件で、希美さんが倒れていた自宅兼事務所の入り口が無施錠だったとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。県警は、希美さんを襲った犯人が出入りした可能性もあるとみて、侵入経路について調べている。 県警によると、希美さんは、丸山県議が経営する酒造会社「笑亀酒造」の事務所内で29日午前6時45分ごろ、倒れているところを家族に発見されたという。 捜査関係者によると、希美さんが倒れていた場所の近くには金庫があった。しかし、室内が荒らされたり、何かが奪われたりした形跡は見つかっていない。割られた窓ガラスもなかったという。 県警によると、希美さんの死因は首を絞められたことによる窒息死だった。ただ、凶器は特定されていない。捜査関係者によると、希美さんの遺体には、首の絞め痕と、抵抗する際にできる擦り傷のほかに目立った傷はなかったという。 県警によると、希美さんは28日夜に同居家族と過ごしたことが確認されており、殺害は29日未明から早朝とみられている。関係者によると、丸山県議は29日の県議会で一般質問をする予定だったため、28日は長野市内の議員会館に宿泊していたという。 県警はフリーダイヤル(0120・059・110)で、事件に関する情報提供を呼びかけている。(高億翔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
かたいダイヤをどうやってけずる?
「かたいダイヤをどうやってけずる?」 長野県・藤田乃亜さん(中2)の質問 ののちゃんのDo科学 ののちゃんは、朝日新聞に連載されている漫画の主人公で、小学3年生。学級担任の藤原先生を相手に、身の回りの不思議を質問します。聞いてほしい疑問はこちらへ。science@asahi.com ののちゃん 先生、かっこいい指輪つけてるね! 藤原先生 うふふ、すてきでしょう。ダイヤモンドだよ。 のの キレイだなぁ。ところでダイヤって、どういうものなの? 先生 私たちが立っている地面より150キロ以上も下の、とてもとても深いところで、何億年もの大昔にできた石だよ。それが地面に近いところに出てきたところを人間が掘り出して、形を整えると、こんなにきれいな宝石になるんだ。 のの へぇ~。何でできてるの? 先生 私たちの体や空気の中にもある「炭素原子(げんし)」という物質の粒だよ。その粒がジャングルジムみたいに、規則正しくつながった「結晶(けっしょう)」になってるんだ。木を蒸し焼きにして作る真っ黒な炭も炭素原子でできているけど、粒の並び方がダイヤとはぜんぜん違うの。 のの すっごくかたいものだって聞いたことがあるよ。 先生 これまで見つかった物… この記事は会員記事です。残り852文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震災がれきから発見の遺骨、行方不明の92歳女性 資料再点検で判明
三井新2021年10月2日 9時26分 東日本大震災後に志津川湾(宮城県南三陸町)で回収したがれきから見つかった遺骨について、宮城県警は1日、石巻市北上町、佐々木ふくのさん(当時92)のものと判明したと発表した。 捜査1課によると、遺骨は右大腿(だいたい)骨1本。2014年11月22日、リサイクル業者が気仙沼市茗荷沢にある会社敷地内で、志津川湾から運んで来たがれきの中に見つけた。 佐々木さんは震災当時、1人で自宅におり、避難の途中で津波にのみ込まれた可能性が高いという。遺族が震災の3日後、県警に行方不明届を出していた。 県警が資料の再点検を行っていたところ、石巻海上保安署が保管していた遺骨とDNA型が同一とわかった。その後、さらに関係者の調査をして9月6日に身元を特定したという。 県警の遺骨は気仙沼市が保管していて、9月30日に長男に引き渡した。石巻海上保安署も後日、遺骨を引き渡す予定だ。(三井新) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ツバメの巣130個もある中学校 フンで撤去危機も「癒やし」で共存
大谷秀幸2021年10月2日 9時30分 4階建ての校舎に約130のコシアカツバメの巣がある鳥取県伯耆町の岸本中学校に9月30日、日本野鳥の会から感謝状が贈られた。ツバメと人との共存を願い、巣や生息環境を見守っている団体に贈っていて、県内では3例目だ。 日本野鳥の会鳥取県支部によると、農地の荒廃で虫を捕れる環境が減ったり、空き家が増えたりで、県内でもツバメの巣が減っている印象があるという。 岸本中は、周囲に水田が多く、ひさしで雨がしのげる環境にあり、今年も約50の巣が繁殖に使われた。コシアカツバメは4月に東南アジアから渡ってきて繁殖し、10月には帰る。レッドデータブックとっとりでは「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されている。 松原隆校長によると、フンの問題などもあり、巣を撤去する話もあったが、住民から「ツバメの巣があって温かい雰囲気」との声が寄せられ、日本野鳥の会に相談した結果、そのまま残していくことになった。 生徒会長の篠原結光(ゆうひ)さん(3年)は「校舎からツバメが飛んでいる姿が見られ、癒やされる」と話す。松原校長は「ツバメに興味を持った生徒が学べる環境をつくるなど、ほどよい距離感で見守っていきたい」と話していた。(大谷秀幸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
婚約から4年、眞子さまの心情案ずる声 「つらかった分、幸せに」
宮内庁が1日、秋篠宮家の長女眞子さま(29)の結婚予定と、過去にPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されていたことを明らかにした。国民の間からは祝福とともに、眞子さまの心情を案ずる声が上がった。 「婚約(内定)から4年は長かった。ご結婚できて良かったと思います」。お二人が通った国際基督教大学(ICU)のある東京都三鷹市。JR三鷹駅前で雨宿りをしていた市内の主婦先崎あかねさん(54)は、お二人の門出を祝福した。 母親の「金銭トラブル」や、その後の状況説明などを巡り、小室圭さんを良く思わない人がいるのは分かる。ただ結婚の自由は尊重されるべきだし、メディアやインターネット上の批判も行きすぎだと感じる。「皇族といえど一人の人間。個人としての人生もある。批判を目にして傷つくのも当たり前だと思う」 お二人の後輩に当たる同大2年の和田光さん(20)も、お二人への批判の数々に「もし自分が同じ立場だったら、耐えられない」と訴える。「SNSでの中傷も社会問題になっている。眞子さまは責任あるお立場とはいえ、何を言っても良いわけではない」と言う。 名古屋市の会社員男性(36)は「多くの困難があった中、よく意志を貫いて結婚までたどりついた」。眞子さまが診断を受けたことも「あれだけ周りからネガティブなことを言われたら誰でも傷つく。これまでつらかった分、幸せに暮らしてほしい」と気遣う。 同市の大学院生の女性(23)も「周りから色々言われて『皇族って大変だな』って思っていた」。既存のメディアだけでなく、インターネット上の様々な意見にも触れ、「何かあるとすぐメディアとかで批判されて、常にちゃんとしていなきゃいけないのはかわいそう」。ようやく決まった結婚には「『おめでとう』というより『良かったね』という感じ。誰からも何も言われない海外で幸せに暮らしてほしい」と話す。 5年前に眞子さまが佐賀県立… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ病床確保計画、見直しへ 厚労省、第6波に備え都道府県に通知
厚生労働省は1日、新型コロナウイルスの感染が再び拡大する「第6波」に備え、11月末までに病床の確保計画を改めて見直すよう都道府県に通知した。今夏の「第5波」並みの状況になっても耐えられる医療提供体制を構築する。病床も増やすが、臨時の医療機関の充実や自宅療養者に対する対応の強化を重視する。 臨時の医療機関の充実などを重視するのは、病床をさらに増やせば一般医療への影響が大きくなるためだ。計画の名称も「病床確保計画」から「医療提供体制確保計画」に変更する。 新しい計画に向けて都道府県に対して、10月中をめどに①想定する感染規模②確保すべき病床数③臨時の医療施設の必要量④保健所の人員体制や地域の医療機関の体制――の報告を求めた。それに沿った新しい医療提供体制を11月末までに構築してもらう。 健康観察や診療は保健所だけ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル