細川卓2021年9月11日 8時00分 サンマやキノコなど秋の味覚を引き立てるスダチが収穫期を迎えている。約550軒のスダチ農家がある徳島県神山町の中西富士男さん(64)宅では、収穫したスダチを床一面に敷き詰めて陰干しする「予措(よそ)」と呼ばれる作業が行われている。冷蔵前に4日ほど室内で干すことで果皮の水分が減り、腐りにくくなるという。 JA名西郡によると、今年は日照不足の影響で小ぶりだが実りは多く、品質もいいという。出荷先は主に関東地方や京阪神。露地栽培は今月30日までで、以降は冷蔵スダチが市場に出回る。担当者は「旬のスダチの風味を味わって欲しい。暑い日はスライスして凍らせ、氷代わりにするのがおすすめ」と話している。(細川卓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
空飛ぶクルマ開発加速、大阪万博見据え 機体は駐車場2台分
「空飛ぶクルマ」の実用化をめざす動きが加速している。大阪では2025年の大阪・関西万博の移動手段としての活用も見据え、実証実験などが本格化する。一方で、安全性の確保や住民理解を得ることなど課題も少なくない。(箱谷真司) 長さ4メートル、幅4メートル、高さ2メートル。8個のプロペラとスポーツカーのような座席、ヘリコプターのようなスキッド(ソリ)。空飛ぶクルマの1人乗り試験機だ。 7月中旬、東京都内の東京スカイツリー関連施設で開かれた「Society5.0科学博」に展示され、多くの来場者が足を止めた。開発したベンチャー企業のスカイドライブ(東京)の福沢知浩CEO(最高経営責任者)は「空は渋滞が起きず、移動の悩みをなくせる」。 空飛ぶクルマに明確な定義はないが、国土交通省によると「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」を兼ね備え、空を移動できる機体を想定している。同社によると世界中で約400社が開発にしのぎを削る。2040年の市場規模が150兆円を超えるとの試算もあり、新たな事業分野としての期待が高いためだ。 有人飛行成功は世界でわずか10社 ただ、有人飛行に成功したの… この記事は会員記事です。残り1804文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
暴力団関係者に捜査情報漏らす 警部補を懲戒免職 神奈川県警
小寺陽一郎2021年9月11日 8時14分 【神奈川】捜査情報を暴力団関係者に漏らすなどしたとして、県警は10日、捜査2課の男性警部補(45)を懲戒免職にし発表した。聞き取りに「捜査情報を伝えることで関係性を継続したかった。協力者として運用したかった」などと事実を認めており、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査する。 監察官室によると、警部補は暴力団対策課に所属していた2015年9月、同課が捜査中だった偽計業務妨害事件に関し、暴力団関係者に対して捜査対象になっていることを伝えた。 警部補は17年に特殊詐欺事件などを担当する捜査2課に異動。昨年1月、別の暴力団関係者に対して、暴力団事務所を県警が恐喝事件の関係先として家宅捜索する日時を教えた。両事件とも捜査に支障はなかったとしている。 また、捜査2課の男性巡査部長(52)を戒告処分とした。警部補と2人で19年1月~昨年2月、女性が接客する飲食店で情報提供者と4回会い、計50万円程度の接待を受けたという。(小寺陽一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛知の「密」フェス参加者らコロナ感染34人に 北海道や東京でも
新型コロナウイルス感染対策が不十分な野外音楽フェスティバルが中部空港島(愛知県常滑市)で開かれた問題で県は10日、フェス参加者ら5人の感染を新たに確認した。フェス関連の感染者は計34人になった。 新たに感染が確認されたのは、名古屋市の20代男性のほか、北海道3人、東京都1人。これまでに4人の感染が判明している県と名古屋市による無料PCR検査では、新たな陽性者は確認されていない。 フェスは8月29日、県国際展示場の多目的広場で8千人規模で開かれた。観客同士の距離確保ができておらず、酒も提供していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
下水から高濃度のPFOS検出 米軍の放出当日 沖縄・宜野湾市
沖縄の米海兵隊が発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」を含む水を普天間飛行場(宜野湾市)から下水に放出した問題で、宜野湾市は10日、放出開始直後の下水から、高濃度のPFOSが検出されたと発表した。放出の影響の可能性があるとして、詳しい調査を続ける。 市などによると、米軍が放出を始めたのは8月26日午前9時半ごろ。市は同11時10分ごろ飛行場内から外へ通じる下水道で採水し、水質を調査。その結果、PFOSなどの含有量が、河川などの水質管理の目安(1リットルあたり50ナノグラム以下)を上回る670ナノグラム検出された。 調査地点の下水は飛行場内の生活排水なども含まれるため、今回の放出との因果関係は特定できていない。ただ、過去の同じ地点の調査では、昨年1リットルあたり13ナノグラム、一昨年25ナノグラムだった。 米軍は放出にあたり、PFO… この記事は会員記事です。残り440文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ロックダウン」は現実的か それだけで解決する強制力という幻想
イラスト・甲斐規裕 新型コロナウイルスのデルタ株の広がりで医療体制が危機的状況となり、「ロックダウン(都市封鎖)的なやり方が必要」「法整備の検討を」という声が、自治体の首長や専門家、国会議員から出ている。導入は現実的なのか。どんなやり方をすべきか。法制化の課題は何か。(聞き手 シニアエディター・尾沢智史、高久潤) 岩手県知事・達増拓也さん「命救えないなら最大限の行動制限を」 ――記者会見などで、「東京にはロックダウン的なやり方が必要」と発言されていますね。 「感染対策では、人と人との接触を減らすのが最も効果的です。その最大の手段がロックダウンです。現在の東京のように、感染者が自宅療養を強いられ、救える命も救えない状況では、ロックダウン的なやり方がいいのではないかと思います」 ――岩手県でもロックダウンする必要は感じますか。 「岩手県では、コロナ禍でも医療体制が逼迫(ひっぱく)したことはありません。治療が必要な感染者は入院、そこまでいかない人は療養施設に入ってもらっており、自宅療養はありません」 「ただ、第5波で感染者が増えています。10万人あたりの直近1週間の新規感染者数が15人を超えた8月12日には、『岩手緊急事態宣言』という県独自の宣言を出し、不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。25人を超えたところで、盛岡市内の飲食店に20時以降の営業を控えるよう要請しました」 ――ロックダウンにもいろいろなやり方がありますが、何が一番効果的でしょうか。 「基本は『不要不急の外出自粛の要請』です。県境を越えた移動の自粛も当然含まれます。より強い人流抑制を呼びかけ、その必要性を納得してもらうことが第一だと思います」 ――他県ナンバーの車に高速料金を上乗せするロードプライシングはどうでしょうか。 「岩手県の場合、東日本大震災からの復興事業のために他県ナンバーの車が入ってくるといった『不要不急ではない県境をまたぐ移動』がかなりあるんです。一律に規制するのは岩手の実情になじみません」 ロックダウンは法整備しなくてもできると言う達増氏。その理由は東日本大震災での経験にありました。記事後半では、立命館大学の美馬達哉教授が、行政が個人の自由を制約することへの懸念を語ります。 ――ロックダウンには法改正が必要という意見もあります。 「法改正よりも、ロックダウ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
硫酸事件容疑者のLINE、被害者がブロック 繰り返し宿泊求められ
2021年9月10日 20時52分 東京都港区の白金高輪駅で8月、男性(22)が硫酸をかけられて重傷を負った事件で、傷害容疑で逮捕された大学生の花森弘卓容疑者(25)=静岡市葵区=が昨年、男性にLINEのメッセージを繰り返し送り、ブロック(遮断)されていたことが捜査関係者への取材でわかった。 東京地検は10日、刑事責任能力の有無を調べるために裁判所に鑑定留置を請求し認められたと明らかにした。期間は12月10日まで。 花森容疑者と男性は過去に琉球大学(沖縄県)に通っており、サークルで先輩後輩の関係だった。捜査関係者によると、同大を退学していた花森容疑者は昨年9月、学生だった男性にLINEで「家に泊まらせてほしい」と求めた。男性は多忙を理由に断ったが、同様のメッセージが届いたため、花森容疑者からのメッセージをブロックした。その後、態度を改めるように求める差出人不明の手紙が男性に届いたという。 今年7月下旬には、男性が都内の職場近くの路上で花森容疑者に突然話しかけられたこともあった。事件のあった白金高輪駅近くで話をしたという。 花森容疑者は警視庁の調べに「学生時代にトラブルがあった」といった供述をしたといい、同庁などが2人の関係や事件の経緯を調べている。 花森容疑者の逮捕容疑は8月24日夜、白金高輪駅の改札から地上出口に上がるエスカレーター付近で男性に硫酸をかけ、顔や肩などに重度のやけどを負わせたほか、両目の角膜を損傷させたというもの。近くにいた女性(34)も足にけがを負った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
障害者の逸失利益「ゼロ」のケースも 識者「司法判断に変化の兆し」
米田優人2021年9月10日 21時00分 障害者が将来得られたはずの「逸失利益」をどのように算出するのか。損害賠償に詳しい立命館大の吉村良一名誉教授(民法)は、「全労働者の平均賃金の8割が相当」とした10日の広島高裁判決の判断を「裁判所の変化を感じさせる内容で、意味がある判決だ」と評価した。 吉村教授によると、就労していない子どもの場合、全労働者の平均賃金をもとに逸失利益を算出する。だが、障害がある場合は健常者より低い金額になることが多く、重い障害であれば就労の可能性がないとして「ゼロ」と判断されることも少なくないという。 だが、こうした裁判所の判断にも近年、変化の兆しがみられるという。 重度の知的障害がある少年(当時15)が福祉施設から行方不明になって死亡した事故をめぐり、両親が施設側に損害賠償を求めた訴訟では、東京地裁が2019年3月、「障害者雇用を積極的に推進する大きな転換期」という社会情勢もふまえ、19歳以下の男女の平均賃金と同額をもらい続けたと想定して少年の逸失利益を算出。請求の約3割にあたる約2200万円の逸失利益を認めた。 広島高裁判決も「近年の障害者の雇用状況や企業における支援の実例、ITを活用した就労支援機器の普及などの状況を踏まえると、今後は今まで以上に健常者と同様の賃金条件で就労できる社会の実現が見込まれる」と指摘。一審・山口地裁下関支部判決よりも踏み込んだ表現で、吉村教授は「高裁レベルで、障害者の雇用をめぐる社会の動向を具体的に示したのは前進だ」と話した。 一方で、広島高裁判決は「全労働者の平均賃金と同等にすべきだ」とする女性側の訴えを退けた。視覚障害によって働く能力が相当程度失われることは避けられないことや、健常者と同額の収入を得られるような社会状況が確立しているとまでは言えないことを理由に挙げた。吉村教授は「(障害者が)周囲のサポートを受けながら健常者と同じ水準で職業生活をできる可能性は十分ある。裁判所はさらに踏み込んで、全労働者の平均賃金で逸失利益を算出するべきだ」とも指摘した。(米田優人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
紀子さま「共感もあれば、意見が違うこともある」 眞子さまの結婚に
杉浦達朗2021年9月11日 0時00分 秋篠宮妃紀子さまは11日、55歳の誕生日を迎えた。誕生日に先立ち、宮内記者会が提出した質問に文書で答え、長女眞子さまと小室圭さんの結婚について「(眞子さまと)お互いに必要だと思うことを伝え合い、長女の気持ちをできるだけ尊重したい」とした。 眞子さまと小室さんの結婚をめぐっては、2018年の延期発表から3年半を経て、今年結婚する見通しが明らかになっている。眞子さまは結婚後、米国で生活する小室さんと同居する方針という。 紀子さまは、結婚について「娘の思いや考えを受け止められるよう、対話を重ねております」とし、話し合う中で「共感できることもあれば、意見が違うこともある」と明かした。一方で、今後の見通しなどについては明言を避けた。 長男悠仁さまは来春に高校進学を控えているが、「長男としっかり話し合い、本人の希望を大切にしていきたい」とした。悠仁さまは現在お茶の水女子大学付属中学校3年生で、同大付属高校は女子校のために内部進学できない。 昨年11月に行われた「立皇嗣の礼」については、「宮様をお支えしつつ、一つひとつの務めをより一層大切に努めて参りたい」と思いを語った。コロナ禍でオンラインでの公務や行事が中心だが、総裁を務める結核予防会や母子愛育会を始め、感染症流行下での各業界の課題や活動について話を聞いたり催しに参加したりしたという。(杉浦達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全盲女性の逸失利益「全労働者の8割」 広島高裁判決、社会情勢考慮
戸田和敬2021年9月10日 21時00分 高校時代に車にはねられた全盲の女性が、将来得られたはずの「逸失利益」について、健常者と同水準の支払いなどを運転手に求めた訴訟の控訴審判決が10日、広島高裁であった。金子直史裁判長は、全国の労働者の平均賃金の「8割」が妥当だとする判断を示した。「7割」とした一審判決を変更して上積みした。 逸失利益を巡っては、障害の重さに応じて、健常者の平均賃金などから一定割合を差し引いたり、まったく認めなかったりする判決もある。社会情勢の変化や個別の事情などを具体的に検討し、「8割」とした今回の判決は、今後の逸失利益の算出に影響しそうだ。 金子裁判長は、厚生労働省の統計をもとに、身体障害者の平均賃金は全国の労働者の約7割にとどまっているとし「障害のない人と比べ、差があると言わざるを得ない」と指摘。ただ、障害者の雇用状況やITを使った就労支援などの現状を踏まえれば、身体障害者が今後、健常者と同じ賃金条件で働ける社会の実現が徐々に図られていくことが見込まれるとした。 その上で、原告の新納(にいの)茜さん(30)=山口県下関市=は職業見学や大学見学に参加したり、多数の詩を作ったりするなど、能力向上に積極的だったことなどを考慮。逸失利益について、運転手側は全国の労働者の平均賃金の「57%を超えない」と訴えていたが、8割が妥当だと結論づけた。 新納さんは山口県立下関南総合支援学校(旧県立盲学校)の高等部2年だった2008年5月、市内の横断歩道を渡っていた際に車にはねられ、頭の骨を折るなどの重傷を負い、記憶力や集中力が低下する高次脳機能障害などが残った。18年に損害賠償を求めて提訴し、「障害がない人と同様に働くことに支障はなかった」などと訴えていた。(戸田和敬) 判決を受け、新納さんは広島市内で記者会見し「(逸失利益が全労働者の)8割では、本当は全然足りない。障害者が健常者と同じような扱いの社会になることを望む」と話した。 新納さんの代理人で、自身も全盲の大胡田(おおごだ)誠弁護士(第一東京弁護士会)は「1%でも減額されたなら差別だ。決して評価できない」と強調。健常者と障害者との間に不当な格差があるとし「障害者も、配慮を受ければ健常者と同様に仕事ができる。健常者と同じ『10割』という判決を望んでいたため、残念だ」と述べた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル