敵であっても災害時には助け合う――。3年前に互いの魅力を競い合う「敵対都市」を宣言して連携を深める鹿児島県の出水市と錦江町が、災害時の相互応援協定を結んだ。武田信玄と上杉謙信の故事にならって別名を「敵に塩を送る協定」と呼び合うが、今回は話題づくりではなく、自然災害の激甚化と被害の広域化に対する強い危機感が背景にある。 熊本県に接する鹿児島県北端の出水市と、大隅半島の南端に近い錦江町は直線距離で約103キロ、車で一般道を走れば片道3時間半かかる。大きな地震や台風・豪雨などで同時に大きな被害に見舞われる可能性が低い「遠い関係」が、今回の相互協定に結びついた。 1月26日付で締結された協定では、被災時の応援内容として、復旧活動に必要な資材・物資、被災者への食料や飲料水、生活必需品の提供のほか、被災者の一時受け入れ、職員の派遣などを挙げている。 こうした相互応援協定は200… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首都圏の飲食店、宣言で客7割減 ランチ、昼飲みは拡大
2回目の緊急事態宣言が出ている首都圏の1都3県で、宣言後の約1カ月間に飲食店を訪れた客は、昨年の同じ時期と比べて7割以上減ったことが、飲食店の予約や顧客管理のシステムを販売する「トレタ」(東京)の調査でわかった。昨春の緊急事態宣言時と比べると減少幅が小さく、オフィス街周辺より住宅街に近いエリアの方が減少幅が緩やかだった。 トレタのシステムを使う全国約1万店のうち、東京、埼玉、千葉、神奈川の計約3千店のデータを分析。2回目の緊急事態宣言初日の1月8日から4週間(2月4日まで)の来店客数は、昨年の同じ時期に比べて73・5%減った。 昨春の緊急事態宣言期間(4月7日~5月25日)を通じた客数は、前年の同じ時期と比べて90・2%減。2回目の宣言期間では減少幅が小さくなっている。 エリアで明暗 来店客数を時間帯別に見ると、営業時間の短縮が要請されている午後8時以降は、昨年の同じ時期に比べて93・2%と大幅に減少。一方で、昼食時間帯を含む午前11時~午後5時は44・3%減と、減少幅が比較的小さかった。同社の分析担当者は「ランチでの利用は拡大傾向にある。ランチからディナーまで通し営業をする店や、営業時間を前倒しする店が増え、『昼飲み』をする人も増えてきたようだ」と話している。 エリア別の傾向を見ると、2回目の宣言が出た直後の1週間とその1カ月前を比べると、丸の内などを含む東京駅周辺では72・9%減、新橋駅周辺では71%減。一方目黒区は57・1%減、世田谷区は53・1%減で、オフィス街より住宅地に近いエリアの方が減少幅が小さかった。「リモートワークで自宅周辺での飲食機会が増えている」(担当者)と見ている。 また、1月13日に緊急事態宣言の対象区域に加わった関西では、同様に大阪・ミナミのなんば駅周辺は37・7%減、大阪・キタの梅田駅周辺は52・3%減、神戸の三ノ宮駅周辺は57・3%減。首都圏と比べて減少幅が小さかった。 GoToイートの影響は データからは国の飲食店支援策「Go To イート」の影響も読み取れた。 イート事業のうち、グルメサイトから予約して飲食するとポイントがつくキャンペーンは、昨年10月1日に開始。直後から来店客数は急増し、開始後1週間の客数は、1回目の緊急事態宣言直後の1週間と比べて東京駅周辺で約30倍、新宿駅周辺で約26倍、梅田駅周辺で約19倍になった。 11月に入ってすでに「第3波」の感染拡大は顕著になっていたが、客足は伸び続けた。ポイント付与の予算が早々に尽きる見通しとなったため、大手の予約のサイトは11月中旬までに新規の予約受け付けを停止。それまでに、全国の客数は、新型コロナの影響がなかった前年同時期の87・8%まで回復した。(牛尾梓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「あんな最期を…」 コロナに奪われた父、骨も拾えず
新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて亡くなってから、13日で1年を迎えた。感染拡大に歯止めはかからず、この間、6千を超える命が失われた。最期に手を握ることも、骨を拾うこともできない――。残された家族は、やるせない思いを募らせている。 「あんな最期を迎えるなんて、想像すらしていなかった。もう一度だけ直接会って、『今までありがとう』って伝えたい」 札幌市に住む女性(38)は、段ボール2箱分になる遺品を実家で整理しながら、78歳で亡くなった父を振り返った。 父は別の病気のため、昨年1月から北海道内で入院生活を続けていた。コロナのため、昨春以降は面会禁止に。寂しかったが「病院にいた方が安全」と前向きにとらえていた。 拡大する札幌市に住む女性と入院中の父がかわした携帯電話のショートメッセージ=女性提供 昨年末、院内で患者の感染が見つかった。父はPCR検査の結果、幸いにも陰性だったが、「100%大丈夫ってことはないからね」と携帯電話越しに念を押すと、「分かっているよ」と落ち着いた声が返ってきた。 当初のPCR検査では「陰性」とされた女性の父。ただ、数日後に状況は一変します。「もっと親孝行してあげれば」。父が残したある物に、女性は今もやるせなさがこみ上げてくるといいます。 だが、その2日後、病院から電… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
赤ちゃん生まれペア解消 ホッキョクグマのゴーゴ横浜へ
大阪市の天王寺動物園の人気者、ホッキョクグマのゴーゴ(オス16歳)が繁殖のため、3月8日に横浜市のよこはま動物園ズーラシアに移ることになった。新たなパートナーは、10年以上前に天王寺動物園が熱烈なラブコールを送ったツヨシ(メス17歳)で、早ければこの春にも繁殖を試みることになるという。 ゴーゴは2006年、ロシアの動物園から1歳のときにやってきた。「551の豚まん」で知られる蓬莱(ほうらい)(大阪市)から寄贈され、現在、ペアを組むイッちゃん(メス7歳)と名前を合わせると「551」になる。14年には別のメスと初めての繁殖に成功し、昨年11月にはイッちゃんとの間に待望の赤ちゃんが誕生していた。 よこはま動物園で一緒になるツヨシは、札幌市の円山動物園で生まれ、繁殖目的で同じ北海道内の釧路市動物園に移ったが、08年にメスだったことが判明。その翌年に、当時の天王寺動物園長がゴーゴの繁殖相手に迎えたいと、全国から集まった約2万5千筆の署名をもって直談判したが、実現しなかった。 今回は、シロクマの飼育個体数… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アラサー記者はメンズメイクを始めた 気づいたことは…
男性が化粧をするメンズメイク。記者(27)も昨年の秋からメイクを始め、日常生活のなかに取り入れています。日々のメイクや取材を通して気付いたこと、考えてみたことをつづってみました。 高校の卒業式の朝、私の顔を見た母が「こっちのほうがよく見える」と眉尻を描き足してくれたが、恥ずかしくてこっそりぬぐった。あれから9年近く。私は毎朝、化粧水で顔を保湿し、外出前はBBクリームやファンデーションを塗ってから眉を引く。昨日よりもじょうずに眉を描けると、少しだけうれしくなる。 「メンズメイクをしてみたいんです」。百貨店の化粧品売り場でおずおずと尋ねたのは去年の秋。肌荒れが気になり、YouTubeで美容知識を仕入れるのにハマっていた。美容師の宮永えいとさんが投稿した動画もその一つだ。 宮永さんがメイクを始めたのは、美容室の店長になったばかりの頃。「最近疲れてますか?」とお客さんに指摘されたことがきっかけだった。鏡の前に立ち続けるのが美容師の日常だが、お客さんを美しくすることに全力を注ぐあまり、自分の顔をじっくり見たことはなかったという。 取材に対し、こう語っていた。「20代半ばの男性って、ちょうど職場に後輩もできて『仕事頑張るぞ』モードになっていて、自分の身なりに興味が薄れてくる頃ですよね」。うぅ、耳が痛い話である。実際仕事に追われていたせいもあるが、思い返せば先輩から「大野、いつも『人生終わり』みたいな顔だな」とよく言われていたな……。 話は戻って百貨店。売り場の店… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「備えない防災」って? 想像の壁を越える考え方とは
「備えない防災」が、じわじわ広がろうとしている。東日本大震災が起きてから、もうすぐ10年。災害に備える大切さを誰もがかみしめたはずだったが、その後の地震や豪雨でも犠牲になる人は後を絶たず、災害時の混乱も繰り返されている。備えなくていいの?という疑問を解くカギは、フェーズフリーという考え方にある。 フェーズフリー 「まわりに防災をしなくてもいいと思っている人っています?」「命や生活を失っていいという人は?」 フェーズフリー協会(東京都)の佐藤唯行代表理事を訪ねると、こう質問された。「いないです」と答えると、記者自身の心構えを問われた。 「では、備えていますか?」「きょう寝るまでの間にすることを10挙げてください。首都直下地震が来たときのことは入りましたか?」 食料や水の備蓄はあっても、胸を張って「備えてます」と言える自信はない。頭のなかに常に地震のことがあるわけでもない。正直に伝えると、佐藤さんはこう言った。「防災を取材する記者でもそうなのに、『備えましょう』だけでは解決できません」 いくら備えの大切さを伝えても、必ずしも行動にはつながらない。この悩ましさは防災関係者からよく聞くし、メディアの立場でも実感する。人はなかなか、被災したときのことを想像できない。いつ来るかわからない災害より、目の前の生活に追われがちだ。 拡大する昨年開園した公園を発着する電気バス。ふだんは池袋駅周辺を巡る路線を走り、災害時は移動電源になる。公園には井戸などの防災機能も備わっている=東京都豊島区のイケ・サンパーク この壁をどうすれば越えられるか。防災の研究や事業に携わってきた佐藤さんが2014年にたどり着いた概念が「フェーズフリー」だ。フェーズとは状態や段階のこと。バリアフリーのように「日常時」「非常時」の境をなくし、対応力を高めることを目指す。 ふだんと災害どちらのフェーズも 備えになるうえ役に立つ 実現している製品はすでにある… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪IR、全面開業時期は不透明に 実施方針案を修正
大阪府と大阪市は12日、誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)について、事業者に求める具体的な条件を定めた実施方針案を修正したと発表した。新型コロナウイルスの影響で想定していた準備が遅れ、全面開業の時期は不透明になった。 これまで府と市が公表していた事業者に対する募集要項では、全面開業の時期は2026年度末までと想定していた。ところが、新型コロナの影響で事業者との協議などが滞った。吉村洋文知事らは昨年6月に全面開業時期を「27~28年度ごろ」に遅らせる方針を示したが、今回修正した実施方針案には、それを盛り込むこともできなかった。 実施方針案では、事業者に整備を求めている10万平方メートル以上の展示施設や3千室以上の宿泊施設についても、20年代後半に部分開業後、順次整備を進めていく「段階整備」を可能とすることを明記した。 今後も新型コロナの影響を踏ま… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アパート管理会社員が放火容疑「住人が出てくれるかと」
アパート管理会社の社員が自ら管理するアパートに放火したとして、愛知県警豊田署は12日、同県高浜市論地町3丁目、加藤誠容疑者(46)を現住建造物等放火の疑いで緊急逮捕し、発表した。 署によると加藤容疑者は12日午前2時5分ごろ、同県豊田市の木造2階建てアパートの1階の空き部屋に侵入し、カセットボンベに火を付けて爆発させ、部屋の床や壁を焼いた疑いがある。加藤容疑者は「アパートが火事になれば立ち退きに応じてくれない住人が出ていってくれるのではないかと考えた」と容疑を認めているという。 豊田市などによると、現場のアパートは市が進める区画整理事業区域内にある。アパートは8部屋あるが、1部屋だけ住人がいたという。火は約30分で鎮火し、けが人はなかった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遺族ら「納得できますか」 危険運転、二審も認めず
津市の国道で2018年12月、時速140キロ超の乗用車がタクシーと衝突し、乗客ら4人が死亡、1人が大けがを負った事故で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた元ソフトウェア会社社長末広雅洋被告(58)の控訴審判決が12日、名古屋高裁であった。堀内満裁判長は、同罪の成立を認めず過失運転致死傷罪で懲役7年とした一審判決を支持。検察側、弁護側の控訴を棄却した。 高裁判決によると、末広被告は18年12月29日午後9時50分ごろ、津市の国道の直線道路で法定速度の時速60キロを超える146キロで車を運転し、道路を横断していたタクシーに衝突。タクシー運転手と乗客の男性計5人を死傷させた。 堀内裁判長は、危険運転致死傷罪の成立要件である「制御困難な高速度」にあたるかについて、被害車両のような他の走行車両の存在を判断要素に含めるべきではないと指摘。被告の車は進行しようとした進路からは逸脱していないとして「制御困難な高速度に該当するとは言いがたい」とした。 一審判決は、制御困難な高速度にあたるとしつつ、被告に危険性の認識があったとまでは言えないとして同罪の成立を認めなかった。控訴審はさらに厳格に要件を判断した。 堀内裁判長は「常識的に見て『危険な運転』であることはいうまでもないが、条文や立法趣旨をゆるがせにはできない」と述べた。(村上友里) 「判決を決めた方々に『あなたが私の立場なら判決に納得できますか』と聞きたい」 判決後の会見で牛場里奈さん(34)は言った。2年前の冬、事故で婚約者の大西朗さん(当時31)を失った。 「朗が亡くなってから(時間は)止まったまま。朗の分まで前向きに生きようと何度も思ったけれどそうなれない」と声を震わせた。 婚約者を失った後は不眠や記憶… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
裁判記録の半永久的保存、基準は「全国紙の1面掲載」
判決文や尋問の速記録といった刑事裁判記録のうち、通常の期限後も半永久的に保存される「刑事参考記録」について、法務省は、指定対象となる事件の類型に「主要全国紙の1面に掲載されるなど大きく報道された事件」などの具体的な基準を定めることを決めた。指定にあたって有識者に意見を求める仕組みも新たに設ける。 上川陽子法相が12日の記者会見で明らかにし、「公文書の保存管理が歴史の評価に堪えるものとなるには、大事なものは確実に残していくことが重要」と語った。 刑事裁判記録は、無罪を含む刑の重さなどに応じて確定後3~50年の保管期間が法で定められている(判決文は最長100年)。期限を過ぎて廃棄されれば判決に至る経緯がわからなくなるため、刑事法制や犯罪の調査研究に重要なものを刑事参考記録とし、法務省の通達で定める「犯罪史上顕著な事件」「重要な判例となった事件」などの類型に基づき、各地検などが指定の要否を判断している。 この類型だけでは判断がばらつきやすいとして、「主要紙1面」のほか最高裁判例集の掲載事件などの基準を示すことにした。類型外の事件や地検などが指定を不要と判断した事件について、有識者の意見を聴いた上で法務省が判断する仕組みも新設する。また、新たな類型として、検察審査会の議決により強制起訴された事件を加える。年度内にも運用を始める。 刑事参考記録に指定されている事件は昨年末時点で854件。罪名や事件名などの一覧が法務省ホームページで公開されている。(伊藤和也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル