16日から始まる大学入学共通テストについて、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者と特定された受験生が、自治体などのPCR検査(行政検査)を受けられない事態が相次いでいる。大学入試センターには15日までに数十件の相談が寄せられているが、未検査なら追試に回らなければならないという。 共通テストは16、17日に第1日程、30、31日に追試を兼ねた第2日程が行われる。センターによると、濃厚接触者の受験生は、自治体などの行政によるPCR検査を受けて「陰性」と判定された上で、無症状などの条件を満たせば別室での受験が可能だ。一方、センターには15日までに、受験生らから「濃厚接触者と特定されたがPCR検査を受けられない。どうすればいいか」などの相談が相次いだ。感染者増で検査が追いついていない保健所があるためで、会場となる各大学にも同様の問い合わせがあるという。 センターは14日、共通テストの受験生に対し、PCR検査を受けていない場合や検査結果が判明していない場合はいずれも受験できず、受験票記載の「問い合わせ大学」に連絡し、「追試の受験申請を」とホームページ上で呼びかけた。 濃厚接触者と特定された受験生のPCR検査については、文部科学省が昨年12月、厚生労働省に対してできる限り速やかに検査を行うよう要請し、厚労省も今月12日、保健所などに通知していた。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高橋みどりさん流の人生じまい 自粛が縁、楽しむ脱東京
一目ぼれした古いタクシー会社の建物。東京に暮らすフードスタイリストの高橋みどりさん(63)は、12年ほど前に夫の故郷・栃木で出会ったその建物を改装して店と住まいを構えた。早朝は松林を歩き、夕方からご近所さんと食卓を囲む。コロナ禍の自粛期間は東京を離れて栃木で過ごし、今は完全な移住を見据えている。そこで暮らし、感じる心地よさとは――。 拡大する「私たちの生活風景を見聞きした人の琴線に少しでも触れて、『そんなことで幸せなんだ』と思ってくれることがあれば嬉しい」と話す高橋みどりさん(右)と夫の吉田昌太郎さん 朝8時過ぎの栃木県那須塩原(旧黒磯)市。晴れの日には、タクシー会社の建物を改装した我が家の前の歩道脇にテーブルを出して、夫婦は焼きたてのバゲットにたっぷりのバターをぬる。「2人が幸せそうに食べているから前を通りたくなるんです」。月曜日の早朝に車で野菜を納品する農家の青年からメールが届いた。フードスタイリストの高橋みどりさん(63)は、横でコーヒーを味わう夫の吉田昌太郎さん(48)に「なんだかうれしいね」と伝えた。 高橋さんは、料理研究家の有元葉子さんや高山なおみさんらの料理本を数多く手がけてきた。料理に合わせたしつらえを提案する仕事だ。12年前から東京と黒磯を行き来する生活を重ね、コロナ禍の自粛生活に背中を押されて、黒磯に移住することを決めた。 始まりは、昭和初期に建てられたタクシー会社の建物との出会いだった。 50歳で東京・恵比寿で骨董(… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1億年前のホタルの光は深緑色? 中部大などが「復元」
約1億年前のホタルは「深緑色」に光っていたと推定されると、中部大(愛知県春日井市)や長浜バイオ大(滋賀県長浜市)などの研究チームが発表した。現生のホタルが持つ発光酵素「ルシフェラーゼ」をもとに、当時の発光酵素を「復元」したという。「失われた過去の光景をカラフルに復元できた」と説明している。 ホタルは現在、約2200種いるとされる。発光物質「ルシフェリン」は同じだが、種によって「ルシフェラーゼ」が持つ約550のアミノ酸の配列が異なるため、黄や緑など多彩な色で光る。ホタル科の昆虫は約1億年前の白亜紀のころに地球上に現れ、その当時から発光能力を持っていたと考えられているという。 拡大する実験室で「復元」した約1億年前のホタルの光(右)。現生のゲンジボタルの光(左)より深い緑色をしている=大場裕一・中部大教授提供 研究チームは、約30種の現生ホタルのルシフェラーゼをもとに「祖先配列復元」という手法を応用。時間とともに変化してきた配列を逆にたどり、約1億年前の配列をはじき出した。その当時のルシフェラーゼをつくり、ルシフェリンと反応させると深緑色になった。計算上、93・5%の確率で復元できているという。 拡大する1億年前のホタルの光を「復元」する手法のイメージ=大場裕一・中部大教授提供 ホタルは毒も持っており、緑色の光は捕食者に対する警告とされる。発光は雄と雌のコミュニケーションの手段としても使われるようになり、多彩な色になっていったとみている。 中部大の大場裕一教授(発光生物学)は「深緑色に発光するホタルから、種が分かれていく過程で色の異なるホタルが現れた。さらに研究を進めると、ホタルの発光の進化を解き明かすことができるかもしれない」と話している。 この成果の論文は、米科学誌サイエンス・アドバンシズ(https://advances.sciencemag.org/content/6/49/eabc5705)に掲載された。(木村俊介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学院生殺害、嘱託認めず 男性に8593万円賠償命令
福井県勝山市で2015年3月、東邦大大学院生で千葉県成田市出身の女性(当時25)が殺害された事件を巡り、女性の遺族が、嘱託殺人罪で実刑判決を受けた元福井大学教職大学院特命准教授の男性に損害賠償を求めた裁判の判決が13日、千葉地裁であった。高取真理子裁判長は男性に8593万円の支払いを命じた。 男性は指導していた女性の首を絞めて窒息死させたとして殺人罪に問われたが、福井地裁の裁判員裁判の判決は16年9月、「嘱託がなかったと認定するには合理的な疑いが残る」として嘱託殺人罪を適用。懲役3年6カ月の判決が確定していた。 今回の判決は「(女性が男性に)真意に基づき犯行を嘱託したとは認められない」とした。遺族は同日、「死にたくて死んだわけじゃないと私たちが信じていた内容のとおりです」とのコメントを出した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
禁止薬物の使用・勧誘、88人が経験 長崎大が調査結果
長崎大は14日、禁止薬物に関する調査結果を公表した。禁止薬物の購入や使用の勧誘を受けたことがあると答えた学生は計88人。大学は「地方の学生も都市部と変わらず誘惑にさらされている」としている。 調査は学生2人が大麻取締法違反の疑いで逮捕されたことを受けて昨年7月、紙やネットを通じて無記名で実施。学生数の67・6%に当たる6119人分の回答を得た。周囲に禁止薬物を所持・使用している人がいたと答えた人は120人(2・0%)いた。また、購入を勧められたことがあると答えた学生は23人(0・4%)、使用を誘われたことがあると答えた学生は65人(1・1%)いた。特に大麻について尋ねた項目では、購入を勧められたことがある人は23人(0・4%)、使用を誘われたことがある学生は41人いた。 同大では昨年1月に水産学部生が同法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕、6月に未成年の学生が同法違反(譲渡)の疑いで逮捕された。大学は2人を退学処分とし、水産学部の学生と一緒に大麻を使った学生3人を無期停学処分にしたという。(榎本瑞希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
博報堂系から計1.3億円詐取か 元社員ら4人再逮捕
広告大手の博報堂DYメディアパートナーズ(博報堂DYM、東京都港区)にうそのCM制作費を請求して約7500万円を詐取したとして、警視庁は14日、元社員の中島真毅容疑者(43)=東京都大田区=ら男4人を逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 ほかに逮捕されたのは、いずれも会社役員の、野田貴大(37)=東京都渋谷区=、風間裕一郎(38)=さいたま市中央区=の両容疑者ら。 逮捕容疑は、中島容疑者が博報堂DYMの社員だった2018年6月と19年5月、共謀し、野田容疑者が経営する広告会社などがCM制作の下請け業務をしたとする虚偽の請求書を博報堂DYMに出し、計約7500万円をだまし取ったというもの。4人は同様の手口で博報堂DYMをだましたとして昨年11月と12月にも逮捕されており、立件された被害は今回の事件を含めて計約1億3100万円となった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
5年たっても原因不明 19歳息子の死「無駄にしない」
長野県軽井沢町でスキーツアーの大学生13人と運転手2人が亡くなったバス転落事故から、15日で5年になる。事故をめぐっては、バス会社の社長らを起訴するかどうかの捜査が今も続く。遺族は再発防止とともに、司法による原因究明を願い続けている。 〈軽井沢のバス転落事故〉2016年1月15日午前1時50分ごろ、長野県軽井沢町の国道18号の入山峠下り坂で、東京・原宿から同県北部のスキー場に向かっていた大型バスがカーブを曲がりきれずに約4メートルの崖下に転落。大学生13人が死亡し、26人が重軽傷を負った。運転手2人も死亡した。 今月10日、京都府舞鶴市。田原義則さん(55)=大阪府吹田市=と妻由起子さん(54)は次男・寛(かん)さん(当時19)の墓に手を合わせた。今年も、寛さんの大好物のチョコレートとイチゴを供えた。「寛の死を無駄にせず、再発防止に取り組むよ」。田原さんは心の中で、そう呼びかけた。 首都大学東京(現・東京都立大)の2年生だった寛さんは、社会福祉士をめざしていた。自ら立てた目標に前向きに進んでいく性格だった。生きていれば、コロナ禍にもめげず、人の役に立とうと工夫して働いていたはずだ。田原さんには、そんな姿が目に浮かぶ。 事故直後、遺族会「1・15サ… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
火で記憶は消せない 時の止まった町に贈ったスケッチ
校舎に入ると、カビくさい臭いが曺弘利(チョホンリ)さんの鼻を突いた。 げた箱には運動靴が入ったまま。2階の教室では、ばらばらの方向をむいた机や床の上に、口の開いたランドセルが放ってある。 福祉施設の中は、外されたベッドの柵が散乱。商店街を歩くと、精肉店はゆがんだシャッターが半開きで、洋品店内は棚が倒れて商品が折り重なっていた。 福島県双葉町。 この町では10年前に時が止まった。 時が止まったままの町を目の当たりにした曺さんは、ある行動をとります。記事の後半で思いを動画で語ってくれています。 大きな揺れと津波に襲われた翌… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「金魚電話ボックス」訴訟、芸術家が逆転勝訴 大阪高裁
金魚の産地として知られる奈良県大和郡山市の商店街が制作した「金魚電話ボックス」が自身の作品の著作権を侵害したとして、福島県いわき市の現代美術作家、山本伸樹さん(64)が商店街側に330万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が14日、大阪高裁であった。山田陽三裁判長は著作権侵害を認定し、山本さんの訴えを退けた一審・奈良地裁判決を変更し、商店街側に計55万円の支払いなどを命じた。 高裁判決によると、山本さんは2000年12月、電話ボックスを模した水槽に金魚を泳がせ、ボックス内の受話器から気泡を生じさせるなどした作品「メッセージ」を発表。一方、大和郡山市の郡山柳町商店街協同組合は14年、電話ボックスの部材を使い「金魚電話ボックス」を制作し、18年まで市内に展示した。 19年の一審判決は、山本さんの作品を「発想はアイデアにとどまり、著作権保護の対象とならない」とした。高裁判決は、受話器から気泡を出す表現について、音声を通すための受話器に空気を通し、気泡を出すことによって通話を想起させる表現は創作性があり、作品全体が著作物と認められると判断。類似の作品をつくった商店街側の著作権侵害を認定した。 判決後に会見した山本さんは「作家として、作品の著作物性を認めてほしいと起こした裁判だった。ほぼ全面的に私の主張を認めて頂いた完全勝訴。今後もこの作品を色々な形で展開していきたい」と話した。商店街側は「対応は今後調整する」とコメントした。(遠藤隆史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上陸禁止の無人島に残る黒板「完成度高く誰も消せない」
「まだまだ勝手に関西遺産」 和歌山・白浜にある上陸禁止の無人島に、半世紀近くも消されることのない黒板が存在すると聞いた。一体何が書き残されているのか。 拡大する分室の黒板を紹介する京都大瀬戸臨海実験所の中野智之助教。鳥の鳴き声しか聞こえず、半世紀前にタイムスリップしたかのよう=和歌山県白浜町、滝沢美穂子撮影 沖合約600メートル、田辺湾に浮かぶ畠島(はたけじま)(2・6ヘクタール)。調べてみると、京都大学瀬戸臨海実験所が管理する海岸生物の研究・教育拠点だった。学生の実習や愛好家向けの磯の観察会が島で開かれ、毎年100人ほどが訪れる。実験所に頼み、特別に案内してもらえることになった。 小舟で島へ向かう。まず見えてきたのは「上陸禁止」と大きく書かれた看板。無断で水上バイクなどで訪れ、ゴミを捨てて帰るレジャー客が10年ほど前から相次いだ。そのため目立つものに取り換えたという。 拡大する畠島=和歌山県白浜町、滝沢美穂子撮影 お目当ての黒板は、小さな平屋… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル