「もう今、楽しみと感謝でいっぱいです」。大みそかの紅白歌合戦。初舞台に立った心境を司会に問われ、瑛人(23)はそう返した。緊張の面持ちで舞台の中央へ。話題のヒット曲「香水」を伸びやかに歌いきった。 ♪君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ 感謝を胸に、しっとりと。3分弱のステージをかみ締めた。 「香水」は、横浜のハンバーガー店でアルバイトをしながらシンガー・ソングライターを目指して活動していた一昨年春、初めてネット配信した楽曲だ。コロナ禍のもと、昨年5月ごろから急に注目を集めた。 動画アプリ「TikTok(ティックトック)」で話題になり、多くの芸能人がカバー動画を投稿して人気に火がついた。オリコンなどの音楽チャートで1位を獲得。定額制配信サービスの再生回数は1億回を超え、あっという間に紅白出場まで上り詰めた。 自分でも想像しなかった人気ぶり。「売れてるっていう感覚がまじでわからない」。紅白出場を目前に控えた年末、記者とのインタビューでそう語った。 コロナの影響もあり、ライブを… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
成人式、福岡・北九州は分散開催 断念、延期した場所も
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないなか、新年に予定されていた各地の成人式が中止や延期に追い込まれている。新成人にとっては一生に一度の大切なイベント。ウェブ開催を企画するなど、各自治体は感染状況を気にしながらあれこれ工夫を凝らしている。(伊藤繭莉、渋井玄人) 例年であれば、お正月は成人式シーズン。だが、コロナ感染の「第3波」を受け、政府の分科会は昨年12月11日、成人式の開催について注意を呼びかけた。政府も観光支援策「Go To トラベル」の運用を12月28日~1月11日の期間、全国的に停止すると発表した。 こうした状況に、式典の中止や延期を急きょ決める自治体が相次いでいる。 大分県宇佐市は12月15日になって、今月10日に予定していた成人式の延期を決めた。市社会教育課の担当者は「感染を恐れて帰りたくても帰れない新成人がいる。(延期して)新成人が互いに会える機会を模索したい」と話す。ただ、いつ開催するかは未定だ。 大分県中津市も12月16日に急きょ中止を決め、ウェブを活用する。動画配信サイト「YouTube」を通じて、新成人代表のあいさつや恩師らからの祝福の言葉を配信。「ウェブ同窓会」と銘打って、インスタグラムに写真やメッセージ動画を投稿してもらい、晴れ着姿を見せ合う場をつくるという。市社会教育課の担当者は「新成人や家族、市民の安全を考えた。一番かわいそうなのは新成人。少しでも思い出を残してもらいたい」と語る。 熊本県高森町は当初、出席者全員に抗体検査を実施したうえで今月3日に式典を開く方針だった。だが、12月25日に過去最多の68人の感染が確認されるなど熊本県内でも感染が広がり、26日に開催を断念。今後、新成人全員の意見を聞き、あらためて式典を開く時期を決めるという。町教育委員会の担当者は「新成人の意思を尊重し、一生に一度の式を何とか開催したい」と話す。 山口市は「人の流れを抑制する動きが加速されている状況を踏まえる」として、今月10日に開催予定だった成人式を5月の大型連休に延期することにした。貸衣装のキャンセル料などは、市が補償することを検討しているという。 宮崎市は、市内24カ所で計画していた式典を見送る。「今後の感染状況が見通せないため」といい、代わりに地区ごとに作成した「お祝いメッセージ」などの動画を配信するといった方法をとるという。 一方、苦慮しながらも、なんとか工夫して式典を開く自治体もある。 佐賀県大町(おおまち)町は、出席者全員にPCR検査を実施する。1月4日の式典当日に受付で唾液(だえき)を採取。座席を指定し、後日陽性者が判明した場合、本人や周りにいた人に連絡をするという。町教委の担当者は「検査をして、少しでも安心を与えたかった」と話す。 新成人数が約1万6千人と九州で最も多い福岡市は、1月11日午後に2回に分けて式典を開く。事前の申し込みが必要で、出席者にはマスク着用の徹底のほか、接触確認アプリ「COCOA」のインストールを呼びかけている。 北九州市も2回に分散して開催する。今回は会場のアリーナだけではなく観覧席も利用し、座席の間隔をとるという。 「こんな事態は初めて」 成人式の中止や延期は、地域経済にも影響を及ぼしている。 市内24カ所で予定していた式… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
稽古仲間が突然の心肺停止、剣士ら「自然に体が動いた」
剣道の稽古後に心肺停止の状態になった男性(68)を救命したとして、岐阜市消防本部はこのほど、稽古仲間の渡辺行惇さん(74)=同市=と赤尾康江さん(44)=羽島市=に感謝状を贈った。 同本部によると、8月20日午後8時10分ごろ、岐阜市の市青山青少年会館で剣道の稽古を終えて休憩していた男性が突然、意識を失った。異変に気付いた人たちが、胴衣やはかまを緩めたり、119番通報したりした。直前まで一緒に稽古をしていた渡辺さんは、名前を呼びかけたが返事がないなど、意識がないことを確認。すぐに胸骨圧迫による心臓マッサージを施した。以前に講習を受けた時、救急隊員から「本人が嫌がらない時は心臓マッサージをしてください」と指導を受けたという。 近くにいた赤尾さんは、会館備え付けの自動体外式除細動器(AED)で電気ショックを2回実施。119番通報から約9分後、救急隊員が到着し、医療機関に搬送された。男性は約1カ月入院したが、後遺症もなく社会復帰した。 12月にあった感謝状の贈呈で、岐阜北消防署の市村浩幸署長は「バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)の連携で献身的で適切な処置がなされ、一命を取り留めることができた」と感謝。渡辺さんは「少し手伝っただけ。自然に体が動いていた」、赤尾さんは「心臓マッサージやAEDの大切さを改めて実感した。本当に元気になられて良かったです」と話した。 同署によると、心肺停止の場合、処置が1分遅れると社会復帰できる可能性が7~10%下がると言われる。昨年度、岐阜市内で社会復帰できたのは3・6%だったという。(松永佳伸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
出荷の日、育てた牛ヒナタが涙を…農芸高生学んだ生と死
「ヒナタ、泣いてる!」。昨年9月末、大阪府堺市美原区の府立農芸高校。酪農専攻2年の生徒有志でつくる「Loveand(アンド)Beef(ビーフ)」のメンバー6人は、100日間世話したホルスタイン種の雌牛を取り囲んでいた。出荷のトラックを待つ「別れの日」だった。 ヒナタは両方の目頭から涙をこぼしていた。牛が泣くなんて知らなかった。何の涙かもわからなかった。だが、こらえてきた寂しさは一気にあふれ出した。生徒たちはもらい泣きした。 リーダーの田間鈴音(たますずね)さん(17)たちによるヒナタの世話は、昨年6月に始まった。2018年を最後に妊娠しなくなったヒナタは乳が少なくなり、食肉に回される予定だった。 経産牛は価値が低いとされる。そこに疑問を持った農芸高資源動物科の土肥正毅(どひまさき)教諭(43)が生徒たちに「ヒナタの価値を上げてみよう」と呼びかけた。 拡大する出荷直前のヒナタと撮った記念写真。リラックスした様子のヒナタが、このあと涙を流した=2020年9月27日、大阪府堺市美原区の府立農芸高、同校提供 搾乳を続けつつ、834キロの… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地方局発「楽屋話」なぜ人気?太田上田語るテレビ新時代
ローカル発の番組が地域を超えて人気を集めている。中京テレビ(名古屋市)の「太田上田」もそのひとつ。出演する爆笑問題の太田光とくりぃむしちゅーの上田晋也のほか、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」などを手がけてきた、「ガースー」の愛称でも知られる菅(すが)賢治プロデューサーが、人気が地方にとどまらないローカル番組の「今」や、番組の今後の展望について語った。番組を企画した菅Pから「結果が出る番組じゃない」との本音が飛び出したと思ったら、番組さながらの太田の自由奔放なボケ、上田の当意即妙なツッコミやたとえ話が炸裂(さくれつ)。一方、「地方」をめぐる真面目な発言も飛び出して……。 上田「下手なやつのテトリスから始まった」 ――新年の特集記事です。 太田 「新春ビッグ対談」ってよくやってたもんね。そういうやつか。とうとう俺たちもここまで来たか。 上田 ええっ、「太田上田」で持つか? だから今回菅さんを入れているのか……。いやいや、足しになるか! 菅 (笑) ――番組は2015年開始。菅さんが手がけた「BeeTV」の配信番組「太田と上田」(14年スタート)の終了にあたり、お二人から「僕らの代表作にしたい」という話があったのがきっかけだそうですね。 上田 ……言いましたっけ? 菅 いや、おっしゃいましたよ(笑)。そもそもは単純にお二人が楽屋で楽しそうに話されているのをずっと見ていて、「お願いだから一緒にやらせてくれ」って言って、やっていただいた。番組になったら、恐ろしく面白いというのは自分なりにはわかっていたけど、何年もずっと続けないとわかってもらえないだろうなっていうのもありました。 ――企画を何局かテレビ局さんに相談されたところ、中京テレビさんが乗り気だったとか。中京さんに先見の明があったということでしょうか。 菅 他の局さんには「まず結果を出して下さい」って言われたんです。結果が出る番組じゃないんですよ……。 上田 おい、失礼なことを言う… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
西川元農水相も1500万円超受領か 鶏卵大手から
鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表(87)が、自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農林水産相(70)=北海道2区、議員辞職=に6年間で計1800万円を渡した疑いがある問題で、前代表が東京地検特捜部の任意聴取に対し、西川公也(こうや)・元農水相(78)にも2014~20年の7年間で1500万円超を渡したと供述していることがわかった。自民党の「農水族」議員に長年現金を提供し、関係を深めていたとみられる。 西川氏は17年の衆院選(栃木2区)で落選後、首相への助言役とされる内閣官房参与(非常勤の国家公務員)に就いた。吉川氏への現金提供疑惑が表面化した昨年12月、「一身上の都合」で退任している。 関係者によると、前代表の供述では、西川氏が14年9月に安倍内閣の農水相になった直後から現金提供を始めたとされる。100万円単位で年に2回ほど西川氏本人に渡し、20年までの総額は十数回で1500万円を超えるという。このうち17年11月に就任した官房参与に在任中の分は約500万円とみられる。いずれも領収書は受け取っていないという。 前代表は調べに「(西川氏は)… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福袋も混雑もなし 一変した「初売り」それでも客は…
新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの人が詰めかける百貨店の初売りも、様変わりした。 「誰もいない……」 昨年、開店前に約7千人が詰めかけたJR名古屋高島屋(名古屋市)。2日午前8時前に到着した愛知県岩倉市の40代の主婦は、店員に入り口の目の前を案内され、驚いた。 初売りは「ストレス発散」だという。行列に並んで待つのも苦にならない。始発電車で駆けつけた昨年は、「すでに数十メートルの行列だった」という。今年は午前7時台の電車で来たが、「狙っていない」のに先頭になった。 その後ろに並んだ愛知県愛西市の主婦(49)も「人がいなくて『どこが入り口?』と聞いてしまった」と、静けさを実感していた。「お店も対策されているし、皆さんコロナ禍で考えた行動を取られてるんだなと思った」と話した。 コロナウイルスの影響で、全国的に「静かに過ごして」という呼びかけがあった今回の年末年始。愛知県では「不要不急の行動自粛」も呼びかけられている。JR名古屋高島屋は「密」対策として、冬物セールは昨年末から段階的に開始。福袋販売も前倒しし、初売りの日は扱うのをやめた。 福袋がなくても… 並ぶ客の「お楽しみ」 こうした百貨店側の対策で「お… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
成田山新勝寺、元日の人出は前年の3割 携帯データ解析
千葉県成田市の成田山新勝寺周辺の年末年始の人出は、前年比42%になっていることがソフトバンクの子会社Agoop(東京都)の提供データからわかった。大みそかは同102%と微増だったが、元日は同31%に抑制されていた。 同寺では、新型コロナ対策で分散参詣(さんけい)を呼びかけており、実際に1日昼は、参道まで続く例年の長い行列が消えた。大本堂では約1メートルの間隔で足元にテープが貼られ、間隔をとって順番に手を合わせていた。 市川市の清野伸江さん(52)は家族4人でお参りした。「静岡の実家に帰省することが多いのですが、コロナで今年は取りやめました」と伸江さん。近所の寺社で除夜の鐘をつく行事が中止になったこともあり、県内の同寺まで車で訪れたという。「家族が健康で平和でありますようにとお願いしました」(青山祥子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国で新たに3060人感染 5日連続で3千人を上回る
新型コロナウイルスの国内の感染者は2日午後8時半現在で、新たに3060人が確認された。5日連続で3千人を上回った。検査数が少なくなるとされる年始でも、高い水準が続いている。全国の死者数は31人だった。 感染拡大が止まらない東京都では814人の感染が確認された。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都基準の重症者数は前日より6人多い94人で、緊急事態宣言解除後の最多を更新した。入院者(2781人)、自宅療養者(3387人)、入院・療養などを調整中(2756人)の人数もそれぞれ最多となった。 大阪府では258人の感染が確認された。検査件数は1873件で、陽性者の割合を示す陽性率は13・8%だった。計算方法が変わった昨年12月16日公表分以降で最高だった。 寝屋川市の飲食店と泉南市の医療機関でこれまでに計15人の感染が確認され、府はいずれもクラスター(感染者集団)が発生したとみて調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
仏老舗ワイナリーが北海道進出 「温暖化実感している」
ワイン&チーズ新時代 拡大する植樹式であいさつするエティエンヌ・ド・モンティーユさん(右)=2019年7月19日午前10時39分、北海道函館市桔梗町、三木一哉撮影 2019年7月、北海道函館市。市中心部から北へ10キロ、函館湾を一望できる丘陵地に、壮年のフランス人男性が立った。 世界屈指の最高級ワインの産地・フランス東部ブルゴーニュ地方で300年近く続くワイナリーの当主、エティエンヌ・ド・モンティーユさん(57)。この地でワインをつくることを決め、ブドウの植樹式を迎えていた。フランスの老舗ワイナリーが函館の地を選んだ背景には、忍び寄る「地球温暖化」の影があった。 外国資本のワイナリーが日本に進出するのは初めてのことだ。植樹式には北海道や函館市の職員ら約200人が参加していた。あいさつに立ったモンティーユさんは、興奮した面持ちで語った。 「ブルゴーニュのノウハウと、この土地を知る日本の人々が力を合わせて世界に通用する素晴らしいワインをつくりたい」 拡大するブドウの苗木を植えるエティエンヌ・ド・モンティーユさん=2019年7月19日、北海道函館市桔梗町、三木一哉撮影 ブドウ畑は東京ドーム8個分にあたる約37ヘクタールを確保した。1年目は2.5ヘクタールに赤ワイン用の「ピノ・ノワール」と白ワイン用の「シャルドネ」の苗木を植えた。毎年3ヘクタールずつ作付面積を増やし、初収穫は23年、ワインの出荷は25年を見込む。 1本数万円のワインをつくる老舗にとっても、国外への進出は初めてのことだ。 ブドウの収穫時期が年々早まっている――。モンティーユさんをはじめブルゴーニュのワイン生産者の実感を裏づける調査結果が19年9月にまとまった。ブルゴーニュ大学などの専門家が、直近30年間の収穫時期と、地元の教会に残る記録をもとに過去600年間の収穫時期を比べたところ、平均で13日早くなっていた。 ブルゴーニュのワインの繊細な味わいを特徴づけているのは、ブドウの酸味だ。ブドウが熟しすぎると酸味を含めた味わいが変わりかねない。 元銀行員の当主の新たな挑戦 「温暖化を実感している。気候変動の課題に対処するために農業慣行を適応させる必要がある」 モンティーユさんは投資銀行の仏BNPパリバでM&A(企業合併・買収)に携わった異色の経歴の持ち主でもある。銀行マンさながらに、将来のリスクに手を打つことにした。ブルゴーニュで伝統的なワインづくりを続けながら、新たな挑戦として国外への進出を模索し始めた。 14年ごろからブルゴーニュ大… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル