「虫も殺せない気の小さい子だった」 法廷で明かされた幼いころの性格は、後に起こす事件の凄惨(せいさん)さとは懸け離れたものだった。2017年、神奈川県座間市で2カ月の間に9人を殺害し、遺体を解体して捨てたとされる白石隆浩被告(30)は母親に愛されたおとなしい少年だったという。そんな彼がなぜ、「首吊り士」と名乗って次々と若者を誘い、そして襲ったのか。裁判で示された証拠や被告の発言、これまでの取材から浮かび上がった被告の変化とは――。 1990年10月30日。自動車部品を設計する父親と母親の間に、長男として東京都町田市に生まれた。妹ができ、座間市の一軒家へ。幼少期を過ごしたのは、現場となったアパートから約2キロ離れた住宅街だった。 「一緒に暮らしたころの隆浩を思うと、事件が信じられない」。公判で読み上げられた供述調書で、母親が息子の過去を振り返った。 内弁慶な子どもだった。幼稚園のサッカークラブはボールを回してもらえず、続かなかった。小学生になると、テレビゲームに熱中した。1日2時間という約束を守れず、口げんかが増えた。でも、年1回は旅行に行く「どこにでもいる家族」だった。 地元の中学では野球部に入った… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
第2次大戦中の軍施設の日常鮮明に 兵士撮影の写真発見
第2次世界大戦中、大分県宇佐市にあった宇佐海軍航空隊の施設や訓練風景などを撮った写真が、戦争記録の発掘をしている市民団体「豊の国宇佐市塾」(平田崇英(そうえい)塾長)によって発見された。隊所属の写真班の兵士が撮影したものとみられ、撮影に厳しい規制があった軍施設内の様子がわかる資料的価値の高い写真も含まれている。 宇佐海軍航空隊は1939(昭和14)年、艦上攻撃機などの練習航空隊として開設され、隊員は一時約5500人いた。第2次大戦末期には特攻隊の訓練基地となり、154人が出撃して戦死した。学徒出陣した特攻隊員を描いた阿川弘之の小説「雲の墓標」の舞台にもなった。 写真は塾生で会社員の藤原耕(… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都で新たに480人感染 日曜日としては過去最多
東京都は13日、新型コロナウイルスの感染者を新たに480人確認したと発表した。感染者数が比較的多くない日曜日としては、11月29日(418人)を超えて過去最多となった。 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都基準の重症者数は前日より2人多い70人で、緊急事態宣言解除後の過去最多だった11月30日と並んだ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
61歳死刑囚が病死 フィリピン人女性2人殺害で刑確定
交際していたフィリピン国籍の女性を1999年と2008年に殺害し、殺人と死体損壊・遺棄罪で死刑が確定した無職野崎浩死刑囚(61)が、慢性腎不全のため収容先の東京拘置所で死亡した。法務省が13日発表した。 同省によると、野崎死刑囚は腎機能の悪化や高血圧を患い、18年12月に人工透析を始めた。先月下旬から発熱があったものの抗生剤の使用を拒み、今月11日には透析も拒否。翌12日午前に息苦しさを訴えた後、午後11時ごろ、意識を失っているのが見つかった。13日未明に死亡が確認された。 確定判決によると、野崎死刑囚は99年4月、横浜市の自宅で飲食店従業員の女性(当時27)を絞殺▽08年4月、東京都港区の自宅で飲食店従業員の女性(同22)を絞殺し、遺体を切断して運河などに捨てた。99年の事件では当初、殺人罪で起訴されず死体損壊・遺棄罪で実刑が確定。出所後に08年の事件を起こした。12年12月の最高裁判決で死刑が確定していた。(伊藤和也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
石川さゆりさん、光秀ゆかりの地に 母役の裏話も披露
大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」で明智光秀の母親・牧役を務めた歌手で俳優の石川さゆりさんが12日、光秀ゆかりの岐阜県恵那市明智町を訪れた。 市などでつくる大河ドラマの実行委員会が企画したトークショーに出演前、町内にある牧の墓所を訪れ、花を手向けて「どうぞ見守って下さいませ」と手を合わせた。ショーでは「(撮影時の)立てひざが痛くて大変でした」などと裏話を披露した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR特急「銀河」山陽ルート運行開始 倉敷・岡山駅にも
JR西日本の長距離特急「WEST EXPRESS 銀河」が12日、大阪―下関を結ぶ山陽ルートでの運行を始めた。11月までの山陰ルートでは通過していた倉敷と岡山の両駅でも停車。倉敷駅の上り線では特産品の販売もある。 12日の昼前、最初の下り列車が岡山駅1番ホームに入線。カメラを構えた50人近くの「撮り鉄」たちが迎えた。福山市から来た国末信啓(のぶひろ)ちゃん(5)は「ライトの形がいい」。マニアックなところに目を付けていた。 山陽ルートは来年3月11日まで週2回ほど往復する。県内からは乗車できないが、倉敷駅では上りの運行が始まる13日に出発式を開く。改札内のコーナーでデニムグッズなどを販売するほか、市のPR大使「倉敷小町」が乗客を出迎える。 乗車にはツアーへの申し込みが必要だが、来年1月分までは完売。2月分は今月15日まで日本旅行が抽選で受け付ける。(中村建太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大漁の網、楽しそうなばあちゃん 小6の力作に最優秀賞
「海とさかなとわたしたち」がテーマの第39回「海とさかな」自由研究・作品コンクール(朝日新聞社、朝日学生新聞社主催、日本水産協賛)の創作部門の最優秀賞・農林水産大臣賞に、佐賀県唐津市立相知小6年の山下和香さん(12)の工作「ばあちゃんの網おこし」が選ばれた。新型コロナの影響で短縮された夏休みをほぼフルに使って作った力作だ。 ◇ 山下さんの祖母、里子さん(71)は離島の馬渡島で叔父さんと漁業をしている。漁船を使ったタコ漁が中心だが、長さ4メートル前後のボートで網を使ったいろいろな魚の漁もする。夕方に島周辺の海に網を張りに行き、翌朝6時ごろに引き上げる毎日だ。 工作は、漁を終えたボートが港の岸壁に横付けされ、網が引っ張り上げられている場面を造形した。網にはカワハギやアラカブ、アジ、クロダイなどがびっしりの大漁。魚を横取りしようとする黒いトンビもいる。 海面と岸壁は発泡スチロールで、ボートは段ボールで作った。紙粘土で作った里子さんや叔父さんら人物はみな頭にタオルを巻き、ペンで描き込んだ顔の表情は笑っている。 審査では「網おこしの様子を立体的に表現し、生き生きと漁業をしている姿が伝わってくる。おばあ様への愛情も感じられてほほえましい」と評された。 コロナがなかったころ、山下さんは3連休や夏休み、冬休みの度に島へ渡り、漁の様子を見ていた。「(里子さんは)いつも楽しそう。魚がたくさん取れるのはうれしいし、何がかかっているのか分からないのも楽しみの一つ」と話す。 カラフルな魚の絵をよく描くほか、編み物や手芸も得意。「想像で自分の好きなところを描いたり、作ったりするのが好き」という。ピアノに習字、陸上教室と習い事も多彩だ。来春、中学生になる。中学教諭の父、文彦さん(49)の影響で「バレーボールを始めたい」と笑顔を見せた。 コンクールには「研究部門」「創作部門」があり、全国や海外の小学生から2万2410点の応募があった。今月5日にオンラインで表彰式があった。(渡辺松雄) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
血液が足りない!首都圏 「献血は不要不急ではない」
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、首都圏を中心に輸血用の血液の在庫が逼迫(ひっぱく)している。 日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センターによると例年、企業や大学などに献血バスを出して集団献血をしていたが、今年は、テレワークやオンライン授業などに切り替わったため、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)では、4割が中止に。代替として駅前などに献血バスを臨時配車して、必要な献血協力者を募集した。だが、同地域では、4~10月に献血した人数が当初の計画よりも、全体で9%少なく、約4万5千人分足りなかった。 関東甲信越の医療機関での使用量に対して、同じ時期の献血量が下回る状況が続いたことから、赤血球製剤の在庫数は10月中旬以降、適正量の維持が難しい状態が続いている。 関東甲信越ブロック血液センター総務部の光吉智彦さん(40)は、企業などの集団献血の中止が相次いでいることから、「計画的な献血協力者の募集ができない状況が続いている。全国では1日に約3千人の患者さんが輸血を待っており、毎日一定の献血協力が必要なんです」と話す。 同センターは大みそかに開く都内の献血ルームを昨年の3カ所から、今年は9カ所に増やす。「献血は不要不急ではない。予約をすれば、『密』を避けられるので、安心して献血してほしい」と協力を呼びかけている。 日本赤十字社によると、地域に… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
半年で避難670回以上 空を見ない児童、校長の危機感
子どもたちがいる小学校の校庭に落ちてきたのは、米軍ヘリの窓だった。あれから3年。「バリバリ」という耳をつんざくようなヘリの音がしても、子どもたちは空を見上げなくなった。様々な事故を目の当たりにしてきた校長は、「慣れ」への危機感と、変わらない基地被害へのもどかしさを募らせている。 12月上旬、沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校。校庭で、10人ほどの子どもたちがボールを蹴って遊んでいた。「ブンブン」という音がとどろく。隣接する米軍普天間飛行場からヘリが飛んできた。近づくにつれて「バリバリ」という強い音で子どもたちの声がかき消されたが、上空に目をやる子はいなかった。 3年前の12月13日、この校庭に普天間飛行場所属の大型輸送ヘリから7・7キロの窓が落下した。 「怖さが薄れてしまっているように感じます」。校庭が見える校長室で、校長の知念克治さん(58)はそう言った。 知念さんは嘉手納町の出身。自宅の道をはさんだ向かい側は、極東最大級と言われる米軍嘉手納基地だった。父は基地関係の仕事に就いていた。 夕方から基地で米軍機のエンジ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
診療は遠隔、薬はドローン 山あい過疎地で実用化なるか
過疎・高齢化が進む浜松市天竜区で車などの移動手段と最新技術を組み合わせたオンライン診療の実証実験「春野医療MaaSプロジェクト」が行われている。医療側、患者側双方の利便性を向上させるシステムとして期待されている。 春野医療MaaSは、経済産業省の「スマートモビリティチャレンジ」に浜松市が提案し、「先進パイロット地域」に選定された。 春野地区の小澤医院と同院の患者数人が参加。オンライン機能を備えたワゴン車に看護師らが乗って患者宅を訪問。患者は遠隔の医院内にいる医師の診療を受けている。 天竜区春野町宮川で8日、ドローンを使った薬の輸送実験が行われた。小澤医院で処方されたと仮定した薬の「箱」が積まれたドローンは約4キロを11分かけて飛行し、無事到着した。 ドローンの運航を担う会社によると、現段階で運べるのは500グラム以内という。今後、機器の改良や大型のドローンでより多くの薬を運べるよう検討する。担当者は「なるべく人手をかけずに運航できるように制度設計していきたい」と話す。この日までに実際の患者宅3軒に薬を運んだという。 オンライン診療の実演もあった。患者役の男性が車に乗り込み、看護師役の補助を受けて体温や血圧を確認し、小澤医院の小澤靖院長(80)と面談。現在の体調や病状などの診察を受けた後、「冬場は体を動かすことが少なくなりますが、なるべく動きましょう」などとアドバイスをもらっていた。 広い山間地の往診「運転だけで疲れてしまう」 春野地区は高齢化率約50%。… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル