黒田陸離2023年12月6日 10時51分 性別による決めつけへの「もやもや」を表現しようと、広島県が初めて実施した「ちぃともやもや ジェンダー川柳コンテスト」の授賞式が5日、広島市内であり、最優秀賞に武田高校(東広島市)2年の長尾奏来(そら)さんの句が選ばれた。1649句の中から受賞した句は、県の啓発活動などで活用するという。 「ご飯まだ? 帰った時刻 同じだよ」 共働きの両親を持つ長尾さんは日ごろから、くつろぐ父が母にかけるひと言が気になっていたという。審査員長を務めた県立広島大の上水流(かみづる)久彦教授は「気持ちをストレートに表していて、家に帰って座ってテレビをつけている父親へ鋭い刃物をぱっと見せるような句」と高く評価した。 審査員の選考とは別に、入賞した30句から最も共感する句を選ぶ一般投票でも、663票中82票を集めて1位となった。長尾さんは「みんな同じことを思っていることにびっくりした。大人になる頃には、男性も女性もお互いをもっと尊重できる社会になってほしい」と話した。 このほか、優秀賞には「『手伝うよ』 じゃのぉて一緒に やりますじゃ」と「色眼鏡 押し付けられて 押し付けた」の2句、審査員賞には「理系です 『女なのに?』は 余計です」と「早帰宅 見送る上司の 子は3歳」の2句が選ばれた。(黒田陸離) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
対馬市議の「核ごみ」視察は条例違反 NUMOが反論「重要な活動」
2023年12月6日 6時30分 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の受け入れをめぐり、長崎県対馬市の政治倫理審査会が、最終処分事業に関わる原子力発電環境整備機構(NUMO)による視察旅行に一部の市議が参加したのは、市政治倫理条例違反にあたるとする調査報告書をまとめた。NUMOは5日、国民理解の増進のため「重要な活動」とする談話を出した。 市が4日に公表した報告書によると、市議13人が2021年10月~今年4月、北海道や青森県六ケ所村の最終処分関連施設の見学に参加したとされる。交通費や宿泊費をNUMOが負担し、食費は議員の個人負担だったという。 政倫審は施設見学の費用負担は財産上の利益供与であると判断。「政治的または道義的批判を受けるおそれのある寄付にあたる」と結論づけた。 9月下旬に、市民から「企業団体などからの寄付および金品の授受にあたる」として調査請求があった。 これに対し、NUMOは5日の談話で、最終処分法に基づく政府の基本方針で、「国民理解の増進のため、研究施設等を活用した学習機会の提供等を積極的に実施する」とあることから、「地層処分事業に関心を有する方々であれば、どなたでも関連施設の見学の機会を提供している。当機構の重要な活動」と主張。 「これに伴う必要な費用の支出は、事業を実施する上で不可欠と考えている」とし、施設見学などの事業を続ける考えを示した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
84歳女性、「2億円」を故郷に寄付 「教育のため」亡き夫と共に
福田祥史2023年12月6日 7時23分 子どもたちの教育に役立てて欲しいと、元教員の女性が茨城県稲敷市に2億円相当の株式証券を寄付した。亡くなった夫とともに教員として長く勤めた地域に、恩返しがしたかったという。 千葉県成田市の長谷川淳子(あつこ)さん(84)は現在の稲敷市内出身で、養護教諭として市内東地区や桜川地区の小中学校で勤務した。寄付は今年1月に87歳で亡くなった夫の義賢(よしかた)さんが言い出した。義賢さんも教諭として両地区の小学校で長く教えた。 市教育委員会によると、昨年10月に長谷川さん側から寄付の意向が伝えられ、受け入れに向けて動き出した。まもなく、義賢さんの体調が悪化し帰らぬ人となったが、相続した長谷川さんから今年11月8日に株式が市へ寄贈され、同14日に現金化したという。 長谷川さんによると、義賢さんには、自分が経済的に苦労しながら学んだ経験や、より高い教育も受けたかったとの思いがあり、「大学院や難関大学をめざす子どもたちの役に立てれば」と話していたという。ただ、長谷川さんは使い道については、「私は大学院にこだわらなくていいと思っている」と話す。 市は全額を基金にして、奨学金などに充てるため、必要な条例と予算を5日開会の市議会定例会に提案。来春をめざして具体的な貸与の要項などを決める。 今月1日にあった寄贈式では、筧信太郎市長が長谷川さんに、「大変ありがたい。稲敷の子どもたちが立派に学べるよう、援助していく」と感謝の気持ちを伝えた。(福田祥史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アンテナショップの勢い再び 外国人観光客増加、新幹線延伸にも期待
東京都内で手軽に地方特産の食べ物や工芸品を買えるアンテナショップ。今春の都内の店は62店で、前年から3店増え、過去最多(2020、21年)に並んだことがわかった。コロナ禍でかつての勢いを失っていたが、外国人観光客の増加などで、売り上げや来客数も回復傾向にあるという。 アンテナショップを調査している一般財団法人「地域活性化センター」(中央区)が5日、発表した。 センターによると、アンテナショップの始まりは1994年ごろ。バブル崩壊で増えた有楽町や銀座の空き店舗を利用し、自治体が地域の特産品を売り始めたことがきっかけだった。道府県にとどまらず、市町村も次々と出店し、売り上げも右肩上がりの時期が続いたが、コロナ禍で一転。ネット通販の利用が増えたこともあり、苦しい状況が続いていたという。 ただ、センターが今年3月の… この記事は有料記事です。残り744文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
困窮家庭の2割「子どもが不登校」 学用品買えず 友人関係にも影響
経済的に苦しい家庭の約2割が「子どもが不登校または不登校気味」と回答した――。困窮世帯を支援する認定NPO法人「キッズドア」(東京)は5日、そんなアンケート結果を公表した。自由記述からは、経済的な困窮が理由で、友人関係がうまく築けなかったり、学用品が買えなかったりする様子がうかがえる。同法人は、支援策の拡充を訴えている。 調査は11月10~16日、同法人が支援する家庭を対象にインターネットで実施した。回答数は1822件で、回答者の9割が母子世帯だった。 「子どもが不登校または不登校気味であるか」の問いには、21%が「はい」と答えた。72%が「いいえ」、7%が「回答しない」だった。「はい」の回答のうち、子どもの年代を複数回答で尋ねたところ、小学生45%、中学生39%、高校生24%などだった。 自由記述には不登校などの理由とみられる内容もあり、「いじめ」「授業についていけない」のほか、「リコーダーや体操服も買ってあげられず、(子どもが)恥をかいてしまうから」「出費を抑えている分、(子どもが)友達と遊びに出かけることが減った」といった経済困窮にかかわる内容も目立った。 単純比較はできないが、文部科学省の調査によると、2022年度の不登校の小学生と中学生は計約29万9千人で、在籍する児童生徒の3%余りだった。(高橋健次郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「客を破綻させない」 歌舞伎町ホストクラブ側が方針、実効性に懸念
土舘聡一2023年12月5日 19時52分 東京都新宿区歌舞伎町のホストクラブで客が売掛金で飲食し、高額請求が相次いでいる問題で、ホストクラブ側が5日、「売掛金を段階的になくす」という方針を示した。今後、区との協議で具体的な自主規制ルールを決める予定。 ホストクラブ13グループの経営者らが区との協議で明らかにした。対策案は、客の生活が破綻(はたん)するような営業を行わない▽すでに発生している高額な売掛金は行政と連携して対応▽売掛金は店舗管理とし、客とホスト間の貸し借りをなくす▽1月以降、支払いのうちの売掛金の割合を段階的に引き下げて4月にはなくす▽20歳未満の入店禁止を検討――など。 支払いのために客へ風俗業界などの仕事をあっせんする「匿名・流動型犯罪グループ」(通称トクリュウ)との関係も絶つとした。 ただ5日の協議では、自主規制ルールに従わない店に20歳未満の客が出入りする恐れなど実効性への懸念も出たという。13日にも協議し、方針が固まり次第、自主規制ルールや業界連絡会の設立を公表するという。(土舘聡一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
米軍、オスプレイ乗員8人全員の死亡を認定 過去最悪の死者数に
有料記事 ワシントン=下司佳代子2023年12月6日 2時29分 米空軍特殊作戦司令部は5日、鹿児島県の屋久島沖で11月29日に発生した米輸送機オスプレイCV22の墜落事故で、乗員8人のうち、遺体が収容され身元もすでに確認されていた1人を除く、残り7人全員について死亡を認定したと明らかにした。 米軍は、生存者が残っている可能性は低いと判断、乗員の救助から遺体収容に活動を移行した。 日本の防衛省によると、オスプレイの事故でこれまで死者数が最も多かったのは、2022年6月にカリフォルニアでMV22が訓練中に墜落、乗組員5人が死亡した事故。CV22では10年4月にアフガニスタンで作戦任務中に地上に衝突し、乗員4人が死亡した事故だった。今回の事故は過去最悪の死者数となった。 2人所在が分からないまま 米軍が日本の捜索に「感謝」 事故機は当時、定期訓練中で… この記事は有料記事です。残り546文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震時の新幹線ストップ、より早く JR東が早期検知システム改良
細沢礼輝2023年12月5日 20時00分 地震の本格的な揺れが来る前に新幹線を止める「早期地震検知システム」について、JR東日本と鉄道総合技術研究所は5日、最初の揺れの検知から送電を停止して非常ブレーキを作動させるまでの時間を従来の約3分の1に縮めることに成功したと発表した。2024年3月から新システムを導入するという。 早期地震検知システムは、伝わる速度の速い初期微動(P波)を検知して震源地や地震規模を推定。主要動(S波)が到達する前に影響が予測される沿線の送電を止め、走行中の新幹線に非常ブレーキをかける仕組み。 JR東によると、今回は、P波を検知した際にその振幅から地震規模を推定する方法を改善。より早く送電停止が必要かどうかを判断できるようになった。過去3年間に起きた13地震をみると、P波検知から送電停止までに平均3・9秒かかっていたが、新たな方法ならば3分の1の平均1・3秒に縮まるという。その結果、時速320キロで走行中の新幹線が止まるために必要な距離も約230メートル短くなった。 深沢祐二社長は「被害軽減には、走行中の新幹線を1秒でも早く止めることが重要。今回の改良は非常に大きな効果を持つと考える」と話した。(細沢礼輝) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都教委の英語スピーキングテスト、反対の教授らが独自調査結果を公表
本多由佳2023年12月5日 21時00分 先月26日に中学3年生約7万人が受験した東京都教育委員会の英語スピーキングテストをめぐり、都立高校入試への活用に反対する大学教授や都議らが5日、記者会見を行い、独自に行った実施状況調査結果を公表した。中3生や保護者らから計266件の回答を得たという。 先月26日夕から今月3日、インターネットでアンケートを実施(匿名可)。「まわりの生徒が何を言っているかがわかった」(86件)▽「(防音用の)イヤーマフが痛い、集中できない」(76件)▽「試験を前後半に分けることで、長時間の拘束や不公平感を生んでいる」(66件)などの意見が集まったという。 また、前後半とも同じ問題を解くにもかかわらず、「後半組に前半組の解答する声が聞こえ、何を言っているかもわかった」との回答が15件、「前半組と後半組の接触があった」が13件あった。都教委の担当者は「(該当する)会場などが分からないので確認しようがない」としている。(本多由佳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安保法制は「明白な違憲と断定できない」 原告の控訴棄却 仙台高裁
集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法違反だとして、福島県内の戦争経験者や家族ら170人が1人あたり1万円の国家賠償を求めた訴訟の判決が5日、仙台高裁であった。小林久起裁判長は「憲法9条に明白に違反するとまでは言えない」と述べ、初めて憲法判断を示した。その上で、原告側の請求を棄却した一審判決を支持し、控訴を棄却した。 小林裁判長は、高裁で行った早稲田大・長谷部恭男教授(憲法)の証人尋問などを踏まえ、安保関連法について「憲法の基本理念である平和主義に重大な影響を及ぼす可能性のある憲法解釈の変更だ」と指摘。「武力行使の限界を超えると解する余地もある」とした。 また、安保法制によって、限られた場合であっても集団的自衛権の行使が認められたことで「解釈運用に、不確実性が生ずること自体は免れない」とも指摘した。 だが、日本の存立が脅かされるなど限定的な要件があり、厳格かつ限定的な解釈を示した政府の国会答弁を踏まえれば、「憲法9条や平和主義の理念に明白に違反するとまでは言えない」と判断した。憲法改正・決定権を侵害されたとする原告側の主張についても「安保法制は政府の意思決定や国会の立法にすぎず、憲法改正するものではない」として退けた。 弁護士らでつくる「安保法制違憲訴訟の会」によると、同種の集団訴訟は全国22地裁・支部(計25件)で起こされ、これまでに地裁と高裁で39件の判決が出た。だが、具体的な権利侵害が認められないなどとして憲法判断には踏み込まず、原告側の請求を退けていた。 弁護団の広田次男・共同代表は、憲法判断を示した点を「一歩前進」と評価しつつ、「中身には納得できない」として、上告する方針を示した。 長谷部教授は判決後、取材に対し「裁判官として、精いっぱいの判断をしたという印象だ。『厳格かつ限定的な解釈を示した答弁』が守られなければならないとクギを刺した、と判決を読むべきだろう」と述べた。(滝口信之、根津弥、編集委員・豊秀一) 安全保障関連法をめぐる主な経緯 2014年7月 集団的自衛権行使を認める憲法解釈の変更を閣議決定 15年5月 安保関連法案が閣議決定され、国会に提出 6月 衆院憲法審査会で長谷部恭男・早大教授ら憲法学者3人が安保関連法案を「違憲」と指摘 9月 国会前で大規模なデモが続く中、安保関連法が参院本会議で可決、成立 16年3月 安保関連法施行 4月 市民らが「安保関連法は憲法違反だ」として、国家賠償などを求めて東京地裁に提訴。その後、各地で提訴が相次ぐ 23年5月 仙台高裁の証人尋問で、長谷部教授が安保関連法の違憲性を指摘 9月 最高裁第二小法廷が、市民らの上告を棄却する決定 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル