1900(明治33)年の開通当時の姿で残る旧国鉄中央線の「愛岐トンネル群」の特別公開が25日、愛知県春日井市のJR定光寺駅近くで始まり、廃線沿いの紅葉を楽しむ人でにぎわった。 暗いトンネルの奥に赤やだいだい色のモミジが見えると、多くの人が足を止め、写真を撮影していた。家族と初めて訪れた愛知県小牧市の横井孝彦さん(45)は「景色が幻想的で、とても気持ちよかったです」と喜んだ。 初日のこの日は約4千人が訪れた。公開は12月3日まで。(長島一浩) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
初優勝のスタジアムに響く神戸讃歌 傷ついた市民と歩んだヴィッセル
サッカー・J1リーグのヴィッセル神戸が25日、本拠地ノエビアスタジアム神戸(神戸市)で名古屋グランパスを破り、チーム創設から29年目で初優勝を決めた。 試合を終えた選手たちは、チームカラーのクリムゾンレッド(えんじ色)で染まるスタンドに向かって、肩を組んで並んだ。 スタンドには、「あの日の希望。今ここに輝く!」と手書きされた横断幕。 歓喜に沸くサポーターは、互いに肩を組んで、体を左右に揺らして、歌い始めた。 チームと、この街への応援歌を。 〈俺達のこの街に お前が生まれたあの日〉 〈どんなことがあっても 忘れはしない〉 〈共に傷つき 共に立ち上がり〉 〈これからもずっと 歩んでゆこう〉 〈美しき港町 俺達は守りたい〉 〈命ある限り 神戸を愛したい〉 「神戸讃歌(さんか)」。チームが低迷していた2005年、サポーターの間で生まれた応援歌だ。フランスの歌手・エディット・ピアフの名曲「愛の讃歌」に、オリジナルの歌詞を乗せた。 現地で応援した神戸市灘区の市職員、新明(しんめい)正也さん(54)は言う。 「震災で傷ついた神戸市民とチームの一体感が生まれる歌。サポーターと共に立ち上がり、一緒に歩んできたチームですから」 1990年代前半、神戸にプ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
昨季は卵高騰も 今季初の鳥インフル、佐賀の養鶏場で4万羽殺処分
佐賀県は25日、同県鹿島市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認された、と発表した。この農場の鶏約4万羽の殺処分が始まった。農林水産省によると、鳥インフルの養鶏場での発生は今季初という。 24日、養鶏場から死ぬ鶏が増えたとの通報があった。25日、遺伝子検査の結果で陽性となり、農水省が、感染の疑いがある「疑似患畜」と判断した。 これを受け、政府は25日、首相官邸で関係閣僚会議を開いた。松野博一官房長官は冒頭、「今後、今回の地域以外での発生の恐れもある。政府一丸となって感染拡大の防止のため、万全の対応をお願いする」と呼びかけた。 農水省も専門家による防疫対… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中学受験の利点やリスク 朝日新聞記者が講演「撤退の基準決めて」
教育分野の取材を担当する朝日新聞の高浜行人記者の講演会が25日、東京都世田谷区の駒沢大学駒沢キャンパスで開かれ、保護者ら約80人が集まった。朝日新聞と都内南部朝日会の主催。「中学受験 する?しない?」と題し、受験がもたらしうる利点やリスクについて語った。 高浜記者は東京社会部教育班の所属となった2013年以降、学校や塾、文部科学省などの取材を担当。近年の中学受験熱の高まりを受け、22年から当事者や専門家、塾講師への取材をもとに朝日新聞デジタルで中学受験連載企画を担当した。 講演では、受験を通じて子どもの知的好奇心の高まりや親子の成長が実感できるケースがある一方、平均で総額400万円超とされる準備費用や、ストレスで円形脱毛症や自傷に苦しむ子もいる実態を紹介。「なぜ受験するのか、親子でよく話し合い、始める場合は撤退の基準も決めて」と話した。 参加者からは「中学受験をやめる際の具体的な流れは?」「高校受験に切り替えた場合に小学校の時にしておくべきことは?」といった質問が寄せられた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「日本最年長の新人アイドル」 デビュー思い出の地・原宿でライブ
若者が集まる東京・原宿で25日夜、62歳同士の女性デュオ「myun(ミュン)とyayo(ヤヨ)~」がライブを開いた。2人は「天国に一番近いアイドル」をキャッチフレーズに活動し、記録認定サイトで「日本最年長の新人アイドルデュオ」と認定されている。 この日ライブを開いたのは「ラドンナ原宿」(東京都渋谷区)。2012年に本格的に活動を開始した会場だ。 キラキラの衣装に身を包んだ2人は、オリジナル曲のほか山口百恵さんや森昌子さんら昭和世代のスターのヒット曲を披露。集まった100人近いファンからは、紙テープが投げ込まれたり、お決まりのかけ声が掛けられたりした。 2人はこれまで、シングル1作品とアルバム2作品を出している。12月17日には東京都港区の「歌声ピアノサロンメロディー」でライブがあり、来年には新曲も発表予定だ。(中井なつみ) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
皇居内の乾通り、一般公開始まる 紅葉楽しむ人らでにぎわう
皇居内を南北に走る「乾(いぬい)通り」の一般公開が25日午前、始まった。訪れた人たちは、色づき始めた紅葉を楽しみ、カメラやスマートフォンで撮影するなどしていた。公開は12月3日まで。 今年は昨年とは異なり、マスクの着用は個人の判断に委ねられた。両親と訪れた東京都江戸川区の小学5年の大島優志さん(10)は、カエデやモミジなどの落ち葉を拾い、皇居の紅葉は「赤とか黄色とかグラデーションがきれい」と笑顔を見せた。大阪府豊中市の主婦中村桂子さん(65)は「紅葉にはちょっと早かったけど、石垣や立派な松も見られて良かった」と話した。開門前から並んでいた東京都江戸川区の星秀之さん(61)は紅葉や石垣などの写真を76枚撮影したといい、「お天気が良ければ来週も来たい」と話した。 乾通りには、イロハモミジやトウカエデなどのモミジ類計70本などが植えられている。入場無料。入場時間は午前9時~午後3時(退出は午後3時半まで)。(多田晃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市民なら皆知っている、あの塔が消えた 昭和生まれの鹿屋のシンボル
鹿児島県・鹿屋市民なら知っている、あのタワーが消えた。 昭和の雰囲気を漂わせるレトロな塔で、ランドマークとしても活躍した。本来の役割を終え、約40年の歴史に幕を下ろした。 タワーは海上自衛隊鹿屋航空基地の入り口に近い、鹿屋市西原の国道269号沿いの三差路にあった。高さ34メートル。塔の上にどら焼きのような円盤状の構造物が載った灯台のような姿。 バイパスがない時代、垂水方面から来た車の多くはここを通って市街地へ。「タワーを見ると鹿屋に帰ってきたと感じた」という人がいるほど、市民になじみの塔だった。 白を基調に上部には市旗と同じ赤と青のライン。取り付けられた看板には「健康 交流都市 かのや」の文字。てっきり市をPRするシンボルタワーかと思ったら、暮らしに欠かせないものだった。 そのタワーの名前は、「平和… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ファンが「推し」を殺した後にやりたかったこと ゆがんだ欲求の先に
東京・池袋のラブホテルで昨年7月、「地下アイドル」の女性(当時18)が殺害され、ファンだったという男(39)が起訴された。「推す」「推される」という相互の関係が事件にまで発展した背景には何があったのか。判決が指摘したのは、「一方的な怒り」。そして、「独りよがりな欲求」だった。 9月下旬、東京地裁であった初公判。被告は白いワイシャツに青色のネクタイ姿で出廷した。1年あまり前の逮捕時には黒髪が目元まで伸びていたが、丸刈りとなり、髪は真っ白になっていた。 ホテルの一室で女性の首を絞めて殺害し、頭部を包丁(刃渡り17・5センチ)で切断して損壊した――。殺人と死体損壊、銃刀法違反の罪で起訴された内容を、被告は「間違いありません」と認めた。 検察側と弁護側の冒頭陳述などをもとに、事件に至った経緯をたどる。 被告は高校卒業後、宝石店やファストフード店などに勤務。実家で母親と2人で暮らしていた。当初はメジャーグループのアイドルが好きだった。だが、10年近く前から、ライブハウスなどを中心に活動し、ファンとの距離が近い地下アイドルに関心を抱くようになった。 女性と知り合ったのは2019年秋。東京・錦糸町であったイベントに出かけた際、アルバイトとして働いていたのが女性だった。その後、女性が働く歌舞伎町のコンセプトカフェにも通うようになった。 女性は中学生のころ、姉と一… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「もうひとつの草津温泉」ハンセン病の痕跡たどるツアーで知る裏面史
天下の名湯と知られる草津温泉(群馬県草津町)で、「もうひとつの草津温泉」と銘打ったウォーキングツアーがある。温泉街をめぐるものの、見ていくのは、ハンセン病を癒やしに訪れた人々の足跡の数々だ。参加者は、歩きながら温泉文化の裏面史を考える貴重な体験ができる。 40~70代の5人が9月末、草津温泉バスターミナルに集まった。草津と長野・軽井沢を結び、1962年に廃線となった「草軽電気鉄道」の模型を前に、ガイドの小沢覚さん(66)は言った。 「これもハンセン病と関係が深い列車です。病者を乗せなかったんです」 日本温泉3大薬師として知られる近くの光泉寺などをまわりながら、湯けむりが漂う湯畑へ。草津温泉のシンボルらしく、旅館やホテルが立ち並ぶ。コロナ禍の打撃から、すっかり回復したのだろうか。国内外の観光客でにぎわっている。 記事の後半では、集団移転を迫られた患者たちが暮らした地域や町外れの療養所、監禁施設など参加者とともに記者がたどったツアーの内容を紹介します。 「昔、旅館の人たちは、彼らハンセン病者のことを、『裏壺(うらつぼ)の客』と言っていたんですね」 壺とは客間のこと。ハンセン… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
裸体の白人男性、スーツに腕組み…脱毛広告に見る「男らしさ」の呪縛
腹筋の割れた男。スーツ姿で腕組みする「デキる男」。街中を意識して歩けば「男らしさ」を強調した広告に囲まれていることがわかる。「ジェンダー目線の広告観察」を今秋出版した小林美香さんは、広告表現からも「男らしさの呪縛」が見て取れると語る。 ――9月に出版した本で、「女らしさ」「男らしさ」が見えるジェンダー表現の例として「脱毛広告」に目を向けています 美術系の大学で講座を持ち、ジェンダーやアート、写真について講演し、執筆活動をしています。都内に住んでいて、電車で移動していると、ここ数年、特に美容脱毛の広告の圧倒的な量と種類の多さが気になり、写真を撮って観察を続けていました。脱毛広告からジェンダー規範として描かれる表象(イメージ)の変化に目が行きました。 ――どんな広告ですか? 女性向けだと、「どんな美人も、3日で生える」といったキャッチコピーで容姿に対するコンプレックスをあおる広告があります。 一方、プラスサイズモデル(平均より大きな身体のモデル)のように体形を個性ととらえる「ボディーポジティブ」の流れのなか、タレント渡辺直美さんを起用した広告もありました。 近年は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の採択や性的少数者をとりまく社会を反映して、ジェンダーや人種、体形をめぐって、画一的な美しさだけを推奨するのではなく、多様性をたたえる機運が高まってきました。 しかし、広告を観察していくと、ルッキズム(外見至上主義)のルールに、ジェンダーや体形にまつわる価値観がオプションのように加えられただけで、美容産業が作り出す表象が、ルッキズムに加担していることがみてとれます。 ――男性の脱毛広告はどうですか 男性の脱毛サービスは201… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル