ビジネスの力は公平で持続可能な社会づくりに欠かせない。「朝日地球会議2023」のプログラムの一つ「ビジネスと人権」では、国連「ビジネスと人権指導原則」の3本柱(政府の保護義務、企業の尊重責任、救済へのアクセス)をふまえ、ビジネス現場での進め方について議論した。 国際人権問題を担当する初の首相補佐官を務めた中谷元衆院議員は、政府が指針を作って企業に取り組みを促し、公共調達で人権に配慮した企業を優遇する仕組みを作ったことなどを紹介した。 主要7カ国(G7)広島サミット(首脳会議)では、首脳コミュニケに国境を越えた商品やサービスの取引全体における人権課題への対応を盛り込んだと述べた。 130以上の国と地域で事業展開するJTサステナビリティマネジメント部の向井芳昌部長は、2016年に人権方針を定めたと説明。児童労働や環境への影響など九つの顕著な課題を特定したうえで人権を守る取り組みをしているという。 JTが21年につくった人権報告書では、まだできていないことも含めて、世界各国での進み具合を情報開示しているとも述べた。 大阪経済法科大の菅原絵美教… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安藤桃子さんと隈研吾さんが語るコロナ後 箱から外に飛び出す時代へ
新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限もなくなり、社会はすっかり元に戻ったようにも見える。一方で、コロナやインフルエンザの流行が続く。また別の新しい感染症が広がるかもしれない。そんな状況下で、コロナ禍を経て、都市や建築のあり方、人々の暮らしがどう変わったのか――。そうしたテーマで映画監督の安藤桃子さんと建築家の隈研吾さんが語りあったのが、朝日地球会議2023「ポストコロナの都市と建築 人のかたち」のセッションだ。 映画の撮影を機に高知に移住し、子供と一緒に暮らしているという安藤さんは、「世界中が停止したコロナという時間があったからこそ、それぞれが環境や職業ともう一度向き合って、本質に立ち返るような時間を過ごしたと思います」と切り出した。 安藤さん自身、「私は人としてどう生きたいのか、映画がこの世界に対して何ができるんだっていうことを深く考えた」という。そして今、力を入れているのが子供たちとともに映画をつくるワークショップだと明かした。 「子どもたちは、もうイコール未来。どういった世の中に生きていきたいのかという望み(を示してくれる存在)ですよね。そういったビジョンを、子供たちと共有したいと思って、子供たちとの映画作りのワークショップを始めました」 映画はシネコンでアニメしか見たことがない、という子供も含め1チーム12人ぐらいで、たった3日間で何もないところから一緒に、脚本を作り、撮影もし、上映と発表まで子どもたちがするというワークショップだという。 映画では主演が目立ちやすい… この記事は有料記事です。残り5437文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
埼玉の自民県議団 条例案の意見公募、代表的な意見や件数はすぐ公表
埼玉県虐待禁止条例改正案の事前の意見公募結果を非公開としたことで批判を受けた自民党県議団は、20日までに、今後は公募終了後速やかに「代表的な意見」の例を示し、条例案の議決後に原則として全ての意見の内容を公表するというルール案をまとめた。 案によれば、今後は、条例案の骨子をホームページで公開したうえで、意見公募を約1カ月間実施する。県内在住、在学、在勤者を対象とし、住所や名前も記すよう求める。 終了後は速やかに、代表的な意見を例示する。集まった意見の数と、提出者の人数も公表するという。 一方、全ての意見の内容は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
河村市長「きたんのない意見聞きたかった」 差別発言検証委の調査に
名古屋城天守の木造復元のバリアフリー対策をテーマにした名古屋市主催の市民討論会で差別発言があった問題で、市の検証委員会は20日、第3回会合を開いた。河村たかし市長がヒアリング調査に対して「討論会ではきたんのない市民の意見を聞きたかった」と話していたことが報告された。 6月にあった市民討論会では、計画されている木造天守にエレベーター設置を求めた障害者の男性に対し、他の参加者から「我慢せい」「ずうずうしい」などと差別発言が相次いだ。会場には河村たかし市長ら複数の幹部職員もいたが、誰も差別発言を止めず、その対応に批判が集まった。 検証委では10月末までに河村市長や副市長らへのヒアリング調査を実施。河村市長は差別発言を受けた男性については「傷つかれた方の思いを考えると非常に胸が痛む」といった趣旨の話をしているという。 外部有識者の委員からは、「市民討論会」では市民同士の意見の対立が想定できたとの意見があり、市の事前の対策や準備についての検証も進められている。ヒアリング調査の内容も踏まえ、検証委は年度内にも再発防止策も盛り込んだ中間報告書をまとめる予定だ。(寺沢知海) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「小さな学校」も統廃合しない 岐阜県山県市、模索する第三の選択肢
岐阜県山県市の公立小中学校で、今年度から「山県学園構想」のカリキュラムが始まっている。複式学級がある小さな学校も統廃合せずに存続させ、ほかの学校と合同授業をして大人数で学べるようにした。統廃合が進む全国の流れと異なる試みで、注目されている。(高木文子) 合同授業へ出発 「朝の会」はバスの中 10月下旬の朝。山あいにある山県市立いわ桜小学校の校庭で、5、6年生が合同授業へ向かうスクールバスを待っていた。校長らが運動会のために校庭を整備していると、何も言われなくても児童が手伝いを始めた。小さな学校ならではのアットホームな空気が流れていた。 全校児童は27人。5、6年生は計8人で、異なる学年が同じ学級で学ぶ複式学級だ。合同授業がある同市立美山小まではバスで18分。5、6年生と担任教諭は車内で「朝の会」をしながら向かった。 美山小は5、6年が1学級ずつある。そこにいわ桜小の児童たちも加わって、1クラス30人ほどになり、社会や英語、体育の授業を受けた。「みんなで意見を言おう」。社会の授業では、学校に関係なく4、5人のグループに分かれて意見をまとめた。英語もクラス内で次々とペアを変えて仲間と会話を交わす。体育のバスケットボールでは、混合チームをつくった。 休み時間を告げるチャイムとともに、両校の児童が校庭へ駆け出して鬼ごっこを始めた。美山小の山本夕莉さん(5年)は「一緒に鬼ごっことかで遊ぶようになった」。いわ桜小の桝本仁平さん(6年)は「最初は溶け込みにくかったけれど、今は話がしやすくなった。バスケやサッカーが大人数でできるから楽しい」と話す。 両校は市の構想に先行して、昨年度から5、6年生の合同授業を始めた。昨年度は週1回だったが、今年度は週3回に。いわ桜小の子が安心して学べるように、新学期のうちは教室内で近い席にしているが、だんだんとグループ活動で交流を増やしていく。 両校とも美山中学校の校区内。いわ桜小の高畑友宏教諭(48)は「中学校で同じクラスになる子たちなので、中1ギャップのハードルも取り除くことができる」と話す。今年度からは、美山中の体育大会にも両校の児童が参加した。 小中12校すべて存続 市教委が掲げる「山県学園構想」 山県市には公立の9小学校と3中学校があり、児童生徒は1681人(5月時点)。小学校のうち3校に複式学級があり、4校は全学年が1学級ずつだ。 市内の小中学校の適正規模はどうあるべきか。市教育委員会が一昨年に保護者にしたアンケートでは、1学級あたり15~25人の少人数教育を求める声が多かった。学識者や自治会、PTA関係者らでつくる検討委員会は昨年、小規模校のきめ細かな指導と、近隣校の仲間との学習を両立させる仕組みづくりを市教委に提案した。 これを受けて市教委が掲げた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性的少数者の働きやすさ、愛知県岡崎市がゴールド評価 全国で2市目
性的少数者が働きやすい職場環境かどうかを評価する今年の「PRIDE指標」で、愛知県岡崎市が最高評価の「ゴールド」を獲得した。自治体としては、昨年度に全国初のゴールド評価だった東京都国立市に次いで2番目という。 指標は、性的少数者の従業者支援に取り組む一般社団法人ワーク・ウィズ・プライド(東京都)が設けている。今年は大企業を中心に834社が応募し、うち705社がゴールド評価で、自治体では国立市と岡崎市のみだった。 項目として、①行動宣言②当事者コミュニティ③啓発活動④人事制度・プログラム⑤社会貢献・渉外活動がある。施策の実施状況を数値化し、5項目すべてで一定の基準を満たせば5点満点のゴールドになる。 岡崎市によると、性のあり方を勝手に第三者に明かす「アウティング」の禁止などを明文化した市条例を昨年4月に施行。同性カップルらを公的に認める「パートナーシップ」制度も、市の要綱ではなく条例で根拠づけた。 2017年度から職員向けに性的少数者による講義などの研修を開始。性の多様なあり方について、市内の小学校に市職員が出向いて教える「出前授業」も21年度に始めている。市職員互助会の結婚祝い金なども同性パートナーを対象にした。 中根康浩市長は20日の記者会見で「性的指向が働くことや社会参画の障壁になっては理不尽だ。一人ひとりが個性をいかせる岡崎市でありたいと思う」と強調した。(前川浩之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
エホバの元2世「輸血拒否を指示」 8年心臓手術できなかった男性も
キリスト教系新宗教「エホバの証人」の元2世信者ら2人が20日、国会で立憲民主党の聞き取りに応じた。元2世信者の男性は「医療機関連絡委員」という立場で、輸血拒否をするよう信者に指示を出していたと証言した。 エホバの証人における児童虐待の問題に取り組んでいる弁護士のチームは20日、虐待についてのアンケートの調査報告書を発表。元2世信者ら581人から回答が寄せられ、大半が輸血拒否カードの所持や「むち打ち」、学校行事への参加制限などがあったと回答した。 立憲民主党の聞き取りに応じたのは、グループのリーダーである「長老」という立場で「医療機関連絡委員」として活動していた元2世信者の男性と、元3世信者の男性(20)。 元2世信者の男性は、医療機関連絡委員について「輸血拒否の教理に関連する活動を専門的に行う内部組織」と説明。医学的知識はないのに、輸血拒否するよう信者たちに指示していたと明かし「輸血拒否についての報告書の指摘は真実を反映している。命に関わる危険な行為で、とめないといけない」と訴えた。 元3世信者の男性は、信者である両親から輸血拒否を強いられ、18歳までの8年間、心臓の手術をすることができなかったという。「輸血を拒否したのは、教団からの強制があったことが理由だと絶対言い切れる。今も、教団の教えで苦しんでいる子どもがいる。外から助けを差し伸べてほしい」と話した。(島崎周) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
吉川友梨さん、行方不明から20年半 両親らが情報提供を呼びかけ
大阪府熊取町で当時小学4年生だった吉川友梨さん(29)が行方不明になった事件で、友梨さんの両親や府警の捜査員らが20日、大阪市中央区の大阪高島屋前で情報提供を呼びかけた。 府警によると、友梨さんは2003年5月20日午後3時ごろ、小学校から歩いて帰宅中、自宅から約400メートル離れた路上で同級生とすれ違ったのを最後に行方がわからなくなった。 事件からちょうど20年半を迎えたこの日、両親らは友梨さんの顔写真を載せたチラシやポケットティッシュを通行人に配り、「捜しています」などと声をかけた。府内のサッカースタジアム2カ所や新神戸駅などの電子掲示板でも、情報提供を呼びかける動画を放映するという。 事件を担当する府警捜査1課の水舩伸太郎警部は「発見するためには情報が必要。どんなささいなことでも、思い出したら連絡してほしい」と話した。 府警はこれまでに延べ約10万9千人の捜査員を投入。今月13日時点で計5614件の情報が寄せられ、事件から20年を迎えた今年は333件の情報提供があったという。情報提供は泉佐野署捜査本部(072・464・1234)へ。(田添聖史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「グラスを置かずもう一口」 名工となったバーテンダーの瞬間の喜び
卓越した技能の持ち主に贈られる「現代の名工」に、福岡県内から今年3人が選ばれた。このうち、バーテンダーの倉吉浩二さん(63)=筑紫野市=は、この道45年。一杯のカクテルに精魂を込める思いを聞いた。 バーテンダーの腕を競う様々な大会で優勝を重ねてきた。シェーカーを振る時間を長くし、全身を使ってひねりを加える。独自の手法で仕上げるカクテルは、グラスに注がれた後も気泡が冷たさを保ち、味の厚みが損なわれない「絶品の味」と評価されてきた。 福岡県瀬高町(現みやま市)生まれ。スナックを経営する9歳上の兄の影響で酒を扱う仕事に興味を持ち、18歳の時、ホテルニューオータニ博多(福岡市中央区)のレストランでウェーターとして働き始め、やがてバーテンダーの道へ。 腕を磨き、23歳で全国のバ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌のタイヤ脱輪事故「不正改造の疑い高い」斉藤国交相が見解
札幌市西区の市道で軽乗用車から外れたタイヤが女児を直撃した事故で、斉藤鉄夫国土交通相は20日の閣議後会見で、「国交省としては、事故を起こした車は不正改造の疑いが高いと考えている」との見解を示した。 斉藤氏は根拠として、国交省で調査した軽乗用車の車検時の写真に言及。「不正改造は自動車の安全安心を脅かす重大な法令違反」と指摘し、「速やかに事故原因の究明が図られるよう、警察の捜査に全面的に協力する」と話した。 事故は14日午後1時半ごろ、女児が近くの幼稚園から徒歩で帰宅する途中で起きた。北海道警は車を運転していた男(49)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、送検。女児は意識不明の重体の状態が続いている。 事故を起こした車は改造され、タイヤと車体を固定するナットが緩んでいた可能性がある。北海道警は、改造と事故の因果関係や、違法な改造があったかなどを調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル