公共工事に関する参考見積もりを出させて、受注競争で有利な立場にした建設会社の社長から日常的に商品券を受け取っていたとして、北海道警は18日、余市町税務課長の庄木淳一容疑者(52)=余市町富沢町13丁目=を収賄容疑で逮捕し、発表した。また町内の建設会社「北悠建設」社長の広島健治容疑者(79)=同町大川町14丁目=を贈賄容疑で逮捕した。2人の認否は明らかにしていない。 道警によると、庄木容疑者は、建設水道部まちづくり計画課長だった2020年度から3年間、町が所有する建物の複数の解体工事に関して、入札や随意契約を行う前、事業費や予定価格を算出するために行う参考見積もりを、北悠建設に依頼するよう部下などに指示した。依頼は違法ではないが、業者には事前に発注内容の詳細を把握し、予定価格を容易に推測できる利点がある。実際、同社は数件の工事を受注した。 庄木容疑者には、参考見積もりの依頼によって有利な立場になった謝礼などとして、広島容疑者から合計約40万円相当の商品券を受け取った疑いがある。商品券は20年12月から23年8月中旬にかけて、6回にわたり受け取っていた。 道警は18日午後、余市町役場を家宅捜索した。斉藤啓輔町長は「町民の皆様に深くおわびする。二度と起こらないよう改めて職員のコンプライアンスの徹底を指示する」などとするコメントを出した。(新谷千布美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ミニオンやサンタ姿で一足早く初滑り 岐阜・郡上でスキー場開き
岐阜県郡上市高鷲(たかす)町のスキー場「ホワイトピアたかす」が18日、一足早く今季の営業を始めた。雪が舞うなか、県内外のスキーヤーやスノーボーダーが早朝から初滑りを楽しんだ。 10月10日から人工造雪機で整えたゲレンデは、幅約10メートルで長さ約1キロ。今後、人工降雪機も使ってエリアを広げていく。 同スキー場によると、岐阜県以西では最速のオープン。支配人の加藤共生さん(55)は「多くのお客に来てもらい、スキーシーズンを盛り上げていきたい」と話した。営業は来年3月31日までの予定。(溝脇正) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
馳知事発言、自民からも苦言「ぽろぽろ機密しゃべっちゃいかん」
土井良典2023年11月18日 18時00分 石川県の馳浩知事が、東京五輪の誘致をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)の委員に対し、内閣官房報償費(機密費)で贈答品を渡したという発言をした問題。18日に金沢市で取材に応じた知事は「事実誤認があった」としながらも、具体的な言及は避け、同じ回答を繰り返した。普段、遠慮ない「馳節」は影をひそめた。 発言は17日に東京都内の講演であり、それが報じられると、同日夜に「誤解を与えかねない不適切な発言だった」と発言を全面撤回する談話が出された。 18日の取材は、同日の国会議員との県政懇談会の後に、質疑の時間を設けるとの連絡が知事サイドから報道各社にあった。しかし、五輪招致にかかることや発言を撤回したことを理由に、発言の真意に踏み込むことはなかった。 馳知事は自らが開く毎週の随時会見で、「不規則発言が多い」と自虐を言いながらも、質問には時間をかけて自分の言葉で話すが、今回の発言は、火種が自身だけでなく、国会でも問題になりかねず、政権に「飛び火」する可能性もある。そのためか、この日は守りに終始した。 今回の発言については、県政懇談会でも取り上げられ、自民党の佐々木紀衆議院議員は「石川県を代表されているわけで、十分注意してご発言、行動してほしい」と苦言を呈した。今年の正月にプロレス興業に参加したことも踏まえ、知事の立場を考えて行動することを求めた。 自民党のあるベテラン県議は、「事実誤認って言っても、そんな国家機密にかかわることを間違えるわけがない。誤認ならどこが誤認なのかを話すべき」としたうえで、「(知事は)少しやっぱり発言が軽すぎる。プロレスラーだから、みなさんから親しみを受けるためにパフォーマンスもいいかもわからんが、もう完全なる公人なんだから。ぽろぽろ機密をしゃべっちゃいかんわね」と語った。(土井良典) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
土俵横にイタリア料理店 力士の朝稽古見ながら「新感覚」の朝食を
色鮮やかなイタリア野菜をフォークで口に運びながら、横に目をやると、見上げるような巨体がまわし姿でぶつかり合う――。そんな不思議な空間がこの時期だけ、福岡県久山町に現れる。 大相撲九州場所中の宿舎を町に構える湊部屋の稽古場だ。ガラス戸を隔てた隣は、地元でイタリア野菜を作る農家が営む朝食専門レストラン「キッキリッキー」。知らずに食事に来て驚く人もいるという。 家族で訪れた福津市の小学6年小川耕ノ介くん(12)は土俵を動きまわる力士のスピードに驚きながら、「おしゃれなお店のガラスの向こうにこんな世界があるなんて。不思議な境界線」。姉で中学3年のあかりさん(14)は「イタリアンと相撲って、新感覚。でも、案外合う。本場所も見に行きたい」と稽古に見入った。 部屋頭の諒兎馬(あきとば、24)は「最初は戸惑いました。でも、格好つけようと思って、気合が入ります」と笑う。 九州場所は19日で中日。まだしばらく、この光景を楽しめる。(岩田誠司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
求む! 50歳以上の団員 新設シニア劇団、「もうひと華咲かせて」
「みんなでもうひと華 咲かせましょう」。新たに旗揚げする劇団が求めるキャスト・スタッフは50歳以上。シニア向けの劇団として、メンバーを決めるオーディションを12月2日に開催する。劇団の名前は「百花繚乱(りょうらん)」だ。 新たな劇団づくりは、前橋市の「劇団ザ・マルク・シアター」が呼びかけている。マルクを主宰する生方保光さん(63)によると、シニア向けの劇団の構想は10年ほど前からあった。一度演劇を離れた仲間が戻ってくる受け皿が県内にはなかったからだ。マルク結成40周年の節目を迎えて実現させることにしたという。 マルクは、1983年のあかぎ国体のスポーツ芸術部門の作品「上毛野の里」に参加した人たちが作った。「とにかく楽しかった」と生方さんは結成当初を振り返る。 群馬労働局の1年目で「毎日… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
創価学会の池田大作名誉会長が死去、95歳 教勢を飛躍的に伸ばす
創価学会の池田大作(いけだだいさく)名誉会長が15日夜、東京都内で老衰のため死去した。95歳だった。創価学会によると、近親者のみで家族葬を行った。お別れの会を別途開催するという。 1928年、東京生まれ。47年、戸田城聖(じょうせい)氏(創価学会2代会長)の指導を受け、日蓮正宗(しょうしゅう)の信徒団体だった創価学会に入会。戸田氏の病死から2年後の60年に第3代会長に就いた。会長在任の約20年間で、教勢を飛躍的に伸ばした。 75年からは国際機構「創価学会インタナショナル」(SGI)の会長を務めた。79年に創価学会の会長を退き、名誉会長に就任。その後も教団運営に大きな影響力を持ちつづけた。 創価大学、民主音楽協会、東京富士美術館、東洋哲学研究所などを創立。著書には、小説「人間革命」、対談集「21世紀への対話」などがある。 創価学会によると、「国連平和賞」「ブラジル南十字国家勲章」など諸外国の政府や国際機関から多数の賞を受け、多くの大学から名誉博士号を受けた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
色彩が消えた母は僧侶になった 「一発目があんたやで」息子に語った
「楽しんどいてや」 自宅を出る長男に声をかけた。 大学生になって初めての学園祭。翌朝になっても帰ってこなかったが、友達と一緒にいるんだろうな、と思っていた。 2009年11月2日。まだ早朝だった。 竹下暁代(あきよ)さん(54)=奈良県五條市=は、高校生だった次男の弁当を作り始めた。 携帯電話が鳴った。 「息子さんが心肺停止状態です」。救急隊からだった。 そこからの記憶は途切れ途切れだ。 搬送先の病院に駆けつけたが、最期の言葉も交わせなかった。 関西大1年だった康平さん。学園祭の打ち上げでボウリング場を出た後、同級生たちと車に乗り込んだ。その車が未明の大阪市内を走行中、道路脇の街灯に激突した。 あと4日で19歳の誕生日だった。 ひとり親家庭。ヨガインストラクターの仕事から帰ると、「お母ちゃん、食べてみい」。サプライズで、手作りの夕食が用意されていたこともあった。 近所の子どもにも、お年寄りにも優しくて。通夜で焼香してくれた人は、700人を数えた。 ◇ 「私の世界から色彩が失われてしまった」 心を覆う喪失感。逃れたくて、長い間、思いを巡らせた。 12年かかって、たどり着い… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原料・製法伝わってない古代の甘味料 特産の柿で甘さ再現し商品化
奈良時代の長屋王邸跡で出土した木簡や、平安時代の清少納言の随筆「枕草子」に登場する、古代の甘味料・甘葛煎(あまづらせん)。その独特の甘みを、奈良特産の柿の成分で再現した「甘葛シロップ」が商品化され、奈良市の店舗で販売が始まった。 甘葛煎は奈良時代には税として国に納められていた記録があり、各地で作られていたとみられるが、原料や製法はまったく伝わっていない。奈良女子大学の前川佳代・協力研究員らが、ツタ(ナツヅタ)の樹液を煮詰めて作られたらしいことを突き止め、2019年から「奈良あまづらせん再現プロジェクト」を立ち上げて、スイーツなどへの利用を探ってきた。 だが、最大の問題はその希少… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「京大にミスコン文化を持ち込むな」 卒業生のSNS投稿が議論呼ぶ
「京大にミスコン文化を持ち込むな」――。学園祭にミスコンがない京都大学の卒業生によるSNSへの投稿が議論を呼んでいる。京大の広報サイトが掲載した在学生のインタビュー記事で、外部のミスコンテストに参加した経歴を紹介したことについて、「ルッキズム」(外見至上主義)を助長しているという観点から批判したところ、賛否の反応が寄せられている。 京大広報サイトの記事が発端 投稿したのは、京大卒業生で教育学者の西郷南海子さん(36)。京大広報課が編集して10月25日にネット配信した記事「『ミス・ワールド・ジャパン』で2年連続、日本代表に! 女性リーダーの輩出を目指す京大院生の素顔に迫る!」についてX(旧ツイッター)に投稿した。 記事は、ミス・ワールドを「世界3大ミスコンテストのなかで最も歴史が古く、参加国数が多い」と紹介するところから始まる。その後、イギリスの大学院への留学経験や「グローバルリーダー」についての研究やミスコンの経験、今後のビジョンといった話が進む。 これに対し、西郷さんは京大広報課が記事でミスコンに触れたことを問題視する。京大の学園祭はミスコンをやらないということが長年の慣例で、「女性を見た目で序列化し、商品化することの問題です」と投稿で指摘。「ミスコンがあれば学祭がもっと盛り上がるのに、という意見があるそうですが、その考えこそが女性を見世物(みせもの)にしているのです」とも記した。大学に抗議の電話もしたという。 記事の後半では、西郷南海子さんに投稿した理由を改めてお聞きしたほか、京大広報課の見解を紹介しています。 一連の投稿には、5600件… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「退屈な記憶」エッセーに、離島育ちの書店員 ネット投稿で発掘され
ふるさとの離島で過ごした思い出と、書店員として過ごす現在の日常をリンクさせてつづったエッセーをネットにあげていたら、作家デビューにつながった。作者は「現実味がない」と語るが、自分の文章に読者が共感し、昔の記憶を思い出してくれることに喜びを感じている。 利尻島出身の工藤志昇(しのぶ)さん(35)は「三省堂書店札幌店」の書店員。 新型コロナの流行をきっかけに、エッセーを書き始めた。家の中にこもる時間が多くなり、暇を持て余していたからだ。 仕事中、ふとした瞬間に故郷の島の記憶がよみがえることがあった。 中学卒業まで生まれ育った利尻島は帰省でたまに帰るだけ。島を出てから過ごす時間のほうが長くなった。このまま子どものときの記憶を忘れてしまうのだろうか。 当時の「退屈な記憶」を形に残したくなった。 2021年ごろから、1カ月… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル