デジタル技術を駆使して高品質のミカンを収穫しようと、愛媛県八幡浜市の生産者と東京のIT企業がタッグを組んだ。経験と勘に頼ってきた水やりを、センサーを畑に埋めて土壌の水分量を測り、最適なタイミングでできるシステムづくりを目指す。 事業を進めるのは、JAにしうわ真穴(まあな)柑橘(かんきつ)共同選果部会(真穴共選、同市)と、通信会社「インターネットイニシアティブ」(IIJ、東京都)など。デジタル技術で地域の課題解決をめざす愛媛県のプロジェクト「トライアングルエヒメ」の一環だ。 「真穴みかん」で知られる同市真穴地区の240ヘクタールの畑に10月から、土壌水分を測るセンサー100個を深さ約20~30センチに設置。30分ごとにデータを集める。 11月末にセンサーを120個に増やし、本格運用を目指す来年以降はさらに増やす。ただ、真穴地区は起伏が激しい段々畑で、通信環境が良くない。センサー一つごとに通信機能をつけるとコストも増す。そこで地区に七つの無線基地局を設け、コストを削減しながらデータを集める仕組みをIIJがつくった。 真穴共選によると、ミカンの… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東大前刺傷、当時高2の被告に懲役6~10年の判決 東京地裁
東京大学前で昨年1月、大学入学共通テストの受験生ら3人を包丁で刺したなどとして、殺人未遂罪などに問われた当時高校2年の少年(19)=名古屋市=に対する裁判員裁判の判決公判が17日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であった。判決は懲役6~10年の不定期刑(求刑懲役7~12年)を言い渡した。 弁護側は、精神的に未熟な少年が起こした事件で更生を重視すべきだと主張。公判では、刑罰を科すか、保護処分を視野に家裁に再送致すべきかが争点になっていた。 威力業務妨害罪などにも問われた 起訴状などによると、当時17歳だった少年は、共通テスト初日の2022年1月15日午前8時半ごろ、東大弥生キャンパス(東京都文京区)前の路上で、受験生2人や通行中の男性(当時72)を殺そうと包丁で背中を刺し、2週間~3カ月のけがを負わせたとされる。 刺傷事件の直前に、東京メトロ南北線の後楽園―東大前間を走行中の電車内や東大前駅の構内通路で火をつけ、駅員らに消火活動や避難誘導などをさせた威力業務妨害の罪にも問われていた。 東大理科三類を目指して猛勉強 公判での検察側、弁護側の主張や少年本人の供述によると、少年は国内で最も偏差値が高いとされる東大理科三類を目指し、寝る間も惜しんで勉強したが、高2になると成績が低迷。秋の三者面談で志望校の変更を勧められた。両親にこだわりはなかったが、本人は受け入れられず、自殺を考えたが死にきれなかったという。 昨年の年明けに家出のために東京行きのバスのチケットを購入。到着日が共通テスト初日だと気づき、「東大付近で無差別に人を殺害したり、赤門に放火したりして、罪悪感を背負って、安田講堂の前で割腹自殺を遂げよう」と考えたという。 少年については、鑑定留置を経て、名古屋家裁が22年6月、情緒面の発達の未熟さを指摘しつつも、「保護処分を選択する社会的許容性を見いだし難い」として、刑事処分が相当だと判断。検察官送致(逆送)を受け、翌7月に東京地検が起訴した。(田中恭太) ◆悩みの相談先 【SNS相談】 〈NPO法人ライフリンク「生きづらびっと」〉 LINE @yorisoi-chat チャット https://yorisoi-chat.jp/ (月・水・金曜の午前11時~午後10時半、火・木・日曜の午後5時~同10時半、土曜の午前11時~午後4時半) 〈NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア「こころのほっとチャット」〉 LINE/Facebook @kokorohotchat チャット https://www.npo-tms.or.jp/public/kokoro_hotchat/ (毎日の正午~午後3時50分、午後5時~同8時50分、午後9時~同11時50分、月曜午前4時~同6時50分など) 〈NPO法人あなたのいばしょ〉 チャット https://talkme.jp/ (24時間対応) 〈NPO法人BONDプロジェクト〉 ※10代、20代の女性のための相談を実施。LINE @bondproject (月・水・木・金・土曜の午前10時~午後10時) メール hear@bondproject.jp (24時間受け付け) 【電話相談】 〈#いのちSOS〉 0120・061・338 (日、月、火、金、土曜は午前0時~翌午前0時、水・木曜は午前6時~翌午前0時) 〈いのちの電話〉 0570・783・556 (毎日の午前10時~午後10時) 0120・783・556 (毎日の午後4時~同9時) 〈チャイルドライン〉 ※18歳までの子どものための電話 0120・99・7777 (毎日の午後4時~同9時) チャット相談 https://childline.or.jp/chat (実施日はサイトに掲載、午後4時~同9時) ※2023年10月4日現在 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
350万年前の新種チョウの化石、世界で初めて発見 鹿児島大など
鹿児島大などの研究グループが、群馬県内で見つかったチョウの化石が新種であったと報告した。国内で新種のチョウの化石が確認されたのは初めて。化石は約350万年前の「鮮新世」のもので、この時代の新種のチョウ化石は世界初でもあるという。 鹿児島大の坂巻祥孝教授と慶応幼稚舎の相場博明教諭が調べた。化石は約40年前、群馬県南牧村の山中で大学生が卒業論文を執筆するため採集していたもの。当時の顕微鏡では解像度が足りず、同定できなかったという。 研究チームでは最新の高解像度顕微鏡を使い、これまで判別できなかった羽の脈や触角などの形を詳しく分析。鱗粉(りんぷん)が残っていることも分かり、新種であると証明できたとしている。 チョウはタテハチョウ科ミスジチョウ属。羽を広げた幅は32ミリ。研究チームは「チョウは体が軽いため水中に沈みにくく、化石になりにくい。進化を知る手がかりになる」と話している。化石は近く、群馬県立自然史博物館に寄贈される。(伊藤隆太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
発売前からSNSに感情的な反応 「射精責任」翻訳した村井理子さん
孤立出産の末に子を遺棄したとして女性が罪に問われる事件が後を絶ちません。望まぬ妊娠を防ぐため、カギを握るのは男性である――。そう提唱する話題の書「射精責任」(太田出版)の翻訳者、村井理子さんに聞きました。 今年の夏に出版された「射精責任」(太田出版)という本の翻訳をしました。発売前から、私や担当女性編集者のX(旧ツイッター)に「同意の上でセックスしたなら女にも責任がある」「妊娠を望まないならしなきゃいい」など、多くの感情的な反応が寄せられました。当たり前のことですが、セックスへの同意と妊娠への同意は同義ではありません。 著者が繰り返し訴えているのは…… 他にも匿名のアカウントから、容姿や年齢をあげつらったり、ひわいな言葉を使ったりする品のない攻撃が多く寄せられました。「射精」と「責任」という言葉の組み合わせでこうした化学反応が引き起こされた理由を考えると、社会に根づく深い男尊女卑を実感しました。 刺激的な書名ですが、ブロガーをしている米国人の著者、ガブリエル・ブレアさんが繰り返し訴えているのは「セックスをするから妊娠をするのではない。男性が無責任な射精をした時のみ望まない妊娠に至る」という一点です。女性は排卵のタイミングを把握できない一方で、男性はどこにいつ射精するのかをコントロールできる。カギを握っているのは男性であり、男性が責任ある射精をすれば、すべての望まぬ妊娠は回避できると提案しています。 出版のきっかけはブレアさん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都立戸山高校長から受験生へ 幅広い教養と自主自立で「何でも挑戦」
【校長から受験生へ】 近づく受験シーズンに向け、主に首都圏の中学・高校の校長から受験生へのメッセージを順次配信します。 友人と本音でぶつかり合い、人生の基礎を育む。何事にも主体的に挑戦する。東京都立戸山高の最大の魅力は、そんな生徒たちの存在です。 教養を深めることと自主自立を柱に、国際社会に貢献するリーダーの育成を目指しています。難関国公立大への進学を支援する都の進学指導重点校ですが、学校行事、部活動、委員会活動も盛んです。人生観や価値観について語り合い、濃密な時間を過ごせる学校です。 戸山の伝統は「教養主義」で、広く学問の基礎を学びます。3年間、文理分けはしません。漢文をそらんじる理系研究者がいても良いでしょう。幅広い教養を身につけることで、社会の激しい変化に対応できる土台を築き、人生を豊かにすることができます。 都立唯一、医学部めざすプログラム 目先の大学現役合格だけを目指すのではなく、幅広く学ぶと同時に、関心・興味のあることについて深めていく「知の探究」の精神は、社会に出て必要となる真の学力につながります。 自主自立は、生徒が自分自身… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ふるさと納税返礼品、地域貢献にかじ 「思いやり型」「移住者支援」
前橋市がふるさと納税の返礼品の見直しを進めている。これまで力を入れてきた障害者支援につながる「思いやり型」返礼品を拡充するとともに、移住者がつくった製品などの登録も始めた。念頭にあるのは地域貢献だ。「ふるさと納税本来の趣旨の『寄付を通じて地域に貢献する』をより推進したい」という。 ふるさと納税では、総務省が10月から、返礼品として認める地場産品の基準を見直すなど適正な運営を自治体に求めている。 返礼品競争が全国で激化する中で、前橋市は2017年から思いやり型返礼品を始めた。障害者施設でつくられた製品を返礼品に選んでもらうことで「誰かのためにもなるふるさと納税」として話題を呼び、賛同した岩手県北上市などと19年からプロジェクト「きふと、」を始めて全国の自治体に広がっている。 「スローシティ」目指す前橋、魅力を発信 今回、返礼品に加わるのは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
事故が続く交差点、見通し良いのに 記者の現場検証でわかった4秒
「近所の交差点で、交通事故が頻発しています。2023年だけでも10件以上発生していると推測します」 和歌山県田辺市に住む読者から和歌山総局に今月、こんなメールが届いた。 記者もよく車で通る交差点。見通しの良い直線道路にあるのに――。取材を進めると、意外な証言が寄せられた。 田辺市下屋敷町の県道にある「下屋敷町交差点」。扇ケ浜沿いから北東のJR紀伊田辺駅へと延びる県道のほぼ中間にある。この県道のうち約700メートルは直線で、よく見通せる。 交差点近くに住む人から話を聞いた。「昨年の春くらいから事故が増えたように思う」と話す。 田辺署によると、昨年この交差点で起きた事故の報告は5件。死亡事故などはなかった。今年の事故件数はもっと少ないという。ただ軽い接触の場合、警察に届け出ないドライバーもいるから、実際の事故件数はもっと多い可能性はある。 昨年、田辺署管内(田辺市、みなべ町)の交差点で、最も多く事故があったのは、田鶴(田辺市新庄町)で21件。ともに田辺市内の天王池(下万呂)、平田橋東詰(稲成町)のそれぞれ11件だった。 それらに比べると、下屋敷町交差点での事故件数は少ない。ただ、事故多発の原因は、交通量の多さや見通しの悪さなど、ある程度分析できるのが一般的。しかし、下屋敷町交差点で事故が続く理由については、警察関係者も首をかしげる。 記者は集めた証言をもとに、交差点で「現場検証」をしました。その結果から分かったものは。 下屋敷町交差点近くでパン店… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸女学院大に新学部「生命環境学部」 2025年度に開設
神戸女学院大学(兵庫県西宮市)は15日、現在の人間科学部環境・バイオサイエンス学科を改組し、2025年4月に「生命環境学部」(仮称)を新設すると発表した。 新学部には生命環境学科(定員80人)を設置。自然科学分野の知識を基礎とし、ビッグデータなどデータサイエンスを活用しながら持続可能な社会構築に貢献できる人材育成を目指すとしている。入試を24年度に実施する。 同大学には現在、人間科学部のほかに文学部、音楽学部があり、24年度から国際学部と心理学部が加わる。(真常法彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑者は「柿沢議員」 秘書、重鎮、区議…次々捜索 現金の趣旨焦点
東京都江東区長選をめぐって違法な有料ネット広告が掲載された事件は、現職国会議員の柿沢未途(みと)・前法務副大臣(52)=自民党=による現金買収容疑に発展した。東京地検特捜部は16日、柿沢氏本人を買収の容疑者とする家宅捜索令状を元に、関係先を広範囲に捜索。2ルートでの捜査を本格化させた。 この日の捜索は午前7時ごろに始まった。 柿沢氏の公設第1秘書は午前11時50分ごろ、捜索を終えた特捜部の係官と一緒に自宅を出て、そのまま任意聴取を受けた。江東区議らに現金提供を打診する役割を担った1人だった。 パソコン、手帳に柿沢氏の書籍も 柿沢氏の父・弘治元外相の代… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柿沢議員、捜索容疑は「現金買収」 江東区長選で区議に 東京地検
4月の東京都江東区長選をめぐり、地元選出の自民党衆院議員、柿沢未途(みと)・前法務副大臣(52)が、木村弥生・前区長(58)=15日付で辞職=を当選させる目的で江東区議らに現金を渡した疑いがあるとして、東京地検特捜部は16日、柿沢氏の江東区の事務所などを公職選挙法違反(買収)容疑で家宅捜索した。関係者への取材でわかった。 公設第1秘書を聴取 特捜部は木村氏陣営が選挙中に違法な有料ネット広告を掲載したという同法違反容疑で10月に区長室などを捜索していたが、捜査は現金買収容疑に拡大した。 この日の買収容疑での捜索は、柿沢氏の複数の秘書や、現金を受け取った複数の江東区議らの自宅などに及んだ。特捜部は同日、柿沢氏の公設第1秘書の任意聴取も行い、柿沢氏の地元事務所の捜索にも踏み切った。 柿沢氏「やましいところない」 柿沢氏はこれまでの朝日新聞… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル