文部科学省が小学6年生と中学3年生を対象に毎年実施する全国学力調査について、石川県教職員組合が7日、組合員の教諭らに実施した実態調査の結果を報告した。事前対策をしないように県教育委員会から通達があったにもかかわらず、授業中に対策をした学校が回答した分だけで約4割近くあったという。 今年度の学力調査は4月にあり、7月末に結果が公表された。中3の英語は、4年ぶり2回目の実施だった。石川県の結果は全5教科中、小6国語、同算数、中3数学の3教科で全国1位。残る2教科についても、中3国語が2位、同英語が4位だった。 実態調査は学力調査前後の3月末以降と7月以降の2回、組合員のいる272校に実施。3月末からの調査では、朝学習や宿題を含めて4月の授業中に事前対策をしていたかについて、回答した158校のうち、58校(37%)がしていたという。小学校で40%、中学校で25%だった。春休み中に対策した学校もあり、小学校で17%、中学校で14%あった。昨年度の調査では、回答した104校のうち、7割が事前対策をしたと答えていた。 7月の調査では、管理職から… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岡山市が職員の「孫休暇」導入へ 「病気の孫を看護」で年5日間など
岡山市は7日、孫の出生に伴う職員の休暇制度「孫休暇」を新設すると発表した。来年4月から導入する。市によると、孫の育児のための休暇は政令指定市では初めてだという。 新たに設けられる休暇は、①出生前後の期間、妊産婦をサポート(3日間)②日常的な育児をサポート(1歳まで5日間)③病気の孫を看護(6歳まで年5日間)④孫が遠方で暮らすケースなどを考慮し一定期間、育児をサポート(3歳まで通算6カ月間)、の4種類。①~③は有給で④は無給だ。 市によると、「特別休暇」の扱いで孫の出生ごとに申請でき、人数に制限はないという。市の担当者は「何人の職員に孫がいるか把握できないが、証明書の提出などは求めない」としている。 市の男性職員の育児休暇取得率は昨年度、56・7%。1週間以上育休を取得した比率も32・3%だった。市は来年1月から「1週間以上85%」の取得を目標に掲げるという。 大森雅夫市長は会見で「(育休を取得しやすい)空気づくりが必要だ」と述べ、孫の育児を理由に退職する職員を例に挙げて、「優秀な人材を失いたくない」との考えを示した。(水田道雄) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会の田中会長「心からおわび」 最大100億円拠出の意向
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長は7日、政府の解散命令請求後初めてとなる記者会見を開き、高額献金問題について元信者らにおわびした。 教団への批判が高まった昨年の安倍晋三元首相銃撃事件以降、高額献金問題について、教団トップが公式的におわびするのは初めて。 田中会長は会見の冒頭、「当法人の指導が行き渡らず、今までつらい思いをされてこられた皆様方に率直におわびしなければならない。2世の皆様、そして国民の皆様方に改めて心からおわびする」と述べ、頭を下げた。 一方で、解散命令請求に対しては「信教の自由、法の支配の観点から、到底受け入れることはできない。今後もその法的主張をしっかり貫いていく」と語った。 また、教団の財産保全措置のための法制定の議論が起きていることや、教団資産の海外移転が懸念されている点に言及。「解散命令の裁判が確定する前に、当法人の資産を海外に移転させるという心配は全くなく、財産保全措置法の必要性は全くない」と主張した。 「(教団側の)法的主張は必ず司法の場で認められるものと確信している」としつつ、司法判断が出るまでの間、「供託金」として国に60~100億円を拠出する考えを示した。年間の予算調整を踏まえた上で、めどを立てたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タワマンには頼らない 規制続ける神戸市、人口減でも見据えるリスク
全国で続くタワーマンション(タワマン)の建設。街づくりの中心に据えて活用する自治体も出る中、神戸市が公然と異を唱え続けている。事実上の規制条例の施行から3年。市は人口減少が止まらないが、市長はタワマンに頼らない姿勢を示す。(小川聡仁) 「高層タワーマンションは持続可能ではない。数十年すると廃虚化する可能性がある。造り続けることが、住宅政策として正しいとは到底思えない」 神戸市の久元喜造市長は10月12日の会見で、きっぱりと言い切った。 この日の会見の主題は、市の人口が22年ぶりに人口150万を切ったこと。久元氏は全国で進む人口減少の波が神戸にも押し寄せているとの認識を示し、人口が今後増加に転じる可能性は「ほとんどない」と述べた。 人口減少の原因について話す中で、久元氏が自ら触れたのが、市が続けるタワマン規制だった。 市内に建つ高さ60メートル以上のタワマンは、現在70棟以上。市は2020年の条例で、中心部でのタワマンの新規建設を規制し、総数を増えにくくしている。この策には、新たな住民を増やす機会を失っているという見方がある。 神戸市が懸念するタワマンの「リスク」 久元氏はこの見方があること… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「断罪して終わり」ではない 奈良のやせた鹿が浮き彫りにした課題は
奈良公園(奈良市)の柵内に収容されている鹿が衰弱しているとの内部告発を受け、奈良県は「奈良の鹿愛護会」の管理について、「収容環境が不適切」と結論づけた報告書を発表した。動物の保全生態学が専門で、奈良の鹿を調査してきた立沢史郎・北海道大特任助教は「愛護会の負担が大きすぎる。県は責任を直視すべきだ」と指摘する。どういうことか、立沢さんに聞いた。 ――獣医師の内部告発により県と市が調査に動いた。県は「収容環境が不適切」とする報告書をまとめた。どう受け止めているか。 県が設置した「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」の委員を当初から務める一方、愛護会と共同で奈良の鹿の調査を続けてきた。今回の事態は、なるべくしてなったと思うところと、ここまで来てしまったか、との思いがある。 たつざわ・しろう 専門は保全生態学・環境科学教育。現在は奈良の鹿愛護会との共同研究として、鹿の昼夜の分布数調査を実施している。 獣医師の仕事は飼育する個体の栄養状態をベストに保つことだが、愛護会の主な役割は天然記念物「奈良のシカ」という野生の集団を健全に維持することだ。両者の視点はもとから異なる部分があり、鹿の終生飼育が続く中で深まった溝があらわになったのではないか。 動物の飼育環境に配慮したアニマルウェルフェア(動物福祉)への関心が高まるなか、群れで暮らす動物とはいえ、野生の鹿を密集させる現在の飼育環境は改善の余地がある。しかしだからと言って、面積を広げれば済む問題でもない。 人手、施設、予算…すべてがキャパオーバーしている 強調したいのは、愛護会の負… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
月を生んだ原始惑星テイアの残骸か? 「地球内部に存在」と新説発表
45億年前の地球に衝突し、月誕生のきっかけとなった原始惑星の残骸が、地球内部に残っている可能性があると、米国などの研究チームが英科学誌ネイチャーに発表した(https://doi.org/10.1038/s41586-023-06589-1)。 月の起源については、火星ほどの大きさの原始惑星「テイア」が約45億年前の地球に衝突し、飛び散った残骸から生まれたとする「ジャイアント・インパクト説」が有力だ。だが、テイアの存在を示す証拠は見つかっていない。 米カリフォルニア工科大のチエン・ユエン研究員らが注目したのは、地球内部の謎めいた領域。地球の内部は、中心から金属の核(コア)、岩石のマントル、表面を覆う地殻からなるが、核とマントルの境界に、地震波が異常に遅く伝わる領域が2カ所ある。 アフリカと太平洋の地下2900キロにある二つの領域は、LLVP(巨大低速度領域)と呼ばれ、体積は月の体積に匹敵するほどの大きさ。周囲のマントルより物質の密度が3%ほど高く、明らかに異質だ。 研究チームは、テイアと地球の衝突をコンピューターでシミュレーションした。すると、衝突で双方の地殻とマントルが溶けて混ざり合い、飛び散った破片から月が形成された。 一方、衝突を受けた地球では、鉄が豊富なテイアのマントルの一部が、地球の奥深くに沈み込んで、核の上に蓄積した。それが周囲より密度が高い巨大な塊として、45億年たった今も残っている可能性があると研究チームは指摘している。 太古の巨大衝突の証拠が眠っているかもしれない地球内部。ただ、地下1千キロ以上を掘削する技術はなく、確かめるのは難しそうだ。 ユエンさんは「地球は難しいが、月内部の岩石を調べればテイアの存在を裏付けられるかもしれない」と話している。(石倉徹也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「学校制度は限界」 現役教諭が説く教員と子どもが幸せになる方法
「学校という制度は、もう限界」。では、どう変えればいいのか。教員の働き方や学校の役割について、現役教諭が大胆な提言の書を出した。 「先生2・0 日本型『新』学校教育をつくる」(さくら社)を8月に出版した、富山県魚津市立小学校教諭の能沢英樹さん(58)。2016年から6年間、県教職員組合で執行委員長などを務め、過労死した教員の公務災害の申請にも携わった。 命を失う人までいるのに長時間労働はなくならず、いじめや不登校は深刻になるばかりだ。「学校の役割を見極め、制度にのっとって働くことで、教員も子どもも幸せになれると伝えたかった」と語る。 著書は、ブログやSNSへの投稿をベースに編んだ。過去約30年間に、社会や教育界に起きた変化を振り返り、調査や統計を引用しながら、子どもと学校の現状を分析。教員の負担を減らす具体的な手だてや、進め方を提案している。 「同年齢の子どもを集めて一斉に勉強させることが学校の苦しさの根源」と捉え、対応策として「学びの質を変えよう」と説く。 本物に触れたり、体験したりしながら、子どもが主体的に考える授業を増やし、テストや通知表は、なくすか最小限に。教員に生まれるゆとりを、学習成果が十分でない子に注ぐ。授業を受ける場所や、学ぶ内容を子どもに決めさせる「学習の自由」の保障も唱える。 「負の連鎖が起きている」 能沢さんは平成元(1989)年に教員になった。「全人的教育を請け負い、時間を問わず働くのが当たり前。サービス業という意識でスタートしました」 文部科学省は「ゆとり教育」を掲げ、2002年には学習内容を約3割減らした。だが、学力低下が批判されると「脱・ゆとり」に方針転換し、07年には全国学力調査を始めた。 教育内容ばかりでなく、行事や部活動にかける時間も増えた。本来、教員の勤務時間は7時間45分だが、16年の文科省の調査では、在校時間は小学校、中学校とも11時間を超えていた。 教員には残業代を払わず、代わりに給料の4%を上積みすると定めた法律が、その元凶だと能沢さんはいう。 「教員が150%の業務量を抱え、ゆとりがないから授業準備に時間がかけられない。授業がつまらないから、子どもの問題行動が増えて、さらに時間が削られる負の連鎖が起きています」 「熱意や長時間労働に頼らないと成立しないなら、制度設計そのものが破綻(はたん)している」と指摘する。 まず手をつけるべきは、小学校の行事、中学校の部活動だという。部活動は、「急に短縮するのが難しいなら1年に20、30分ずつでも」。大きな反発や、デメリットがあることも踏まえたうえで、「保護者や地域の人と話し合いながら、着地点を見つける作業が必要。できる教員が、できる範囲で活動時間を確保するべきだ」という。 学校の将来像については、大胆な構想を描く。時間割によって一斉授業をするが、参加するか否かは自由で、家からリモートで受けてもいい、といった具合だ。実現は難しそうにも思えるが「実際に、不登校がこれだけ増えている。自分で授業を選ぶぐらい、手綱を子どもに渡さないと」。 学校制度に危機感を抱き、発信を始めた人らの大きな輪の一部になって世論をつくれたら、と話す。(佐藤美千代) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無罪の元社長、特捜検事らの証人尋問を請求 「違法性の判断に必要」
大阪地検特捜部に業務上横領罪で起訴され、無罪となった不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(60)が「違法捜査で精神的苦痛を受けた」として国に損害賠償を求めている訴訟で、元社長側が大阪地裁に対し、担当検事らの証人尋問を請求したことがわかった。「違法性の有無を判断するためには尋問が必要だ」と主張している。 10月26日付。尋問の対象は、山岸氏や山岸氏の元部下、取引先の社長を取り調べた担当検事や、当時の主任検察官ら計4人とした。 元部下への取り調べをめぐっては、検事が「あなたはプレサンスをおとしめた大罪人」などと迫り、机をたたいたりしたことが山岸氏の刑事裁判などで明らかになった。地裁は9月、「違法性の立証に必要」として、国側に録音・録画映像の一部を証拠提出するよう命令し、国側が不服として即時抗告した。山岸氏側は「威迫行為の必要性を、検事ら本人に尋問で確認しなければならない」と訴える。(森下裕介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鹿の不適切飼育、奈良知事「任せきりにしていた」「県も連帯責任」
「キャパオーバー。えさも不十分」。農作物に被害をもたらしたとして、奈良公園の一角にある「鹿苑(ろくえん)」の特別柵内に収容している鹿の管理状況について、山下真・奈良知事は6日、不適切な環境で飼育されていたとする調査結果を発表した。飼育する一般財団法人「奈良の鹿愛護会」に「任せきりにしていた」とも述べ、県にも「連帯責任」があると認めた。 調査は、愛護会専属の獣医師からの「虐待」通報を受け、県が同会に鹿苑の管理許可を与える立場から実施した。 「飢え・渇き」「不快」「恐怖・抑圧」など、動物福祉の国際水準とされる「五つの自由」を指標とし、そのすべてに抵触していると指摘。骨が見えるなどやせている鹿が全体の2割いる▽えさの質や与え方に問題がある▽適正に飼育できる頭数を超過している、などとした。 愛護会への聞き取りでは、昨… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
樹齢1300年大イチョウ輝く夜 丹波常瀧寺11月4回ライトアップ
1300年前に植えられたと伝わる兵庫県丹波市青垣町の「常瀧寺の大イチョウ」が今月18日から土曜・日曜の計4回、ライトアップされる。4日の日没後、試験点灯があった。 大イチョウは高さ約30メートルで、県の天然記念物。寺から山道を30分ほど登ったところにある。ボランティアグループが大イチョウ周辺の整備を進め、昨年は1日だけライトアップした。市内外から訪れた人に好評だったことから今年は18、19、25、26日の4日間実施する。 午後5時45分~同9時。山道への入場は保険料込みで大人600円、中学・高校生300円。懐中電灯持参、登山用の靴で。雨天中止。詳細は「常瀧寺の大イチョウ再興プロジェクト」のホームページから。(青木康行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル