お笑いコンビ「デカダンス」・芦名秀介さん 昨年11月、僕はおじいちゃんを山梨県河口湖への1泊2日の旅行に連れて行きました。 すでに9月時点で99歳になっているので、少し遅い誕生日プレゼントです。晴れた暖かい日を選んで富士山が一望できるホテルを予約し、2人で暮らす川崎市の自宅を車で出発しました。おじいちゃんはその春に脳梗塞(こうそく)を発症して短期間入院したため、この旅に向けて、筋トレや散歩などの体力作りに励んできました。運転者の僕もお昼寝タイムやトイレ休憩場所など、おじいちゃんの体になるべく負担がかからないよう事前に細かくシミュレーションして臨みました。 目的地が近づくと、車窓から美しい紅葉が見えました。ホテルの部屋は露天風呂が付いていて、2人でゆっくり湯船につかりました。雄大な自然を眺めながら、いろんな話をしていると、おじいちゃんが「シンイチ(僕の父)とはこんなことできなかったなぁ」とポツリ。お湯から上がった後はふかふかの布団に仰向けになり、足の裏で滑らかなシーツの肌触りを確かめていました。僕が中高生時代に他界した両親に代わって親孝行をできているのかもしれない――そう考えると温かい気持ちになりました。 脳梗塞になったおじいちゃん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
戦前の広島の記憶のかけらを集めて 小さな美術館が図録に込めた願い
展覧会は一時的なものかもしれない。それでも、展示内容をまとめた図録ならば、後世に引き継がれる。広島の小さな私設美術館がこの夏に作った図録のコンセプトも「未来に伝えてほしい歴史があります」。企画制作したチームは「全国の人たちにも手にとってほしい」と願っている。 戦前のにぎやかな軍都・広島を紹介 《「ヒロシマ」は生きていた。それをぼくたちは知らなすぎた。いや正確には、知らされなさすぎたのである。》 1945年8月6日の米軍による原爆投下から13年後、写真家の土門拳が世に送り出した写真集「ヒロシマ」の一文である。 広島市西区の公益財団法人「泉美術館」で8月まで開かれた「広島の記憶」の狙いも「知られていない広島を伝えること」にあった。そして、図録「HIROSHIMA」(AB判、129ページ)にも、この一文が冒頭に書き込まれた。 今回の特別展で紹介されたのは、戦前のにぎやかな広島や軍都・広島の姿であり、占領下のプレスコード(52年まで続いた報道統制)があって公表できなかった原爆被害だ。 戦前の資料の多くは原爆で消失し、占領下では原爆被害に関わる写真や記事が検閲を受け、没収・廃棄された。そんな厳しい中、生き抜いた記録の数々が集められた。 戦前の資料がほとんどが消失し、没収・廃棄される中、どのように資料を集めたのでしょうか。 「我々の生活が一瞬にしてな… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新築マンションに住民が知らぬ擁壁 費用5千万円は誰が負担するのか
盛り土や崖の崩壊を防ぐための「擁壁(ようへき)」が崩れる事故が近年、全国で相次いでいる。老朽化や管理不全などのためで、死者が出たケースもある。所有者による日常の管理が欠かせないが、存在が知られないまま放置され、撤去に多額の費用がかかる例も出ている。 横浜市港南区の京急上大岡駅から勾配のある坂を20分ほど歩くと、坂の頂上の一角に白い外壁のマンションが見えてくる。2013年完成の7階建てで、8千平方メートル以上の敷地に建ち、100世帯以上が暮らす。 22年1月、マンションの管理会社を変更するための見積もりで、敷地内を調べていた新しい管理会社の担当者から、マンション管理組合の理事はこう言われた。「古い擁壁を撤去して欲しい」 指摘された場所に行くと、隣接する老人ホームとの間に幅約1メートルの通路があり、高さ3~5メートル、長さ約30メートルの石積みの擁壁があった。道路に面した入り口の扉は常時施錠され、擁壁と反対側はフェンスで覆われている。マンション入り口と反対で、理事らも初めて入る場所だ。 1960年代のものと推定 内部に空洞二つ 重要事項説明書に記載はなく、大半の住民が存在を知らなかった。住民が依頼した専門業者の調査で1960年代のものと推定され、内部に空洞が二つできているとされた。連絡を受けた横浜市は調査でひび割れなどを確認し、改善を図るよう文書で通知した。 崩落事故などで被害が出た場合、所有するマンション住民らが責任を負う。一方で、補修には1千万円ほど、造り直すには5千万円以上の費用が必要になる。 なぜ古い擁壁が残されたのか。 ■造成の許可申請、擁壁を除く… この記事は有料記事です。残り999文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「パナマ運河と同じ」アトラクション感覚 琵琶湖と京都を結ぶ船の旅
大津・三井寺と京都・蹴上(けあげ)を結ぶ「びわ湖疏水(そすい)船」。航路を琵琶湖の大津港まで延伸した試乗会が、9月28日に開かれた。広々とした琵琶湖上での航行や、水位を調整する大津閘門(こうもん)の通過を体験。「疏水探検」を満喫した。 びわ湖疏水船は、明治時代に完成した第1琵琶湖疏水(大津―蹴上間約7・8キロ)で、春秋限定で運航している観光船だ。 現在は大津市内の三井寺周辺まで。官民でつくる協議会が、来年度中に大津港までの航路延伸(三井寺―大津港間約1・5キロ)をめざしている。 「チャーリー」さんの流れるようなガイド 汗ばむ陽気となった9月28日。試乗会は、プロジェクトのクラウドファンディングに応じて寄付した人や、報道各社に向けて開かれた。 記者が乗ったのは「へいせい号」。午前11時20分、琵琶湖汽船のスタッフの見送りを受け、大津港を出港した。 船首に座るのは、ガイドの女… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
かまれると痛いブユ、有効策は? 教授と住民が協力して独自に研究中
人の皮膚にかみつき、痛みを与えるハエ目の昆虫ブユ。地域によってブト、ブヨとも呼ばれる虫の生態を調べ、具体的な対策を考える研究が新潟県柏崎市の山間地、別俣地区で始まった。住民グループが2020年から独自に続けてきた生息数調査に基づく取り組みで、研究者と地元が協力して環境にも配慮した対策の構築を目指している。 かむのはメス、「清流の証し」 研究を主導するのは信州大の平林公男教授(61)。蚊など人体に有害な衛生動物を調べてきた。 平林教授によると、ブユで人にかみつくのはメスだけで、産卵のために必要な血を吸う。日本では病原菌を媒介することはないが、皮膚に赤みが残り、人によってはアレルギー症状を起こすことがあるという。水中にいる幼虫はきれいな水でなければ生きられないため、ブユは「清流の証し」ともされている。 別俣など同市の鵜川上流地域はブユの被害が以前から多かった。市は13~16年度に平林教授の協力を得て、被害の実態や生息地域に関する調査を進めた。 被害をもたらすブユが「ヒメアシマダラブユ」であることや、夕方の飛来数が多いことなどがわかったが、潜む場所などは判明しなかった。このため別俣では、市の調査終了後も住民たちの取り組みは続いた。 米国製装置で捕獲して冷凍保存 20年になると、今後の地域… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
移住成否のカギは「伴走」 地域おこし協力隊、地元トラブル防ぐ極意
大川香菜さん(39)は2013年、長崎県壱岐市の「地域おこし協力隊」の隊員になったことで、人生が大きく変わった。 岩手県陸前高田市の出身。自身は東京で働いていて無事だったが、父親の実家は東日本大震災の津波に流された。漁師の家系で育ち、小さい頃は磯遊びが大好き。都会生活は嫌いではなかったが、やはり海のある暮らしが恋しい。「海女さんにあこがれて。潜って採って食べるシンプルな暮らしがいいな、と思ったんです」 ちょうどそのとき、壱岐市が地域おこし協力隊員を募集した。募集の条件が海女の後継者だった。「すぐに応募しました」。壱岐の海女は当時約60人。高齢化も進む。彼女は実に25年ぶりに現れた後継者だった。 地域おこし協力隊とは、青年海外協力隊の国内版として総務省が09年度に創設した。隊員は都市から過疎地に移住し、地場産品の開発や農林水産業などを担う。09年度は31自治体89人だったが、田舎で暮らしたい若者に人気となり、22年度は1116自治体が6447人を採用した。国会では総務省の「ヒット商品」と評される。 総務省がプッシュしながら、受け入れ自治体数が伸び悩む地域おこし協力隊。ミスマッチや地元とのトラブルを減らすために、必要なことがあります。 隊員の4割が女性。7割が2… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生成AIを使って書いた記事、盗用で謝罪 専門家「技術以前の問題」
ウェブメディアが生成AI(人工知能)を使って書いた記事が、他の報道機関の記事からの盗用だったとして、公開が取り消された。ChatGPT(チャットGPT)に使われている言語モデルをベースに作ったシステムを用いていたという。急速に広がるAIの活用。今回の問題は「氷山の一角」という懸念もある。 「剽窃・盗用に該当」 「既存の記事にフリーライドしたものであり、新たな価値や見解、議論などを生み出しておらず、社会的・倫理的に問題があることは言うまでもありません」。 ウェブメディア「The HEADLINE」は9月15日、自社サイトに謝罪文を掲載し、8月18~23日に公開した49本の記事の公開を取り消したことを明らかにした。これまでに生成AIを使って作成した全ての記事だという。 このうち15本は、出典を明記しないまま、既存の記事と「一字一句同一の記述が25文字以上連続して確認」されたとして、「明らかな盗用・剽窃(ひょうせつ)を確認できる」と発表した。このほかの多数の記事でも、記事の構造や情報の取捨選択などに類似性が認められたという。 このメディアは昨年1月に始まり、「政治や経済、テクノロジー、社会問題などのニュースをわかりやすく解説するメディア」と掲げる。石田健編集長によると、スタッフは10人弱で、多くがエンジニア。編集者は数人だという。 最初に盗用がわかったのは、8月22日に公開された、大手建設会社が都内に建てる大型ビルの竣工(しゅんこう)が遅れていることを伝える記事。記事の末尾に、開発途中のAIによって生成された記事であると付記していたという。 公開翌日、日本経済新聞と日経クロステックの記事と酷似していると日経側から指摘を受け、「剽窃・盗用に該当すると言える」と認めた。 日経新聞社は朝日新聞社の取材に対し、両者の記事1本ずつが被害にあったと説明し、「今後の対応を検討中」とコメントした。 他に盗用が発覚した記事については、The HEADLINEの運営会社は、内容を明らかにしていない。 この生成AIは、どんな仕組みだったのか。 石田編集長の説明によると… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会「速やかに解散命令を」 弁護士連絡会が声明
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は30日、東京都内で集会を開いた。10月にも政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を請求する方向で検討していることを評価し、請求に対しては裁判所が速やかに審理して解散命令を出すよう求める声明を発表した。教団財産の隠匿、散逸が懸念されるとして財産保全のための特別措置法制定も政府や各政党に求めた。 声明では教団に対し、過去の被害に向き合い、謝罪し賠償するよう求めた。教団が「教団改革を進めており、2009年に『コンプライアンス宣言』を出して以降は相談も裁判も急減している」と主張していることに反論。全国弁連が昨年受け付けた相談件数は281件、被害総額は45億円に上るほか、弁護士が交渉や訴訟を受任した事件のうち09年以降の被害は140件、被害額は19億円に上ると指摘している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会の解散請求へ 文科省、10月12日にも審議会
2023年9月30日 20時00分 「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)をめぐって政府内で解散命令請求に向けた調整が進むなか、文部科学省が、10月12日にも有識者らでつくる宗教法人審議会を開く方向で検討していることがわかった。同審議会の意見を聞いたうえで請求に踏み切る方針だ。 文科省はこれまで、宗教法人法に基づき「報告徴収・質問権」を教団に行使する際や、質問権に基づく調査への回答が不十分だったとして教団に行政罰の「過料」を科すよう東京地裁に求めた際も、事前に同審議会の意見を聞いている。解散命令請求にあたっても同様に意見を聞く必要があると判断したとみられる。 教団の活動について文科省は、昨年からの調査で積み上げた証拠に照らし、同法に基づき裁判所が解散命令を出すことができる「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」ケースに該当すると判断。政府内では現在、解散命令請求の時期についての調整が進められている。 過去に、「法令違反」を理由とする解散命令が確定したのは、地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教と、霊視商法詐欺事件で幹部らが摘発された明覚寺の2例のみ。いずれも最高幹部が立件され、組織的な刑事事件として訴追された事例だ。 一方、旧統一教会をめぐってはそうした刑事事件はなく、文科省が解散命令を請求した場合、教団側は全面的に争うとみられる。 解散命令を出すべきかをめぐる審理は非公開で行われ、双方の主張を聴いたうえで裁判所が決定を出す。当事者の双方は不服があれば、高裁、最高裁へと抗告できる。 解散命令が確定すれば、宗教法人という法人格を失って税制優遇がなくなるが、任意団体として宗教活動を続けることはできる。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ディズニーの粉末調味料でアレルギー誤表示 販売の5144個回収へ
オリエンタルランドは30日、東京ディズニーランドとディズニーシーで9月1~29日に販売した粉末調味料「トリュフ塩」と「マロングラッセシュガー」(いずれも5グラム)のセット計5144個を回収すると発表した。 中身を入れ違えたため、包装のアレルギー表示を誤ったという。同社は乳アレルギーのある人は食べないように呼びかけている。30日時点で健康被害の申し出はないという。 同社によると、ポップコーンやチュロスなどにかけて使う「トリュフ塩」と「マロングラッセシュガー」を食事券と合わせて9月から販売した。袋には東京ディズニーリゾート40周年の絵柄が入っている。 29日に購入客から「包装と中身が違う」と指摘があった。 宮崎市の工場で、乳が含まれるマロングラッセシュガーが、誤ってトリュフ塩の袋に入れられ、アレルギーの原因物質を「無し」と表示するなどの食い違いがあるまま、販売していたという。 同社は「ゲストの安全と健康は最優先事項であり、今後このような事態が再び発生することのないよう、食の安全に対し、全力で取り組んでまいります」としている。 同社は30日から商品の販売を停止。再開は未定だ。10月1日から対応窓口(0120・131・676、午前10時~午後5時)を設け、商品の交換などを受け付ける。(三井新) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル