有料記事 聞き手・田中聡子2023年7月15日 6時00分 思い浮かんだ問いをそのまま発する「素朴な疑問」。それは時に人を戸惑わせたり傷つけたりしてしまうものでもあります。ライターの武田砂鉄さんは「『素朴な疑問』が有効に作用することもある」と指摘します。話を聞きました。 素朴な疑問の多面性 素朴な疑問は、時に人を傷つけたり、戸惑わせたりしてしまうことがあります。その一方で、鋭い批判にもなり得る。誰に向けて発せられるかによって変化する多面性を持っていると感じています。 依頼されてもなかなか引き受けられない仕事に「人生相談」があります。「仕事を辞めようか迷っている」「パートナーとうまくいかない」などの悩みがつづられ、「どうしたらいいか?」と答えを求められる。しかし、文面上はハッキリした悩みのように見えても、書かれているのはその一部にすぎません。本当はより複雑な思いがあるはずだと思うと、「答えられない」と感じてしまいます。 求められる「分かりやすい説明」 日常生活の中でも、素朴な疑… この記事は有料記事です。残り877文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トランスジェンダーへの「素朴な疑問」 背景にある権力の勾配
有料記事 聞き手・田中聡子2023年7月15日 7時00分 「トイレはどうしているのか」「性器はどうなっているのか」――。出生時に割り当てられた性別に違和を覚えるトランスジェンダーの人たちに、そうでない人たちから「素朴な疑問」がしばしば向けられます。マイノリティーが安心して過ごせるスペースを運営するトランスジェンダー女性の奥田圭さんは、5年前の出来事をきっかけに、ネットで投げかけられる疑問に答えることをやめました。何があったのか、話を聞きました。 ――トランスジェンダーをめぐる「素朴な疑問」に、どのように対応してきたのでしょうか。 「素朴」装う揚げ足取りや攻撃も 「5年前、お茶の水女子大が… この記事は有料記事です。残り2771文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会「多摩市に制限する権限ない」 研修施設建設計画巡り回答
堀川勝元2023年7月14日 20時38分 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が東京都多摩市内で所有する土地をめぐり、阿部裕行市長が14日に会見を開き、教団側から「市には土地利用計画を制限する法律上の権限はない」と回答があったことを明らかにした。 教団は研修施設の建設を計画していて、3日から既存の建物の解体工事を始めている。これを受けて市が、宗教法人法に基づく解散命令が出ないことが確定するまで施設を建築しないかを確認する質問書を送っていた。 市によると、回答が届いたのは10日。代理人の弁護士名で5日付で書かれていた。関係者によると、文部科学省の報告徴収・質問権の行使について「違法」とした上で、「解散命令が出される可能性は皆無。土地利用計画に何ら影響を与えない」と主張しているという。 阿部市長は回答について、「建物を建てるときには大きな影響が出ると自覚していると思っていたが、自分たちの解釈を述べているのみで誠実な対応ではない。改めて教団には誠意ある対応を求めたい」と話した。(堀川勝元) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3歳児に熱湯かけ続けた男に懲役10年 殺意認めず、傷害致死を適用
山本逸生2023年7月14日 20時41分 大阪府摂津市のマンションの浴室で2021年、交際相手の女性の長男(当時3)に高温のシャワーを浴びせ続けて殺害したとして、殺人などの罪に問われた松原拓海被告(25)=同府羽曳野市=の裁判員裁判の判決で、大阪地裁は14日、懲役10年(求刑懲役18年)を言い渡した。坂口裕俊裁判長は「死亡する危険性を認識していたとはいえない」と殺意を認めず、傷害致死罪にとどまると判断した。 判決によると、松原被告は21年6月、3人で同居するマンションで、新村桜利斗(おりと)ちゃんの頭をクッションで3回殴って暴行。同8月、浴室で桜利斗ちゃんに高温のシャワーを浴びせ続けて全身にやけどを負わせ、熱傷性ショックで死亡させた。 被告がシャワーを浴びせ続けたのかどうかや、殺意の有無が争点だった。判決はやけどの状況や程度から、「意図的に相当時間かけ続けた」と認定。「浴槽側にシャワーを向けた状態で洗い場に閉じ込めた」とする弁護側の主張を退けた。 一方、殺意について、被告がシャワーをかけ続けていた際、やけどをした桜利斗ちゃんの肌の色が薄かった可能性を指摘した。その上で、「死に至る程度の熱傷を負わせていると気づかなかった可能性は否定できない」と判断。殺害の動機も証拠上はうかがえず、殺意は認められないとした。 量刑については、頭を殴る暴行など「虐待を繰り返す中で傷害致死の犯行に至っており、強い非難に値する」と指摘。「残酷で理不尽な犯行で、同種事案の中でも最も重い部類に位置づけられる」と述べた。 判決に対し、大阪地検の北岡克哉次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。(山本逸生) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
燃焼試験中に爆発のイプシロンS 来年度の初号機の打ち上げどうなる
秋田県能代市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)能代ロケット実験場で14日午前9時ごろ、小型ロケット「イプシロンS」のモーターの燃焼試験中に爆発があった。 半径約600メートル以内の立ち入り規制をしており、けが人はいなかった。 JAXAや県警などによると、実験場内にある試験棟で、ロケット2段目のモーターの燃焼試験中に爆発が発生。約2時間後に鎮火し、試験棟は全焼した。 燃焼試験は午前11時からの予定だったが、天候の影響で午前9時に始まった。約2分間燃焼させてモーターの性能を確認する計画だったが、約57秒後に爆発したという。JAXAは爆発の原因を調べる。 JAXAによると、イプシロ… この記事は有料記事です。残り496文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3連休は大雨と高温に要注意 東北は警報級大雨、名古屋は39度予想
宮野拓也2023年7月14日 21時00分 梅雨前線の影響で、東北を中心に15~16日にかけて大雨が予想されている。一方、関東甲信や東海などの太平洋側では、日中の最高気温が35度以上の猛暑日となる所もあるため、熱中症に注意が必要だ。 気象庁によると、日本の東までのびた梅雨前線は16日にかけて東北北部に停滞する見込み。前線に向けて暖かく湿った空気が流れ込み、東北や北陸で警報級の大雨となる可能性が高い。15日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で、東北200ミリ▽北陸120ミリ。16日午後6時までは、東北100~150ミリ。 西日本や東日本では太平洋高気圧が強まるのに加え、大陸側のチベット高気圧も張り出すことで気温が上がりそうだ。16日の予想最高気温は東京37度、宇都宮36度。17日は東京38度、名古屋39度などとなっている。(宮野拓也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電車内の痴漢、不同意わいせつ罪を適用 容疑で大阪市職員を逮捕
甲斐江里子2023年7月14日 21時30分 電車内で女性に痴漢をしたとして、大阪府警は14日、大阪市建設局職員の男(23)を不同意わいせつの疑いで逮捕し、発表した。「太ももは触っていないが、ふくらはぎは触った」と容疑を一部否認しているという。 府警によると、性犯罪の規定を見直した改正刑法の施行後、同容疑での逮捕は府内で初めて。 枚方署によると、男は13日午後、大阪市から大阪府枚方市へ走る京阪電車で、2人用座席の隣に座った20代女性の太ももやふくらはぎをなでた疑いがある。男は他の乗客らに促されて次の停車駅で降り、駅員が110番通報したという。 不同意わいせつ罪は、13日施行の改正刑法で定められた。暴行・脅迫や恐怖・驚愕(きょうがく)、地位利用など8項目の要因で同意しない意思を示すのが困難な状態にさせ、わいせつな行為をした場合に成立するとされる。 府警は8項目のうち、「予想と異なる事態に起因する恐怖・驚愕(きょうがく)」によって被害者が不同意の意思を示せなかったと判断し、逮捕に踏み切ったという。不同意わいせつ罪の法定刑は6カ月以上10年以下の懲役。 大阪市は「誠に遺憾。事実関係を確認の上、厳正に対処する」とのコメントを出した。(甲斐江里子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
IR土地鑑定「不存在」メール198通公開 従来の説明と違う内容も
有料記事 森下裕介 菅原普2023年7月14日 22時10分 大阪港湾局は14日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の建設予定地(大阪市此花区)の賃料算定をめぐり、市議会や情報公開請求に対して「存在しない」と主張してきたメール198通を公開した。不動産鑑定業者とのやりとりについて、従来の説明と異なる内容が含まれていた。 2019年8~11月に賃料算定のため実施した鑑定評価は、市が指定した4社がIRの開業を前提としない「IR考慮外」の条件で行った。市側はこの条件について、4社の意向を踏まえて同10月中旬に設定したと説明してきた。 一方、公開されたメールや添… この記事は有料記事です。残り494文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
組織委「不正防止の相互牽制が機能せず」 五輪談合、都が独自調査
太田原奈都乃2023年7月14日 21時34分 東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件に関し、東京都が14日、独自調査の報告書を公表した。官民の多くの組織の出向者で構成された大会組織委員会で、利害関係者が関連部署に配置されていた点などを問題視した。一方、別組織の都としては「関与が限られていた」とした。 都は潮田勉副知事をトップとする調査チームを作り、弁護士らとともに組織委派遣の都職員や受注業者らを聴取した。 報告書によると、組織委について「官民様々な出向者から構成され、利益相反の対策などかじ取りは非常に難しかった」と指摘。高水準の大会運営が求められるため、「出向者のノウハウを活用せざるを得なかった」としつつ、出向元との利益相反に関する規定がなかったり、給与を出向元が負担したりしていた構造などを課題とした。 そのため、大会運営組織が、ノウハウを持つ人材を直接雇用したり、出向者の給与を負担したりする仕組みを提言した。 また、談合事件の舞台となったテスト大会の業務委託について、大半の入札が「1社応札」だったことが組織委理事会で周知されなかったり、入札予定業者の「一覧表」を見た職員が問題視しなかったりした点なども課題に挙げ、「事業実施が優先され、不正防止の観点で相互牽制(けんせい)が十分に機能しなかった」とした。(太田原奈都乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「出向元に依存しない仕組みを」 五輪談合の反省、国際大会への課題
様々な組織からの出向者のノウハウを活用せざるを得ず、利益相反を防げない人材配置だった――。東京五輪・パラリンピックの談合事件を受け、独自の調査をしていた東京都が14日、報告書を公表した。不正防止の仕組みが十分に機能しなかったと、大会組織委員会の課題を指摘した。 都は、潮田勉副知事をトップとしたチームを作り、昨年11月から組織委の意思決定過程などについて調査した。検察官出身の弁護士ら外部有識者4人も参加。組織委に出向していた都職員156人や受注業者らに聞き取りをし、約80ページの報告書にまとめた。 報告書では、五輪・パラリン… この記事は有料記事です。残り598文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル