2023年7月5日 7時21分 神奈川県企業庁は4日、県営水道の平塚水道営業所管内で、水道メーターを点検員が確認せず、架空の値を報告し、それに基づいて料金を請求していたと発表した。 6月下旬、水道の使用量を疑問に思った大磯町の利用者から指摘があり、点検業務を委託している「宅配」(東京都文京区)が調査したところ、点検員(49)がメーターを目視せず、直近の使用量を参考に上乗せして報告していたと認めた。メーターは地下にあることが多いが、一戸建てなどで上に自家用車が駐車されていて、確認できなかったことが理由と話しているという。現在、この点検員が担当していた約4千件について調査中で、大磯町の事例のほか、4件について不正の疑いがあるという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不動産屋で飲んだコップ一杯の水道水 だから私は昭島に出店を決めた
東京でおいしい水を求めて飲食店主らが集うエリアがある。都内の自治体で唯一、水道を深層地下水のみでまかなう昭島市だ。ミネラルウォーターと変わらぬ水道水というが、その味とは。 中出悠太郎さん(37)は当時、いい場所を探し求めていた。初めての自分の店を開きたい。JR中央線や青梅線沿いで、いいところはないか。 たまたま立ち寄った昭島市内の不動産屋で、コップ一杯の水を出された。 衝撃だった。口いっぱいに広がった「甘さとまろやかさ」。開業場所が決まった瞬間だった。 パスタにもコーヒーにもビールにも 2年前に古民家を改装してオープンした「昭島パスタ工房」。中出さんはここで、昭島の水をつかって製麺したパスタをたっぷりのお湯でゆでる。パスタソースだけでなく、自家焙煎(ばいせん)の豆でいれるコーヒーにも水道水をつかう徹底ぶりだ。 いまや都内外から客が訪れ、予約だけで満席になる日もある。「水がいいおかげか、パスタソースが麺によくなじむ感覚があります」 千田恭弘さん(39)はJR昭島駅南口でクラフトビールをつくる。もちろん昭島の水を利用している。 脱サラして2018年に店を構える際、都内各地で出店場所を探した。以前から昭島に住んでおり、水の良さはわかっていた。 市内で化石が発見されたクジラの古名から、店名は「イサナブルーイング」。窒素ガスを使った、細かい泡とまろやかな口当たりが特徴のビールを醸造し、ビアバーも併設する。 ビールの風味は、水そのものの味よりも、醸造の仕方で大きく変わるが、「おいしいビールをつくる条件の一つは、水の良さで間違いない」と断言する。 うまさの秘密、市に聞いてみると なぜ昭島の水はうまいと言えるのか。 市によると、水道水のもとに… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遮断機下りない事案多発、ヒューズ損傷も 「ことでん」に改善指示
高松琴平電気鉄道(ことでん)長尾線の上福岡踏切(高松市上福岡町)で4月、遮断機や警報機が作動しないまま電車が踏切内に進入し、緊急停止する事案があったことがわかった。同社は過去2年半に同じような事案を4件起こしており、四国運輸局は重大事故につながりかねないとして同社に改善を指示した。 運輸局や同社によると、4月11日午後3時50分ごろ、長尾行きの下り電車が踏切に近づいた際、遮断機が下りず、警報機も鳴らなかった。電車の運転士は警笛を鳴らしながら急ブレーキをかけたが間に合わず、踏切内で停止した。踏切内に人や車などはおらず、けが人はなかった。 同社が調べたところ、近くの電柱の上に設置している踏切に電気を送るための変圧器のヒューズが破断していた。同社は全踏切275カ所のヒューズ454個をすべて交換した。 同社は2021年1月~22年4月にも同様の事案を4件起こしていた。事態を重く見た運輸局は、保安監査を実施。その結果、全踏切のヒューズについて、同社は21年度の検査ですべて「良」としていたが、4月の事案を受けて交換する前の時点で、少なくともヒューズ4個に損傷があった。メーカー推奨の耐用年数(10~15年)を大幅に超え、40年近く使用しているものが、上福岡踏切をはじめ約1割あった。ヒューズ自体を検査するよう想定したマニュアルもなかったことも判明した。 運輸局は同社に6月30日付で改善を指示し、今月末までに改善措置を報告するよう求めた。今後改善が進まず、再び違反行為があった場合は、改善命令を出す場合があるとしている。 同社の香川毅・踏切インシデント対策課長は「老朽化した踏切設備については、まず遮断機や制御機器を優先して更新しており、変圧器など周辺機器は後回しになった。コロナ禍もあって、更新が少しずつ後ろ倒しになっていた」と釈明した。 同社は、ヒューズは10年で交換する▽ヒューズの点検マニュアルを作る▽踏切の機器の回路を単純化して故障リスクを減らすため、踏切ごとに変えていた遮断機の下りる時間を一定にする、などの対策を決めたという。 同社の多田賢二・工務部長は「重く受け止め、二度とこうした事案を発生させないよう、職員全体が意識し、徹底して対策に取り組みたい」と話した。(福家司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
忘れられない避難所の「にぎんめし」の味 地蔵さんに今年も供えた
熊本豪雨から3年を前に、自宅が全壊した中神ゆみ子さん(73)は、熊本県球磨村渡の茶屋地区にある小さな地蔵に塩むすびを供えた。 「避難所でもらった塩味の『にぎんめし』の味が忘れられない」と、毎年供えている。 球磨川沿いに位置し、30軒ほどが立ち並んでいた茶屋地区のほとんどが被害に遭った。堤防拡張計画のため、集落は更地となり、JR肥薩線の線路も草に埋もれている。 「地蔵さん」とよばれる子安… この記事は有料記事です。残り292文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
横須賀市長の「女性が虐げられ」発言、何が問題? 腑に落ちない人へ
「女性のDNAの中に常に虐げられた歴史がある」。神奈川県横須賀市の上地克明市長(69)が市議会でこんな発言をし、抗議を受けて謝罪した。 公式な場でいまだにこうした発言が飛び出すのは、何が問題か腑(ふ)に落ちていない人も多いためでは――。専門家はそう指摘する。変える鍵は何か。 上地克明市長が発言を取り消し 発言が出たのは、6月8日の市議会本会議の自民党市議の一般質問で、人口減少社会におけるまちづくりについて「女性に選ばれるまち」について問われた際のことだ。 上地市長は「女性のDNA、ミトコンドリアの中に常に虐げられた歴史があって。その怨念(おんねん)、無念さが今の社会を構成していると思っている」「だからこそ反動形成で男女共同参画社会という話が出ている」などと持論を展開した。 市民ら3人は21日、「非科学的で根拠がないにもかかわらず、女性と、怨念や無念さというイメージを公の場で結びつけたことは無責任」として、発言の撤回や謝罪などを求める約1400人分のオンライン署名を提出。上地市長は「配慮を欠いた表現により不快な思いをされた方々がいることについて率直におわびしたい」と述べた。発言は会議録から削除された。 ミクロ→マクロの問題点 問題になった中には、市役所で女性がいない会議があることについて問われ、「それが私よく分からないんですが、私、結婚してからすべて女房が決定権を持ってたんで。全く逆で」と自分と妻の関係を引き合いに出し、「私にとっては仕事でも何でも男女の区別はまったくない。だから女性の数をある程度(増やすなど)しなきゃいけないっていう意味が今でもよくわからない」と述べたやりとりもあった。 政策の議論の中で、唐突に持ち出される「うち」の話。関西大文学部の多賀太教授(社会学)は、「女房が決定権を持ってきた」という言い方は、「家では妻の尻に敷かれている」といった言い方と似て、「社会的に権力を持つ立場の男性が、ある種のガス抜きのために、言ったり言われたりしがちな表現」だと指摘する。 「今回のような発言は、残念ながら本当に多くの議会や企業である」ーー。背景と解決策を、3人の専門家に聞きました。 ほほえましくとらえられる場… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
現首相も襲われ、問われる要人警護 政党に働きかけ 元首相銃撃1年
1年前に安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件を教訓に、警察は要人警護の仕組みを変えた。しかし4月に岸田文雄首相が襲われ、更なる対策を迫られた。いずれも選挙演説会場での事件。来たる国政選挙を念頭に、警察は主催者である政党側への働きかけを始めている。 昨年7月8日に奈良市の参院選演説会場で起きた安倍氏銃撃事件を受け、警察庁は警護の運用方法を定めた要則を全面的に改正した。従来は原則、都道府県警に任せていたが、都道府県警が作成した警護計画案を警察庁が事前に審査する仕組みに改めた。 警察庁によると、審査件数は昨年8月26日の新要則施行後、今年6月末までに約3100件。修正の必要がない割合は当初1割に満たなかったが、累計では約3割になった。現場での警護員の配置や指揮官の任務などに関する指摘が多いという。警察庁は「講じるべき措置への理解は現場に浸透している」とする。 3D再現装置導入 職員の海外派遣も 体制の強化も図られてきた。事件後に17道県警で警護専門の組織が発足し、警護員は全都道府県警で増員された。装備資機材では、現場を撮影し3次元(3D)画像で再現できる装置が、今年中に大規模な警察に導入される見込みだ。立体画像を警察庁に送り、審査に活用する。 また、警察庁職員を米国など海外の警護機関に派遣。訓練視察結果を参考に、警護対象者の動きを流れでとらえる新たな形の訓練を始めた。海外機関との合同訓練も行う予定だ。 こうした取り組みのさなか、安倍氏銃撃から9カ月後の4月15日、和歌山市の衆院補選演説会場で岸田首相の近くに爆発物が投げ込まれ、警察庁は新たな対策を余儀なくされた。6月1日にまとめた検証結果では、聴衆エリアの出入りの確認を主催者側任せにしていたことなどが原因とし、今後は警察と主催者側の連携を強めることにした。 警察庁は幹部が各党本部を訪れ、働きかけを始めている。都道府県警も党県連への要請を開始した。演説会場をできるだけ屋内にすることや、屋外の場合は聴衆との距離をとること、手荷物や金属探知機を使う検査の実施、検査について事前に情報発信することなどを求めている。 「グータッチしない」と約束も…… 政党側からは、「会場が屋内… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
インフルエンサー養成講座に100万円 コロナ下で契約トラブル急増
太田原奈都乃2023年7月4日 20時56分 あなたなら1年でフォロワーを増やせる――。ウェブ会議でこのような勧誘を受けて高額な契約をさせられるトラブルが増えている。「インフルエンサー養成講座」に100万円を支払った20代男性の事案について、東京都は4日、有識者らでつくる「都消費者被害救済委員会」に解決を付託した。同様の付託は初めてという。 都消費生活総合センターによると、男性には最初、「インフルエンサーになりませんか」というダイレクトメッセージがSNSに届いた。返信するとウェブ会議に誘導され、養成講座を勧められた。約80万円もする契約料にためらったが、「利益が出てすぐ取り返せる」などと説明され、分割払いで契約。1カ月後に解約したいと伝えると、「中途解約しても返金できない」と言われたという。 都はこの事案が、①特定商取引法が規定する電話勧誘販売に該当する②クーリング・オフが可能③「中途解約しても返金しない」とする事業者の主張は消費者契約法で無効と言える――などと判断した。消費者被害救済委は、都消費生活条例に基づき設置された知事の付属機関で、付託事案について弁護士らが審議し、当事者に解決をあっせんする。 新型コロナの影響もあってか、ウェブ会議を利用した契約に関する都内の相談件数は急増。2019年度は1件だったが、20年度は120件、21年度は231件、22年度は307件に上った。副業や就活などの講座をうたうものが多く、「軽い気持ちで参加した」という若い世代の被害が目立つ。 同センターは「話を聞くだけのつもりでも、高額な契約を勧誘されることがある」。高額な契約の場合、長期間の分割支払いを勧められることがあるといい、支払期間や総額、費用の内訳などを慎重に判断するよう呼びかけている。相談は、消費者ホットライン(電話番号188)へ。(太田原奈都乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
救えなかった14人の命 「共助の心」伝える灯籠の火 熊本県球磨村
今村建二2023年7月4日 21時00分 熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の跡地で4日夕、近くの小川集落の住民が14個の竹灯籠(とうろう)に火をともし、犠牲者の冥福を祈った。 3年前は、住民が次々に駆けつけ、救助活動にあたったが、14人の命が救えなかった。 「悔しさとともに、みんなで何とかしようとした『共助の心』を伝えていきたい」。集落の自主防災組織で会長を務める小川豊明さん(69)は話した。(今村建二) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌のホテル遺体、女性のような服装の人物立ち去る 所持品残らず
札幌市の繁華街・すすきののホテルで頭部の無い男性の遺体が見つかった事件で、女性のような服装をし、大型のスーツケースを持った人物が男性と一緒にホテルに入っていたことが、捜査関係者への取材で分かった。北海道警は、この人物が事情を知っているものとみて行方を追っている。 道警は4日、遺体で見つかった男性は、北海道恵庭市の会社員、浦仁志さん(62)だと判明したと発表した。 捜査関係者によると、1日午後10時50分ごろ、この人物が浦さんと2人でホテルに入り、約3時間後の2日午前2時ごろ、スーツケースを引いて1人で出ていく様子が防犯カメラに映っていた。小柄な体形で、つばの大きい帽子をかぶっていたという。 この人物は入る時は白っぽい… この記事は有料記事です。残り220文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子どもの貧困率11.5% 3年前より改善 ひとり親は半数近く困窮
所得水準などに照らして貧困の状態にある18歳未満の割合を示す子どもの相対的貧困率は、2021年に11・5%となり、3年前(14・0%)に比べて2・5ポイント改善した。ただ、ひとり親世帯でみると44・5%にのぼり、半数近くが困窮にあえぐ状況が続く。厚生労働省が4日公表した国民生活基礎調査でわかった。 同調査では相対的貧困率を3年ごとに公表。子どもの貧困率は、所得が中間の人の半分未満の世帯にいる子どもの割合のことだ。基準改定で単純比較はできないものの旧基準だった15年以降、改善傾向にある。直近の経済協力開発機構(OECD)の平均12・8%よりも低くなった。 各世代を含む全体の貧困率も15・4%で、前回18年より0・3ポイント低下。同省は貧困率が改善した要因として、コロナ禍に経済的支援策として配った特別給付金の効果のほか、働く女性の増加などによって所得が押し上げられたとみている。 一方、ひとり親世帯の貧困率は、前回48・3%から3・8ポイント改善したものの、依然として半数近くが貧困状態にある高水準となっている。OECD平均の31・9%を大幅に上回り、43カ国中で貧困率が最も高いブラジル(54・8%)や南アフリカ(49・8%)などに次いで8番目に高い。 一方、同調査からは少子高齢… この記事は有料記事です。残り336文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル