ペットのネコは、人間のお手本を見ても行動を改めない側面があることを、京都大などの研究チームが実験で明らかにした。イヌは行動を変えるという報告があり、チームはペット化の経緯や成育環境が違うことなどが背景にあるとみている。 人間は他人の行動を見ることで、自身で試行錯誤を繰り返すよりも効率的に行動を変えることができる。こうした能力は「社会的学習」と呼ばれる。イヌだけでなく、ウマやヤギでもフェンスの迂回(うかい)方法などの習得でみられるという。だが、ネコでは研究例がなかった。 京大の荒堀みのりさん(現・アニコム先進医療研究所)=比較認知学=らの研究チームは、ネコに研究へ参加してもらうための実験方法を検討した。 「ご褒美」として、特別感のあるおやつ(固形)を透明な引き出しや筒の中に入れ、人間が取り出す手本の動作を見たネコが、同じ動作でおやつの獲得に成功するかどうかを調べることにした。 引き出しの実験では、アクリル製の透明な箱とプラスチックトレーを組み合わせた物を使った。 トレーには木の棒が数本付いており、ネコはトレーに爪研ぎの動作をすることでおやつを引き出すことができる。 ボランティアで参加した猫カフェやペットのネコ45匹のうち、15匹はモチベーションが低かったり、実験装置への関心がなかったりして実験前に脱落。残りの30匹が人間の手本ありと手本なしのグループに分かれ、おやつゲットに挑んだ。 その結果、手本ありで2匹、手本なしも2匹がおやつを取ることができた。人間が触ったところを同じように触ったかといった行動面でも、両グループに差はみられなかった。 筒の実験では、直径11セン… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「一生かけたい、服づくり」 活況の古着市場から新たな価値創造
見知らぬ誰かが使っていた服を買って着る。そんな「古着」には、ためらいを覚える人が少なくない。それでも古着市場がいま、活況のようだ。 消費者庁の2021年調査(回答者2千人)では古着について「強い抵抗感がある」「やや抵抗感がある」と答えたのは計51・9%。一方、調査会社の矢野経済研究所によると、中古の衣料や服飾品を扱う「ファッションリユース市場」の規模は上昇傾向にある。19年は7200億円で、3年前から約1・6倍に増えた。メルカリなど、ネット上で手軽に売り買いできるフリマアプリの普及で中古品取引の認知度が上がり、「今後も(市場は)伸びていく余地がある」(調査を発表した20年時点)と見込む。 ゲオホールディングス(名古屋市)が展開するリユースショップ「セカンドストリート」では古着の買い取りと販売の量が21年度からの1年間で1・2倍に増えた。利用者は30~40代が最も多く、古着を中心に扱う都市型の店舗は20~30代の女性が多い。 新型コロナウイルスの感染拡… この記事は有料記事です。残り557文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小学校の校庭に舞い降りたメッセージ 500個の風船がつないだ奇跡
創立150周年を迎えた川崎市立生田小学校(多摩区)が約500個の風船を飛ばしたところ、各地から温かい返信が届いた。「つながり」の願いを込めて児童が放った風船が、いくつもの縁を生んでいる。 生田小は学制発布にともない、1873(明治6)年に誕生した多摩区内でも最も古い小学校の一つ。観音寺本堂を仮校舎として使い、五反田学舎としてスタートした。 創立当時の学区は広く、現在の百合丘小(麻生区)や南百合丘小(同)、西生田小(同)、東生田小(多摩区)などの学区が含まれていた。ピークの1976年には約2千人の児童が在籍していたという。 色とりどりの風船を大空に放った 今年の150周年記念行事に向けて児童たちがアイデアを出し合い、最終的にメッセージカードをつけた風船を飛ばすことになった。 土にかえる素材の風船を使い、保護者の協力も得てたくさんの風船を膨らませた。カードには「たくさんの場所でたくさんの笑顔がみられますように……」と記した。 4月25日午前11時半ごろ、「おめでとう」の掛け声とともに色とりどりの風船を大空に放った。 すると、4時間後の午後3時半すぎにファクスが届いた。 送信者は約120キロ離れた… この記事は有料記事です。残り1270文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガーシー容疑者に「自業自得」「事実を話して」 被害者らコメント
2023年6月4日 19時01分 前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)が4日、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)容疑で警視庁に逮捕された。被害者とされるデザイナーの男性は弁護士を通じ、「東谷氏には取り調べに素直に応じ、事実を話してもらいたいと思います。私に関する配信内容が事実無根であったことが一日も早く明らかになることを希望いたします」とするコメントを発表した。 同様に被害者とされるIT関連企業「ドワンゴ」創業者の川上量生さんは4日午後、「ガーシーが逮捕されるという報道がでているが、逮捕されること自体は本人の自業自得」などとツイッターに投稿した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
NHK現会長が異例の特命監査指示 前会長「先行投資は必要」と主張
NHKが未認可事業の整備費を支出しようとしていた問題で、局内で問題が発覚した後の調査の詳細が判明した。稲葉延雄会長が異例の「特命監査」を指示し、前田晃伸・前会長らの聴取を実施。前田氏は「先行投資は必要」「(事業認可のための)実施基準の変更は大前提だった」などと説明していた。しかし実際には基準変更の手続きはされておらず、特命監査は「ガバナンス上、非常に大きな問題がある」と結論づけたという。 問題になっているのは衛星放送(BS)番組のインターネット配信の整備費約9億円の支出について、昨年12月に前田氏や理事ら計9人が承認した稟議(りんぎ)プロセス。放送法は受信料収入の業務目的外での使用を禁じているが、BS番組の配信はネット業務の範囲を定めた実施基準に含まれておらず、実施には総務相の認可を得て基準を変更する必要があった。 稲葉会長は4月24日の理事会で特命監査を指示。複数のNHK関係者によると、稟議に関わった前田氏や理事らを5月上旬にかけて聴取した。特命監査はNHKの規程で定められ、定期監査などと異なり会長自ら指示する監査。NHK関係者によると「特命監査での会長経験者の聴取は聞いたことがない」という。 聴取に対し、前田氏は「先行投資は必要であり、関係役員に説明するよう指示した」と話す一方、基準の変更が前提だったと述べたという。 また、当時経営企画担当の専務理事だった伊藤浩氏は「環境が整えば始めるための準備作業だった。(前田氏から)後ろめたさを持つ必要はないとのことだった」などと語り、問題があるとは認識していなかったとの趣旨を話したという。 一方、他の理事は「(BS配… この記事は有料記事です。残り1116文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タリウム事件で警察が描く「財産目的」 容疑者は黙秘、直接証拠なく
有料記事 甲斐江里子 田添聖史2023年6月5日 5時00分 タリウムで叔母(61)を殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で再逮捕された元不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)=京都市左京区=が黙秘を続けている。大阪府警は状況証拠を積み重ねて「財産目的」の構図を描くが、立証へのハードルを指摘する専門家もいる。4日までの容疑者の勾留期限は10日間延長された。 事件発覚のきっかけは昨年10月だった。宮本容疑者と飲食した立命館大学3年の女性(当時21)の体調が急変。大阪市の病院に運ばれたが亡くなり、吐いた物などから致死量(約1グラム)を超えるタリウムが検出された。 府警が容疑者の周辺を調べると、不動産会社を経営していた叔母が2020年7月から意識不明で入院していることも判明し、血液などからタリウムが検出された。叔母に持病はなかった。 「タリウム」「殺人」検索 さらに… 府警はまず、女子大学生への殺人容疑で今年3月に宮本容疑者を逮捕した。捜査関係者によると、飲食店や大学生の自宅の防犯カメラの映像などから、大学生が体調を崩すまで、容疑者と大学生が2人きりだった可能性が高いと判断。容疑者が事件当日、タリウムについて検索した履歴も残っていたという。 一方、叔母の事件は約3年前で、防犯カメラの記録は残っていなかった。容疑者のスマートフォンの位置情報から、叔母が体調悪化前に容疑者と会っていた可能性があることはわかったが、親族であり、「決め手」にはならなかった。 府警はさらにスマホを解析… この記事は有料記事です。残り1095文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガーシー容疑者、報道陣に笑みを浮かべる場面も 空港到着後の様子は
狩野浩平 上沢博之2023年6月4日 19時08分 【動画】成田空港に到着したガーシー容疑者。その場で逮捕され移送された=竹花徹朗、伊藤進之介撮影 著名人らを繰り返し脅迫したなどとして警視庁は4日、暴力行為等処罰法違反容疑などで、前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)を逮捕した。 東谷容疑者は4日午後5時15分ごろ、約10時間のフライトを経て、アラブ首長国連邦(UAE)から成田空港に到着した。空港内の一室に移され、約20分後に逮捕状が執行された。 東谷容疑者は十数人の捜査員に囲まれ、報道陣の前に姿を現した。水色の半袖シャツに白い半ズボン、茶色のサンダル姿。報道陣に言葉は発さなかったが、笑みを浮かべたり、居合わせた一般客に会釈したりする場面もあった。その後、入国手続きを終え、地下駐車場で白い捜査車両に乗せられ警視庁本部に向け移送された。(狩野浩平、上沢博之) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無免許運転の疑いでプロゴルファーを逮捕 免許取り消し後も運転か
2023年6月5日 0時30分 兵庫県警神戸西署は4日、神戸市西区宮下3丁目、プロゴルファー近藤玲央(れお)容疑者(25)を道路交通法違反(無免許運転)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。「間違いありません」と認めているという。 署によると、近藤容疑者は同日午後7時半ごろ、自宅前で無免許のまま乗用車を運転した疑いがある。昨年9月に免許取り消し処分を受けており、無免許運転の疑いがあるとして署員が自宅近くで張り込んでいたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能楽師大鼓方で人間国宝の亀井忠雄さん死去
2023年6月5日 0時34分 能楽囃子(はやし)葛野(かどの)流大鼓方で人間国宝の亀井忠雄(かめいただお)さんが3日、肺炎で死去した。81歳だった。通夜は7日午後6時、葬儀は8日午前11時から東京都文京区大塚5の40の1の護国寺桂昌殿で。喪主は長男広忠(ひろただ)さん。 東京都出身。父親で能楽師の亀井俊雄さん(人間国宝)らに師事。02年に人間国宝に認定。04年に紫綬褒章。12年に旭日小綬章を受章。19年に日本芸術院会員。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「思い出すのはつらそうでした」はだしのゲン50年、筆者の妻が語る
原爆が投下された広島で力強く生きる少年たちを描く漫画「はだしのゲン」の連載開始50年を記念して、アニメ映画版の上映会が4日、広島市西区の横川シネマであった。作者の故・中沢啓治さんの妻、ミサヨさん(80)も参加。執筆中の啓治さんについて「当時を思い出すのはつらそうでした」と語った。 連載は「週刊少年ジャンプ」の1973年6月4日号から始まった。上映されたアニメ「はだしのゲン」は83年の制作。主人公ゲンの生い立ちから被爆、8月6日に生まれた妹の死までを描く。脚本は啓治さん自身が手がけた。 上映に先立ち、ミサヨさんがあいさつ。自分の被爆体験をもとに「ゲン」を14年間執筆した啓治さんについて、「ゲンと共に漫画家人生を歩んできた。自分と同じ思いを誰にもさせてはいけないと強く思っていた」と振り返った。 啓治さんは物語の展開を徹底して考え抜いて、納得してからでなければ原稿にしなかったという。「当時を思い出すのはつらそうでした。戦争のない平和な世界こそが(啓治さんの)願いであり、核兵器廃絶にもつながると考えています」と話した。 この日は、啓治さんが広島を巡りながら、被爆体験を証言したドキュメンタリー映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」も上映された。(興野優平) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル